カートゥーンネットワークトリビア

ここではカートゥーンネットワークの日本及び米国本家におけるトリビアを紹介する。 どっちかと言うと「謎」に近いものがあるが。


日本カートゥーンネットワークの話

日本初の24時間アニメのみ放送するチャンネル

カートゥーンネットワークの前には既にキッズステーションやチャンネルNECOなどのアニメ作品を放送するチャンネルこそは存在していたが、子供向けバラエティや時代劇なども無い純粋なアニメオンリーの編成となったのはこのチャンネルが初である。
またカートゥーンネットワークの開局そのものはアニメシアターX(AT-X)やアニマックスよりも早く、日本のキッズステーションら3局と違って海外アニメと完全に独立した第四の領域的な扱いを受けていたこともある。

初期は日本アニメもよく見られた

日本でカートゥーンネットワークが放送開始されて間もない頃の1997年当時は、まだカートゥーンネットワーク独自の作品数に懸念があったためか、日本のアニメ作品もよく放送されていた。
開局当初からのコンセプトから「子供向けアニメーション」を重視していたため、主に葦プロダクションやエイケンなどの「夕方や昼ぐらいに放送していた作品」がメインに放送されていた。(おそらく設立時の資本関係に何か関係しているのかもしれない)

しかしその後は『パワーパフガールズ』などの作品も増え、吹き替え作業も追いついたこともあり、日本のアニメ作品は次々と減らされていた。 『天才バカボン』や『ガッチャマン』等のレトロアニメもTOONAMIなどの枠が消えても放送されていたが、2010年には消滅していた。
これはカートゥーンネットワークの放送形態がアメリカのカートゥーン系の作品(1話完結・どのエピソードから見ても無問題な構造)と同じようになっていたため、日本のアニメ作品(数話完結・1話から見ないと分からない構造)では不利だったという事情もある。
「海外アニメの専門チャンネルだから日本のアニメ作品は軽視される雰囲気」もあったのか、日本アニメ作品は急速に減らされ、『トムとジェリーキッズ』のCMでは日本製アニメをよく放送する「TOONAMIの様子は引き続き注意が必要です」という表記もネタにしていたほどだった。
日本独自のステーションCMに至っては「ラーメン屋で日本アニメを見た『宇宙家族ジェットソン』がチャンネルを『原始家族フリントストーン』に切り替えるCM」「老舗の味を頑固に守る、カートゥーンネットワーク」など、その方針は堅いものがあった。

ちなみに初期の頃には米国のTOONAMIに影響されたのか、下記のような今では考えられない放送をしていた。
  • 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXシリーズ、SAMURAI DEEPER KYO、THE ビッグオー、LAST EXILE(いずれも深夜帯で放送していた)
  • スクールランブル、スレイヤーズシリーズ、逮捕しちゃうぞ(かつて夕方に放送していたが、後に深夜枠へ移動したもの)
  • 天地無用!、魔法騎士レイアース、烈火の炎、魔探偵ロキ(当時は一般枠で放送していたけど、今で考えると深夜枠への移動が余儀なくされそうなもの)

初期のTOONAMI枠ではバトルモノを放送する傾向にあり、『サムライジャック』の横に『魔探偵ロキ』が居たり、『IGPX』と『機動警察パトレイバー』が並んでいたりというケースもあった。
日本アニメが多かった頃は『花の魔法使いマリーベル』と『ジャンケンマン』と『VS騎士ラムネ&40炎』が連続で放送され、『バッグス・バニー』や『デクスターズラボ』がどこかに消えるような事態にもなっていた。

2018年からは、再び日本アニメ作品が復活したが、どういうわけか『アイドリッシュセブン』や『うたの☆プリンスさまっ♪』といった女性向けアニメ作品がメインになっていた。
本家米国で放送されていた『ケロロ軍曹』やNHKでの放送実績もある『日常』ならわかるが、『サンリオ男子』まで入れるとなるとサンリオといっても女性向け作品に特化したようなもんとしか見えないぐらいである。
2020年以降はコロナパンデミックの関係でエピソードが減らされた関係で放送作品が不足したためか、『地獄少女』や『ワンパンマン』などの本来放送しないような作品が放送され、2021年には最新作の『終末のワルキューレ』が仲間入りを果たしている。
ただこれらは日本版「Adult Swim」的なものである『カートゥーンナイト』(CN NITE)という新設した枠の関係もあるため、一概に放送作品の不足と言えるかはまだ謎はある。 同作品はワーナーブラザーズも関わっているので、その繋がりがあるのかもしれない。

