デメリット消失バグ(Not Negative Choises)とは、「このボタンを押すことで得られるメリットとデメリットの思考実験」で、その例示されたデメリットが何らかの理由で消失・消滅・無力化するバグである。
概要
元々「このボタンを押すことで得られるメリットとデメリット」のネタは、『5億年ボタン』から来ていると思われる。
このボタンは「押すと100万円得られるが、5億年間何もない空間に居なければならない(ただし期間が過ぎたらその記憶はなくなる)」というもので、誰が押してもメリットとデメリットが同じ分与えられるため、思考実験や数々の考察も行われてきた。
この改変として「押すと1億得られるが、身長が165cm、視力0.1になる、ハゲるの3つのうちのどれかを選択しなければならない」というネタが作られ、ボタンではなく『マトリックス』の青と赤の薬品カプセルをイメージしたものまで現れた。
しかしこれらの改変では、「既にハゲてる人はノンデメリットだね」、「既に視力が見えない(盲人)にとっては回復する可能性がある」と人によってはただただメリットしかなくデメリットが消えてしまうバグが発覚したのである。
N121MTはこのバグのことを「デメリット消失バグ」と名乗らせることにして、正しく思考実験をさせるための手段やどうしてこのバグが発生するかの理由についてこのページで記載している。
ただそもそもの『5億年ボタン』自体が「どの人間にも平等なメリット・デメリット」と最初から完成されたものでもあるため、そもそも改変する必要がないという意見も当然あることは述べておく。
(むしろこの改変したものを作った理由などを研究した方が面白いかもしれないが、それによってイグノーベルを受賞しても責任はおいきれないとしている)
よく見られるケース
薬を一錠選んでください
本来はデメリット自体が存在しない『マトリックス』のような4つのカプセルから選ぶというもので、
N121MTは「誰かの手によって改悪されたやつ」として批判している。 よく見られるパターンと、そのデメリットが消失する状況を記載しておく。
- 一生独身:現在の日本や社会情勢などを考慮すると、独身であった方がむしろ安全ではないかという説。いわゆる「独身貴族」の存在もある。
- 一生ワキガ:実はモテ期なのにワキガと合うのは変ではないかというそもそもの矛盾がある、また鼻や味覚などのセンサーが最初から故障している人間には通用しない。
- 身長160cm:159cm以下の人間は160cmへ伸ばせるメリットに早変わりしてしまい、しかも不死身となってしまう。ましてや160cmで不死身となると、小柄な肉体であらゆるところに忍び込めるという目線が無い。
- 視力0.1:視力が0.1未満はもちろん、視力が存在しない盲者が喉から手が出る特効薬となる。またウェアラブル端末の進化で視力補強のメガネが出てくる可能性しかないので、意味がない。
1億ボタン
前述した『5億年ボタン』を改造した『1億貰えるが「身長165cm」「視力0.1」「ハゲ」のどれかを選ばなければいけないボタン』というものだが、これも以下のようにデメリットが消失することが判明している。
- 身長165cm:164cm以下の人間は165cmへ伸ばせる特効薬となり、1億円も貰えるハッピーハッピー
- 視力0.1:視力が0.1未満はもちろん、視力が存在しない盲者が喉から手が出る特効薬となり、1億円も貰えるハッピーハッピー
- ハゲ:既にハゲている人間はデメリット無しで1億円も貰えるハッピーハッピー
前述した薬と同様に身長が165cmになってもその小柄によるメリットなどを知っているとむしろそれを望む人間も出てくるため、思考実験にならないのは同じである。
なぜバグが発生するのか
値代入による加算現象
『RPGツクール』や『WOLF RPGエディター』等で「この変数にこの値を代入する」というコマンドがあるが、これを加算も減少も代用(もしくはそれしか知らない)してしまうことで起きる場合がある。
例えば「トゲに触れたらHPが減少するものを作ろう」ということで、「HP100にした状態で最終的に50としたいから50と代入しちゃえ」と50に代入するという処理をすると、確かに見た目上は50減ったようになる。
しかし次のテストプレイでHPが20とかの時に、それに触れた時には逆にHPが50になって回復するというバグが発生したり、80の状態で50となって本来減少してほしい幅分が減らないというバグも発生するのである。
N121MTがまだプログラミングもままならない子供の頃にこれらのツールを使ったことがあり、同じような経験をしたため、これと同じことが起きているのではないかと推察している。
狭い視野
人間の標準が未だに出ていないというのもあるが、あらゆる人間に対して適用するということを考慮した際、一定のパターンでデメリットにならないということは、そこまで考えなくてもわかることである。
特に「身長が165cmになる」というのは、
人によってはそこまで長くなってハッピーになれば、逆に少し縮むけどそれによるメリットを手にする人間すらいる。 このため全くデメリットとして機能しないようになるのである。
(
N121MTは「身長が縮むことによっておねショタができるのではないか」という仮説も唱えており、一応の改良案として「1/3分身長が縮む」とは書いているが、こうしたことを踏まえて「出来ることなら身長以外などを指定すべき」としている)
ましてや「ADHD/ASDになるけど130万円もらえる」というものについても既にADHD/ASDの疑いがある人間にとっては何のデメリットも無く130万円もらえるというバグも当然発生しうる。 前述したハゲのケースはまさにその一例である。
バグの解消
全ての存在が同じようにデメリットになるように条件を変更する
前述したように『5億年ボタン』はデメリットがそもそも全ての存在に対して平等に与えられるものであるため、当然ながらそれ以外にも平等に与えられるデメリットを考えれば済む話である。
しかしこのデメリットを考える過程で狭い視野によって全ての存在に対して同じデメリットかどうかが難しいというのも当然ある。
絶対に値が減る方法を使う
どんな人間でも同じぐらいのデメリットを食らわせるなら、一定数値分減らすとか、一定の割合で減らすなどの表現を使えば済む話である。
身長であれば「1/3分身長が縮む」(マイナス値を定義すると、場合によっては計算後にマイナス身長となってありえない事象が起こりかねない)だとか、視力なら「今見えている範囲から半分見えなくなる」などのように定義し直せば良い。
(実際「身長-20cm、視力1/10」に切り替えたものでの調査をした人物が存在している)
少なくとも、これで「もうすでに0になっている人」以外の人間には、デメリットとして確実に機能することになるだろう。
0になっている人でもデメリットになる別の方法を考える
よくある話に「ハゲになるといっても最初からハゲてる人だったらデメリットが無力化されてるよね」というのがあるため、これに対して代替手段やそもそも誰もが0とはならないような何かを設定すべきである。
ちなみに「0になっている人」というのは、具体的には以下のようなものが挙げられる。(差別とかの意味はまったくないのでご注意を)
- ハゲ(毛が0)
- 目が見えない(視力0)
- 耳が聞こえない(聴力0)
- 五体満足じゃない(手や腕の欠損など)
- 脳や臓器などに異常がある
これらについては、加算できるデメリットを与えたりすると良いだろう。 例えば体臭に対してなら青天井で追加できるため、デメリットが追加できるものであれば有効なものとなりうる。
また聴力が聞きすぎてしまうという、別の問題を誘発させてしまうのも有りだろう。(というかそういうのは漫画などでも扱われている)
これらが難しいようであれば、代替手段を用意するのも有りとされているが、余計に書きすぎてバズらないという意見もあるかもしれない。
最終更新:2025年02月09日 19:04