「真名」は、ギリシア神話に登場し、魔術を以て英雄を助け続けたコルキスの王女「メディア」。
『裏切りの魔女』とも呼ばれた神話上での役割はギリシア神話の本やギリシア悲劇に詳しい話が載っているためここでは割愛する。
イアソンが人間のクズとされている点を除けば下記の経歴と大差ないのだが。
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この作品における「メディア」の経歴 |
この作品におけるメディアは、元々は清純な女性で心優しい性格をしていたが、
女神アフロディテによって心を操られ、英雄イアソンを盲目的に愛させられた結果神話における数々の非道を行わされていたという経歴がある。
操られた間にしでかしたしまった数々の罪で故郷には帰れなくなり、知らない間に夫になっていたイアソンにも罵られ捨てられ、
人々からも「自分たちが不幸である原因」として「魔女」と迫害されるようになってしまったことでグレてしまい、
「ふーん、いいわよーだ、こーなったらとことんまで落ちてやるー!」と悪に堕ちて人々を苦しめるようになる。
(とはいえ、悪意を持って接すると不幸になる「自業自得」の類の魔術しか使わなかったようだが)
元々悪女の素質はあったらしい(操られていたとはいえ、とある脱出劇の際に 実弟をバラバラ死体にするという手段をとっている)が、
そういった経歴から「魔女」と呼ばれるのが大嫌い。ついでに イケメンも嫌い。
言うまでも無いが、女神の気まぐれによりその状態にされてしまっただけであり、実際のところは一番の被害者といっても過言ではない。
女神の術が切れた後も、最早それ以外に生きる道が無かったのだから。
ライダーもそうだが、 ギリシアの神は基本的に自分本位な存在で、そのせいで悪に叩き落されてしまう存在も多い。
逆に バーサーカーのように、自身とは全く関係ないところで恨みを買ったりして酷い目に遭わせられる事もある。
基本的にオリンポスの神々は人間の本質を極端に顕在したような存在で、自分の欲望に極めて忠実。
力を持った赤子のように自分の思いつきで行動をするので性質が凄まじく悪いが、
良くも悪くもその辺りの人間っぽさがギリシア神話の人気の一つでもある。
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現代より遥かに魔術が優れ、魔法と大差なかった神代の魔術師であるため、現代人では発声不能な上級呪文言語「神言」を用いた魔術が使用可能。
魔法こそ習得していないものの、魔術師としての能力は魔法使いレベル。と、いうか現代の「魔法」の定義に沿わないため魔法使いと呼ばれないだけで、実質魔法使いと考えて差し支えない。
「王冠」クラスの実力であるシエルすら魔術では及ばず、蒼崎姉妹ですら本気になったキャスターには敵わないと発言されている。
攻撃・妨害・防御・飛行・転移などの多種多様な魔術を超高レベルで使用する。
適正がないのか固有結界は使えないが、その超絶の技量により莫大な時間と費用を掛け大小の魔術を綿密に織り込む事で同規模の異界を作り上げることは可能。
直接的な魔術の他に、魔術の道具の作成など魔術絡みの行動ならばほぼ万能にこなし「魔法」域の魔術さえ使用可能であり、
魔術師としての能力ならば現代の魔術師の誰よりも優れていると言える。
ただしサーヴァントは自分では魔力を殆ど作れず、さらに本来魔力を供給するべき現在のマスターは魔力を生成できないという状態だった。
このため、街中の人間から魔力を根城である土地に奪い蓄えており、蓄えた魔力の量はサーヴァントを複数使役したり大魔術を乱発してなお余りあるほど桁外れ。
また、スキル「高速神言」により、長い詠唱をかっとばして強力な魔術を連続使用することも出来る。
魔術師であるため、聖杯戦争のルールの隙を突き、サーヴァントであるにも関わらず アサシンを召喚するという反則技もやってのけた。
(ルール違反の弊害で、本来呼ばれるべきでない物が呼ばれてしまったが)
しかし肉体能力は低いため、白兵戦や超接近戦は苦手とする。
殴り合いでは(不意を突かれた上に魔術で強化していたとはいえ)人間の 遠坂凛にすら負けていた。
(そもそも「魔術師が切り札として近接格闘を行う」という発想自体、コテコテの魔術師であるキャスターには無かったようだ)
ただし、自身の弱点は把握しているので、上の凛のようなトンデモ行為で不意を突かれでもしなければ、
ローブや空間転移を用いた変わり身や相手を足止めする伏兵を配置しておくなど、基本的に対処は可能。
作中では凛より断然格闘能力が高く、対魔力で守られているセイバーやアーチャーの近接攻撃にさらされても、離脱のみならず反撃すら行っている。
「宝具」は、自らの「裏切り」の伝説の象徴が具現化した対魔術宝具「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)」
複雑な形状をした短剣であり、殺傷力は普通のナイフ程度だが、対象に刺すことで(宝具を除いた)魔術で出来たあらゆるモノを初期化するという効果を持つ。
何気にトンデモ宝具であり、使い魔の契約も軽く消去可能。さらに本人が卓越した魔術師であり、
強制的に契約を結びサーヴァントの絶対命令権である「令呪」を適用させることができるので、