水色の警告画面

現代から遥かに昔のレトロ作品(「ブーメラン」の枠など)では、その当時の放送基準と現在の日本の放送規定がそぐわない描写が多いため、「原作者のオリジナリティを尊重して原版のまま放送します」という水色を背景にした警告画面が放送前に表示されていた。
2001年頃からこの画面が追加されている。 文面については数パターン存在しており、カートゥーンネットワーク以外のCS系チャンネルでも同じようなフォーマットが存在しているため、もしかすると共通フォーマットの一種と思われる。

なお『チキチキマシン猛レース』では「不自然な無音」が存在しているが、これは不適切な音声だからではなくもともと音声そのものが無い(吹き替えが無い)とのこと。

基本的にカートゥーンネットワークで放送される作品ではそうした描写の強い作品はあまり無いため、そうした修正については日本のカートゥーンネットワークではあまりみられていない。
むしろ米国本家のアダルトスイムではよく見られる傾向にあり、2021年に新設された「CN NITE」ではそのあたりがどう出てくるかが問題になると思われる。

ちなみにカートゥーンネットワークのオリジナル作品である『ホーム・ムービーズ』では「この番組は、コドモに見せる時は注意しよう。」という日本独自の作品専用警告画面が存在している。
しかし同作品には過度な暴力表現も性的描写は含まれておらず、シュールすぎるギャグとやる気を感じさせない作画と描写、感情のこもってないセリフなどが大人でないとわかりにくいという観点だけで入れられたものである。
当の子供は見ても何も無かったどころか、むしろ楽しんでいた子供も居たという話もあったのか、カートゥーンネットワーク側でも後に「大人の時間だね」とマイルドな表現へと切り替えられ、放送終了まで続いていたとのこと。

チカクラスギの功績

1997年にテレビ東京で「ポケモンショック」と呼ばれる事件が発生以降、日本カートゥーンネットワークでも独自の対策として「テレビはへやをあかるくしてみましょう」という映像が作られた。
これはアニメ本編の前などに放送されたため、『ビーストウォーズメタルス』などのような「アニメ本編で警告する作品」などでは二重で警告されるという珍しいシーンが見られた。

また、2005年頃ぐらいから日本のカートゥーンネットワークで独自に制作された『チカクラスギ』と呼ばれる新しい映像が作られ、以降はその映像が使われるようになったが、なぜか2010年頃以降は使われなくなった。
別にこのチカクラスギを16:9版にすることぐらいなんてことないはずなのに、なぜそうしなかったのかはあまりにも謎で仕方がないぐらいである。

日本TOONAMIと米国本家TOONAMI

日本及び米国本家で放送されている「TOONAMI」は、枠の名前や設定こそは同じだが、米国本家のTOONAMI自身は「日本アニメ作品」を中心にしているのに対し、日本TOONAMIは「男子向け海外アニメ作品」を中心にしているため、放送作品が大きく異なる。
(米国本家では『セーラームーン』や『ドラゴンボールZ』を放送しているのに対し、日本TOONAMI側は日本アニメではなく『サムライジャック』や『バットマン』などのヒロイック系のものを重視している)

とはいえ共通で放送している作品は決して0ではなく、『ジャスティス・リーグ』系の作品から『X-MEN』系の作品はもちろん、日本TOONAMIではないものの『天地無用!』も米国本家のTOONAMIで放送されている。
また事実上TOONAMIオリジナルアニメと言って良い『IGPX』なども存在している。

なお、この話は2008年までのTOONAMIにおける話で、2012年から復活したTOONAMIとはまったく関係がない。(そっちはそっちで面白い話もあるけど)
また2020年から日本のカートゥーンネットワークでも「CN NITE」という現『Adult Swim』と『TOONAMI』を組み合わせた放送枠が新設されているが、これも全く無関係である。

Marprilで紹介されたお話

2020/01/24にMarpril Channelで公開された『カートゥーンネットワークあるある』では、日本のカートゥーンネットワークでよくあることがネタにされており、以下がネタに上がっていた。

