オロチ八傑集

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オロチ八傑集 - (2023/04/24 (月) 21:40:16) の編集履歴(バックアップ)


THE KING OF FIGHTERS』オロチ編(『'95』~『'98』) に登場する集団。
彼らを含むオロチ一族とは、オロチに魅入られ暗黒の血と力と意思を受け継ぐ者達によって構成された共同体。
一族は全て人の姿をした人外であり、瞳も大蛇(オロチ)の名の通り、縦に割れた爬虫類系である。残虐性が高く、破壊的な行動を好む。
特に四天王は二つ名を持っており、それを付けて呼ばれる事が多い。*1
ここでは『KOF』シリーズ共通の大きなバックボーンとなっている「オロチ」と「三種の神器」の関係についても記述する。
なお「八傑衆」とも書かれるが、公式表記は「八傑集」。多分八卦衆辺りと混同されている
元ネタはOVA版『ジャイアントロボ』の「BF団十傑集」と思われる。

勘違いされがちだが、上記の通り、オロチ一族は自然の力を行使する特殊な人間達などといったものではなく、
「人の形をしている人外の集団」である事を覚えておいて頂きたい
(実際にゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ京』でも主人公達から化け物と認識されている)。
また、芸文社出版『イラストノベルス ザ・キング・オブ・ファイターズ オロチ完結編』のSNKスタッフインタビューで、
「オロチ一族は別に宗教によって結束されているのではなく、あくまでオロチという絶対的なものが存在すればよいだけ」
と答えられている(ゲーニッツがオロチ四天王という立場でありながら、「牧師」という職に就いているのもそのせい)。
また、一族はオロチと運命共同体の関係にあるため、オロチが(封印など)何らかによって活動を停止した場合、
彼等もまたその活動を停止せざるを得なくなる
(ただし、封印され完全に活動を停止するオロチや八傑集と違い、オロチ一族は皆、心の中でオロチ及び八傑集復活の時機を窺う)。


オロチと三種の神器

「地球意思」と呼ばれ、実態を持たぬ神に近い存在・オロチを中心とし、古代から地球の自然を守る一族が存在した。
この一族でとりわけ力の優れた8人を「八傑集」、その中でもさらに力の優れた4人を 「四天王」 と呼ぶ。
しかし人類が誕生し、急速にその数を増やすと共に文明を発達させていくと徐々に自然は破壊され、自然界のバランスは崩れていった。
人類の傲慢さに耐えられなくなったオロチとその一族は1800年前、ついに人類を滅ぼすべく行動を開始する。
これに対して人類からは(くさ)(なぎ)()(さか)()八咫(やた)草薙京八神庵神楽ちづるの先祖)の3家が立ち上がり、大きな戦いが起こった。
結果は人類の勝利に終わり、呪術の力に優れた八咫によってオロチ共々八傑集は封印される。*2
作中ではこの戦いが「三種の神器」と「八岐大蛇(やまたのおろち)」との戦いとして日本神話になったとされている。


それから時は流れ、660年前──
封印を守り続けてきた三種の神器の一人・八尺瓊がオロチの強大な力に憧れを抱くようになり、ついにはオロチの封印を解いてしまう。
しかし万が一の事態に備えて八咫がオロチ本体のみ別の場所に封じていた事により、解放されたのは八傑集のみに留まった。
この時、封印を解かれた八傑集の一人が八尺瓊の妻を殺害してオロチへの生贄に捧げ、
禁を破った事が発覚し時の帝の命により幽閉されていた八尺瓊に
「お前の妻は自分の一族の贖罪のため草薙に殺された」と虚言を囁いた。
さらにこれを察知した八傑集以外の一族がオロチ本体の封印場所を知る八咫をおびき出すため、草薙と決着を付けるようけしかける。
この虚言を信じた八尺瓊はオロチ一族の思惑通り草薙を憎み、彼らと血の契約を交わしてオロチの力を得る。
草薙と同じ赤色だった炎は青紫に燃えるようになり、
一族から授かった禁断の技「八稚女」を以て草薙を滅ぼす事を誓って姓を「八神」と改めた。
これが八神庵に濃く受け継がれた、京を執拗に付け狙う呪われた本能の正体である。

