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RPGツクール3 - (2014/05/11 (日) 09:08:49) のソース

*RPGツクール3
【あーるぴーじーつくーるすりー】
|ジャンル|RPG製作ソフト|&image(SLPS01093-1.JPG,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3854&file=SLPS01093-1.JPG]] / [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3854&file=SLPS01093-2.JPG]]|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|アスキー|~|
|開発元|空想科学|~|
|発売日|1997年11月27日|~|
|定価|5800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|家庭用版ではもっとも安定したクオリティ&br()&bold()サンプルゲームも普通に良作&br()戦闘シーンはちょっとアッサリ&br()これ以降のツクールはクセモノばかり|~|
|>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>ツクールシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
RPGツクールシリーズ、コンシューマー第3作。今作からハードをプレイステーションに移行。ハード性能向上により前作からの正当進化に成功した。~
一部要素については前作『[[2>RPGツクール2]]』のほうが良いという声もあり、また自由度に関しては次々作『[[5>RPGツクール5]]』のほうが遥かに高いが、自由度、作りやすさ、クオリティのバランスが最も取れているのは今作であると言える。~
そういった意味で、PC版ツクールの最高傑作を『2000』とするなら、コンシューマー版の最高傑作はこの『3』だとする声は多い。

**評価点
ハードがPSになり様々な部分が強化改良され、新要素も追加された。
-メモリーカードにより大きな課題であった容量の問題が解決。ブロックがある限りイベントを作れるようになった。
--ただし無限に作れるのはイベントだけで、イベント以外の魔法、アイテム、マップといったシステムデータは最大でもメモリーカード1枚分まで。それでも今までとは比べものにならないほど容量は潤沢になった。優れたデータ圧縮技術により容量のコストパフォーマンス自体も非常に良好である。
--またイベントは、メモリーカードをまたぐ場合イベントデータを丸々入れ替える形になるため、本当の意味でイベントが無限に追加できるわけではない。PSのゲームのディスク交換に近いか。

-グラフィックの解像度が向上。また歩行グラフィックもカラー変更が可能に。

-マップは1マス単位での編集が可能に。また既成の1枚絵マップも収録。

-文章まわりが大幅強化。ほとんどの漢字・記号が使用でき、1つのイベントに入れられる文章量も増大。
-イベントのページ数(フラグによる行動パターン変化)が4パターンから99パターンにまで増加。

-アイテムや魔法の作れる数や種類も増大。さらにHPを消費する事による発動する特技が追加された。

-ステータスや通貨の名前を変更可能に。世界観に広がりができた。

-戦闘ダメージが固定だったのが、ある程度上下するようになった。

-選択肢による分岐で「はい/いいえ」以外に自由に文章を設定することが可能になった。またランダムで分岐することもできる。

-敵の出現パターンをそのマップ全域で一律に設定する方式の他に、特定の範囲内にだけ個別に出現パターンを設定することもできるようになった。これによりマップの一部分にだけ敵が出現する地帯などを作れるようになった。

-グラフィック製作ツール「アニメティカ」が付属。作成したグラフィックデータをメモリーカードに記録しておき、ゲーム中に使用できる。
--アニメティカのみに収録されている大型モンスターや現代風キャラクターなどのサンプル素材がある。ただそれらを使うのにもメモリーカードを使う必要がある。

-『音楽ツクール かなでーる2』の曲データをコンバートして使用可能。

-上記の外部素材はゲーム開始時に一括で読み込むため、『[[RPGツクール4]]』のようにゲーム中に逐一ロードが挟まることもない。

-その他、職業システム、属性、マップ上特殊エフェクト、HP消費技、AI操作キャラ、負けイベントなど、新要素多数。

-サンプルゲームの『ゴブリくんの冒険』は、RPG世界のザコキャラである主人公が、ボスキャラになることを夢見て旅するというもの。メタ的な内容を含みつつも、素朴で温かみのある世界観は評価が高い。
--前作同様チュートリアル的な要素が強く、新機能であるパーツ範囲でのモンスターの出現設定について言及されるシーンも多い。そのわりに、サンプルゲームでは使用されていなかったりするが。

**問題点
-武器と盾が左右の手それぞれに装備でき、両方の手に武器を装備すると2回攻撃ができるためバランスを崩す要因になる。そのため難易度の調整や、あらかじめ外せない装備品で片手を封印しておく(そうすると今度は武器と盾が同時に装備できないが)などの工夫が必要になる。

