Arcade Project X

Arcade Project X(AP-X)とは、N121MTがTwitter上でアップロードした動画に登場する「汎用アーケードゲーム筐体」のコンセプト名である。
2022年にはTwitterの1ツイートで生まれちゃった日本アーケードゲーム基"盤"のA.G.B.(Amusement Game Board / Amusument Game Base)の考案も同時に行われてしまっている。


概要

ゲームセンターで稼働している『ALL.Net P-ras MULTI Ver.3』や『NESiCAxLive』などのような「1つで複数のゲームがプレイできる汎用筐体」を見て、それのレースゲームバージョンを作ったらこうなるというのを具現化した動画で作られた。
どんなにゲームセンターがプライズゲーム化しようとも、音楽やレースといったゲームの需要が消えうせることはあまりないと考えており、その未来の果てに作られた筐体がこれであるとしている。

万人受けの『マリオカート』(『アーケードグランプリシリーズ』)だけでなく、現実世界の自動車が登場する『頭文字D THE ARCADE』や『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNEシリーズ』もプレイしたい人は存在している。
ましてやレトロなゲームセンター側からすると『デイトナUSA』や『アウトラン』などの「セガドラゲー」や、『オーバーレブ』や『F-1スーパーバトル』などの「ジャレコ作品」も扱う需要も当然ながらある。
これらの需要を全て満たしつつ、かつ近年のゲームセンターの小規模サイズでも十分にプレイできる環境を簡単に整備出来るという概念を、N121MTなりに考えたのがその動画に出てきた筐体である。

動画の内容としてははめ込み合成したお手軽動画編集のものとなっているが、「いずれゲーセンのドラゲーはこうなる」(汎用化しすぎたあまり筐体の個性が失われてしまう)という皮肉も含んだ意味合いもある。
このため近未来ではなく超未来の年代を設定しているが、嘘動画であるという見破りポイントの1つとしても運用されている。

A.G.B.(Amusement Game Board / Amusument Game Base)

2022年には「レースゲームに限らず、ありとあらゆるゲームの基板が1つのボードに統合され、システムも全て1つになる」ということから、日本アーケードゲームの"基盤"としてA.G.B.(Amusement Game Board / Amusument Game Base)も思いついている。
これは「セガ、バンダイナムコ、タイトー(スクウェア・エニックス)、コナミの4社がAmusement ICと同じノリで開発した、マイクロソフトのChihiroや任天堂のTriforceに次ぐ共同開発アーケードゲーム基板」として思いついたものである。

構想そのものはお互いがお互いでライバルだった企業が、アーケードゲーム業界の衰退が激しすぎてライバルではなく仲間として活動しなければ生き残れなくなり、その結末がこの4社合同の基板ではないかという想定からくる。
またこれによって基板からネットワークのシステムなども全て4社合同の共通開発システムにしやすくなるため、本来誤字とされている基盤のレベルでも共通化するため、「日本のアーケードゲーム基"盤"」としてあえて表記している。

2つの表記(基板:Board、基盤:Base)があるのはそうした理由があるが、本当にこの名前になるのかは定かではない。 そもそもその前に4社のうちどこかが撤退することもあるかもしれないので、この基板・基盤が作られるかすら怪しいかもしれない。

筐体概念一覧

そんなAP-Xはレースゲーム以外にもいくつかのバージョンが想定されており、現時点では以下のようなものがN121MTの頭の中に入っている。 なお、シューティングゲームやアクションゲーム等については上記の筐体で事足りるので想定されていない。
まだ怪文書的なレベルかもしれないが、いずれこういうことになっても知らないぞという意味も含んで、あえて一覧化しておく。

AP-X.R

汎用レースゲーム筐体の概念。 市販のステアリングコントローラーとドライビングシートにモニターと汎用PCをくっつけた超軽量型の筐体であり、どこかのドライビングシミュレーターの基本セットをベースにしたようなものである。
ステアリングコントローラーはパドルシフトやサイドブレーキレバー等のパーツが推奨されている。(インプットのボタン不足を考慮している)

