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ファントムブレイカー:エクストラ - (2015/08/24 (月) 13:47:39) のソース

*ファントムブレイカー:エクストラ
【ふぁんとむぶれいかー:えくすとら】
|ジャンル|美少女対戦格闘アクション|&image(http://5pb.jp/games/pbex/images/spec/cover360.jpg)|&image(http://5pb.jp/games/pbex/images/spec/coverPS3.jpg)|
|対応機種|Xbox360&br()プレイステーション3|~|~|
|発売元|5pb.|~|~|
|開発元|RUN|~|~|
|発売日|2013年9月19日|~|~|
|定価|通常版:7,140円(税込)&br()限定版:9,240円(税込)|~|~|
|備考|初回限定版にはサウンドトラックとゲームガイドブック同梱&br()[[公式サイト>http://5pb.jp/games/pbex/]]|~|~|
|判定|なし|~|~|
|>|>|>|CENTER:''ファントムブレイカーシリーズ''&br()[[ファントムブレイカー]] (アナザーコード) / バトルグラウンド / ''エクストラ''|
#contents(fromhere)
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*概要
-5pb.(MAGES.)が送り出したXbox360の完全オリジナルの対戦格闘ゲーム『[[ファントムブレイカー]]』の続編で、今回からPS3とXb360両方同時発売である。
-前作同様プログラムは『あすか120%』シリーズを手がけたRUNが、キャラクターデザインは鈴平ひろ氏が担当している。
-ストーリーは半年後の世界。新キャラクターを中心に行方を眩ましたファントムを追う形で展開する。
-使用するボタンは相変わらず弱攻撃(L)、中攻撃(M)、強攻撃(H)、必殺技(SP)の4つのみ。大量のボタンを使用する格闘ゲームが多い中で、かなり少ない方だと言える。
-新キャラが4人追加と新スタイル「エクストラ」が追加。その際各スタイルの設計も見直された。
-隠しキャラであったフィンとインフィニティがディフォルトで使用可能。
-ゲストキャラクターとして、前作では使用できなかった登場人物の「白美琴」と派生作品の『ファントムブレイカーバトルグラウンド』のキャラ「影琉」、引き続き『[[CHAOS;HEAD]]』と『[[Steins;Gate]]』のメインヒロインである「咲畑梨深」と「牧瀬紅莉栖」が隠しキャラとして登場する。
-本作の解説や独自のシステムの詳細は、ここで詳しく書くと相当長くなってしまうので割愛させて頂く。前作の記載と[[攻略WIKI>http://www55.atwiki.jp/pbex/]]に詳しく書かれているので、そちらを参照して頂きたい。

*評価点
-相変わらず声優陣がやたらと豪華
--前作のキャストはそのままで、新キャラも「上坂すみれ」「諏訪彩菜」「小林ゆう」「伊藤健太郎」「大坪由佳」と有名声優が起用されている。
---シチュエーションバトルモードのAVGパートは勿論、今作ではインフィニティも含めた対戦相手ごと、スタイルごとに試合後の勝利メッセージが全て異なるのだが、それさえも全てフルボイスというこだわりっぷりである。
-簡易操作はそのまま。難しいコマンド操作を行わなくても必殺技が出せる。
-面白みのあるブラッシュアップ
--前作では全スタイル共通で行えた行動が多かったのだが、今作では各スタイルにしか行えない行動として割り振りがされ、きちんとスタイル別に個性を持つようになった。
---一部不満の声が上がっていた『爽快感の薄さ』や『もっさり感』などについては、ゲームスピードを早くし、エフェクトを派手にすることで解消。キャラグラフィックや背景など各方面のデザインも改めて見直され、『格闘ゲーム』らしさが増した。
---それでいて前作から引き継いだ雰囲気は変わらず。バージョンアップの下地もあり、やり応えのあるゲームではある。

