「新年、あけましておめでとうございまーす!おめでとうございまーす♪本編とあんまり関係無い設定で困ってる国井です。」
「あけましておめでとう。フレデリック・クロスナーだ、本日は神坂●リスペクトで、台詞のみでご挨拶まで伺おうと思う」
「此方新年会の会場です。公安、華僑、
ウラノツカサ、コンビナート、ハーメルン、モラトリアム、
ネイバーフット。各種それぞれのお客さんが次々来ると思います♪」
「というわけでここは2016年1月限定で適当に喰っちゃべっていこうと思う。
リレー小説だと気構え無きゃ、なんて人でも気軽に来て喋って貰えれば嬉しいぞ。
なんせパラレルだかんね。他人を喋らせて設定壊しまくっても怒られない。色んな奴と喋りたいものだ」
「不安な方向けにいきま~す、えい!」
- このSSはパラレルです
- 登場したPC、NPC問わず、パラレル内で他の方にも動かして頂ける権をパスして頂ければさいわいです
- お好きなように御遣いください
- いつものように区切りを書いたりキャラさんの御名前を貰えると嬉しいです!
「落ちたな。これで偉い人にも怒られません☆」
「なんか特に書く事ねーなって人でも挨拶して顔でも見せて貰えれば此方で勝手に挨拶SSなり駄弁るSSなり芸をやったり好きにかかせて頂くので、
ゼヒヨロシクオネガイシマス。その危険性があります」
「中の人が可哀想にお正月ヒマなので、助けると思って!後は愛しの
テッポ店長を連れて来て延々とパンを焼いて貰おうと思います、楽しいお正月になるなあ♪」
ここは異次元宴会場「笑民」。
古今東西の時間軸の世界、人、料理、酒が集まるところ――。
「……何でこんなことに……」
中学一年生くらいの白っぽい子供が、ジュース片手に会場の隅でちょこなんとしていた。
その可愛らしい顔立ちから男装の女の子に見えなくもないが、一応れっきとした男子である。
その名をヘル、と言った。
壁の花になっているヘルとは逆に、会場をちょこまかと動く少女がいた。
飲み物を注いで回ったり、開いている皿があれば料理を勧めたり、なかなか気が利く。
愛想がよく地味な服装はしているが、年恰好から店員に間違えられる、ということもなさそうだ。
これが“吸血鬼”
ルーシーの素顔だと聞いたら、驚かれるだろうか?
「ハイハーイ、いらっしゃーい! 何飲む? ジュース? 烏龍茶? 酒飲みたいヤツは店の人に注文な!
あっそれから、先週、修羅の国に行ってきた土産があるから! 一人一個ずつ持ってって! ひよ子饅頭と鶴の子マシュマロ、1個ずつ!」
レバーコックつきのドリンクサーバーを背負った眼鏡の男…
公安33課の眼鏡野郎・
キースが、訪れた人々の間を賑やかに回っては飲み物を勧めている。
「普通それってビールを注ぐ物じゃないんですか?」
「イヤだって未成年も居るわけじゃん? イチイチ年齢確認するのもアレだし。…マル君は烏龍茶な、ハイ!」
手ずから注いだ烏龍茶のグラスを押し付けたキースは、安心したような残念なような複雑な愛想笑いを浮かべる
マルクに手を振り、新たに来た者のもとへ向かう。
