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*剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章 【けんかくいぶんろく よみがえりしそうこうのやいば さむらいすぴりっつしんしょう】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00006LJRT)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|SNK|~| |発売日|1999年12月22日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |周辺機器|ポケットステーション対応|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年4月26日/600円|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)((アーカイブス配信時に付与。))|~| |判定|なし|~| |ポイント|旧SNK製最後のサムスピ&br()キャラクター一新&br()肝心のゲーム部分''以外''は好評|~| |>|>|CENTER:''[[サムライスピリッツシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 チャンバラ格闘ゲーム『[[サムライスピリッツ]]』の外伝的作品。略称は『甦サム』『蒼紅』など。~ 3Dサムスピ第3弾にして、RPGである『[[武士道烈伝>真説サムライスピリッツ 武士道烈伝]]』を除いてのシリーズ唯一の家庭用オリジナルタイトルでもある。~ 『SAMURAI SPIRITS2 ~アスラ斬魔伝~』から約20年後にあたる「''1811年''」が舞台であり、使用キャラクターも覇王丸と服部半蔵(一応)を除いて軒並み刷新されている。 **物語 #region(公式サイトより引用) >世は太平の時代となり、剣の時代は終わりを告げようとしていた。~ しかし、国にはそんな時代の流れに適応できない人々が増え続け、~ いつしか社会問題へと発展していった。~ そこで幕府は江戸近海の小島に無宿者たちを更正させる場として「牢人街」を作り、その者たちを管理した。~ しかし、その牢人街を利用し、幕府を滅ぼして「選ばれた者だけの新たな世界」を創ろうとしている者たちがいた。~ その名を「覇業三刃衆〔はぎょうさんじんしゅう〕」と云い、各々が強大な力を持っていた。~ 彼らはその力をもって無宿者たちを従え、その場所に国家転覆の足掛かりを作り上げていった。~ そして、いつの頃からか「牢人街」は「離天京」と呼ばれるようになった。~ 彼らによって「離天京」は、「社会復帰のための更正の場」から一転して「強いものだけが生き残る無法地帯」へと変貌していった。~ 人々は、日々を生きる為に憎しみ合い、奪い合いそして殺しあう。~ 「覇業三刃衆」はその憎悪の力を吸収しながら着実に勢力を強大にしていった。 #br >風も無く、月の光も無い闇夜。~ 燈・燈・燈・燈。~ 蝋燭の灯りが燈り、闇の中に一つの影が浮かび上がる。~ 穏やかな顔をし、髭を生やした初老の男。~ 「来たか?」~ 「はい、朧〔おぼろ〕様。赤目の男と女がやってきました。」~ 声のみが闇の中から返ってくる。~ すうっと、音もなく、初老の男は立ち上がり、~ 「ついに時が来たか・・・では、迎えにいくぞ。」~ 男は閉じていた双眸を開く。~ 蝋燭の灯に浮かび上がる紅い瞳。~ びゅう。~ 一陣の風が巻き起こり、そして再び闇が世界を支配する。~ 数年後、高台から三人の人物が下界を見下ろしている。~ ひとりは背の高い帯刀した男。一人は白く妖しい女人。~ 二人に共通するのは紅い瞳。~ その二人の背後に、場に似つかわしくない人の良さそうな老人が控えている。~ 陽の光が紅い瞳に反射し怪しく光る。~ 女がつぶやく。~ 「わたくし達に仇なす者が数名、離天京に入ったようです。~ わたくし達の意志を成就させる為の最大の障壁になるであろうとのお告げです。」~ 男は下界を見下ろしたまま声を発する。~ 「我らが動くことは無い。黙っていても鼠は来る。」~ 覇業三刃衆によって太平の世は終わりを告げる。~ 各々の思惑を秘め戦う者たちが「離天京」に集まり、物語は始まる。 #endregion **登場キャラクター #region() -九葵 蒼志狼(くき せいしろう) --本作の主人公。幕府方御庭番衆の若頭で涼しげな顔をした美青年剣士。立ったまま眠る変な癖を持つ。 --かつての兄弟子である刀馬が奪い取った刀「紅煌」を奪い返すことを目的としている。 -覇王丸(はおうまる) --シリーズの看板キャラクター。歴代キャラから(実質的に)唯一プレイヤーキャラクターとして参戦。 --まだ40代後半であるにもかかわらず、ものすごく老けている。しかも過去作での特徴であったザンバラ髪のマゲを本作では長い蓬髪に変えている。 -花房 迅衛門(はなふさ じんえもん) --蒼志狼の父親の旧友である侍で覇王丸とも友人。