ブラック指令


「私は予言する!

 ウルトラマンレオの死を!日本列島の最期を!!」

円谷プロの特撮作品『ウルトラマンレオ』に登場する宇宙人(?)。
「ブラック令」では無いので注意。*1
悪魔の星ブラックスターの配下であり、水晶玉を用いて円盤生物を指揮する司令官的存在。
胸にドクロマークが付いた黒い服とマントを着用し、黒いハットを被った黒ずくめの中年男性のような姿で、
常に杖を突いているのが特徴。
性格は冷酷にして無慈悲であり、手駒の円盤生物による大量虐殺を喜々として行う卑劣漢。
しかし、レオによってことごとく円盤生物を倒される中で、次第にレオに私怨のような感情を見せるようになっていった。

いわば、敵勢力の幹部ポジションなのだが、人知れず暗躍に徹していたため、
円盤生物編当初から出番こそ多かったが、ゲンと面識を持ったのは終盤(最終回の一つ前の話)のブニョ回である。
演者の大林丈史氏も、それまでは登場してもほとんど他の登場人物との掛け合いが無かったため、
この回は鬱憤を晴らすようにリアルで仲の良かったブニョの演者である蟹江氏と共に、レオをバラバラにするシーンをかなりノリノリで演じたと語っている。
また、光に反応する習性からブラック指令の指示をガン無視して破壊活動を行ってしまったブラックドームや、
変身前のレオの正体を突き止めながらも報告を怠ったデモスなどもおり、実際にどこまでの権限があったのかは不明。
「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」の解説によればひと睨みするだけで弱い怪獣を怯ませる眼力や対象を催眠術に掛ける魔眼、
ステッキから放つ重力操作、ミサイルも弾くマント、ビルの屋上までひとっ飛びできるジャンプ力、テレポーテーション能力を備えているとされるが、
劇中ではこれらの能力を見せたことは無い。

そして最終回、最強の円盤生物ブラックエンドを呼び寄せ、さらにブニョがレオの人間態を突き止めたためトオル少年を人質に取り、
思うように戦えないレオを苦戦させるが、調子に乗りすぎてレオに気を取られていた所をトオルの友人達に奇襲されて集団リンチ袋叩きにされてしまい、
奪われた水晶玉をレオによって投げ付けられたブラックエンドは爆死し、同時にブラック指令も苦悶しながら泡になって溶けてしまうという末路を迎えた。
そして悪足掻きをするように飛来したブラックスターもレオの手で爆散し、長きに亘る戦いに終止符が打たれたのであった。

+ 考察
ブラック指令はブラックスターの配下ということ以外謎が多く、ウルトラシリーズの書籍・資料では宇宙人にカテゴライズされていることが多いが、
水晶玉がブラックエンド共々爆破した際に溶けるように死亡したことから、「水晶玉が本体」と書籍などでも書かれることが多く、
それが発展して、「水晶玉のような超小型円盤生物が端末となる肉体を操作していたのでは」という説がファンの間ではまことしやかに囁かれている。

+ 以降の作品におけるブラック指令

「シンプル・イズ・ザ・ベスト。最近の怪獣は、ごちゃごちゃしてていかん」

ウルトラマンオーブ』では、第22話「地図にないカフェ」にてブラック店長としてまさかの再登場。
ただし『レオ』に出ていた個体とは別人である。また名前に反して従業員に過酷な業務を強要したりはしない。
演者は過去にもウルトラシリーズにて『ティガ』のオビコ、『コスモス』のベリル星人役などを演じ、他の様々な特撮にも出演されている赤星昇一郎氏。

かつては地球侵略を夢見ていた宇宙人の1人であったが、恐らくはウルトラ戦士との戦いに敗れて夢は叶わず、再起の意欲も尽き果てて引退状態となり、
現在は地球に潜伏している宇宙人達の憩いの場である「カフェ★ブラックスター」を秘密裏に経営していた
(オーブ=ガイや、彼のライバルであるジャグラスジャグラー、正義の心に目覚めたババルウ星人ババリュー等も常連客であることが明かされている)。
……のだが、超大魔王獣マガタノオロチの復活を察した宇宙人達が次々に地球を去っていったために客足が途絶えてしまい、閉店を決意。
しかし、彼の相棒であったノーバが突如巨大化して破壊活動を開始。その姿は「自分はまだ諦めていない」とでも言っているかのようであり、
それを見て奮起した店長は体内に入り込むとブラック指令としての正体を明かし、オーブと対決する。
だが相変わらず「店長」と呼ばれて困惑してしまったり、オーブ側も本気で戦いたくは無かった様子がうかがえる。
戦いの末にノーバはオーブに倒され、相棒を失った店長は「私にはもう何も残っていませんよ」と項垂れるが、
ガイからの「あんたのコーヒーを美味いと言っていた奴らがいる」との言葉を受けると、いずこかへと姿を消した。

それから少し経ち、SSPの面々は「立ち寄った者が住所を覚えていない」という奇妙なラーメン屋の話を耳にする。
そのラーメン屋の名が「ラーメン★ブラックスター」と判明した所で本エピソードは終わる。