  • プライムショッピングとレインボーアート
設立当初からかなりの長さで放送されていたプライムショッピング(後にCJプライムショッピングとなった)では、『ジップヒット』や『スターキック』などの海外製品をCMで発売しており、動画内では『レインボーアート』が挙がっていた。
どれもこれも子供に買わせるための商法でしかなく、しかもどの製品も「買ったはいいものの、その後の使いみちに困り果てる」ものが多く、ましてや買ってもすぐにCMのように遊べる・試せるようなものではない高難易度系の製品もしばしばあったという。
(特に『レインボーアート』は虹色"しか"描けないので、ゲーミングアートの時代でもない頃どうすりゃいいんだ感があったとか)

  • 大体追いかけっこ系
これは非言語体でも楽しめる『トムとジェリー』や『オギー&コックローチ』(!)、『バッグス・バニー・ショー』(『ルーニー・テューンズ/メリー・メロディーズ』)はもちろん、派生した『シルベスター&トゥイーティー ミステリー』などのことを指す。
他チャンネルでも放送されている関係でフランスの『オギー』だけは妙に知名度は低かったが、歌詞すらないオープニングを見事に演じきるところはある種この動画の見どころかもしれない。
一応、カートゥーンネットワークで扱われている「追いかけっこ系の作品」は下記の通りとなる。

タイトル トムとジェリー オギー&コックローチ シルベスター&トゥイーティー ワイリー・コヨーテとロード・ランナー
管轄 MGM
→ワーナーブラザーズ
ゴーモン
→シーラム
ワーナーブラザーズ
(『ルーニー・トゥーンズ』)
追う者 トム(ネコ)
(犬のスパイク/ブッチも乱入)
オギー、ジャック(全員ネコ)
(犬のボブも乱入)
シルベスター(犬)
(犬のヘクターも乱入)
ワイリー・コヨーテ
追われる者 ジェリー、タフィー/ニブルス(全員ネズミ) ディーディー、マーキー、ジョーイ(全員ゴキブリ) トゥイーティー(カナリア) ロード・ランナー
主な舞台 家など
(中世になったり超未来になったりとばらつきがある)
オギー所有の家 エマ・ウェブスター/グラニーの家など アメリカのどこかの荒野
派生バージョン 『キッズ』や『ナナイロ』など なし 『ベビールーニートゥーンズ』など 3D版の『ベビールーニートゥーンズ』など
表現 初期は少し過激な暴力表現有
グロテスクな要素はない
トムジェリをちょっとグロくしたらこうなる 『ミステリー』では謎解き要素有
けもフレ対応 無し 無し
(ゴキブリが居ない)
無し 有り
(G・ロードランナーとコヨーテがそれ)

なお、共通して言える「追いかける側が可愛そう」という点で、二人の攻め受け等の関係も含むネタもある。 また、その話の過程で『ワイリー・コヨーテとロード・ランナー』も登場する。
(崖から落ちる時の様子等はよくコヨーテがやってたり、何故か意味不明な失敗で「BOOM!」と表示されることもしばしば。 ただし文字がよく出てくるのは同じカートゥーンネットワークでも『おくびょうなカーレッジくん』が出やすいか)
また、コヨーテ以外の3作品では「犬(基本無敵で最強)」という共通点も挙げられている。(『トムジェリ』のブル、『シルベスター&トゥイーティー』のヘクター、『オギー』のボブ……色こそはそれぞれ異なるが、「犬」である)

  • 基本最強
話のオチで死ぬことはあっても、それまでは基本的に最強であることが多いこともネタになっており、『トムとジェリー』や『シルベスター&トゥイーティー』ではそれが顕著に出ている。(『オギー』もしかり)
また『トムとジェリー』における「変形」もネタにされている。 ちなみに変形したトムはなんと3Dモデルで発売していたり、ゲーセン等のガチャで手に入れられることもあった。

  • 任天堂よりもダークなアニメ
一部のエピソードでは異常なほどダークなオチがなされていることもあり、『シルベスター&トゥイーティー』では「9つの魂を持つネコ」がネタになった話などが挙がっている。
エロネタではないのだが、カートゥーンネットワークのキャラクターは何故か「ファスナー」がついており、中にはパンツを履いた状態で飛び出すというシーンも挙げられている。
更に幼少期のトラウマにもなっている人も多い「オートミル」に因んで『赤ちゃんはいいな』のラストも再現された。

ちなみにカートゥーンネットワークでは『パワーパフガールズ』などのように「ちょっと強烈な教訓系のアニメ」があったり、元からハードな内容となっている『サムライジャック』など、時より異色な作品を作ることでも知られる。