宴会場入り口付近でウロチョロしているキースの反対側、宴会場の最も上座に当たる位置には、
「シャンパンが飲みたいなあ。何か持ってきてよ。ツマミは凍らせた白葡萄と苺ね。チョコレートも。」
白い女が座っている。我が物顔で店の人間を顎で使い、至極当たり前のような態度で給仕させている。
「…いいんですか、あれ。高そうなボトル開けてますけど。」
「動くと何やらかすか分からんあのお方が、静かに座ってくれているんだ。安いものだろう。今はそっとしておけ。今は。…あんまり調子に乗ってドンドコ飲まれたらまあ流石の俺も怒るかもわからんけどね!」
ひそひそと会話を交わす
フレデリックとマルクの視線に気付いたのか。白い女…歩く災害・
エルダはにこりと微笑んで、上品な所作でシャンパンのグラスを掲げてみせた。
そんな中、誰の心情もお構いなしに彼女の側でちゃっかりと、おこぼれに与る人もいた。
ウェーブのかかった癖毛を眠たげに揺らし、ちまちまとシャンパンを飲むその人…
いや、ここでは”羊”と呼ぶべきだろうか。
33課の中では”羊”や”
メリー”の愛称で親しまれている、夢乃真白(ゆの ましろ)だ。
なるほどそのふわりとした髪と憂いを帯びたまなざしは(大抵眠いだけだが)、羊を連想させるかもしれない。
「……美味しい」
音もなくそうっと、というよりもノロノロとした動作でグラスを置いたワンテンポ後、
ねむたげな表情のまま、ぽそりと呟くように言葉を零す。
次のターゲットである生ハムに緩慢に箸をのばして、口に咥えればはむはむと咀嚼しはじめる。
その食事の動作まで、本当に動物のように見えてくるのはなぜなのか…。
「……おかわり」
そうして生ハムを飲み込んでしばし、空になったグラスを見つめて首を傾ける彼女が
数十秒後にフワリと店員へと放った言葉は、周囲の喧騒に紛れた。
「よっ、フッ君」
「1965年代のアイドルみたいな呼び方は止せ、」
キースに愛想良く挨拶され、フレデリックは純米酒を煽りながら片手をあげて軽口を向けた。
公安部に所属しているとは思えないぐらい、愛想の良い男だと知っている。
にこにこと間の抜けた、悪意無い笑みで隣に座るのを咎める事もない。
「白い災害サマはご機嫌だぜ。なんか、それとなく止めなくていーの?」
「金はどうせ御偉方が出すから関係無いもん。それを言ったら夢乃がフードファイトみたいな量喰いかねないがいいのか。
前回あの調子で三日ぐらいいたんだろ」
「流石に今回は夜で止めるから平気だって!」
二人の軽口の応酬に、隣の丸也は不安そーに眉を顰めて微笑んだ。
「後で怒られないかなあー……。パラレル物ですからすぐ銃撃ってきそーな」
心配気な丸也の言葉にも耳を貸す様子も無く、
「問題無い。ギャグ回だからすぐ蘇るし」
「身も蓋も無い!」
「おい望クンはどうした望クンはァ~。こういう時に万が一死んだとしてもあいつなら蘇らせてくれるだろ?んん~?」
「望が可哀想!フッ君サイテー!望はげんきのか●まりじゃないやい!」
「うるせーー!なんだかんだ「死ぬ事を誰に許されたつもりなんだ?お前は……」とか言って某兄貴に蘇らせられるに決まってんだ!
