『ガンダムVS.』シリーズでは、はっきり言ってしまえば不遇であった。
5機のガンダムの中で操作キャラになるまでがぶっちぎりで遅かったと言えばその不遇っぷりが伝わるだろう。
『ガンダムVS.ガンダムNEXT』では、デスサイズヘルの アシスト機体として登場。 またデスサイズか畜生
攻撃内容はビームマシンガンを撃ち、さらにショーテルをブーメランのように投げ付けるというもので、
発生が早くよろけを取りやすいため素直な射撃武器として多くのデスサイズ乗りから頼られる。
もちろん、近距離であればそこから格闘での追撃が望めるため、リターンも大きい。
移植版の『Plus』では、アシストにもなれなかった ナタクが自機参戦し、
Wチームで 一人だけアシスト&CPU専用機体という不遇ポジションになってしまった。 これが援護キャラの定めか…
『Vガンダム』のファラと同じ声優なので、声だけでもあればよかったのだが(彼にだけ声を付けるわけにもいかないだろうが)。
『機動戦士ガンダム EXTREME VS』では「今度こそ自機で…」と多くのファンが願ったものの、
今度は ヘビーアームズのアシスト機体としての登場に留まる。 今度はヘビーアームズか畜生!
しかもアシストとしての性能がデスサイズ時代から大きく変化してしまい、 アシストとしての性能も低下してしまった。
具体的には…
- 突撃しながらショーテルを振り回すのだが突進距離が短い・誘導しない・突進速度も速くないという三重苦
- 強力なシールド判定が存在し、やろうと思えばハイメガキャノンさえ防げるが、シールド範囲も狭く出現位置の関係で対応出来ない攻撃も多い
…という何がどうしてこうなったと言わんばかりの性能であり、アシストとしての出番も激減。
ここまで来ると『VS.』シリーズはサンドロックに何か恨みでもあるのだろうかとでも思いたくなる不幸ぶりである。
詳細はヘビーアームズの項を参照の事。
自機になれない理由としては、『EW』アレンジ機体共通の「武装の一極化による特化機体化」が挙げられる。
EWアレンジにあたってサンドロック・アルトロン・デスサイズは武装を各機体の象徴的な武器一本に絞られたのだが
(しかも三機とも白兵格闘特化である)、
それが原因で使用出来る武器のバリエーションが少なくなってしまい
(特に下記のエピオンの様に射撃武装が無い機体はゲームシステム上弱体化傾向が高い)、
アクションゲーにするにあたって動かしにくくなってしまうのである。
武装がビームサーベルとヒートロッドという仕様ながら『VS.』シリーズに進出した エピオンが、
アシストと移動技以外全部格闘技という漢仕様になり、3000最下位を争う弱機体になってしまった事からそこら辺の事情は察してあげて欲しい。
…と思いきや、なんとアップデートで デスサイズヘルは参戦してしまった。しかも前作よりコストの高い2500コストとして。
やっぱりサンドロックに恨みがあるのか。
ちなみにファンが最も心配していた射撃武器についてだが、
なんと 「鎌から衝撃波を撃つ」&「CSで鎌に引っ掛けたトーラスを投げ付ける」という豪快な内容になり、
しかもナタクをアシストとして召喚出来るようになった。
トーラス投げについては 原作再現なのでまだ理解出来るが、衝撃波を出すとは ガンダムファイターもびっくりである。
「マグアナック隊をアシストとして呼び出す格闘機にすれば…」という声も聞かれるのだが、
残念ながら既にそのポジションには ガンダム試作2号機が座っており、その方向での参戦も厳しい状況にある。
しかし『FULLBOOST』で TV版ゼロが参戦し、さらに2号機が2500コストに昇格した事で、
「TV版サンドロックならワンチャンある」という希望の声も聞かれるようにはなってきていた。
2012年中のアップデートにて発生した アリオスショック*2以降は要望そのものを自粛しているファンも多い。
家庭用『FULLBOOST』でまさかの ゼロカトルが参戦。