十文字槍を武器とする。 --蒼志狼の父親代わりでもあり、女には弱い典型的な頑固親父。 -服部 半蔵(はっとり はんぞう) --伊賀忍軍頭領。幕府の密命を受け、離天京へと潜入する。 --本作の半蔵は従来作と同一人物……''ではなく''、その息子・真蔵が代々継がれる「服部半蔵」の名を襲名した姿。そのため、よく見ると右目に傷がない。 ---「半蔵が従来作とは別人である」という事実はプレイヤーにも伏せられており、ゲーム内で明らかになる。 ---実は『初代』と『真』に登場した天草四郎時貞は、真蔵に憑りつく事で現世に蘇った存在なので(『初代』からある設定)、肉体だけなら参戦済キャラクターと言えなくない……かもしれない。 ---性能自体は(主にポリサム時代の)父のものを継承している。父の先代半蔵は闇に隠居して密かに息子を見守っており、エンディングで登場している。 -榊 銃士浪(さかき じゅうしろう) --元幕府方御庭番衆の一員だったが、現在は反幕府組織に属している。迅衛門の旧友にして、サヤと凛花の兄貴分でもある。 --使用武器は刀の柄に銃が仕込まれている特殊なもの。なお、刀銘は九頭竜(くずりゅう)だが、[[これはもしや…>るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-シリーズ]]((もっとも「るろうに」の作者はサムスピシリーズのファンを公言しており、お互い持ちつ持たれつの関係である(「るろうに」にサムスピキャラのそっくりさんが出たこともある)。更に『サムスピ零』ではキャラデザとして参加している。))。 -七坐 灰人(かなくら はいと) --離天京にて用心棒と暗殺を生業とする薬物常用者。異人とのハーフとして差別を受ける不遇の幼年期を過ごしており、外国人や異能者を非常に嫌う。 --一部の必殺技を使うたびに薬を服用する。 -十六薙 夜血(いざなぎ やち) --離天京にある色町の用心棒。残虐行為を好む快楽主義者。 --ちなみに遊郭の太夫である那美乃(なみの)という恋人を持つが、実はその正体は… //%%幻十郎もそっちの好みもあるので今更ではあるが%% //↑那美乃はエンディングで「今度は女の体で…」という台詞があり、心(脳)は女性だった事が示唆されてるので単なるバイの幻十郎とは全く違います。 //色町の用心棒が、そういう障害のある人間と恋人関係を築いてるという奇妙ながら強烈なリアリティを持つキャラクターです。 //こんなハイレベルなキャラクター造形を2000年以前からやっていたという事は、特筆に価すると思います。 //もしこの主張を理解していただける人がいたら、特記事項?(クリックすると下に行く奴)やキャラクター紹介の文に加えて頂けると嬉しいです。 -吉野 凛花(よしの りんか) --反幕府組織に属する少女。ある出来事により人間不信に陥っているが、動物には優しい。ハムスターの鉄之介が良き理解者。 --%%決して赤松健の漫画『魔法先生ネギま!』のキャラクターではない。というかこっちの方が先。%% -つむじ風の臥龍(がりょう) --山賊団の頭である隻眼の大男。覇業三刃衆により子分を軒並み殺されたことから立ち上がる。 -サヤ(沙耶) --異国の暗殺者である姉御肌の女性。2つの鎌を使う。 --凜花にとっては姉のような存在。 -乱鳳(らんぽ) --離天京で悪さを繰り返す悪童。自分よりも大きい異国風の装飾が施された大槌が武器。 --武器の設定では武器商人が「ブーメランを持つ美女」から食料と引き替えに譲り受けたものを乱鳳が気に入って強奪したとある。サムスピでブーメランを武器とする女性と言えば…。 --設定上、子供なのだが仕様によるものなのかゲーム中での背丈はかなり大きい。 以下は朧を除いて隠しキャラクターで、初期のキャラクターでストーリーモードをクリアすると解禁となる。 -命(みこと) --覇業三刃衆の一人。色と反面のアスラの娘。覇王丸に養女として育てられてきた。自分と同じ赤い瞳を持つ刀馬に惹かれている。 --優しく穏やかな性格だが、時折別人のような冷酷さを見せる二重人格者。実は表の人格が本来の命で、裏の人格は『ポリサム』及び『アスラ斬魔伝』のラスボス・壊帝ユガの人格。 -九鬼 刀馬(くき とうま) --覇業三刃衆の一人。蒼志狼の兄弟子にして、父親の仇。 --白い肌に赤い瞳を持つことにコンプレックスを感じている。蒼志狼を殺害して、彼の刀「蒼煌」を奪うためだけに三刃衆に入った狂人でもある。 ---もっとも、蒼志狼のエンディングどころか本人のエンディングでも「蒼煌」を奪うどころか「紅煌」を取り返されてしまう。 -朧(おぼろ) --覇業三刃衆の一人。本作での黒幕に当たる。 --戦いの際は巨大な武器を術で操るため、姿を見せない。故に対戦では武器が本体となる。 ---そのためか彼は''CPU専用''であり、操作キャラクターとして選ぶ事が出来ない。 ---性能自体は「呪黙刀」が覇王丸、「禁滅槍」が花房迅衛門のコンパチであり、どちらと戦うかはランダム。 -大熊猫(ター・シォンマオ) --中国から修行に来た武道家。森の中で見かけた妖精さん(ナコルル)に一目惚れする。 --臥龍のコンパチキャラクター。武器は巨大な義手。 -眠兎(みんと) --乱鳳の妹分。天真爛漫で明るいが、乱鳳同様の悪童。 --乱鳳のコンパチキャラクター。また、彼女のみ隠しコスチュームが存在する。 -陀流磨(だるま) --世捨て人の老人で、乱鳳と眠兎の親代わり。その正体は伝説の居合人。 --灰人のコンパチキャラクター。 -無限示(むげんじ) --美に大して執着を持つ謎の大男。女装が趣味。 --夜血のコンパチキャラクターその1。 -幽堕(ユダ) --全身を漆黒衣に包んだ謎の男。その正体は前作『アスラ斬魔伝』の主人公であるアスラが記憶を失った成れの果ての姿。 --夜血のコンパチキャラクターその2。そのため、かつてのアスラとは性能が全く違う。 以下は特殊隠しキャラクターで、九皇蒼志狼を除き必殺技を持たない。 -伊賀忍軍 --服部半蔵の部下である忍者軍団。ザコキャラクター。 --半蔵のコンパチキャラクター。 -朧衆 --朧に使える女性暗殺者たち。ザコ(ry --彼女らのエンディングは超悲惨である。 --沙耶のコンパチキャラクター。 -ゴロツキ --名前通りのザコ(ry --彼のエンディングも朧衆とは比べものにならないが悲惨である。 --銃士浪のコンパチキャラクター。 -お侍 --眼鏡に細目が特徴のお侍、というかサラリーマン。言うまでもなくザ(ry --基本的にモブだが、プレイヤーキャラクターとして選ばれるお侍には「鈴木一郎」という名前がある。 --迅衛門のコンパチキャラクター。 -九皇 蒼志狼(くのう せいしろう) --「紅煌」を取り戻し二刀流となった蒼志狼。 --通常の蒼志狼の上位互換キャラクター。ストーリーモードでの時系列は全キャラクター中最後となる。 以下はNPC。なお、ストーリーモードの会話やエンディングなどで歴代キャラクターについても小ネタ程度に触れられている。 -ナコルル --50cmほどの精霊として登場。ポケットステーション用ゲーム「ナコPG」の操作キャラクターでもある。 --なお、彼女のテーマ曲のアレンジがナコリム姉妹によるボーカル入りでエンディングに使われている。 -リムルル --本作では『真』以来のNPC。ストーリーの合間やギャラリーで顔を見せる。 --ある事情によりコンルに20年もの間封印されていたため歳をとっていない。 #endregion **システム -キャラクターは3Dポリゴンで表現されているが、ゲーム自体は従来作通り2D格闘と変わりがない。 --今作では通常技から中攻撃が無くなり、弱斬りと強斬りとキックのみとなった他、新たに回避ボタンを搭載。 --他にもブロッキングに相当するシステムとして、防御しつつ相手の背後に回る「いなし」や長時間相手をよろけさせるゲージ消費技「峰打ち」など独特のシステムが搭載されている。 --サムスピ特有の一撃必殺のバッサリ感は健在。 --攻撃を受ければ受けるほどゲージが上がっていく怒りゲージも搭載されており、怒り爆発による一閃も搭載されている。 --他、武器飛ばし技や一撃必殺の逆転技「秘奥義」なども存在。 -ライフゲージがやや独特。 --基本的にキャラクター1人につき3本分持っているが、2本目以降は体力が3分の1ずつ少なくなるように設定されているため、実質2本くらいの割合と思われる。 ---3本目になると一、二撃であっさり勝敗が決まるため、必殺感が特に大きい。 --従来と異なりゲージ3本を全て0にした時点で勝ちとなり、2本先取などの概念がない。 -メインモードであるストーリーモードの他、練習モードや対戦であるバトルモード、「体力回復無しで規定人数を倒す」といった課題をクリアすることでキャラクターを強化できるアタックモードなどを搭載。 --なお、ストーリーモードはキャラクターごとにラスボスが決められているほか、対戦するキャラクターも完全に固定されている。 -ギャラリーモードも搭載。 --ストーリーモードなどをクリアするたびに貰えるイラスト交換札を使って、リムルルとのミニゲームに勝てばイラストが1枚貰える。 --このイラストは本作だけではなく、本作以前のシリーズ歴代作のイラストも含まれている。 ---中にはかつてのサムスピシリーズ公式サイトで連載されていた「柳生人生劇場」((柳生十兵衛が主人公の現代サラリーマンパロディ連作イラストないし漫画作品。))のイラストも収録というマニアックな部分も…。 -ポケットステーション対応。 --ギャラリーのミニゲームで条件を満たせば、「ナコPG」「サムライウォッチ」をダウンロード可能。 --「ナコPG」はナコルルを主役としたダンジョンRPGで、キャラクター強化アイテムを入手できる。 --「サムライウォッチ」はナコルルとリムルルのデジタル時計。ナコルルはアラーム機能が、リムルルはスロット機能が付いている。 ---- **評価点 -練りこまれた世界観とストーリー。 --全体的に暗い雰囲気が漂っており、一部キャラクターの危ない設定も相まってかシリーズの中で最も退廃的な世界観を持つ。 --各キャラクター一人ずつ独自のストーリーが用意されている他、キャラクター間の会話デモが繋がっており、交差していく様は面白い。 -BGMも良曲揃い。 --船着き場の波の音、虫が鳴く夕暮れの村など環境音にも抜かりはない。 -対戦時の各演出も練られている。 --ロード画面では黒一色で描かれたキャラの一枚絵が映る。出来も良く、なかなか格好良い。 --ライフゲージが2本目に映るたびにゲージが剥がれるように変わっていく。 --ただし、これら演出はバトルのテンポを下げてもいる(後述)。 -ギャラリーモードでの収録イラストの多さ。 --本作発売時点での歴代シリーズ作のバストアップグラフィックやキャラクターイラストを収録されているため、一見の価値はある。 --コンシューマー移植がされていない『侍魂』『アスラ』のイラストも収録されているため、資料性は高い。 **賛否両論点 -操作キャラクターが一新された事。 --歴代シリーズ操作キャラクターの中では実質覇王丸のみ続投、かつナコルルとリムルルはNPCのため、大きく賛否を呼んだ。 ---一応、本作の服部半蔵は父の性能を継承している他、設定上も「天草四郎時貞の依代にされた人物のその後」なのでその点は興味深いものがあるが。 --その一方で本作が初出となるキャラクター自体の人気は悪くなく、シリーズ中で一番侍らしいキャラクターが出てくるとして好評。 **問題点 -PS初期のゲームかと思うほどにポリゴンが粗い。 --身体や裾はブロックのようにカクカクで、とてもPS後期のゲームとは思えない。 ---シリーズの人気キャラであるナコルルのポリゴンは目を思いっきり見開いているものになっており、はっきりいって不気味。妖精どころかまるで妖怪である。 --一応、ムービーや必殺技の演出自体は練りこまれているため見栄えはそこそこ良い。 -ゲームバランスは悪い。 --全体的に攻撃時の隙が大きくガードも甘いなど相手CPUが弱く、必殺技を全く使わず強斬りゴリ押しだけでも勝ててしまう事もザラ。 --ガードに成功すると何故か間合いが狭まる。 --キックによるカウンターが強く、決まると相手が長時間よろけて隙だらけになる。 --連続技や派生技など多くの必殺技が用意されているが、バランスの悪さもあって一人プレイでは使う機会がほとんど無い。 -演出に凝るあまり、対戦テンポが悪い。 --敵味方ともにゲージが2本目に映るたびにダウンして仕切り直しとなり、起き上がる間は移動のみで攻撃ができなくなる。 ---さらに3本目に入るたびに追い込んだ側のキャラクター演出が入るため、煩わしさを感じる。 --イントロや勝利ポーズも長く、カットも無し。 --これらのせいで、コンティニュー時やストーリーモードなどでのザコ敵との連戦時に特に顕著に感じてしまう。 -3D格闘の宿命か、コンパチキャラクターが多い。隠しキャラクターの大半が当てはまってしまっている。さらに伊賀忍軍、朧衆、ゴロツキ、お侍にいたっては必殺技すら無い。 -コマンド表が練習モードでしか確認できない。 --さらにコマンド表も通常技と必殺技がまとめて表示されており、必殺技は下段の方に位置している他、カーソルが合わさっている技のコマンドしか表示されない。 ---カーソル位置も記憶されないため、必殺技のコマンドを確認するのが面倒。 --オプションでボタン配置を変更してもコマンド表に反映されない。早い話、見づらい仕様。 -「ナコPG」のエンカウント率が非常に高く、一歩歩くたびに敵とエンカウントする事が多い。 ---- **総評 試みは面白かったものの肝心のゲーム部分はヌルゲーであるなど評価が悪く、知名度もあまり無いなど微妙なマイナーゲーの印象が強い。~ その一方で、キャラクターや世界観などは評価されており、力の入れどころを間違えなければ評価はまた変わっていたと思われる。~ ギャラリーの存在もあり、ゲームそのものを楽しむよりもファンアイテム寄りの作品とも言える。 ---- **余談 -本作は従来作と異なり、「サムライスピリッツ新章」の部分がサブタイトル扱いとなっている。 --媒体によっては『サムライスピリッツ新章 剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃』と逆順に記載されていたり、単に『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃』とのみ記載される場合もある。 -かつて刊行されていた雑誌『月刊マガジンZ』にてコミカライズ版が連載されていた。作者は矢口岳氏。コミックス全2巻。 -本作より吉野凛花・沙耶・命の3人が、原作とはパラレル設定の恋愛ゲーム『[[デイズ オブ メモリーズ]]』(DOM)シリーズの3作目『大江戸恋愛絵巻』に出演している。 --命に至っては、原作における母親である色との同時出演。もっとも、『DOM』の方では血縁関係は無くなっているのだが。%%誰の子なんだ命%% -本作の時系列はサムライスピリッツシリーズの作品群で最も後の時代に位置しているが、後に発売された『[[サムライスピリッツ閃]]』は本作より前の時系列であるはずであるものの設定に一部矛盾が見られるため、公式には明言されていないがユーザーの間で『閃』とは互いにパラレルなのではないかと言われることがある。
*剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章 【けんかくいぶんろく よみがえりしそうこうのやいば さむらいすぴりっつしんしょう】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00006LJRT)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|SNK|~| |発売日|1999年12月22日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |周辺機器|ポケットステーション対応|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年4月26日/600円|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)((アーカイブス配信時に付与。))|~| |判定|なし|~| |ポイント|旧SNK製最後のサムスピ&br()キャラクター一新&br()肝心のゲーム部分''以外''は好評|~| |>|>|CENTER:''[[サムライスピリッツシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 チャンバラ格闘ゲーム『[[サムライスピリッツ]]』の外伝的作品。略称は『甦サム』『蒼紅』など。~ 3Dサムスピ第3弾にして、RPGである『[[武士道烈伝>真説サムライスピリッツ 武士道烈伝]]』を除いてのシリーズ唯一の家庭用オリジナルタイトルでもある。~ 『SAMURAI SPIRITS2 ~アスラ斬魔伝~』から約20年後にあたる「''1811年''」が舞台であり、使用キャラクターも覇王丸と服部半蔵(一応)を除いて軒並み刷新されている。 **物語 #region(公式サイトより引用) >世は太平の時代となり、剣の時代は終わりを告げようとしていた。~ しかし、国にはそんな時代の流れに適応できない人々が増え続け、~ いつしか社会問題へと発展していった。~ そこで幕府は江戸近海の小島に無宿者たちを更正させる場として「牢人街」を作り、その者たちを管理した。~ しかし、その牢人街を利用し、幕府を滅ぼして「選ばれた者だけの新たな世界」を創ろうとしている者たちがいた。~ その名を「覇業三刃衆〔はぎょうさんじんしゅう〕」と云い、各々が強大な力を持っていた。~ 彼らはその力をもって無宿者たちを従え、その場所に国家転覆の足掛かりを作り上げていった。~ そして、いつの頃からか「牢人街」は「離天京」と呼ばれるようになった。~ 彼らによって「離天京」は、「社会復帰のための更正の場」から一転して「強いものだけが生き残る無法地帯」へと変貌していった。~ 人々は、日々を生きる為に憎しみ合い、奪い合いそして殺しあう。~ 「覇業三刃衆」はその憎悪の力を吸収しながら着実に勢力を強大にしていった。 #br >風も無く、月の光も無い闇夜。~ 燈・燈・燈・燈。~ 蝋燭の灯りが燈り、闇の中に一つの影が浮かび上がる。~ 穏やかな顔をし、髭を生やした初老の男。~ 「来たか?」~ 「はい、朧〔おぼろ〕様。赤目の男と女がやってきました。」~ 声のみが闇の中から返ってくる。~ すうっと、音もなく、初老の男は立ち上がり、~ 「ついに時が来たか・・・では、迎えにいくぞ。」~ 男は閉じていた双眸を開く。~ 蝋燭の灯に浮かび上がる紅い瞳。~ びゅう。~ 一陣の風が巻き起こり、そして再び闇が世界を支配する。~ 数年後、高台から三人の人物が下界を見下ろしている。~ ひとりは背の高い帯刀した男。一人は白く妖しい女人。~ 二人に共通するのは紅い瞳。~ その二人の背後に、場に似つかわしくない人の良さそうな老人が控えている。~ 陽の光が紅い瞳に反射し怪しく光る。~ 女がつぶやく。~ 「わたくし達に仇なす者が数名、離天京に入ったようです。~ わたくし達の意志を成就させる為の最大の障壁になるであろうとのお告げです。」~ 男は下界を見下ろしたまま声を発する。~ 「我らが動くことは無い。黙っていても鼠は来る。」~ 覇業三刃衆によって太平の世は終わりを告げる。~ 各々の思惑を秘め戦う者たちが「離天京」に集まり、物語は始まる。 #endregion **登場キャラクター #region() -九葵 蒼志狼(くき せいしろう) --本作の主人公。幕府方御庭番衆の若頭で涼しげな顔をした美青年剣士。立ったまま眠る変な癖を持つ。 --かつての兄弟子である刀馬が奪い取った刀「紅煌」を奪い返すことを目的としている。 -覇王丸(はおうまる) --シリーズの看板キャラクター。歴代キャラから(実質的に)唯一プレイヤーキャラクターとして参戦。 --まだ40代後半であるにもかかわらず、ものすごく老けている。しかも過去作での特徴であったザンバラ髪のマゲを本作では長い蓬髪に変えている。 -花房 迅衛門(はなふさ じんえもん) --蒼志狼の父親の旧友である侍で覇王丸とも友人。十文字槍を武器とする。 --蒼志狼の父親代わりでもあり、女には弱い典型的な頑固親父。 -服部 半蔵(はっとり はんぞう) --伊賀忍軍頭領。幕府の密命を受け、離天京へと潜入する。 --本作の半蔵は従来作と同一人物……''ではなく''、その息子・真蔵が代々継がれる「服部半蔵」の名を襲名した姿。そのため、よく見ると右目に傷がない。 ---「半蔵が従来作とは別人である」という事実はプレイヤーにも伏せられており、ゲーム内で明らかになる。 ---実は『初代』と『真』に登場した天草四郎時貞は、真蔵に憑りつく事で現世に蘇った存在なので(『初代』からある設定)、肉体だけなら参戦済キャラクターと言えなくない……かもしれない。 ---性能自体は(主にポリサム時代の)父のものを継承している。父の先代半蔵は闇に隠居して密かに息子を見守っており、エンディングで登場している。 -榊 銃士浪(さかき じゅうしろう) --元幕府方御庭番衆の一員だったが、現在は反幕府組織に属している。迅衛門の旧友にして、サヤと凛花の兄貴分でもある。 --使用武器は刀の柄に銃が仕込まれている特殊なもの。なお、刀銘は九頭竜(くずりゅう)だが、[[これはもしや…>るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-シリーズ]]((もっとも「るろうに」の作者はサムスピシリーズのファンを公言しており、お互い持ちつ持たれつの関係である(「るろうに」にサムスピキャラのそっくりさんが出たこともある)。更に『サムスピ零』ではキャラデザとして参加している。))。 -七坐 灰人(かなくら はいと) --離天京にて用心棒と暗殺を生業とする薬物常用者。異人とのハーフとして差別を受ける不遇の幼年期を過ごしており、外国人や異能者を非常に嫌う。 --一部の必殺技を使うたびに薬を服用する。 -十六薙 夜血(いざなぎ やち) --離天京にある色町の用心棒。残虐行為を好む快楽主義者。 --ちなみに遊郭の太夫である那美乃(なみの)という恋人を持つが、実はその正体は… //%%幻十郎もそっちの好みもあるので今更ではあるが%% //↑那美乃はエンディングで「今度は女の体で…」という台詞があり、心(脳)は女性だった事が示唆されてるので単なるバイの幻十郎とは全く違います。 //色町の用心棒が、そういう障害のある人間と恋人関係を築いてるという奇妙ながら強烈なリアリティを持つキャラクターです。 //こんなハイレベルなキャラクター造形を2000年以前からやっていたという事は、特筆に価すると思います。 //もしこの主張を理解していただける人がいたら、特記事項?(クリックすると下に行く奴)やキャラクター紹介の文に加えて頂けると嬉しいです。 -吉野 凛花(よしの りんか) --反幕府組織に属する少女。ある出来事により人間不信に陥っているが、動物には優しい。ハムスターの鉄之介が良き理解者。 --%%決して赤松健の漫画『魔法先生ネギま!』のキャラクターではない。というかこっちの方が先。%% -つむじ風の臥龍(がりょう) --山賊団の頭である隻眼の大男。覇業三刃衆により子分を軒並み殺されたことから立ち上がる。 -サヤ(沙耶) --異国の暗殺者である姉御肌の女性。2つの鎌を使う。 --凜花にとっては姉のような存在。 -乱鳳(らんぽ) --離天京で悪さを繰り返す悪童。自分よりも大きい異国風の装飾が施された大槌が武器。 --武器の設定では武器商人が「ブーメランを持つ美女」から食料と引き替えに譲り受けたものを乱鳳が気に入って強奪したとある。サムスピでブーメランを武器とする女性と言えば…。 --設定上、子供なのだが仕様によるものなのかゲーム中での背丈はかなり大きい。 以下は朧を除いて隠しキャラクターで、初期のキャラクターでストーリーモードをクリアすると解禁となる。 -命(みこと) --覇業三刃衆の一人。色と反面のアスラの娘。覇王丸に養女として育てられてきた。自分と同じ赤い瞳を持つ刀馬に惹かれている。 --優しく穏やかな性格だが、時折別人のような冷酷さを見せる二重人格者。実は表の人格が本来の命で、裏の人格は『ポリサム』及び『アスラ斬魔伝』のラスボス・壊帝ユガの人格。 -九鬼 刀馬(くき とうま) --覇業三刃衆の一人。蒼志狼の兄弟子にして、父親の仇。 --白い肌に赤い瞳を持つことにコンプレックスを感じている。蒼志狼を殺害して、彼の刀「蒼煌」を奪うためだけに三刃衆に入った狂人でもある。 ---もっとも、蒼志狼のエンディングどころか本人のエンディングでも「蒼煌」を奪うどころか「紅煌」を取り返されてしまう。 -朧(おぼろ) --覇業三刃衆の一人。本作での黒幕に当たる。 --戦いの際は巨大な武器を術で操るため、姿を見せない。故に対戦では武器が本体となる。 ---そのためか彼は''CPU専用''であり、操作キャラクターとして選ぶ事が出来ない。 ---性能自体は「呪黙刀」が覇王丸、「禁滅槍」が花房迅衛門のコンパチであり、どちらと戦うかはランダム。 -大熊猫(ター・シォンマオ) --中国から修行に来た武道家。森の中で見かけた妖精さん(ナコルル)に一目惚れする。 --臥龍のコンパチキャラクター。武器は巨大な義手。 -眠兎(みんと) --乱鳳の妹分。