草薙と八神との間で起こった乱に決着は付かないでいた。そして、その隙に八傑集とオロチ一族はいずこかへ姿を消していた(消滅ではない)。
恐らくこの混乱に乗じてオロチ本体の封印されている場所を突き止め、来たる復活の時に備えて力を蓄えていたものと考えられる。
スピンオフコミック『THE KING OF FIGHTERS 外伝 ―炎の起源― 真吾、タイムスリップ! 行っきまーす!』では、
タイムスリップした矢吹真吾視点でこの経緯が描かれている。

「呪われた闇の力」「暗黒パワー」と称されるオロチの力だが、それはあくまで人間から見た場合の話である。
本来浄化されるべき愚行を繰り返しているのは紛れもなく人類であり、オロチ側から見れば人間の心こそが暗黒そのものなのだろう。
このあたりの設定の奥深さも、かつてのKOFの人気を支えていた一つの要因のように思える。
でも冷静に考えると、オロチの力を使う者達も自分の技に「暗黒大蛇薙」とか「暗黒雷光拳」とか「暗黒地獄極楽堕とし」なんて名付けてる訳で…。
まあいずれも技のコピーなので、皮肉を込めて「暗黒」と付けたという解釈もできそうだが。

ここから現代に入り、ルガール・バーンシュタインがオロチの力に接近する所から『KOF』のストーリーは始まる。


オロチ一族の構成

地球意思


オロチ四天王

一族の中でも特に力の優れた者4人。自然現象すらも自在に操る事ができる。
'97で登場した覚醒後のクリス・社・シェルミーによるオロチチームの能力は、
当時の主人公チーム(火:、地:大門、雷:紅丸)に対比するというコンセプトにもなっている。
同様に京の関連人物のコンセプト「地震・雷・火事・親父」の「親父」はゲーニッツが対比の対象とされる。*3

オロチ八傑集(ヤマタノオロチ)

上記の4人と、それに次いで優れた力を持った下記の4人を含めた8人の総称。
660年前に八尺瓊が封印を解いて以来、オロチの封印場所の捜索及びオロチの完全復活のため、現代まで転生を繰り返し続けている。
ただし下記の4人は四天王とは異なり、いずれもその宿命に必ずしも従っている訳ではないようである。
山崎竜二は施設育ちのため血筋そのものに無関心であり、マチュアとバイスは血の事に関心はあるものの、
ゲーニッツと敵対していたルガールの秘書をしており、『'96』八神チームでのデモでは
「私達は奴(ゲーニッツ)の部下ではない」「オロチでいるよりも八神庵に興味がある」と言い放ち、オロチと敵対する意思を示している。
  • バイス
  • マチュア
  • 山崎竜二
  • ガイデル
    • レオナ・ハイデルンの実父。回想シーンなどに名前が登場するのみ。
      「牙」の力を司るオロチ八傑集だったが、中途半端な覚醒だったため八傑集としての自覚が薄かった。
      (山崎とは違い、自分がオロチ八傑集であるという最低限の自覚は持っていた模様)
      ゲーニッツから八傑集の任に就くよう頼まれたが、家族や家庭の事を考えこの申し出を拒否。
      しかし、ゲーニッツが娘のレオナに目をつけ、半ば強制的に彼女を覚醒させられてしまい、妻共々惨殺された可哀相な人。
      詳しい設定はよく分かっていないが、ハイデルンとの接点があったと考えられる。
      「宿命なんて物はな…<クソ食らえ>だ…。お前はお前の為に生きろ…」