ドライビングシートは交換可能で、汎用PCはモニターの後ろ側に配置するのが推奨されている。 アーケード運用の場合、JAMMAに適合する関係でモニターの横らへんにコインシューターなどが装備されている。
(長期プレイなどのコンティニュー等を考慮していないが、ドライビングシートの横にその箱を配置するなどのアイデアはあると思われる)
2023年には「WEBカメラ」が装備され、『レースオン!』や『マキシマムヒート』、さらには『アスファルト』などの「カメラを用いるレースゲーム」にも対応するようになった。(これも汎用のWEBカメラなのでそこまでの深い意味合いはない)
ちなみにN121MTはテクノドライブ2となるものを考案しているが、『テクノドライブ』がチケット式ということに対して『2』ではQRコード方式などのデジタルデータを想定するため、チケット装置等は考慮していないという。

なお『F1ドリーム』などの「アーケードコントローラーを基準としたレースゲーム」については、前述した『ALL.Net P-ras MULTI Ver.3』などで対応できるので、この筐体では行わないとしている。

AP-X.A

ロボットアクション筐体の概念。 シート左右にフライトコントローラー2つを装備し、モニターと汎用PCをくっつけただけの筐体で、イメージとしては『アフターバーナークライマックス』のシートが動かない筐体でもある。
おそらくは『ガンダム』や『バーチャロン』に対応できるものとして想定されており、また片方だけを使えばフライトアクション系のゲームにも対応出来る。 モニターは増設可能だが、1モニターだけの運用を求めている。

AP-X.G

ガンアクション筐体の概念ではあるが、ほとんど『ガンアリーナ』と『タイムクライシス』を組み合わせた筐体のノリである。 一応、『ガンアリーナ』のように飛ばすタイプも考慮されている。

AP-X.P

汎用パチンコ・汎用パチスロ(スロット)の台の概念。 N121MTが思いついたスーパーフレーズである「パチスキン・スロスキン」という言葉から作られた。
近年は「シンフォギアタイプ」や「源さんタイプ」、パチスロでは「なんとかGOD」や「ジャグラースタイル」などのように、似通った演出やシステムになっていることから全て汎用化できるのではと考えて作られたものである。

ちなみに汎用パチスロ台に一番近いものとしては、メダルゲームの『FEATURE Premium』(コナミ)が存在しており、またユニバーサルも巨大画面を用いたスロットコンセプトモデルも開発していた。
パチンコについてはオールデジタルにするとパロットみたいなことをしないといけないので難しい部分も多いが、パチスロ側はリールもデジタル動作させてしまえばよいというハードルがクリアできれば、役物以外は全て汎用筐体でどうにでもなるとされている。

この概念が通用しない(できない)ゲーム

あくまでAP-Xは「インプットが共通するのであれば、デバイスを共通化して1つの筐体でプレイできちゃうよね」というノリなので、以下のゲームには通用しない(できない)弱点がある。

  • 『osu!』のアーケードゲーム化
ベースとなった『押忍!闘え!応援団』は『ALL.Net P-ras MULTI Ver.3』で対応可能だが、『osu!』そのものをアーケードゲーム化するのは不可能である。
というのも『太鼓の達人』で『pop'n music』等はプレイできないし、逆は出来ても太鼓らしい動きではないというふいんきレベルがデカすぎるので、AP-Xには通じないゲームとして例を上げている。
(ちなみにこの「雰囲気」や「個性」についてはAP-Xそのものに関係する話であり、N121MTはそれらも含めてどうなんだという意味で考案している)

  • インプットデバイスが特殊すぎるゲーム
前述した「楽器を模したインプットデバイスを持つ音ゲー」(文字通りの『太鼓の達人』やピアノ鍵盤の『ノスタルジア』など)もその1つで、採用例が少ないトラックボール(『マーブルマッドネス』)などのような特殊すぎるものを汎用化しても効果は今ひとつと考えられている。
どちらかと言うと「共通したインプットが大量にあるゲームを1つに出来そうなもの」が重視されるのであって、共通しないインプットをただ集めてもそれはAP-Xとは言えないというところがある。(前述した『osu!』と同じである)

またレースゲームと言っても『スリルドライブ3』の「シートベルト」や、『テクノドライブ』の「結果シート」といった個別のパーツには対応しきれない限界点がある。
ただしどちらもアウトプットのアフターパーツとして欲しがりそうなのと、テクノドライブ2ではその結果シートそのものをデジタルデータにして扱うという代替などもある。