俺みたいな死んだら静かに退場のキャラとは違うんだ!ずるい!」
やいのやいのと男三人で騒いでいれば、
ぱふっ。
間抜けな音と共に、三人の周囲に粉雪が散った。
暖房と共に解けるはずが解けない。
「さッッ む!」
「雪見酒かよ。いや寒いよ。俺冷え性なんだよ」
「ぼぐなにもしてないのに」
「あ、ごめんつい巻き込んだ……」
気まずげに謝罪したのは、壁際で甘桃のジュースを舐めていたヘル少年である。
飲料は趣味なのか、はたまた少女に勧められて断れなかったのか。
「いい大人がみっともなくはしゃがないでよ。ルーシーを見習ったら」
「大事な会議だ。コンビナートのこれからをも考えるべく」
「酒の話でしょ?馬鹿らしい」
「クーン」
犬の鳴き声の真似を真顔で以てして、フレデリックは降参した。
ヘルとはそこそこな時間の付き合いをしている。
手口はバレているという事だ。
冷たい視線が痛い。
「怒られた怒られたー」
「眼鏡割るぞ」
「まあまあ。にしてもさ、でもさっき酒の量気にしてなかった?なんで?」
キースの不思議そうな問いかけに、フレデリックはピジョンブラッドの瞳を鋭く眇め、給仕台の上に目をやって応える。
続けてキースも視線をやり、酒の山を見遣ったのだが……。
「……あー、あれ?」
数々の酒の上に樽で恭しく置かれているのは、誰が呼んだか。銘酒・「まほらば」。
N国の一等急の米の中、粒を黒い盆の上で揃え、丁寧に粒の大きさまでを揃え、
磨き抜いた逸品だ。お値段ン百万円。ギャグだ。ギャグである。
「”アレ”さえ残れば構わん。そして、恐らくあれが開くのは暫く後……。ルーシーの給仕次第だな。割りと好みを聞いているが前段から給してる筈だ。」
「へぇ~……。 あ、るーちゃん俺ゲソ炙りマヨ!と鮭児のルイベ、あと貝柱とみつばと人参のかきあげ!」
「そんな面倒なもん頼むな。ルーシーが出来るわけ」
「は~い♪ ちょっと待っててくださいね~」
「やるの!?」
「へ、フッ君知らんかったの?ほら」
キースがぐびぐびと烏龍茶を呑みながら雑に顎でしゃくる厨房。そこには…
「本当だな!本当に俺が料理したらベトナム種の小麦を解禁してくれるんだな!」
「うおー……ありゃハコラの店主じゃないか。うわ四分身してる………」
「あれ、31の夜からずーっとやってる」
「倒れないのか」
「倒れる度に治してるぜい」
「鬼か」
「本人がやってくれって言うから……」
何の気はなしに言うキースに、フレデリックは違和感を感じた。
こいつ酔ってるのか。真正のドSなのか。天然か。天然由来のSか。
「手伝ってきます。ちょっとですけど」
「そうか、ま、頑張れ」
「久しぶりに労働したい気分になってきたので♪」
そう言って去る国井丸矢の微笑みは、どこか威迫を感じる。
炙られたゲソとすれ違いで去っていくその背中を、ヨッパ・メガネ・少年の三人が見ていた。
「社畜乙」
「頑張り屋だなまるるんは」
「気持ちは分かるかも」
「「「え???」」」
※当場面はギャグパートにつき、MOBセリフのみでお送り致します※
(〜ここから〜)
「3日…?マジで?」
「あの羊どんだけ食うの?っていうか食ったものどこに行ってるの…?」
「そんだけ食うにしては太ってないよな、胸以外は」
「…じゃあ全部、胸の栄養に…?」
「マジで夢のようなお胸ですね」
「おい見ろよ、巨大ひよこをいつもと変わらぬ表情で頭からいってるぞ…」
「オレサマオマエマルカジリ…。」
「なんかあれはあれで怖いな」
「ひよこが羊に捕食されてる…」
(〜ここまで〜)
「うわぁ」
ついうっかり声が漏れてしまったが、それも仕方ないと思って欲しい。この場のあまりのカオスさに着て早々当てられたのだから。
「〝災害〟のお嬢さんに、コンビナートの幹部にキースが絡んでるし……
パン屋の店主、あれどんだけ速度出てるんだよ。複数人に見えるぞ? あと、ルーシー嬢、何であんな生き生きと給仕してるんだ」