  • 白いハンカチの正体
海外の方では「別れを惜しむ」時に白いハンカチを振ることがあるが、バトル終了時の「降参白旗」も踏まえた上で紹介されている。 これについては別の動画等でも扱われている。

とむとじぇりーごっこのリデザイン

2022年11月11日に世界初放送された『とむとじぇりーごっこ』(以前は『とむとじぇりー』だった)は、元々2021年に『なかよし』の8月号から連載を開始した『とむとじぇりーナナイロ』を原型にしており、『とむとじぇりーごっこ』はデザインを再構築しなおした作品となっている。
これは『とむとじぇりーナナイロ』の作者である『はらぺこペンギンカフェ』も手掛けたきゃらきゃらマキアートの不祥事によるものであり、鮎(ayu)がリデザインしたものへと生まれ変わっている。 なおそれ以外の製作会社が変わったのかどうかは不明である。

ディディの「カートゥーンカートゥーンズ」

日本で『Cartoon Cartoons』が放送される時のCMでどこの国でも使われていない『デクスターズラボ』のディディが「カートゥーンカートゥーンズ」とコールするシーンが存在する。
同CMは日本オリジナルのものらしく、製作している会社もそのあたりが関係していると思われる。(ちなみに日本独自のCM映像は他にも存在しており、前述したラーメンのステーションCMについても日本のアニメ会社が製作した映像と思われる)

ちなみに本国では『デクスターズラボ』のデクスターが「Cartoon Cartoons」(Cartoon Cartoon Friday)とコールする。

『カートゥーンカートゥーンフライデイ』:ハイケンシマショ

また日本で『Cartoon Cartoon Friday』となる『カートゥーンカートゥーンフライデイ』が放送される際、ポケモンショックに考慮した独自映像と共に「ハイケンシマショ」という独自のキャッチコピーとなるものが使われている。

基本的には『カウ&チキン』や『パワーパフガールズ』などの超定番作品の放送がほとんどで、『I am ウィーゼル』の独立放送も無ければ『Mike, Lu & Og』や『Sheep in the Big City』などの作品も放送されなかった。
またこのロゴのみで採用されている「カートゥーンカートゥーンズ」のコールも汎用のものがほとんどで、本国で採用されているキャラクター入りのものは極稀にしか出てこなかった。

ブーメラン用の映像が汎用的に使われた『ヤング・アット・ハート』

本国ではBoomerangのバンパー映像として『ヤング・アット・ハート』を音楽にしたものが存在しており、最後の本もロゴがBoomerang仕様となっていた。
しかし日本では最後のロゴについてはカートゥーンネットワークのものとなっており、より汎用の映像となっている。(日本以外でも使われているらしいのだが、今となってはこの映像を使うことが無いので検証のしようがない)

ちなみに楽曲の意味としては「(歳を取っても)心は若い」、「気持ちは若い」ということであり、その当時のハンナ・バーベラの2名も高齢でありながらも子供たちに向けたアニメーションを作ったという意味合いも含まれているかもしれない。
(なお映像的には『オギーとダディー』の2名がアルバムを見ながら回想するというものではあるが、こちらもハンナ・バーベラの重鎮とも言える初期の作品である)
後にその両名と有名アニメーターが死去した際には、本国では特別トリビュート映像が流されており、確か日本でもハンナとバーベラの2名についてのトリビュート映像が流されていた覚えがある。

衛星放送技術

日本独自のステーションCMの1つに「カートゥーンネットワークの放送技術」が存在しており、『デクスターズラボ』のデクスターが『ジョニー・ブラボー』が放送される技術についてカートゥーン流に説明するものがある。
デクスター曰く、「新米の『ジョニー・ブラボー』はカートゥーンネットワーク総本部にある次元移動装置(?)でデジタル粒子エネルギー光線へ変換、人工衛星で吸収され三次元化最先端ハイテクのアンテナやテレビケーブルなどを駆使して何臆もののテレビの中に放り込まれる」とのこと。
また映像の最後にはデクスターもまたデジタル粒子エネルギー光線へと変換され、どこかへとテレポートする描写となっている。

カートゥーンネットワークが日本に開局された当初はまだBS/CSといった衛星放送技術がまだ新しいものであるため、最先端なハイテクノロジーが子供受けしやすいだろうということで作られたものではないかと思われる。
実際の放送ではデジタル粒子エネルギー光線とかを使うわけではないが、カートゥーンネットワークの放送局から人工衛星を経由して何億のテレビに放送しているのは間違いないため、それをカートゥーン流にアレンジしたものがこの映像である。
(ただ実際の視聴環境で純粋な衛星放送での視聴よりも、むしろケーブルテレビ放送でのチャンネル登録があったから見ていたという人の方が多かったかもしれない)