  • 物理的な動作パーツがあるゲーム
敵そのものが物理的に動作する『ワニワニパニック』等のもぐらたたきゲームや、モニター等を使わない『山のぼりゲーム』などはこれらに対応出来ない。(『山のぼりゲーム』自体はブラウザでもエミュレーションは可能とは思われる)
なお、プライズゲームの代表格であるクレーンゲームについては、近年の「ゲーセンと名乗り詐欺を行っているクレーンゲーム専門店」が多くなっているためAP-Xでは扱わないとしている。(セガとナムコあたりで共同開発してシェア100%にしちゃえばいい)

現実で適用できるのか

2022年現在、この筐体プロジェクトはメーカーごとにやりかねない可能性が高いものの、ラウンドワンの大規模なアーケードゲーム撤去やプライズゲーム専門の偽ゲームセンターの存在もあって、この筐体そのものすら作られない可能性があるという。
一応、N121MTは以下のようなシナリオで最終的に統合されてしまうだろう、と予測はしていたが、それすら失われる危険すらあるとのことである。

  • セガ、バンダイナムコがそれぞれで統合型の汎用レースゲーム筐体を開発し、それぞれ『頭文字D』と『マリオカート』を基調としたデザインにしつつ、現行から過去作までを収録する統合を目指す
特にセガの場合、『MFゴースト』の展開の関係で「前身の『頭文字D』と『MFゴースト』を共存するゲーム筐体」を求められる可能性が非常に高いため、統合型のレースゲーム筐体として「SEGA DRIVE」を作ることは確実視しているほどである。
バンダイナムコには『湾岸ミッドナイト』が展開されているが、ニンテンドウパワーによる『マリオカート』が強すぎるため、カート側に寄せた筐体になる可能性の方が高いとしている。

また、この汎用レースゲーム筐体によって(どっちになるかは不明だが)サードパーティーはそこで展開することとなるため、デザインの無個性化は進むもののデベロッパーが入りやすくなるという利点を取ると思われる。(『ASPHALT』とか入りそう)
ひょっとするとセガやバンダイナムコではなく、IGSなどの海外メーカーによる汎用レースゲーム筐体を作る可能性もあるどころか、下手するとそっちの方が可能性は高いともされている。
(スクウェア・エニックス傘下のタイトーなんかがそれに協力し、セガ勢・バンナム勢・IGSとタイトー勢に三極化するのかもしれない)

  • 数年後に全メーカーが統合型の汎用レースゲーム筐体を開発、セガ・バンダイナムコ・任天堂の共同ボード「トライフォース」の復活とも言えるものが生まれる
結局どのメーカーも競争できなくなって、生き残るために全メーカーが結託して共同の汎用筐体を開発する流れとなる。 しかもトライフォースには居なかったタイトーやコナミも参入するという流れになると考えられている。
この時には既にアーケードゲームの規模も小さくなっており、筐体のサイズも巨大なものからリアルキッズ向けの小型のものになっているため、レースゲーム筐体もそれに合わせられる可能性もあるという。

少なくとも本格的なレースゲームをアーケードの場で出来ることはほぼ無く、ミカドやBTTA等のような場所でしか出来なくなり、それ以外は家で簡単に行えるキットが破格の値段で購入できる時代になるのかもしれない……。

これに近いものとして、基板の2極化が存在しており、「セガ・バンナム・コナミ・タイトーの日本アーケードゲーム基板"A.G.B."(Amusement Game Board / Amusement Game Base)と海外勢のexA-Arcadia」のシナリオをTwitterで想定していた。
レースゲームに限らず、ありとあらゆるアーケードゲームが衰退しきってしまい、4社はAmusementICと同じノリで合同ゲーム基板を開発するという流れを想定したものとなっており、海外が対抗できるのはexA-Arcadiaぐらいではないかと考えられている。
(IGSなど他にもあるといえばあるのだが、日本ではそんなに聞かないことが多いのもあって少なくとも日本はそのA.G.B.のみに共通淘汰されるものとされている)
最終更新:2025年06月08日 02:24