壁に凭れつつ遠い目になる〝探偵〟こと
ミラビリスは、手にした紅茶の杯を傾けつつ吐息を零した。
確かに楽しい。楽しいのだが………
「……ま、いっか。多分『パラレル設定』とかいう最強の力が働いてるんだろうし」
結局考えてもどうにもならない、と、思考を放棄して。そうして、また紅茶を一口飲む。
決して酒に弱いわけではない――とはいえ、強くもない。人並み程度だ――彼が、いくら好物とはいえ紅茶しか口にしていない理由。それは、
「どうせ、そのうちどっかで酔いつぶれて介助が必要になるだろうしなぁ」
というものだとか。
……しかし、彼は忘れていたのだ。世の中、酔ってくるといろいろな箍が外れるということを。そして、その中で一人冷静なものがいるとしたら、どうなるのかを。
賑やかな店内、かしょかしょと弾倉を装填する音。たんたたーん!と軽やかな銃声。
羊を凝視していた最中赤い血糊を吹いてのけ反り倒れるまるくん。
「ΣΣぶふぉあ!?何すんのー誰!?」
「本当ですね。皆さんのおっしゃる通りすぐ生き返ります。せーふ」
撃ったとてつもなく胸が洗濯板の銀髪の少女(
ジゼル)が二丁拳銃をホルスターに仕舞いちゃきっと片手をあげてぴぴーと笛を吹いてると
場の大いなる力で倒れたところからオキアガリコボシのように2秒で蘇ってツッコむまるくん。
「お土産にあんまり美味しくないブラッドソーセージお持ちいたしましたわ。ささ皆様でどうぞ」ずずいと差し出されるお年始包み。
「アッ!? それはご丁寧に?!何故だろうちょうど今血が足りなくなった気がしてたんですよね僕!!」
「つか、ジゼル本気で撃つなよ……まじ引くわー」
「冗談と本気の境目のない奴というのはいつの時代も困りものだな」
等とモブモブしく頷き合っている若い男(
ミサコ)と少年(田中)だが若い男は全裸に紋付き袴のボディペイントを施し、
じじむさい空気の少年は額に日の丸扇を張り付け玉虫色のマラカスをサンサン七拍子のリズムで振っている。
「文章だと伝わりにくいコトこの上ないツッコミ待ち仮装芸よりマシですわ。わかりやすさが一番大事だと判断したまでです(ぴぴー)」
「ねえ僕の命は?!地球より重くて大事と噂の一人のニンゲンの命の立場ドコーー?!」
隅っこで大人しくしていた探偵が思わず、といった様子で声を漏らした。
まあ確かに、この様子では呆れるのもドン引きするのも仕方あるまい。
この私でさえ、紋付き袴のボディペイントは少し無理があると思う。
だがその彼も、いつまで傍観者でいられるだろう…。
少し先の未来を想像してから、そっと心の中で祈りを捧げた。
「…ねえ、お願い。中に入れて?」
唐突に聞こえた幼い声。
思わず、この場に似合わぬないその音の発生源… 厨房の前に目を向ける。
アルバイトだろうまだ若い店員に向かい、無茶を言って困らせていたのはメカメカしい車椅子に乗った小さな少女だった。
流暢に日本語を喋ってはいるが、色素の薄い肌に金髪碧眼、という異国の容姿は目を引く。
「具合悪そうな子がいるの。メンテナンスしてあげたいの」
フリルやレースのあしらわれた、子供らしく可愛らしいながらも上品な生地のワンピース。
髪を結ぶ薄紅のリボンが、彼女が喋る度にヒラヒラと揺れる。
クルクルと丁寧に巻かれた金糸のツインテールも相まって、まるでどこかのアニメで見たお人形さんのようだ。
「…ねえ、聞こえる? あの子。」
あれは33課所属の、
ヘンリエッタ。幼くして《機械偏愛/メカノフィリア》を発症した、優秀な工学者(メカニック)。
彼女に見惚れたのか、ぼう、とした表情をしていた店員が慌てて、厨房を振り返る。
「奥から二番目にいる… おっきい、冷蔵庫」
確かに具合が悪そうな人物は厨房にいるだろう。
先日からせわしなく働き、何度も倒れているというパン屋の店主…… ではなく、冷蔵庫。
機械の声を聞く彼女は、それの声を聞いたのか。
冷蔵庫?、と復唱して首を傾げる店員の服の裾をそっと掴み、上目遣いでお願いする彼女。