なおアナログ放送時代には、「しばらくお待ちください」の画面で『バットマン』のエピソードがそのまま放送されるという特殊なフィラー方式が採用されていた。
導入当初はいきなりこのエピソードが始まるという不思議な状況ではあったためか、後期にはちゃんと画面下にトラブル発生により番組内容を変更してお送りしているとの旨のテロップが流されるようになっていた。
現在のデジタル放送で同じようなフィラーがあるのかは謎ではある。

いろはにほへトゥーン

日本のカートゥーンネットワークではカートゥーンのやり方でことわざなどを紹介するというコーナーが存在しており、初期は『いろはにほへトゥーン』と呼ばれ、以降も何かしらの枠として用意されていることが多い。
(後にZ会提供の『ことわざ道場』が後継となっているが、ノリ的にはそれとほぼ同じだった)
海外でも似たようなものがあるらしく、本国の『TOONAMI』ではTOMがことわざではなく内なるモチベーションを高めてくれるスピーチ的なものが放送されている。(ほとんど日本のアニメーション作品から得た知見ではあるけど)
ちなみに初期の『いろはにほへトゥーン』では『トリビアの泉』のナレーションでも知られる故中江真司氏のナレーションも存在しており、同番組よりややハイテンションなナレーションぶりを見せていた。

コーナーが終了した後も、別のコーナーとしてそういったスタイルで紹介するものは存在しているが、現在はほとんどないとされているとのこと。

米国本家のカートゥーンネットワークな話

パワーパフガールズとパワーパフガールズZ

2001年に米国本家の主力作品である『パワーパフガールズ』が日本での放送が開始されていたが、どう見てもこの作品は日本へのラブレター的な要素を大量に持ち合わせていた作品である。
それを知ってか知らずか、カートゥーンネットワーク側は東映アニメーションに「アジア版の『パワーパフガールズ』」の製作を依頼、2006年に『出ましたっ!パワーパフガールズZ』が製作された。
最初からカートゥーンネットワーク側が要望として「原作は気にせず自由にやってもらいたい」と出していたため、そもそもの段階からデザインはおろか、全ての要素でまるっきり違うことは想定されていたんだという。

以降、「アメリカのアニメと日本のアニメ」でよく引き合いに出される(いわゆる「CartoonとAnime」等のインターネットミーム)ようになっている。

ちなみに『パワーパフガールズ』を知っている人物は意外と多く、『ラブライブ!』ではスクフェスとのコラボレーションもしているため、なんとなく作品は知っているライバーも少なくない。
しかし両作品をちゃんと知っている人は滅多におらず、2020年のエイプリルフールをまともに楽しめたライバーはほとんど居ないと言われているんだとか。

ハイ!ハイ! パフィー・アミユミ

前述したようにカートゥーンネットワークは日本で人気が出ていることや、プロデューサーの目に留まったのもあって『ティーン・タイタンズ』ではPUFFYがメインテーマを担当している。
この作品がきっかけで『ハイ!ハイ! パフィー・アミユミ』という作品に発展しており、カートゥーンネットワークにおける日本へのラブレター的な作品となっている。

こうした日本を意識した作品は他にもいくつか存在しており、『サムライジャック』は主人公が侍でかつ他のアニメとはハードな内容ということで人気を呼んだ。 また『IGPX』では日本とアメリカが共同で製作したアニメとしても知られる。
現在でも『おかしなガムボール』では時より日本のネタが使われていたり、『スティーブン・ユニバース』に至っては『少女革命ウテナ』などに影響されたとスタッフが公言しており、ましてや奇跡の偶然で『宝石の国』と似た部分も持つ。

ちなみに『ティーン・タイタンズ』はアメリカンカートゥーンよりもむしろ日本のアニメーション的な演出が非常に多く、特にシリーズが進むにつれて『タイタンズ』独自のような演出にまで成長している。(放送当初はやや無理をしていたのが見えていたとか)

