MAP24 : Probably Maybe Certainly(マップ24:プロバブリー・メイビー・サータインリー / たぶんおそらくきっと)とは、『Japanese Community Project』のマップである。
当初のマップは26番だったが、β版では24番に変更され、正式版でも24番へとなった。
概要
JPCPで
THE THREE WORLDの開発が完了後、
N121MTは二回目のエントリーをすることを決定し、長い期間かけて作ったマップである。
今回も独自の「JPCP」が刻まれているが、バージョン2からこのマップの元ネタも記載されるようになっている。
今回のマップは完全なオリジナルではあるが、開発中にN121MTは「たぶん元ネタがわかる人であれば、おそらく何を意味するかきっとわかると思います。」と述べていた。
名前からしてわかるように、ホラーゲーム『包丁さんのうわさ』や『奥様は惨殺少女』などを開発したたぶんおそらくきっとを元ネタにしている。
ただし完全に構造を再現するのはDOOMエンジンの制約もあって限度があったが、それでもDOOMの中での世界を表現することには成功している。
当初二回目のエントリー時には『アナと雪の女王』をイメージとしたマップや『ホッピシパラダイス』の続編である「Hoppishi Zone」といったネタマップも考えていたという。
バージョン
マップは4月15日にバージョン1が公開されたが、モンスターのバランスが一切取れないといった中途半端な出来になってしまった。
これはモンスターよりマップ構成ばかり開発しすぎたせいで、他の要素が疎かになってしまうという開発方法に問題があったらしく、自身も反省をしていた。
また複数のExitルートを「罠」として作っていたが、DOOM的に見るとあまり面白くないことがわかったという。
バージョン2では、EP4を基準にしたモンスター難易度や、複数のExitルートのほとんどを埋めるといった大規模な改造が施されている。
特に新エリアの追加が大きな違いとして現れており、全体的にマップの規模も少し大きくなっている。 後にいくつかのバグの修正や難易度の調整が施されていたバージョン3が公開された。
後にJPCPの主催者であるTatsurd-Cacocaco氏が加えたディティール入りのバージョン4へ進化した際、バージョン3までとはネタの考え方が少しだけ異なっている。
バージョン6ではバージョン5でログメッセージの問題と、ZDOOM等で起きているHOMの修正がメインとなっている。
(実はGZDOOMでテストしていたこともあってZDOOM系ではなかった「自動修正」が余計なものとなっていた。 このためHOMに気づかないという大きな問題を抱えていた)
更にバージョン7あたりではSSGの入手についてのフィードバックがあったことから、Tatsurd-Cacocaco氏が位置変更を行った。
エリア紹介
スタート地点(『ならくのそこ』)
スタート地点は当初やりたかったことの1つ。 予定ではゴール地点にあるところから更なるエリアへと移動するといったことまで考えていたという。
かなり暗い印象を持ったこともあり、後付け設定ということで『ならくのそこ』がベースとなっている設定が加えられた。
水没したコンピュータ施設(『zigorekishi』)
ほぼ完全に水没してしまったコンピュータ施設にあるワープ装置を起動し、メインとなるエリアへと移動するゾーン。
この時からたおき作品をベースにしたマップにすることが決定し、このゾーンも『zigorekishi』をイメージしたものだとのことである。
バージョン4では水没するというよりも水と共存しているようなマップになっている。
白い部屋と3つの扉(『料理』及び『奥様は惨殺少女』)
無事ワープ装置でテレポートすると白い部屋のある建物に辿り着く。 部屋には3つの扉があり、鍵を入手することで次のステップを進めるシステムとなる。
どちらかと言えば『料理』をベースにしているが、ある意味この部屋から別な世界へ移動するという意味合いだと『奥様は惨殺少女』につながるものがあるかもしれない。
バージョン4では白い部屋が大幅に拡張されているため、ややこの意味合いは薄くなっているが、DOOM的に言うと豪華なものになっている。
暗い校舎内(『包丁さんのうわさ』)
気がつけばあなたは保健室に居た。 保健室を出ると凶悪なモンスターが居るので、それらを撃破しつつイエローキーを手に入れるのが目標となる。
マップ製作時に『包丁さんのうわさ』のマップをベースに創り上げているが、流石に包丁さんのような凶悪なモンスターを表現することはできなかったらしい。
バージョン4からドアに草木が付いたりなど廃墟などのイメージが少しばかり付け加えられている。
コンテナステージ(オリジナル……と思わせて『きゅうけつきのよみち』のネタが)
イエローキーの扉から向かうとオリジナルのコンテナステージとなる。 これもN121MTがやりたかったことの1つだが、積まれすぎて難易度が高くなっている。
完璧なオリジナルステージとは思うが、実はよく見ると『きゅうけつきのよみち』のメインヒロイン兼主人公であるアイちゃんの顔がエリア内に存在している。
田舎の地獄(『包丁さんへるぷみぃ』)
ブルーキーの扉から向かうと泉から出てきて、村の前に陣取るモンスターを撃破するというもの。 既に村は崩壊済らしく、しかも地獄の風景が広がっている。
村の構造や設定等は『包丁さんへるぷみぃ』の「カミサマたちの世界」をイメージしたそうだが、DOOMにおける地獄が盛り込まれているので面影はないに等しい。
バージョン4では地獄となった世界のディティールがいくつか追加されている。
空の上で乱闘騒ぎ(『ネガイノ屋上』)
バージョン2から追加された新エリア。 レッドキーを入手する前に通るべきルートで、空の上で様々なモンスターと対戦しつつ次のエリアへと進んでいく。
当初このエリアもオリジナルのものではあったが、後付け設定として『ネガイノ屋上』をベースにしていたことが明らかになった。
評価
前作THE THREE WORLDと同様、初心者が作り上げたマップということもあって、さほど期待されてはいなかった。
その証拠にTHE THREE WORLDと同じ評価として「ボックスマップをベースにした90年代のクラシックマップ」の構造は変わっていない。
しかし今作は後半のエピソード、ということもあるのとまたボックスメイズと言えども構造のアイデアは評価する声は上がっていた。
特に上記の解説である「学校エリア」や「コンテナステージ」等は割と好評で、特に日本風の学校と認識していたのはある意味では勝利の証と言える。
マップの構造そのものは特に問題はないものの、マップ難易度としてはまだ調整不足であることは否めない。
特に序盤は続きからのプレイなのかピストルスタートかによって大幅に難易度が変化するため、このあたりの難易度調節がなされていないという意見があった。
この難易度調節があまりにも良くないのが理由で、THE THREE WORLDよりも低い評価を与えるプレイヤーも存在した。
他の近代的なマップとはギャップを感じさせるような感覚もあり、完全に悪いと言うわけではなかったが、マップそのものが要らないという厳しい声もあった……。
ちなみに元ネタのたぶんおそらくきっとは誰もわからなかったようである。
なお、フィードバックには学校エリアでのスタックがいくつか発見され、通常時そこから脱出できないことが発覚した。
このことについては修正すべきではあるものの、このマップも同様に「マップの構造そのものは変えない」と説明している。
ただしモンスターの種類や武器の配置等を見直すことで、クラシックマップではあるもののそのクオリティを大幅にアップできる可能性があるかもしれない。
関連項目
最終更新:2023年01月01日 12:47