Sha-ta-Kurkêch-mechûthashna
生年月日 |
1673年11月1日 |
出生地 |
プダージ ダイユンヴァール |
職業 |
国教院長官 国教院集約神教庁職員 124号計画リーダー |
出身校 |
アーフェン=シャプチ神学校 アーフェン総合大学 スライエン分校 |
功績 |
国内初のアンドロイド共生を主張 ニマエラ・ストラメウトの保護 マクチ=ラ=グヤーム設立認可 シャミー参事会国教担当官 |
親族 |
キューラウ博士 スニャールフィエ サリエ トレーミャナルチ |
シャ=タ=コルケーチ=メチュートハシュナは
74号計画で製造されたプナイゴーシ耳の女性ミュンシャの神学者、思想家、政治家。
第二次宇宙大戦戦前は国教院長官として国のアンドロイド政策に関わり、三曜会のメンバーとして国際的に活動した。戦後は
ニーネン=シャプチでシャミー参事会の国教担当官として
アイプゴン自治国との民間交流の促進を行った。
命名
メチュートハシュナは
キューラウ博士によってスンシャ式命名法で命名された最初の人物である。
苗字は「天命」を意味するKurkêch(コルケーチ)に「大きい、偉大な」を意味する接頭辞ta-をつけたもの。
名前は「起源、始祖」を意味するmêch(メーチ)の複数形(mechût)で「あらゆるものにあるあらゆるものの起源」に、「起源、全てのもの」を意味するhash(ハシ)の組数形(hashna)で「いくつかある全てのものの起源」という語をつなげたもの。すなわち、メチュートハシュナの名前は「あらゆるものにあるあらゆるものの起源と全てのものにあるいくつかの起源」という意味になる。
命名者のキューラウ博士によれば「あらゆるものにあるあらゆるものの起源」mechûtはすなわち「全ての生物に存在すべき愛」を意味しているらしく、それは「生存本能」であるという。一方で「全てのものにあるいくつかの起源」とは「エシュトがエシュトたる根源」を意味しているらしく、それは「見果てぬ夢を見続けること(=nalch)」であるという。「見果てぬ夢」nalchについては後々に生まれる
トレーミャナルチにもその命名の影響が見られる。
後世のキューラウ博士の批判の一つに「自分が製造した最初のスンシャ個体であるメチュートハシュナが同じ『起源』を意味する語を二つつなげて命名したのは政治的意図があったから」というものがあるが、キューラウ博士本人は前述の通り命名の意味であるとして否定している。
経歴
生い立ち
1673年に
74号計画の最初の製造個体として培養ポッドから生まれる。生まれたばかりは名前ではなくコードネームとして「
コルケーチ / Kurkêch」と名付けられたが、その後すぐに
キューラウ博士によって正式な
メチュートハシュナ(開闢)という名前を与えられる。
0歳2ヶ月頃に小児二途病にかかり生死を彷徨う。キューラウ博士が看病し、病魔に負けないように名前にタ=をつけ、
シャ=タ=コルケーチ=メチュートハシュナという名前になる。
1675年、もうすぐサリエが生まれるかという頃、2歳のメチュートハシュナとスニャールフィエが「サリエの世話を互いに譲らない」という理由で大喧嘩に発展しスニャールフィエがメチュートハシュナの腕に噛みつく。その後、サリエが生まれる。
この頃のメチュートハシュナは病気がちだったがお姉さんらしくすることを好み、彼女のおままごとでも仕切り役をやりたがった。
1679年、タイユ=プノームが閉鎖される。メチュートハシュナはミュンシャたちの四人の中で唯一キューラウ博士から直接閉鎖になる理由を聞かされる。
スニャールフィエとサリエは貴族家の養子に、トレーミャナルチはストリートチルドレンになる。メチュートハシュナはミュンシャたちの中で最初に里親が見つかった子で、トゥーガン家に引き取られる。トゥーガン家の父親は元星衛主席の
ティエフェダームである。
トゥーガン家での生活
メチュートハシュナは
チャグマ=ダプラのアーフェン郊外にあるトゥーガン家の家で暮らすことになった。
ティエフェダームは星衛主席辞任後に結婚し子供もいなかったため、二人からはとても大事に育てられた。