単なる放送枠におさまらないTOONAMI枠

米国本家では2012年から再開しているTOONAMI枠があるが、実は単に日本のアニメを放送するだけでなく、TOONAMI独自の世界観をも描いた作品でもある。
その設定は意外にもハードSFなものとなっているが、『機動戦士ガンダム』などの宇宙(ロボット含)系アニメに影響されたストーリーを持っている。 また、シーズンが変わるごとにナビゲーターであるTOMも死んでいるということが判明している。
(一応日本TOONAMIではそんな設定を出していないためか、シーズンが変わっても単にTOMなどのデザインが変わったとしか印象になかった)

2021年にはとうとうTOONAMIの世界観をそのままに日本アニメ風味(というより日本のアニメ会社が製作している)にした『Cosmo Samurai』が作られており、2022年にもその続編が作られている。

なおTOONAMIの枠は2009年に一度全て終了しているが、2012年から米国本家の放送枠「アダルトスイム」に内包する形で復活しており、日本アニメ作品でもヒロイック系やバトル系のものに重点を置いている。
このためNINJAの『ナルト』や『ドラゴンボール』なども放送されており、バトル系という拡張から2013年に『ソードアート・オンライン』、2014年には『進撃の巨人』や『ブラック・ラグーン』、『ヘルシング』、2015年には『キルラキル』と『アカメが斬る!』も放送されている。
どう拡張してかは不明だが2018年には『ポプテピピック』というクソアニメが何故か放送されており、2019年には『食戟のソーマ』2022年にはとうとう『メイドインアビス』まで放送されており、その勢いはとどまることを知らない。

これが理由なのかTOONAMI枠へ入る際には「Toonami may contain mature material some viewers may not find suitable.」という、水色の警告画面に似たような警告画面が作られるようになった。
(2018年のエイプリルフール企画でTOONAMIそのものが日本語化(!?)された際は「『トゥナミ』の番組は一部の視聴者様には不向きな大人向けの要素を含む場合がありますので予めご了承ください。」という文字に差し替えられている)

厳しい描写との戦い

4Kids問題にもあったように、カートゥーンネットワークのTOONAMIなどでも日本アニメの描写修正の戦いが続いている。 日本の『炎炎ノ消防隊』(『Fire Force』)も例外ではない。
おそらく『ソードアート・オンライン』シリーズはその被害をモロに食らっていると思われるが、今はそうなっているのかは定かではない。 それこそ2022年には『メイドインアビス』も放送されているが、このあたりも全く不明となっている。

博識TOM

日本でTOONAMIが放送されていた時代からTOONAMIには「TOM」と呼ばれるナビゲーターとなるキャラクターが存在しているが、このTOMはそのアニメに因んだ知識やギャグを言い放つことがある。
酷い時は『ポプテピピック』のギャグを言ってみたり、『ソードアート・オンライン』が放送する前に「全員ログインせよ」と言ってみたり、『NARUTO』などでは忍者のネタを使ったりと、英語でありながらめちゃくちゃやりたい放題にやっている。
(TOMとアシスタント的なSARAとで「えいえい→おこった?」のネタを披露していたぐらいである。 それ以前からTOMはこの作品のことを「カオス」と言い放っているため、少なくともクソアニメでも対処可能なのかもしれない)

こうしたアイキャッチ的なものは「Bumper」と呼ばれているが、そこに気合を入れているのはTOONAMIぐらいだろう。 以下はわけのわからないネタの一例である。(他にも大量にある)
ちなみに「視聴者そのもの」が何かしらの組織に入っているという設定になっているのが多いようである。

  • Promises are meant to be fulfilled...(『The Promised Neverland』の放送前、GFハウスのネタとして「Grace-filled house all is not as it seems.」も存在する)
  • Get Ready On Logon.(『Sword Art Online: Alicization』の放送前、アイキャッチでは「Back to the real world」と言ったり、VRMMORPGによる没入感等を含めたジョークで「say goodbye to the real world」というのも存在する)
  • Uh Oh.. The titans are XXXXXX.(『Attack on Titan』のアイキャッチ、どえらく汚い単語を発しているが、それだけTOMの感情を昂ぶらせるほどの巨人たちの行動もあるんだろう)
  • Are you upset? → I'm not upset.(『Pop Epic Team』のアイキャッチ、前述した「えいえい→おこった?」のネタである)
  • 九尾の妖狐を唱えるより……(『ナルト疾風伝』のアイキャッチ、2018年のエイプリルフール企画で声などが日本語化された際に出たネタで、本編を見ないとわかりにくいネタではある)
  • 宇宙ネコでいっぱいの惑星ならずっと居たいよね?(『スペースダンディ』のアイキャッチ、2018年のエイプリルフール企画で出てきたネタで、実は他の作品にもネタが存在している)
  • if you can't take the heat stay out of the kitchen(『Fire Force』の放送前、アメリカのことわざと世界観をうまくマッチングさせたネタである)
  • foul demons beware tanjiro with out for vengeance...(『Demon Slayer』の放送前、炭治郎の活躍を待てという意味合いなのかもしれない)
  • Ready To Join The Demon Slayer Corps.(『Demon Slayer』の放送前、どうやらTOONAMI視聴者は鬼殺隊に入っているという設定になるらしく、視聴者が参加しているネタは『ナルト』の忍者等にも該当する)
  • Get ready go deep?(『MADE IN ABYSS』の放送前、ちなみにTOMはアイキャッチで「洞窟には多くの謎がある」を英語で言ったりなど、明らかにその作品に因んだセリフとなっている)