天真爛漫で明るいが、乱鳳同様の悪童。 --乱鳳のコンパチキャラクター。また、彼女のみ隠しコスチュームが存在する。 -陀流磨(だるま) --世捨て人の老人で、乱鳳と眠兎の親代わり。その正体は伝説の居合人。 --灰人のコンパチキャラクター。 -無限示(むげんじ) --美に大して執着を持つ謎の大男。女装が趣味。 --夜血のコンパチキャラクターその1。 -幽堕(ユダ) --全身を漆黒衣に包んだ謎の男。その正体は前作『アスラ斬魔伝』の主人公であるアスラが記憶を失った成れの果ての姿。 --夜血のコンパチキャラクターその2。そのため、かつてのアスラとは性能が全く違う。 以下は特殊隠しキャラクターで、九皇蒼志狼を除き必殺技を持たない。 -伊賀忍軍 --服部半蔵の部下である忍者軍団。ザコキャラクター。 --半蔵のコンパチキャラクター。 -朧衆 --朧に使える女性暗殺者たち。ザコ(ry --彼女らのエンディングは超悲惨である。 --沙耶のコンパチキャラクター。 -ゴロツキ --名前通りのザコ(ry --彼のエンディングも朧衆とは比べものにならないが悲惨である。 --銃士浪のコンパチキャラクター。 -お侍 --眼鏡に細目が特徴のお侍、というかサラリーマン。言うまでもなくザ(ry --基本的にモブだが、プレイヤーキャラクターとして選ばれるお侍には「鈴木一郎」という名前がある。 --迅衛門のコンパチキャラクター。 -九皇 蒼志狼(くのう せいしろう) --「紅煌」を取り戻し二刀流となった蒼志狼。 --通常の蒼志狼の上位互換キャラクター。ストーリーモードでの時系列は全キャラクター中最後となる。 以下はNPC。なお、ストーリーモードの会話やエンディングなどで歴代キャラクターについても小ネタ程度に触れられている。 -ナコルル --50cmほどの精霊として登場。ポケットステーション用ゲーム「ナコPG」の操作キャラクターでもある。 --なお、彼女のテーマ曲のアレンジがナコリム姉妹によるボーカル入りでエンディングに使われている。 -リムルル --本作では『真』以来のNPC。ストーリーの合間やギャラリーで顔を見せる。 --ある事情によりコンルに20年もの間封印されていたため歳をとっていない。 #endregion **システム -キャラクターは3Dポリゴンで表現されているが、ゲーム自体は従来作通り2D格闘と変わりがない。 --今作では通常技から中攻撃が無くなり、弱斬りと強斬りとキックのみとなった他、新たに回避ボタンを搭載。 --他にもブロッキングに相当するシステムとして、防御しつつ相手の背後に回る「いなし」や長時間相手をよろけさせるゲージ消費技「峰打ち」など独特のシステムが搭載されている。 --サムスピ特有の一撃必殺のバッサリ感は健在。 --攻撃を受ければ受けるほどゲージが上がっていく怒りゲージも搭載されており、怒り爆発による一閃も搭載されている。 --他、武器飛ばし技や一撃必殺の逆転技「秘奥義」なども存在。 -ライフゲージがやや独特。 --基本的にキャラクター1人につき3本分持っているが、2本目以降は体力が3分の1ずつ少なくなるように設定されているため、実質2本くらいの割合と思われる。 ---3本目になると一、二撃であっさり勝敗が決まるため、必殺感が特に大きい。 --従来と異なりゲージ3本を全て0にした時点で勝ちとなり、2本先取などの概念がない。 -メインモードであるストーリーモードの他、練習モードや対戦であるバトルモード、「体力回復無しで規定人数を倒す」といった課題をクリアすることでキャラクターを強化できるアタックモードなどを搭載。 --なお、ストーリーモードはキャラクターごとにラスボスが決められているほか、対戦するキャラクターも完全に固定されている。 -ギャラリーモードも搭載。 --ストーリーモードなどをクリアするたびに貰えるイラスト交換札を使って、リムルルとのミニゲームに勝てばイラストが1枚貰える。 --このイラストは本作だけではなく、本作以前のシリーズ歴代作のイラストも含まれている。 ---中にはかつてのサムスピシリーズ公式サイトで連載されていた「柳生人生劇場」((柳生十兵衛が主人公の現代サラリーマンパロディ連作イラストないし漫画作品。))のイラストも収録というマニアックな部分も…。 -ポケットステーション対応。 --ギャラリーのミニゲームで条件を満たせば、「ナコPG」「サムライウォッチ」をダウンロード可能。 --「ナコPG」はナコルルを主役としたダンジョンRPGで、キャラクター強化アイテムを入手できる。 --「サムライウォッチ」はナコルルとリムルルのデジタル時計。ナコルルはアラーム機能が、リムルルはスロット機能が付いている。 ---- **評価点 -練りこまれた世界観とストーリー。 --全体的に暗い雰囲気が漂っており、一部キャラクターの危ない設定も相まってかシリーズの中で最も退廃的な世界観を持つ。 --各キャラクター一人ずつ独自のストーリーが用意されている他、キャラクター間の会話デモが繋がっており、交差していく様は面白い。 -BGMも良曲揃い。 --船着き場の波の音、虫が鳴く夕暮れの村など環境音にも抜かりはない。 -対戦時の各演出も練られている。 --ロード画面では黒一色で描かれたキャラの一枚絵が映る。出来も良く、なかなか格好良い。 --ライフゲージが2本目に映るたびにゲージが剥がれるように変わっていく。 --ただし、これら演出はバトルのテンポを下げてもいる(後述)。 -ギャラリーモードでの収録イラストの多さ。 --本作発売時点での歴代シリーズ作のバストアップグラフィックやキャラクターイラストを収録されているため、一見の価値はある。 --コンシューマー移植がされていない『侍魂』『アスラ』のイラストも収録されているため、資料性は高い。 **賛否両論点 -操作キャラクターが一新された事。 --歴代シリーズ操作キャラクターの中では実質覇王丸のみ続投、かつナコルルとリムルルはNPCのため、大きく賛否を呼んだ。 ---一応、本作の服部半蔵は父の性能を継承している他、設定上も「天草四郎時貞の依代にされた人物のその後」なのでその点は興味深いものがあるが。 --その一方で本作が初出となるキャラクター自体の人気は悪くなく、シリーズ中で一番侍らしいキャラクターが出てくるとして好評。 **問題点 -PS初期のゲームかと思うほどにポリゴンが粗い。 --身体や裾はブロックのようにカクカクで、とてもPS後期のゲームとは思えない。 ---また、OPムービーにはナコルルVerも存在するのだが、ポリゴンのナコルルの見開かれた目が異様なまでにでかい。妖精どころかまるで妖怪だと揶揄される事も。 --一応、ムービーや必殺技の演出自体は練りこまれているため見栄えはそこそこ良い。 -ゲームバランスは悪い。 --全体的に攻撃時の隙が大きくガードも甘いなど相手CPUが弱く、必殺技を全く使わず強斬りゴリ押しだけでも勝ててしまう事もザラ。 --ガードに成功すると何故か間合いが狭まる。 --キックによるカウンターが強く、決まると相手が長時間よろけて隙だらけになる。 --連続技や派生技など多くの必殺技が用意されているが、バランスの悪さもあって一人プレイでは使う機会がほとんど無い。 -演出に凝るあまり、対戦テンポが悪い。 --敵味方ともにゲージが2本目に映るたびにダウンして仕切り直しとなり、起き上がる間は移動のみで攻撃ができなくなる。 ---さらに3本目に入るたびに追い込んだ側のキャラクター演出が入るため、煩わしさを感じる。 --イントロや勝利ポーズも長く、カットも無し。 --これらのせいで、コンティニュー時やストーリーモードなどでのザコ敵との連戦時に特に顕著に感じてしまう。 -3D格闘の宿命か、コンパチキャラクターが多い。隠しキャラクターの大半が当てはまってしまっている。さらに伊賀忍軍、朧衆、ゴロツキ、お侍にいたっては必殺技すら無い。 -コマンド表が練習モードでしか確認できない。 --さらにコマンド表も通常技と必殺技がまとめて表示されており、必殺技は下段の方に位置している他、カーソルが合わさっている技のコマンドしか表示されない。 ---カーソル位置も記憶されないため、必殺技のコマンドを確認するのが面倒。 --オプションでボタン配置を変更してもコマンド表に反映されない。早い話、見づらい仕様。 -「ナコPG」のエンカウント率が非常に高く、一歩歩くたびに敵とエンカウントする事が多い。 ---- **総評 試みは面白かったものの肝心のゲーム部分はヌルゲーであるなど評価が悪く、知名度もあまり無いなど微妙なマイナーゲーの印象が強い。~ その一方で、キャラクターや世界観などは評価されており、力の入れどころを間違えなければ評価はまた変わっていたと思われる。~ ギャラリーの存在もあり、ゲームそのものを楽しむよりもファンアイテム寄りの作品とも言える。 ---- **余談 -本作は従来作と異なり、「サムライスピリッツ新章」の部分がサブタイトル扱いとなっている。 --媒体によっては『サムライスピリッツ新章 剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃』と逆順に記載されていたり、単に『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃』とのみ記載される場合もある。 -かつて刊行されていた雑誌『月刊マガジンZ』にてコミカライズ版が連載されていた。作者は矢口岳氏。コミックス全2巻。 -本作より吉野凛花・沙耶・命の3人が、原作とはパラレル設定の恋愛ゲーム『[[デイズ オブ メモリーズ]]』(DOM)シリーズの3作目『大江戸恋愛絵巻』に出演している。 --命に至っては、原作における母親である色との同時出演。もっとも、『DOM』の方では血縁関係は無くなっているのだが。%%誰の子なんだ命%% -本作の時系列はサムライスピリッツシリーズの作品群で最も後の時代に位置しているが、後に発売された『[[サムライスピリッツ閃]]』は本作より前の時系列であるはずであるものの設定に一部矛盾が見られるため、公式には明言されていないがユーザーの間で『閃』とは互いにパラレルなのではないかと言われることがある。

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