ティエフェダームは若い頃に拝男教の教会(シャイユシテプガン)で神官と揉め事を起こしてから宗教関係の話題を遠ざけていたが、メチュートハシュナを引き渡される際にタイユ=プノームの職員から心優しい子という話を聞き、ニーネン=シャプチ各地の民話や神話を寝る前に聞かせたり、神学を勉強し直してその内容を話したりしていた。メチュートハシュナは幼くして
ローチェ=ベフムーチェになりたいと思うようになった。
幼少期は離れ離れになった他のミュンシャたちのことを思い出して寂しくなり泣いてしまったり、心配するあまり一人で家を飛び出して迷子になってしまったりすることもあった。
その度にティエフェダームの妻は「絶対生きてるから、大きくなればまたそのうち会えるよ」と励まし、「自分から探すのは大変だから、偉い人になって見つけてもらったら?」と提案した。この話を聞いてメチュートハシュナは高位の神官であるスンディシャムーチェになるという将来の目標を立てた。
神学校時代
メチュートハシュナにとって神学校は居心地の良い場所だった。
あまり活発で暴力的な男の子がいなかっただけでなく、先生たちも落ち着いた雰囲気だったかららしい。
しかしメチュートハシュナは在学しているうちに高位の神官ではあまり有名になれないことが分かり、大学への編入試験のための勉強を始めた。
大学時代
アーフェン総合大学はかなりの名門だったので二浪した。
国教院職員時代
国教院職員になって最初に配属された部署は集約新教庁だった。
国教院長官
何かの功績があって国教院長官になる。
再会
国教院長官となったメチュートハシュナは愛国党の党員だったスニャールフィエと再会した。
せっかくだからここでスニャールフィエのピンチに現れてお姉さんパワーで助けてあげてほしい。
スニャールフィエ政権時代
スニャールフィエが星衛主席になった時には正教院長官としてスニャールフィエ参事会と協調し、個人的にアンドロイド政策、人工獣人問題、ケーシャ=ニーネン幸福格差問題への提言を行い、彼女の政権をアシストした。
三曜会のメンバー
スニャールフィエ政権退陣後には三曜会のメンバーとしてメチュートハシュナが参加したのはスニャールフィエの強い勧めだった。
メチュートハシュナは三曜会で「アンドロイドはアイデンティティを主張すべきだし、ヒューマノイドはそのアイデンティティを理解すべきである」と異種族の和解と調和を訴えたのはスニャールフィエが実現しようとしていた「人工獣人の権利保障」を意識したものであり、彼女に言われたわけではないだろうが彼女の意志を代弁していたのではないかと考えられている。
サンシャンマヒャパ政権時代
サンシャンマヒャパ政権では国教担当官として参事官になる。
トレーミャナルチが
ニマエラ・ストラメウトを亡命させた際、住居や生活の援助を行った。
第二次宇宙大戦以降
第二次宇宙大戦後はあまり表舞台に出なくなるスニャールフィエとは異なり、メチュートハシュナは新生ニーネン=シャプチで独自に
サクトマンク主義を発展させたとある思想を提唱する思想家となり、重要なポストにつく予定。
性格
おしとやかで控えめな性格。めっちゃ優しいお姉さんで善人。子供が好きで聞き上手。いわゆる癒し系である。
暴力的なものや恐怖に対しては耐性がなく、臆病であり、怖がり屋さんである。
彼女の振る舞いをラニラコンに例えられることも少なくない。
怒るのは得意ではなく、ついつい溜め込んでしまうタイプ。
昔はとにかく繊細な心の持ち主だったが、経験を通じて結構神経が太くなった。自分の悩みには気づきにくい。
神学校時代に女子寮に入っていたため生活力が高く、家事が得意。特に清貧な生活を強いられていたことから節約料理が得意で、微妙な食材から絶品グルメを錬成することが可能。他の人がいる時にはしないもののちょい足しアレンジや隠し味を入れるのが好きで、タイユ=プノームの仲間たちがいる時には何の隠し味を入れたかクイズを出すこともしばしば。ただし味変には厳しく、滅多に怒ることがないメチュートハシュナだが味変だけは怒る。普段怒らない人を怒らせたら怖いってそれ一番言われてるから……。