「ねえ、ちょっとだけでいいから…、すぐに終わらせるから…。お願い…」
なぜか頬を赤く染め、ぶんぶんと首を縦に振ることしかできなくなった彼に、
ぱああ、と満面の笑みを見せ、お礼の言葉を口にする。
「ありがとう、お兄ちゃん!!」
…この一連のやりとりを見ていた周囲の者が何人か、飲んでいた物を吹いた。
あの少女は天然なのだろうか…、それともわざとやっているのだろうか。
あまり深くは追求しない方が幸せかもしれない。世の中には知らない方がいいこともある…。
そう思った私はそっと目をそらした…。
「大丈夫ですかー、拭くものお持ちいたしますねー」
若干間延びした口調で、先ほど飲み物を吹き零してしまった人々に声をかける少女が一人。
同じように給仕をしている少女よりは歳を重ねている印象だが、それでもこの宴の席に居るには若すぎるようにも思える。
それでも既に良く分からない空気になっている会場を見ても動じることなく、忙しなく動き回っている。
とはいっても、全く何にも感じていないわけではない。集まった人々の行動に呆れることもあれば興味深く思うこともあるのだが、表情や態度には出していない、それだけのことだ。
この須藤葵にとって、自分を作る、あるいは偽るといったことは朝飯前なのだ。
布巾を取りに行く途中で注文を取り、厨房へと向かう。
そこには残像が出来る程の速さで働く見慣れた姿があった。
既に何回か倒れたとか言ってなかったか、この人。流石に眉を顰めため息を吐いた。
「あのー、そろそろ休まねーと本気で死んじゃうと思うんだけどー。大好きなパン作りも暫く、ってか二度と出来なくなっちゃう体になるかもよー」
パン作りを引き合いに出せば少しはこちらに注意が向くかとも思い、声をかけてみた。
やはり自分の生きがいが出来なくなるのは嫌なのか、一瞬動きが止まったような気がした。しかしそれも本当に瞬きをする間の出来事で、目を開ければまた分身しつつ働く店主の姿があった。
そんなにしてまでベトナム種の小麦とやらが欲しいのか。働かせてもらっているだけでなく、住処も提供してもらっている身ではあるが、無性に情けなくなってきた。
何かを諦めたようにもう一度ため息を吐くと、軽く肩を回した。そうして分身の一つと化している店主の体へと手を伸ばした。
慣れた手つきで首に片腕を回し、もう片方の腕でがっちりと固定する。
「ごめーんね、痛くしないから許して☆」
耳元でそう囁き、ぐ、と力を籠める。
流石に何度も倒れていたせいか、大した抵抗も無く気を失う。一気に体重のかかる体を支えながら、人の気配に首だけで振り返る。
「おーまるくん良いとこ来たね。店主また倒れちゃったからあの眼鏡さんとこにでも運んで休ませといて。起きるまで起こすなって言っといて。あとついでに飲み物零しちゃったお客さん居るからこれ渡してきて。それ終わったら厨房来て一緒に調理手伝ってね」
実力行使に出た場面を見られていようがいまいがお構いなし。というか何も無かったよね?とでも言いたげな風情で一方的に指示を出す少女。
給仕をしていた時と変わらぬ柔和な笑みを浮かべる彼女は、更にこう続けた。
「店主が起きたらさー、もう暫く『休んで』もらう方向でもいいかな?」
返事を待たずに少女は店主と布巾数枚を少年に押し付け、厨房での作業に移るのであった。
自称「いやぁ、壮観壮漢。これだけ人が居ると誰から舐めさせてもらうか悩みますねぇ」
半裸「フム。片っ端から行けばいいのではないか」
マッド「あー!!!あの子ずるい!ボクも分解したいのに!!!」
元紙袋「それよかあたしの出番なさ過ぎってとこについてもの申したいんだけど。つーかこの歳でもこの口調ってどうなのよ」
自称「いいじゃないですかJKになりきっている所とかで。いっそそのままビニ本とかに出てみたらどうですか」
マッド「ビニ本ってなーにー?」
半裸「こんびにとやらで売っている本の事ではないのか?」