CN NITEとの関係

日本のカートゥーンネットワークでも2021年からカートゥーンナイト(CN NITE)という枠が新設されており、やってることはこのTOONAMIに近いような状況になっている。(ただしヒロイックなもの以外も多くあり、やや日本独自の編成色が含まれている)
一応『暗殺教室』とかで同じ作品が放送されているが、単なる偶然の域に近い。(同じように放送するとしたら、『シェンムー』が放送されていないといけないが、同作品はCNナイトではなくTOKYO MX等で放送されている)

参考までに、本国のTOONAMI及びAdult Swimで放送したものと、CN NITEに進出したかどうかについて記載しておく。(アメリカ以外のチャンネルでも似たようなことは起きているが、それはカウントしないでおく)
作品名 TOONAMI/Adult Swim放送 日本CN/CN NITE放送 備考
ボルトロン 1997 (未放送) 『百獣王ゴライオン』と『機甲艦隊ダイラガーXV』
ロボテック 1998 (未放送) 『超時空要塞マクロス』、『超時空騎団サザンクロス』、『機甲創世記モスピーダ』
ドラゴンボール (未放送) 全シリーズ放送されていない
美少女戦士セーラームーン (未放送)
鎧伝サムライトルーパー 1999 (未放送)
ガンダムシリーズ 2000 (未放送) 全シリーズ放送されていない
天地無用! 2000? 日本にTOONAMIが入る前から放送していた
青の6号 (未放送)
星方武侠アウトロースター 2001 (未放送)
THE ビッグオー 放送済 年代不明
カードキャプターさくら 劇場版のみ 本編は未放送
ゾイド新世紀/ZERO (未放送)
カウボーイビバップ (未放送) 何度か放送されているが日本では一切放送されていない
とっとこハム太郎 2002 (未放送)
ゾイド -ZOIDS- (未放送)
超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説 (未放送) 他のトランスフォーマーはやっていることが多い
女神候補生 (未放送)
犬夜叉 (未放送)
.hack//SIGN 2003 (未放送)
幽☆遊☆白書 (未放送)
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- (未放送)
サイボーグ009 (未放送)
BLUE GENDER (未放送)
人造人間キカイダー (未放送)
アレクサンダー戦記 (未放送)
トライガン (未放送)
ルパン三世シリーズ (未放送) 全シリーズ放送されていない
フリクリ (未放送)
デュエル・マスターズ 2004 (未放送)
アストロボーイ・鉄腕アトム (未放送)
トランスフォーマー スーパーリンク (未放送)
Rave (未放送)
名探偵コナン (未放送)
WOLF'S RAIN (未放送)
スーパーミルクちゃん (未放送)
鋼の錬金術師 2021?
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 2005年頃? 『IGPX』の関係とかもあってTOONAMI特別枠で放送していた覚えがある
金色のガッシュ!! 2005 (未放送)
ONE PIECE (未放送)
トランスフォーマー ギャラクシーフォース (未放送)
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ (未放送)
NARUTO (未放送)
ボボボーボ・ボーボボ (未放送)
新世紀エヴァンゲリオン (未放送)
スクライド (未放送)
妄想代理人 (未放送)
鉄人28号 (未放送)
サムライチャンプルー (未放送)
ポケットモンスター サイドストーリー 2006 (未放送)
ポケットモンスター アドバンスジェネレーション (未放送)
遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX (未放送)
MÄR (未放送)
テニスの王子様 (未放送)
トリニティ・ブラッド (未放送)
クレヨンしんちゃん (未放送)
交響詩篇エウレカセブン (未放送)
BLEACH (未放送)
流星のロックマン 2007 (未放送)
BLOOD+ (未放送)
DEATH NOTE 2021?
爆丸 バトルブローラーズ 2008 (未放送)
ブルードラゴン (未放送)
コードギアス (未放送)
精霊の守り人 (未放送)
ここでTOONAMIが終了
結界師 2010 (未放送)
2011 (未放送)
デュラララ!! (未放送)
Adult Swimの中にTOONAMIが再始動
デッドマンワンダーランド 2012 (未放送)
キャシャーン Sins (未放送)
SAMURAI 7 (未放送)
ソウルイーター 2013 (未放送)
ソードアート・オンライン (未放送)
スペース☆ダンディ 2014 (未放送)
青の祓魔師 2021? CN NITEで放送
BLACK LAGOON (未放送)
進撃の巨人 (未放送)
天元突破グレンラガン (未放送)
HELLSING (未放送)
キルラキル 2015 (未放送)
アカメが斬る! (未放送)
ミチコとハッチン (未放送)
寄生獣 セイの格率 (未放送)
Dimension W 2016 (未放送)
HUNTER×HUNTER (未放送)
ワンパンマン 2021?
ジョジョの奇妙な冒険 (未放送)
ブラッククローバー 2017 (未放送)
東京喰種 (未放送)
僕のヒーローアカデミア 2018 (未放送)
モブサイコ100 (未放送)
ポプテピピック (未放送) なぜこのクソアニメを放送したのかは一切理由不明
BORUTO (未放送)
メガロボクス (未放送)
炎炎ノ消防隊 2019 (未放送)
約束のネバーランド (未放送)
Dr.STONE (未放送)
食戟のソーマ 2024予定
鬼滅の刃 (未放送)
暗殺教室 2020 2021? 本当に同時期か直後ぐらいに放送していたかも?
SSSS.GRIDMΛN 2021 (未放送)
半妖の夜叉姫 (未放送)
海賊王女 (未放送)
メイドインアビス 2022 (未放送)
Shenmue the Animation (未放送)
C団地 (未放送)
リコリス・リコイル 2024 (未放送)
ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜 (未放送)
うずまき (未放送)