      本編開始以前から故人のため出番はないと思われていたが『XIV』のバースの台詞にガイデルらしき人格の発言があり、
      オロチや他のオロチ八傑集共々魂はバースに取り込まれていた模様。
      『XIV』終了時点ではバースに取り込まれていた者達が次々と復活する中で彼は見当たらなかったものの、
      『XV』EDでついに不確定ながら目撃情報が寄せられ、レオナ達が行方を追うという次回作の前振りのような終わり方をした。

その他


別の地球意思の一族「遥けし彼の地より出づる者」

他にも、シュルームに付き添っている少女「リメロ」を含めた6人のメンバーが存在する。


*1
+ 八傑集の二つ名の元ネタについて
オロチ四天王に与えられた二つ名は、アニソンのタイトルや歌詞から取られていると言われる。
ゲーニッツに関してはあくまで推測だが、他の3人のものはKOFオフィシャルサイトで明記されている(ただし伏せ字)公式設定。
  • 吹き荒ぶ風
  • 炎のさだめ
  • 乾いた大地
    • 『戦闘メカザブングル』EDテーマ「乾いた大地」のタイトルおよび歌詞。
  • 荒れ狂う稲光
    • ルパン三世(第2期)』OPテーマ「ルパン三世のテーマ(歌詞あり版)」の歌詞。
なお、「四天王以外の八傑集やルガールにも同様の二つ名が存在している」と言われる事もあったが、
公式に二つ名があるのは四天王のみで、それ以外は本来は完全な二次創作
だが2000年代のネット上では公式のものだと広く信じられており、一時はWikipediaにさえ掲載されていた有名なネタだった。
後に100%間違いなくファンにより創作された非公式のものだったと、当時の本人達の証言により判明している。
かつて某格ゲー攻略サイトにおいてファンの間で創作されたのだが、それをあるサイトが許可を得て転載した際に、
創作である事を注記せず上記の四天王のものと一緒に纏められていたため、さも公式のように周知されてしまったようである。
その後話に尾ひれがついて「'98の頃に設定資料で公開されていた」だの「小説版に載っていた」だの、
いかにもそれっぽい事実無根の噂が都市伝説のように広まってしまったようだ。

以下がその創作された二つ名である。
何故かルガールが居る一方、詳細不明だったガイデルの二つ名は作られていなかった。
近頃は八傑集とは相容れないことや、娘のレオナが(ハイデルンに鍛えられているとはいえ)手刀で攻撃することが多いからか、ガイデルは「逆向く牙」という名前が出回っているが、ソースはない。

しかし、旧SNKの倒産によって、非公式なものである事はその当事者にしか分からなくなってしまっていたためか、
SNKプレイモアすらその一部をギャルゲー『DOM』にて(知ってか知らずか)公式に逆輸入していた

また、香港で発行された公認漫画『拳皇XII』でも、八傑集7人の紹介時に、
  • 吹起荒風 基烈寺(ゲーニッツ)
  • 炎之宿命 克里斯(クリス)
  • 乾畢大地 七枷社
  • 荒狂稲光 舍露美(シェルミー)
に並んで、
  • 越野死神 白思(バイス)
  • 風中飛花 瑪卓亞(マチュア)
  • 暗黒行雲 山崎龍二
の呼び名が使用されている。

それだけこれらの二つ名の完成度が高かった、とも言えるだろう。

*2
一族にとってオロチは力の源でもあるため、八咫が封印したのは厳密には「オロチの力」とも言える。
また、一族と八傑集の世代交代は異なっており、
前者は血族結婚を行い血筋・血統によって子孫を残していくが、後者は輪廻転生によって継承される。
したがって八傑集の血縁者は基本的には普通の人間なのだが、稀にレオナのようなイレギュラーも生まれるようだ。

*3
「大山嵐(おおやまじ)」という言葉が訛って「親父(おやじ)」になったとされる。
大山嵐とは嵐や台風を指す。つまりゲーニッツの本当の対比対象は…