元紙袋「なんであたしが突っ込み枠になってんの!? てかビニ本なんて言葉どこで仕入れたのよ。あたし世代でも絶滅してる言葉じゃんΣ」
自称「コンビニで売ってる本の事ですよ?なんの事だと思われたんですか?」
元紙袋「うっわムカツク……とりあえずあたし的にはまともな出番がほs」
自称「いつまでも私たちだけでおしゃべりしてるのもあれですし、私はとりあえず友達を手伝いに厨房にいってきますね」
半裸「では己は站椿でもしていよう」
マッド「ボクあっちの機械バラしていいか聞いてくるー!」
元紙袋「あたしの!扱い!改善してマジで!」
さて。このなんともいえない奇妙なカオスの場で、冷静でいられてるものが探偵一人だけなのかというと、実はそうでもない。
部屋の隅っこに陣取って、二人の人物が各々に静かに杯を傾けていた。
『これ止められるのか?』
「止めなくていいんじゃね?多分そのうち勝手に自滅して終わるだろ」
片や、首に下げたメモ帳への筆記で会話をしつつ、オレンジジュースに口を付ける少年。
片や、少量のお酒を舐めるようにして飲みつつ、傍らのお抹茶をお供に正月物の練りきりを食べる女。
ヴァンと
カルディアである。
「しかしまあ、予想はしてたけどひっでーな…そのうち会場自体に被害出るんじゃね?」
『払えるのか?弁償代…』
「知らね。ほどほどに騒ぎが広まった時点で適当に抜けだせばこっちに来ることもねーし」
訂正。冷静なのではなく、ただ単に諸々を放棄しているだけであった。
『ところでお嬢(と書きかけたのを二重線で消して)カルディア』
「んあ?」
『本編では俺とカルディア、出会えてないけどいいのか?』
「パラレルだからせっかくだしやりたいことやりたい、らしいぞ?どっかからの電波曰く」
会場の隅で、宴の席だというのにヘッドフォンをつけ、そこからシャカシャカ音漏れをさせている白い影がある。
「……。何だ、この空間は。…分からない」
ピーコックブルーの眸が会場内をぐるりと見渡す。
が、特に何かに目をとめることはない。
そもそも人の顔を覚える事は、地図を覚えるのと同じくらいに得意ではない。
ごそ…とダウンの大きなポケットから、掌に若干余るサイズのタブレットPCを取り出し、画面を表示させる。
『ミッション:異能新年会に参加せよ from Daddy-Long-Legs(足長おじさん)』
この指令があったからこそこの場に来たのであって、自ら望んで来たわけではない。
もっとも、「望む」という感情すら、死体が持ち得ることはないのだが。
―――くい、くい。
徐にカットソーの袖が引っ張られた。
そちらに視線を向けると、黒髪に栗色のぱっちりとした眸を持つ、小柄な少女が見上げていた」
「―――、―――」
そのピンク色に色付いた唇が、何がしか言葉らしいものを発するように動いたが、肝心の声が聞こえない。
思い出したように、
ルフェウスはシャカシャカと音を漏らすヘッドフォンを外して首から提げ、「もう一度」とリピートを要求した。
「あなたは、宴を楽しまないの?」
黒髪の少女は、所謂ゴスロリ、と呼ばれるような白と黒の仰々しいドレスを纏っている。あどけない表情は、まだ10代のようにも見えた。
「異能者のみならず、政府や裏社会にまで名前の知られた〝動く死体〟が壁の華を決め込むなんて、勿体無いわ。エスコートしてくれる殿方もいないなんて、皆さん見る目がないと思わなくて?」
多少芝居がかったような言葉。ゴスロリの少女はスカートの裾を指で摘むと、これまた芝居の一節のようにくるり、と回って見せた。
「あたしは
アーテルっていうの。モラトリアムの一人だわ。お見知りおきを♪」
「モラトリアム…!?」
聞き捨てならない組織名に、寄りかかっていた壁から身体を浮かせかけるが、少女は「しー」っと言うように、人差し指を唇に押し当てる。
「ここはパラレルワールド。パーティの最中に無粋なことはおっしゃらないでね?