*賛否両論点
-対戦部分は爽快感などが向上はしたものの、問題はそれ以外の部分。
--まずストーリーモードが新キャラの4人しかない。それなのに説明や前置きがなく、完全に「前作プレイありき」のシナリオになっている。
---正確に言うと4人から一人選び、その新キャラを中心にストーリーパートが進行していくというもの。物語全体としては一応の進行もし、重大な部分も明かされたりはするものの相変わらず中途半端に締めくくる。
---前作にあったED分岐などはなく基本一本道。その上対戦中にテーマをこなす(~ヒットの連続技を決めろなど)必要がある。普通に撃破しても進めるものの、一部パートを解禁するためにはテーマクリアが必要なものがあり、地味に面倒。
---さらに物足りないことに、前作の全ての黒幕であり存在感を放っていたファントムは「美琴に半殺しにされて消息不明になった」設定になっている為、今回は一切登場しない。
-エクストラスタイル関係
--今作から追加された『エクストラスタイル』だが、「クイックスタイルとハードスタイルの両方の性能を切り替え、併せ持つ」という触れ込みで、一見使いやすそうに見える。しかしその実は中途半端すぎて全体ステータスが低くなってしまっている。
--一応利点としてゲージの溜まりが良く、豊富なゲージを潤沢に使うことで戦うコンセプトは満たせる。しかし超必殺技が使えず、両スタイルに切り替えられると言っても独自防御システムは「リフレクション」しかできない。
--はっきり言ってガチ対戦では、エクストラスタイルは相当やりこまないと全く使い物にならない。そこまでの手間をかけられるなら、クイックかハードを練習したほうが簡単に強くなれる。
-上記の通り、ジャンプ攻撃対処に使用された「リフレクション」がエクストラスタイル専用になってしまったため、全体的にジャンプ攻撃ラッシュが強め((相手の攻撃が当たる直前にSPボタンを押すことで相手の攻撃を弾く。いわゆる『月華の剣士』の弾きのようなもの。))。切り替えしには反応と一工夫が必要になってくる。
-良くも悪くも劇的な変化が無い。
--前作からのプレイヤーから見れば「変てこな別ゲーにならずほっとした」反面、肩透かしを感じたかもしれない。
--基本システムが多岐に渡る上に複雑で、客観的に見ても初心者向けではない点は相変わらず。ユーザー層のレベルを考えると「操作の簡略化など必要ない」「もっとキャラクターの出来る事を増やして欲しい」という意見は多い。加えてスピードが速くなったため、初心者が入り込むにはますます厳しくなっている面も。
---とはいえ全ての技を簡単なコマンドで出せるので、初心者が適当にガチャプレイをする分には充分に楽しめる代物になっているが&br()見た目から何をしなければならないのか、どういうゲームなのかが伝わりにくく、一つ一つのシステムが他と絡み合う要素がかなり多い((一つのシステムから他のシステム(ゲージ増加など)が連動する作りであり、他のゲームでも取り入れられてはいる。が、このゲームの場合とにかく連動が多く、隠し要素もその分多い。内面的な部分なので一見しただけではとても分かりにくい。))。基本部分は「ゲームリファレンスモード」などを設けて画像付き解説が存在するものの先述にあるようなマニアックな部分などはチュートリアルモードなど、何かしらの対策を追加すべきだった。


*問題点
-戦闘中の新キャラのグラフィックだけ違う。
--新キャラだけなぜかMMDから起こしたような3Dで描かれている。他のキャラが2Dドットなためやはりその違いが目立つ。
---一応対戦を行う分には見れないというほど酷くは無いが、ポーズによってはマネキンのように見える部分もある。
-(前作ほどではないにしろ)ソフトの値段が高め。様々な内容から考えると費用対効果は低いと言わざるを得ない。
-限定版にはゲームガイドブックがついてくるのだが、記載ミスがあったりと内容もお粗末。
--例えば「冴島閑」の職業。本来平行世界では職業は軍人で『中佐階級』であるのだが、公式ゲームガイドブックの記載では&bold(){『アイドル』}と表記されている。おそらく同じ登場キャラの「折坂芽衣」の記載と間違えたと思われる。
---ただ対戦解説などの記述はしっかりしており、間違っているのはゲームガイドブックのその部分のみなので、気にしなければ問題ない部分ではある。
-対戦部分以外が作りこみ、ボリューム不足。
--初期Verはやはりバランスが悪かった。キャラパワー((新キャラが強く、とくにソフィアの全体的な性能と閑の「颯」という技が壊れすぎていた。))とシステム((スタイルのパワーバランスと受け身の調整不足、クロックアップ時に連打キャンセル可能技が多く存在し補正をあまり受けない凶悪コンボがあった。))部分に関してである。前作でも似た轍を踏んでおり、特に連打キャンセルは修正されていた部分であったはずだが…。
--その後Ver1.02へとバージョンアップされ、良好なレベルでやりこめるほどになった。
---しかし新たなバグ((牧瀬紅莉栖の「未来ガジェット4号」と言う技で発生するもの。「ヒット後クロックアップし引きずり下ろすような空中コンボなどを決めた後、再度『弱未来ガジェット4号』をヒットさせる」と相手が固まりフリーズが起こる場合がある。))((そのうえ技性能自体も高く、弱で出した場合やたらと相手の行動不能時間が長い。おかげで「ダッシュ後、再度弱未来ガジェット4号」で画面端まで拾いながら追撃を繰り返すことができる。この場合にはフリーズは起こらない。))が出てきてしまっている。
---その他、Xb360版のみ1.01のデータのある状態で1.02にバージョンアップした際、レコードメニューに入ろうとするとフリーズして入れないバグがある。こちらに関してはバージョンアップ後にデータ削除後再度アップデート、またはデータを削除してからバージョンアップを行えば解決する。