サンドロックじゃないのかよ! と言いたいがカトル自身が『VS.』シリーズに自機参戦として出るのはこれが初。
同時期には家庭用『FULLBOOST』のDLC追加機体並びに『マキシブースト』アップデート追加機体としてアルトロンガンダムも参戦が決定しており、
「TV版サンドロック参戦のフラグなのでは?」と予想するファンも多かった。
…そして、2014年11月。満を持して、サンドロック改参戦。
オールスター系『VS.』シリーズの開始から、実に6年の時を経てのプレイアブル化となった。
これで『W』のGチームが完全集結。『EW』版が混ざってるけど気にしない
(後にモバイル会員専用機体としてTV版のデスサイズヘルとヘビーアームズ改が参戦し、TV版のGチームが集結した)。
多くの人の予想通り、 アシストとしてマグアナック隊を備えた格闘寄りの機体として参戦。
メイン射撃のビームマシンガンを筆頭に、弾速の速いショーテル投擲、
シールドを構えつつビームライフルを撃つラシード機か突進し、クローで敵を攻撃するアウダ機を呼び出すマグアナック召喚と、
格闘機体としては充実した射撃を持つがそのいずれもリロードが遅く、何も考えずに垂れ流すとすぐに弾が切れる。
また他機体におけるバズーカなどのダウンを誘発する武器を持たず、主武器のBMGもまとめて当てないとよろけさえ奪えないため、
ダウンを奪いにくく、放置されやすい。
反面、格闘は原作通り強力。
全体的に段数が多くダウン値が低めで、特格のヒートショーテルによる拘束攻撃を合わせると格闘機らしい大ダメージを狙える。
また特格・横格からの派生技を使えばある程度カット耐性のあるコンボを組む事も出来る。
だが、素早くコンボを切り上げる技がないので「短時間でまとまったダメージを取る」のは苦手で、
攻撃時間の長さからカットの危険も高い。
肝心のゲームでの強さはと言うと『マキシブースト』を代表するぶっ壊れ機体の一角として環境を支配した。
その最大の要因は、
- マシンガンの誘導が強すぎる。
- マグアナック隊の挙動が良すぎる。
- 赤ロック距離が長く有効交戦範囲が遠く誘導を活かしやすい。
という格闘が強いのかと思いきや、まさかの射撃能力が圧倒的であったが故の問題であった。
しかしいくら射撃が良かろうとも2000なので、ドライブと覚醒を合わせてこられたら…という所でゼロシステムが活きてくる。
システムとの噛み合い・コストでの立ち位置としての武装構成全てが完璧に揃った結果、低コストで攻守のバランスも最高という機体となっていた。
流石に強すぎたために上記の三点に修正を入れられたものの、ゼロシステムによるドライブ覚醒を拒否できるという点はシステムや環境に噛み合っており、
2000相応より頭一つ抜けた存在として本作を駆け抜けていった。
続編の『マキシブーストON』ではマグアナック隊の誘導や銃口補正の下方修正が加えられたが、最も痛かったのがドライブの廃止であり、
前作では高コストのドライブと覚醒を合わせた猛攻から安定して逃げれられるだけで最上位争いに絡んでこれたのだが、
今作では常時攻めながら回避が出来ないと話にならないという新たなインフレが起き出していた。
覚醒の無い通常時に求められる水準が大幅に上がった事で2000コスト自体が下火となり、
サンドロック自身もアップデートによって前作最終版よりも強くなる修正も入ったが、
2500コストとはシステムで共通している部分を覆し切れる強みを持ち合わせておらず、中堅下位に沈む結果となった。
アーケードで沈む中家庭版『フルブースト』では我が世の春を迎えていた。
DLCで追加されたサンドロックはまさかのマキシブースト参戦時の強さを持ったままの移植であり、
上記のドライブ覚醒は無いが、通常時の強みは他とは比べ物にならない良さであり、
2000最上位のランクからデルタプラスとクシャトリアを中堅以下その他に蹴落としてしまうほどであった。
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