この個体は自分をブラック指令と名乗ってはいるが、『レオ』の個体との区別のためと、
彼の本質を表すために「円盤マスター ブラック店長」表記となる事も多い。

+ TV作品以外におけるブラック指令
内山まもる氏の漫画版でもラスボスを務めており、ここでは『小学二年生』版を中心に紹介する。
手始めにババルウ星人(TV版でレオに倒された個体の弟)と手を組み、シルバーブルーメでMACを壊滅させた後、
辛くも脱出したセブンにも致命傷を負わせ、基地に残されていた巨大ミサイルごとシルバーブルーメに特攻させる事で事実上死に追いやった。
その後レオの両親を人質に取りながら地球を攻め落とそうとするが、隙を突かれて脱出された際にババルウ星人が死亡、
更に駆けつけたウルトラ兄弟により円盤生物も全滅させられてしまう。
最後は逃げようとした所をアストラに足止めされ、そのままレオが投げ付けたセブンの形見のアイスラッガーで胴体を突き破られて倒された。
ウルトラ兄弟と円盤生物軍団との戦いの場面では、なんと自ら巨大な姿でレオと格闘戦を演じている。

漫画『ウルトラマン超闘士激伝』ではエンペラ星人配下の空軍参謀として登場。顔の左半分を隠すように仮面を被っている。
体格はウルトラ戦士や他の怪獣達と同等で水晶球からウルトラ戦士にも通用する拘束力のある光線を撃ち「戦わないのと戦えないのとは違う」と嘯く。
海軍参謀バルキー星人がウルトラベルを奪取した後、残る三大秘宝のうち2つを一気に手に入れるべく、暗黒司祭ジェロニモンとの協力で行動を開始。
洗脳したウルトラセブン21にウルトラキーを強奪させ、ウルトラミラーの引き渡しをも迫るが、
駆けつけたウルトラ戦士達により空軍は全滅させられてしまう。
旗艦サタンモアも失ってしまい、我先に逃げようとするブラック指令だが、そこに親友であるウルトラマンネオスとの絆で正気に戻った21が立ちはだかる。
怒りに燃える21のヴェルザードで水晶玉ごと破壊され、ドロドロに溶けて消滅するという最期を迎えた。
ちなみに漫画版はこのブラック指令戦で連載が終了したため、実質的にラスボスを務めるという事態にもなった。
その後続編の『新章』にて、同じく倒されたバルキー星人、陸軍参謀ザム星人共々亡霊として再登場。
ジェロニモンの霊能力によって復活した後はモルドの鎧に憑依し、皇帝空間に乗り込んできたゾフィーに襲い掛かる。


『ウルトラ怪獣擬人化計画』でも電撃版にて登場。
…元々が人型だったこともあり、「ただの女体化じゃないのか」と散々ツッコまれた。
漫画『ギャラクシー★デイズ』ではシルバーブルーメ、ノーバを率いる「ブラックスターズ」のリーダーとして登場。
当初は関連商品告知用キャラだったが、物語後半あたりから本編にも出るようになった。
劇場アニメ『怪獣娘(黒)』では、タイトル通り主人公の一人として登場。CVは新田ひより女史。
設定は概ね漫画版準拠だが、回りくどい作戦で地球侵略を企む自堕落な成人女性になっており、より残念さが増した。

『コンパチヒーロー』シリーズのゲーム『ロストヒーローズ2』では水晶玉の光で目元を隠して登場。
肖像権の問題上、人間の顔出しキャラを出せない都合での措置と見られる。
25:32~


MUGENにおけるブラック指令

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
ドットは『エターナルチャンピオンズ』のダウソンがベースとなっている。

杖を用いた近接攻撃と、円盤生物をストライカーとして呼び出す攻撃がメイン。
なお、円盤生物は全て合わせて画面内に出せるのは一体までで、一部円盤生物はハメ防止のため召喚に制限があるので注意。
7P~11Pは画面内に出せる円盤生物が2体に増え、12Pでは制約が無くなる。
同製作者の作ったブラックスターとは必殺技超必殺技が酷似しているが、
ブラック指令は一部の技が空中でのみ発動可能など使い勝手は異なっている。

+ ストライカー解説
【必殺技】
X:ブラックドーム
→+X:アブソーバ
↓+X:デモス
空中でX:ブラックテリナ(テリナQがある場合召喚不可)
Y:ブラックガロン(0.2ゲージ消費)
→+Y:ブリザード(0.2ゲージ消費・相手が凍結時召喚不可)
↓+Y:ハングラー(0.2ゲージ消費)
空中でY:サタンモア(0.2ゲージ消費・リトルモアがある場合召喚不可)

【超必殺技】(1ゲージ消費)
Z:ブラックエンド
→+Z:ブニョ(スリップオイルがある場合召喚不可)
↓+Z:ノーバ(一定間隔でダメージを与えつつ飛び道具を無効にする雨を降らせる・雨がある場合召喚不可)
空中でZ:シルバーブルーメ

AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

出場大会

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出演ストーリー



*1
本来「指令」だと命令そのものであり、命令を下す指揮官なら「司令」が正しいはずだが、
オープニングのテロップでも「令」表記になっており、以後の資料でも現在に至るまで変わっていない。
なお、内山まもる氏の漫画版『ウルトラマンレオ』では「ブラック司令官」
漫画『ウルトラマン超闘士激伝』登場時は「ブラック司令」と表記されていたが、後者は単行本の完全版が刊行された際に「指令」に修正されている。
このように公式ではあくまでも「指令」であり、どうやら意図的な表記らしい。
……が、誤植開き直って公式ネタにした可能性も高い。「M78星雲」も元々誤字だし


最終更新:2023年12月09日 20:42