-これらの不具合はver1.03パッチで修正はされた・・・が、1.03パッチでも新たな問題点が発生した。
-&bold(){ハードスタイルの冴島閑の強化「桜花連斬」を直接ヒット、または通常攻撃からのキャンセルヒットで空中でフリーズし、動けなくなる。}
--高確率で発生してしまうので、バグを起こしたくなければハードスタイル時にこの必殺技が事実上封印されてしまうことになる。ガードキャンセルやカウンターヒットでの使用であれば一応発生しないらしい。解除方法としては固まった閑に攻撃を当てればよい。
---ちなみに通常版「桜花連斬」でも、極まれではあるが発生する。
-&bold(){PS3のダウンロード購入版のみパッチが当てられない不具合}がある=後の6月18日にダウンロード版1.03パッチ配信され解決はされた。
-不具合の修正だけではなく、実は公式アナウンスされていない調整が施されている((ver1.02の時は公式ブログ直々に修正・調整部分が細かく記述がされていたが、ver1.03パッチの場合では問題部分修正と「大きなサポート」という言い回しだけになり、具体的な調整内容は提示していない。))。
--現在判明している調整点は、&bold(){浮き方、やられ方の若干の変更。これにより全キャラ空中コンボが繋がりやすくなった。一部の攻撃にも調整が入っている。}
---問題であった「未来ガジェット4号ループ運び」はやり方が変わっただけでまだ行える。かつ、一部のキャラも同じような運びコンボを持つように。
---とはいえキャラランクに影響するほどのものはほとんどない。1.02で強かったキャラは据え置き、または若干上昇したと感じるぐらい。


-オンライン部分の問題
--ラグが酷い。Xb360版ではそれほど問題はなく、対戦はできるレベル。だが問題はPS3版。Ver1.02になり当初に比べたらマシにはなったものの、それでも正直まともに対戦できないレベルである。
---回線相性がよほど良いプレイヤー同士では無い限りは(であっても)、良好な状態での対戦は現在のところ厳しい。
--加えて前作同様に「待ち受け中のトレーニングモード無し」、「プレイヤーマッチで途中入出場不可」、「任意パス(順番回し)機能無し」など、細かいところに気が利いておらず、不便(一応、プレイヤーマッチング待機画面時の待機制限時間切れを利用することで順番回し自体は可能)。
---配信専用低価格ゲームでならまだしも、高額なパッケージゲームでこの仕様は配慮不足と言われても仕方がない。


*総評
-続編が出ただけでも奇跡ではあるが、真っ当なブラッシュアップが施されたのは意外ではあった。
--宣伝があまりされず、アピールが薄かったのが残念ではある。(前作は逆にやりすぎなくらいではあったが)
-前述の通りオフラインモードのボリューム不足、初期のバージョンでのバランスの悪さやオンラインモードのラグや作りこみの甘さなどが早々に目立ってしまい、残念な出来であった。もっと作りこんでいたならば、シリーズの知名度や売り上げも伸ばせたのではないか…という意見も多い。
-実際にPS3版の同作が発売されて以降、オンライン対戦の人数が急激に減ってしまった。しかも折り悪く、発売前後には多くの大作ゲームが控えていた((発売前は『ジョジョASB』が存在し、こちらも問題点が多い作りであったため、「家庭用格ゲーに対する不信」がユーザーに募った時期であり、本作に対する影響が懸念されていた。そのうえ『モンハン4』もあり、同じ格ゲージャンルの『ブレイブルーCP』まで控えていた。))。
-発売後のメーカーの動向もアップデートは行われているもののあまり積極的ではなく、かつ今作では設定資料集の発売予定がないなど((限定版に解説指南書であるゲームガイドブックが付属されてはいるが、あくまで説明書の延長でキャラ設定の掘り下げなどはされていない。))、ユーザーに対するフォローやアクションが少ないため、メーカーに不信感が募ってしまうのも無理もないことである。プレイヤー同士のコミュニティ閉塞感も増すばかり。
-加えて毎回なにかしらの不具合が生じるパッチ修正、プレイヤーが求めている調整とメーカーの思い描く調整との行き違いもあり、振り回されていると感じてしまっても仕方ない。
-対戦部分に関しては強さの優劣は発生するものの、((バージョン1.02から受け身とダメージ補正が調整され、一部の攻撃とハードスタイルが強め傾向になっている。1.03からは全キャラコンボ能力が上昇した感じがあり、前バージョンに比べ大味気味にはなったものの、先述の『未来ガジェット4号』周りを除けば概ね良好バランスである。))現在は充分にやりこみ、堪能し続けられるまでになっている。高く評価しているユーザーもおり、惜しいことである。
-メーカーとしても扱いは難しいだろう。今のところプレイの灯を絶やさないようにしながら、長い目でゲームの動向を見守るしかないのかも知れない。