作中での棒読み演技や声優のリアル事情を風評被害のネタにしていく淫夢・クッキー☆(以下・淫ク☆)界隈において、氏は演技も上手く、また本人に関連したネタも特に無かったため、当初は幸運にも空気扱いされていた。
ボイスドラマでの出番も端役だったのに加え、脚本が東方二次創作界隈でとうに風化していた座薬ネタだったのも一因か。
後に大きく燃え上がる火種が生まれたのは2015年末、ボイスドラマ公開から実に
2年後
。
あり氏(あり兄貴)がHSI姉貴を推した動画の投稿を始め、更に自ら「月間HSI姉貴ランキング」を投稿。
案の定自分の動画でランキングを埋め尽くした挙句に一位は逃すという形で自虐エンターテイメント路線を確固とし、
以降も堅実にかつ淡々と済ませることが多いランキング動画の枠に囚われない自由さを開拓し続ける。
氏の代表的な動画シリーズ。MTG店員 |
火吸いなのに火を吹くという一発ギャグで 炎属性を決定付けた全ての元凶 |
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出発点であり立役者 |
黎明期から続く人気シリーズ |
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3月には謎の派生キャラ「偽
物
だがいいやつ
そう
なHSIさん」が誕生。
ランキングに乗る敷居の低さに惹かれたのか投稿動画数も9倍以上に増したと思いきや4月にはその1/4程度に縮小し、
誰が呼んだか「空前のHSI姉貴ブーム」も一瞬で鎮火したかと思われた5月末。
自己矛盾氏による淫ク☆のネタと掛け合わせた大作「メタル化HSIGB+使用例」により、界隈に激震が走る。
震源地にして多くのネタの集合地 |
投稿者による解説。映像作品への拘りが冴え渡る |
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間髪入れずに同氏により豊富かつ使いやすい形で音声素材と
画像素材
が配布されたこともあり、
徐々に淫ク☆界隈中の猛者がHSI姉貴を題材にし始め、ブームが 「毎月一日に大作投稿してランキング一位取ってあり兄貴泣かそうぜ」のノリで本格的に燃え上がる。
同時に、HSI姉貴を出演させた動画の一般受け(ただしその他カテゴリに限る)が進んだ。
技術の無駄遣いによる生き生きとしたアニメ素材に加え、格段におかしな方面の素材が増え始めたのもこの頃。
炎エンチャント付きスターターパック |
あり兄貴の抜きどころ。触手とは一体…… |
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原作の原作再現。リョナ路線の開拓 |
バケモノ路線の誕生 |
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耳が独立して自走を開始 |
ダンスが得意科目に |
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それでも「メタル化HSI」を上回る勢いはそうそう生まれないだろうと思われていた中、
ボイス素材の開拓や巧みなBB素材によりHSI姉貴という偶像の魅力をストレートに生かし、
その他カテゴリを越えて
普通にかわいい
と評判を呼んだのが 「チマタデウワサノ」である。
それでも傍から見れば「東方のガワを被った良く分からないジャンル」扱いなのは言うまでも無いが……。
その余韻も冷めやらぬ月末に追撃とばかりにフリースタイルクッキー☆が上がったのも印象深い。
ハートばっきゅん!緋翠氏本人視聴済み |
MADはどんな構成で作ってもいいんだ |
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そんなこんなで、その他カテゴリで2016年にやたら生まれた「空前の○○ブーム」の中でもとびっきりの嘘から出た真になってしまった。
激動の2016年の淫ク☆界隈を語る上で欠かせない出来事の一つである。
そんな経緯もあってかHSI姉貴のキャラクタライズはかなり特殊で、他の主要なクッキー☆の登場人物とは異なる。
基本的に、クッキー☆キャラは
原作の原作
である東方Projectの設定は適用されておらず、中の人が主体となっているが、
ボイスドラマやリアルでの緋翠氏の言動や行動が出展の強烈な持ちネタというものがそもそも存在しない。
それどころかブームの最中の緋翠氏の新たな動向(生放送や配信など)もHSI姉貴ブームにおいて全く影響が無い。
そもそも前述の MTG(と十円玉)、 実弾の銃、 火吹き、 偽者、 メタル化といった各種ネタは全て後発であり、
それは 餃子みたいなスカートを始めとしたイラストの顔以外の部分すらも例外ではない。
言わば一から十までがHSIファンによるゴリ押しの過程で好き勝手に捏造及び構成されてきた、才能の不法投棄から生まれた産物なのだ。
MUGENで言えば この辺りに通じるものがあるだろうか。
「一周回って新参ホイホイ」「高度に発達したクッキー☆は東方と区別が付かない」とは視聴者の弁。
緋翠氏本人の手から勝手に巣立って突然変異した挙句、こうしてMUGEN界にすら余波が届くこととなった。
偽物、メタルHSI、子供HSI、乳児HSI、小悪魔HSI、HSIくん、その他も多数の出落ち派生キャラが存在し、
主題にしたBB劇場の影響から、いつしかまとめて「HSI一族」なるグループとして認識されていった。
たくさんいるよ。HSI姉貴だもの |
乳児HSI。やべぇよ…やべぇよ… |
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中でも乳児HSIは
ブームのせいでクッキー☆厨すら躊躇う領域から本気の人を召喚してしまった
と語り草になっている。一族といいつつメタルや落書きと血縁関係があるわけないだろというツッコミを入れたくなるが、ブームの着火剤となった動画の世界観からして独特で、かつ界隈の設定の奔放さは周知な所なので、特に気にする人はいない。 まあMUGENストーリーの遺伝子の職務放棄っぷりも良い勝負だからねぇ……
他にもクッキー☆キャラが複数人まとめて扱われる例はあるものの、いずれもアバターこと演じた元キャラが同じで別々の動画が出身であるという点で異なる。加えて、他のキャラクターが強烈な持ちネタをBB劇場内で表情差分や変身形態として使用する事が多いのに対し、HSI姉貴の場合は集約せずに個々に人格を持たせる事が多いという、声優とキャラクターのどちらに重きを置くかという作風の違いも大きいと思われる(例えるならば 鬼巫女をキレた霊夢として登場させるか、霊夢とは別の絶対的な力を持つ赤黒き巫女として登場させるかの違い)。
その軌跡は「炎上騒動や注目を集める事件がなかった声優でも、面白さを引き出したMAD動画やランキングで1から流行を作れる」というクッキー☆界のモデルケースとなり、 JOKER姉貴や『チョコレート☆ハート』勢(主に長い間殆ど題材に取り上げられる事の無かったキャラ達)といった後続を生むこととなる。
HSI姉貴ブーム自体も、一年経って開拓地である「月間HSI姉貴ランキング」及び「銃を撃つHSIとRRM」の完結、そして「新HSI島」の総合ランキング一位到達により
行き着く所まで行ってしまった
ことでようやく落ち着きを見せる。といってもブーム以前のように廃れた訳ではなく、むしろ高クオリティのMAD製作者が集う里として、また名実ともにクッキー☆の主要キャラクターの一人として定着していった。
一緒にいるのは当時の空前のブーム仲間達 |
BB女優の名は伊達じゃない |
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要注意ネタはあれどプロ顔負けの作品 |
常識人兼先輩ポジションで新世代とも交流が深い |
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