誰かのためには頑張れるタイプだが、それが原因で気疲れを起こしてしまうことがある。メチュートハシュナにとって道徳とは「誰かのために人知れず支えること」であると考えているため見返りを求めることは決してない。しかし、自分のために頑張るとなるとかなりポンコツであり、他の人に助けてもらうこともしばしばある。放って置けないお姉さんキャラである。彼女曰く一応あんまり自分のためであると考えないようにしてポンコツを回避しようとしているらしい。
会話では聞き役のことが多く、流行にはあまり敏感ではない。
趣味は料理と庭の手入れ。食料品・日用品の買い物も好き。珍妙な見た目の植物を育てるのが好きでミュンシャたちには気味悪がられているような外国の植物でもとても可愛がって育てている。
食事の好き嫌いは少なく庶民的な料理ならどれも好き。高級料理も嫌いではないが、普通の料理のチープさが安心するんだとか。苦手な食べ物はエルトリアンブロッコリー。
ゲームの好みはスローライフ系。コツコツやるのが好きなので気がつくと(ゲーム内で)大金持ちになっている。
外見
プナイゴーシ耳の
ニーネンラフェウを持つ。髪は横髪を三つ編みにしたボブカットで髪色は色素の薄い金髪、つまりやや薄い小麦色である。虹彩は紫寄りの碧眼でややたれ目。肌は白くやや赤っぽい。ミュンシャではあるが
スニャールフィエや
サリエとは異なり頬にミュンシャ斑がない。身長は163cmでスニャールフィエよりもわずかに低く、
ミュンシャたちの中では2番目に背が高い。
すらんちは豊かであるがお腹やお尻の肉もちょっとあるらしく本人は気にしている。左の二の腕には幼い頃スニャールフィエに噛まれたであろう噛み跡がうっすら残っている。
声質はブレスのかかった優しい声。
運動能力に関しては自他共に低いと認識されているが、それはスポーツ等に限った話であり、日常的に使う体力はむしろ一般人よりも高く、体力を使う家事でもへっちゃらでできる。いわゆる運動神経だけがあまり良くないタイプ。
服装は伝統的で品のあるものを好み、デフォルトではちょっとアレンジされたヴェフムーチェ女性神官の服をまとう。暗赤色の外套(ケープ)の下には白っぽいワンピース様のものを着用し、ケープと同じ色のエプロンの前かけのようなものを着る。
交友関係
スニャールフィエ
スニャールフィエとは長女(メチュートハシュナ)と次女のような間柄。
アクティブで大胆不敵な性格のスニャールフィエと控えめで繊細な性格のメチュートハシュナとの相性は良く、分厚い心の壁の奥にある悩みを聞く良き相談相手である。
スニャールフィエにとって仕事柄あまり本心を吐露できない事情があるため相談できる知人がおらず、タイユ=プノームの仲間たちの中でもサリエは直接の妹にあたるため逆に言いづらく、トレーミャナルチは幼馴染感が強くて言いづらく、キューラウ博士はどちらかと言うと困ったちゃんな母親のような存在らしいため、メチュートハシュナの存在は彼女にとって重要であるらしい。
一方で、度胸があってアクティブさのあるスニャールフィエはメチュートハシュナが物怖じしていたり手をこまねいていたりする時に(やや強引ではあるが)背中を押してくれる存在であり、優れた身体能力こそ失ったものの身につけた政治力を駆使して彼女を悪党から守ってくれる存在でもある。また、メチュートハシュナは自分のためとなると途端にポンコツになるためスニャールフィエが彼女を助けてあげることも少なくなく、案外持ちつ持たれつの関係である。
エピソード
- 1735年にニーネン=アクース間で締結されたラノー条約の首脳会談において、スニャールフィエがセツ・エメルダを膝の上に乗せたのは、スニャールフィエがメチュートハシュナに「エメルダ同志と親交を深めるにはどうしたらいいんかー?」と相談した時に「それならお膝に乗せてみたら~?」と提案されて「それしかないな!」と妙に納得してしまったからだとか。
- つまりメチュートハシュナの入れ知恵である。
- ちなみにその当時の写真にはいつも通り涼しい顔をしているスニャールフィエが写っているが、実はメチャメチャ恥ずかしかったらしく後日メチュートハシュナにスゲー抗議したらしい。
関連項目
最終更新:2022年10月03日 04:21