本当の世界でお会いできるのを楽しみにしているわ。
もっともその時、あたしは今とは全く違う姿をしているのでしょうけど」
そう笑って、ふわり、と軽い身のこなしで、アーテルはそのままパーティの喧騒の中に消えていった。
小さなその姿はあっという間に見えなくなる。
毒気を抜かれた…ように見えるルフェウスは、再び壁にとす、と背を預けた。
「……それにしても、
与太郎は何処に行ったんだ…。自分をこんな所に連れ出しておいて…」
感情を持たないピーコックブルーの眸に、賑やかな宴はいつまでも、いつまでも映っていた。
一方、此方も宴会会場の出入り口からほど近い席。
酒を飲むに相応しくも、日頃はあまり見かけぬ袴姿の青年。
片手には杯を持っているものの、先ほどから僅かたりとも口をつけていなかった。
その様子に向かいに座る綾人が短く問いかけた。
「飲まないのか」
「あなたこそ」
和服の青年は微笑みを浮かべたまま、箸にさえ手をつけていない綾人の食卓を見る。
置かれた料理たちもただただ鎮座しているのみ。
「俺はまだ17だ。」
「僕もまだ19です。」
では、なぜ杯なんぞ持っているのかと問いたい。
漆を伸ばすようにゆらゆらと杯を揺らして、
時折、注意しなければ分からないほど小さなため息をつく。それは退屈そうに。
向かいにいるのが話好きでもない俺であるせいでもあるだろうが、
ならば他の席に移れば良いだけの話。席など決まってはいないのだから。
そう思って、じっと見ていると、相手も言いたいことが何となく分かったのか、
改めて堅い微笑みを浮かべる。
「お酒、弱いんです。ですが、雰囲気は大事でしょう?」
「………そんなものか」
「そんなものです」
だがしかし、此処に流れる雰囲気は室内だというのに冷ややかなもの。
向かいの青年は宴会場の様子を見渡して、ようやく酒に口をつけた。
…いや、つけた振りをしただけの可能性が高いか。
正直、なぜ俺が此処に来たのかは分からないが、黙して座しているだけにもいくまい。
宴会の雰囲気とやらの為に、俺は乾き始めようとしている料理のひとつに箸を伸ばした。
「気持ちは分るかも」
いや別に俺、倒れるほど仕事がしたいとかマゾヒスティックな仕事中毒者じゃないけど。
「真面目っこだもんなーへるるんは~♪」
酒臭い眼鏡に撫でられた。
「うるさい、別に真面目じゃないし…」
「いや、真面目だろうヘルは。戦闘訓練して勉強して動員にも応じて。まあ戦闘訓練の成績はちょっと残念」
「残念言うな、これから伸びる。てか伸ばす。」
「そーやってムキになるところが、へるるんだよなー」
ひとしきりからかわれて、いつまでもこいつらの相手をしていられるかと席を移す。
~~~
「ルーシー、料理上がった!」
「はーい!」
ヘルと入れ替わりに、ルーシーが料理を運んできた。
「お待たせしました、ゲソ炙りマヨと、鮭児のルイベと、貝柱とみつばと人参のかきあげです~」
「お、ありがとー!でも何でるーちゃん給仕とかしてんの?一緒に食べようず」
「あ、えと、働くの好きなんです。ちゃんと合間に摘まんでますから、大丈夫ですよ」
にこっと笑って親指を上に立てる。
そのまま流れるように開いた取り皿やグラスを回収し、厨房へ運ぶ。
人の役に立つのって楽しい、そんな気持ちがルーシーを笑顔にしている。
「ふふ、もうちょっとがんばろ。あっ、でもフルーツタルトとかあったらキープしておきたいなぁ」
るんるん気分で裏方へ回ったが、パン屋のご主人が離脱し、冷蔵庫が修理されているという現状に、ちょっと思考停止した。
最終更新:2016年01月04日 00:12