個人的な見解

カートゥーンネットワークの「世代」

N121MTは以下のようにカートゥーンネットワークの世代を別けている。 なお、便宜上ハンナ・バーベラの作品も含めているが、いわゆる伝説の零世代として扱っている。(カートゥーンネットワーク自体が無かったというのもある)

世代 だいたいの年代 代表作品 備考
~1990年まで 珍犬ハックル
早射ちマック
ドラ猫大将
チキチキマシン猛レース
ドラドラ子猫とチャカチャカ娘
……など
いわゆる『Boomerang』で扱われている伝説の時代(カートゥーンネットワークがまだ無かった頃の作品)
第一世代 1990年~2000年 デクスターズラボ
カウ&チキン
ジョニー・ブラボー
パワーパフガールズ
エドエッドエディ
この頃にカートゥーンネットワークが開局
第二世代 2000年~2005年あたり サムライジャック
ビリー&マンディ
フォスターズ・ホーム
ハイ!ハイ! パフィー・アミユミ(ティーンタイタンズ)
スター・ウォーズ クローン大戦
KNDハチャメチャ大作戦
おくびょうなカーレッジくん
ギャグ一辺倒にすべきか、それともストーリーを持たせるべきか悩んでいた時代?
この頃に『IGPX』と『出ましたっ!』の話が入っていたりしているが、日本のカートゥーンネットワークも日本製アニメを除外しつつある時代でもあった
第三世代 2005年~2010年 ベン10
キャンプ・ラズロ
クラスメイトはモンキー
クラス・オブ・ミュージック!
ハンナ・バーベラの両名も居なくなり、まさに新時代の到来?
日本カートゥーンネットワークで日本アニメがほとんど消え去った時代でもある
第四世代 2010年~2020年 アドベンチャー・タイム
ジェネレーター・レックス
レギュラーSHOW~コリない2人~
おっはよー!アンクル・グランパ
スティーブン・ユニバース
ぼくはクラレンス!
ぼくらベアベアーズ
第五世代 2020年~ ぼくらベビーベアーズ コロナなどの影響もあってカートゥーンネットワーク自体が失速している
最終更新:2025年01月12日 00:47