事実上「当てたらサーヴァントを奪える」凶悪兵器と化している。
……まあ、肉体労働がとことん苦手なキャス子さんが他のサーヴァント相手にまともな手段でこれを当てられる筈もなく、
それ故に各ルートで 策謀を巡らせる涙ぐましい努力をする事になるのだが。
展開によっては努力の甲斐あって、3体ものサーヴァントをその手に収めることもある。
また、原作の最終ルートである 桜ルートでは、最後の最後でこの宝具がとても重要な役割を果たすことになる。
だがキャス子本人は全く活躍しない。
自身を召還したマスターを、召還されてから数日で見切りを付けて殺害しており、
現在のマスターは主人公達が通う穂群原学園の社会科教師で生徒会顧問「葛木宗一郎」。
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宗一郎の設定 |
「―――そうか。ようやく、気がついた
―――私は、ずっと昔から、
―――“誰か”の為に、なりたかった―――」
プロフィール
身長:180cm/体重:70kg
イメージカラー:無色
特技:格闘技
好きなもの:特になし
苦手なもの:特になし
CV:中多和宏
主人公である衛宮士郎や遠坂凛、間桐桜の通う穂群原学園の教師。
無愛想で寡黙な人物だが、実直で生徒からの評判は悪くない。柳洞寺に居候している。
聖杯戦争とは無関係で魔力の生成もできないが、マスターを殺したことで消滅しかけていたキャスターと偶然出会い助けた後、
彼女に頼まれるままに力を貸すことになった。
キャスターはそんな葛木に対して、単なるマスターとサーヴァント以上の想いを寄せている。
特殊な戦闘技術「 蛇」の使い手。
左腕から繰り出されるあらぬ方向に曲がる拳と、ここぞというときに強烈なストレートを放つ右腕のコンビネーションで敵に攻撃する。
非常に変則的で、キャスターに魔術で拳を「強化」してもらうことにより、初見であればサーヴァントともまともにやりあえる。
その威力は セイバーをも封殺してしまうほど。彼は暗殺集団の道具として赤子の時に買われ、生まれた時から道具として育ち、
上記の技能を教え込まれて暗殺を行った。本来ならそのまま自決するところを、なぜかそうせず生き残ってしまった。その後紆余曲折あり教師職に就く。
この辺の暗殺集団の背景は、いくらか 彼に通ずる部分がある。
非常に空虚な人物であり、あらゆる行動を正邪を問わず肯定する。
キャスターが魔力供給出来ない彼に黙って行っていた「冬木市の人々から魔力(≒生命力)を致命傷にならない程度に吸い上げる魔術結界」等についても、
士郎達が仲間割れを狙い暴露して見せても「成程……。それは悪い事なのか?衛宮」と眉一つ動かさず返してみせた。
ただ『Fate/hollow ataraxia』ではキャスターの事を守って生きたいと思い、自身の心境の変化も悪くないと感じているようだ。
ちなみに担当教科は「現代社会と倫理」。…元暗殺者が教える現代社会と倫理って。
スピンオフ作品の「花のみやこ!」では登場人物の葛木亜魅の父親という設定。
息子が生まれて憑き物が落ちた七夜黄理の如く親バカキャラに変貌している。
嫁は誰だ。まあ十中八九グルジア(かつてのコルキスがあった場所)出身の方なのだろうが。
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町の霊脈が集まる柳洞寺を根城にして町中の人間から魔力(生命力)を奪い蓄えているため、
正義感の強い士郎・ セイバー組とは序盤から良く衝突する。
士郎殺害件数も中々多く、中には死なせてもらえない生きた道具にされることもある。
そのバッドエンド後のオマケコーナーで「愛されるキャラになりたい」とか言っても説得力無いよ奥さん!
だが彼女、3ルートどれでも 無数の武具でズタズタにされたり、 無数の剣でザクザクにされたり、
剣でズンバラりと斬られたりと、ろくな死に方が出来ないキャラでもある。斬殺されることに定評のあるキャス子。
……でもなぜかステータスの 幸運値はBと高い。どう見ても生前もその後も不幸です。
ちなみに、好きなもの:寡黙で誠実な人、 可愛らしい服と少女、苦手なもの: 筋肉ダルマ。
葛木にゾッコンだったり、捕らえたセイバーや桜(アニメ版)を着替えさせたり、肉弾戦がからっきしだったりと実にわかりやすく行動に反映されている。
可愛い服を着るのは元々は自分の趣味だったようだが、生前の全盛期が 二十代終盤だったため「キャスター」のサーヴァントとして現界した時点で
その年齢の時の姿に固定されており、 自分が着ても似合わないという悲しい理由で他人の着せ替えを楽しんでいる。
ちなみに似合ってれば何でも良いらしく、男に可愛い服を着せることも可である言動がある。
スピンオフ作品『プリズマ☆イリヤ』では、(世界設定がそもそも異なるとはいえ)本気を出した彼女の凶悪さを拝むことができる。
本家ではこれに宝具がプラスされる上に、全体的な性能も上がっているのだから恐ろしい話である。
だが本当に恐ろしいのは、そんな彼女すら「ハズレ」扱いになる聖杯戦争のインフレっぷりかもしれない。
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