-効果音素材の一部にはっちゃけた、どこで使うんだと言いたくなるものがある。ただし再生速度を18段階に渡って弄ることが出来、工夫と発想次第では効果音でピアノ演奏をさせたり、乱戦の剣戟の細かい機微を表現したりと、可能性は多岐に渡る。

-魔法エフェクトが作成可能になったが、自由度が上がった反面クオリティが下がった。
--設定出来る1フレームの数も少ないため、基本的にエフェクトがあっさり。どれだけ長いアニメーションをつくろうとしても2秒か3秒程度が限度。
--種類が限られていても前作のような綺麗なアニメーションのほうがいいという意見が多い。

-戦闘中の背景グラフィックが廃止、戦闘が始まるとマップ画面にそのまま敵グラフィックが出る、という具合に戦闘画面が他のRPGツクールと比べてアッサリしている。
--その代わり、戦闘時のロード時間がほとんど無い。当時のCD-ROM製RPGは戦闘ごとに読み込みというイメージが強かったため、その対策でこのような仕様になったとの見方もできる。

-自動開始イベントの代わりとしてイベント引継ぎ機能が追加されたことにより使えなくなったテクニックが存在する。

-フィールドマップが、従来の普通に移動する方式から、行き先を指定して移動する方式(サガシリーズや、『[[スーパーマリオRPG]]』などに近い)に変更。ここは好みの分かれるところ。
--ただし、内部マップで従来のフィールドのようなマップを作ることは可能。

-エンカウント率を下げるアイテムや魔法を作れるためか、通常戦闘のエンカウント率設定を一番低い設定にしてもエンカウント率が高く感じてしまう。
--この影響でサンプルゲームのエンカウント率がかなり高い。特に中盤のダンジョン「マルデ城」は迷路のようなマップ構造に加えて敵も強く、逃亡も失敗しやすいためここで挫折した人も多い。

-モンスターグループを設定することが出来ない。
--その場に設定したモンスターがランダムで登場するため、序盤に登場するモンスターは1体編成のものが多い、などの細かい調整が出来ない。

-麻痺を回復させるアイテムがマップ上で使用できない。
--万能薬などでは回復可能。恐らく設定のミスだと思われる。

-変数システムは残念ながら未採用。
--変数が搭載された『4』があのような出来になってしまったのが悔やまれる。
--製作者によっては所持金を変数として使っていた。無論これは所持金システムを捨てることとなるので、汎用的とは言えない。

-キーボードが使えないため、漢字が増えた分文章入力が少し面倒になった。
--とはいえ、漢字リストは音読み訓読みどちらにも対応しているので、慣れれば使い勝手は良好である。

-『かなでーる2』のデータコンバート時にバグがある。ただ知っていれば回避可能。

-説明書に記載されていない操作法やテクニックがある。
--また仕様が説明書に記載されているのと異なる部分もある。

-ガイドブックは実質説明書の焼き直しであり、使いものにならない。

-他人にプレイしてもらうにはソフトとメモリーカードを別に用意する必要がありゲーム配布のハードルは高い。

**その他
-史上初の、メモリーカード使用ブロック数が可変という仕様。これについてパッケージでの容量表示についてソニーと揉めたらしい。

-一部のコミュニティでは常識を覆すようなゲームが多く作られていた。

-CD付録つきのゲーム雑誌『電撃プレイステーションD』では一時期((D11~D44。))、ただし例外もあり)、毎号に渡って本作で作られたアマチュア投稿のゲームが収録されていた。
--当時はインターネットがほとんど普及してないこともあって、アスキーのコンテスト以外で『RPGツクール3』作品を発表できる数少ない場でもあった。
--当初はメモリーカード無制限で投稿が可能だったが、メモリーカードをあまり持っていないユーザーの配慮として2枚でプレイできる工夫が必要になった。
--中には市販並のクオリティの作品もあったので、『RPGツクール3』作品をプレイする目的で『電撃プレイステーションD』を購入するユーザーもいた。
---投稿RPGの著作権は『電撃プレイステーションD』発行元のメディアワークス(当時)に帰属されている。
//2013年10月の角川グループ再編でツクールブランドを保有するエンターブレインと電撃シリーズのアスキーメディアワークスが吸収されるためツクールシリーズと『電撃プレイステーションD』の投稿RPGの著作権を同一会社が所有することになり、『電撃プレイステーションD』に投稿された作品をツクールシリーズを通してリメイクすることも実質可能。あくまで理論的な話なのでコメント補足としています。