円谷プロの特撮作品『帰ってきたウルトラマン』に登場する
怪獣。魔法少女化した
ホムンクルスではない。
別名「光怪獣」。第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」に登場。
怪獣の中では珍しく名前に漢字が入っている種類であり、
ブルトンのような無機質な外見が特徴。
光が極限まで圧縮され物質化して生まれた存在であり、本能的に光をエネルギー源として吸収する生態を持つ。
現代まで南極の氷山に閉じ込められていたが、太陽の黒点変動の影響で活動を開始した。
日中は無限の太陽光を取り込んでいるため身体を気体化させて大人しく姿を消しているが、
日光の無くなる夜になるとそれ以外の光(電燈など)に反応して、
オーロラとそこから降り注ぐ白い霧を纏い、コーラスのような特徴的な鳴き声と共に出現しては、
食料となる光を吸収しては夜明けと共に去るという行動を繰り返した。
その姿や能力から「
白い悪魔」と呼ばれて恐れられており、劇中ではプリズ魔に襲われた船の生存者が実際にそう呼んでいる。
しかし、同時にプリズ魔には食料となる光源が見つからなければ、角の下にある出っ張りのような部分から放つ「結晶化光線」で、
これを浴びたものを物体であろうと生物であろうと結晶状の「光」に変えて吸収してしまうという恐ろしい習性がある。
劇中では
部分的に結晶化しながら生還した被害者が病衣を残して消滅してしまう場面があり、
たとえ吸収されなくてもこの光線を一度食らったが最後、ウルトラ戦士など特殊攻撃に耐性がある存在でもない限り助かることは無い。
つまりは防御無視の
即死攻撃であり、ウルトラ戦士や吸収能力を持つ
ベムスター等でもなければ対処のしようがない反則的な能力である。
さらに体表も強固であり、
ウルトラマンジャックのチョップやキックを全く寄せ付けない程で、
対象の動きを止めて跳ね返す「プリズ魔光線」や不思議な光波で幻覚のような空間を生み出す能力、
ジャックを吸引ビームで吸い寄せて密着し、身体から放つ高熱でバーベキューにしようとするなど多彩な攻撃手段を持つ。
唯一の弱点として、氷に閉じ込められていた来歴から分かるように
低温や
低温環境を天敵としている。
ただし、人類が作れる野球場を1つ分氷結させる冷却弾でも、活動を鈍らせる程度が精一杯で完全に活動停止に追い込むことができなかった。
つまり、プリズ魔を活動停止に追い込む程の低温は
少なくともそれ以上の環境変化クラス、
ウルトラシリーズのファンに分かりやすいように例えるなら、
ペギラや
ガンダー級の冷気攻撃が必要と推測され、実行は非常に困難である。
総合的な戦闘力は非常に高く、ベムスターや
ブラックキングと並んで同作最強怪獣の一角に数えられている。
復活してからは南極近海および南太平洋に浮かぶ島々の灯台やそこを走る船舶を襲いつつ北上し、とうとう日本にまで到来。
調査に訪れていた坂田と郷の前に姿を現して灯台を消滅させたことでその存在と活動が明るみになった。
二人を追跡して現場に紛れ込んだ次郎少年の持っていた懐中電灯に反応して彼らにまで襲いかかったため、
やむなく郷はジャックに変身してプリズ魔に挑むが手も足も出ず、あやうくプリズ魔に引き寄せられて焼かれそうになったり、
幻影空間に閉じ込められそうになったりと大苦戦を強いられるが、夜が明けた事でプリズ魔は撤退したため命拾いする、
その存在を認識したMATは、南極で活動停止していたという情報から、都市中の明かりを消しつつ一ヵ所にだけ光を灯してプリズ魔をそこに誘き寄せ、
冷却弾で凍らせた後に攻撃するという「フリーザー作戦」を実施。
その場所に選ばれたスタジアムへ誘導されたプリズ魔の下に冷却弾を投下して凍らせようとするが、
完全に活動停止させることはできず、ピンチに陥ってしまう。
この事態に郷は再び変身して敢えてプリズ魔の体内へと入り込むと、身体を結晶化されながらも中からスペシウム光線を浴びせ続ける。
これにより、ガラスのコップを冷やした後に熱湯を注ぐと割れる「ヒートショック」と呼ばれる現象のように、
冷却弾で冷えたプリズ魔の体に内部から急激な
熱膨張を起こし、
粉々に粉砕して倒すことに成功。
プリズ魔の崩壊とともにジャックも脱出できたが、一歩間違えればプリズ魔が死ぬ前にジャックが光化させられて吸収されかねなかった危険な方法で、
勝利した郷にも這々の体で「俺にとってギリギリの賭けだった」と言わしめて昏倒させたほどの難敵であった。
デザインしたのは井口昭彦氏だが、米谷佳晃氏による検討稿も残されており、頭部や四肢が造形された怪獣然としたデザインとなっている。
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他作品におけるプリズ魔 |
『 新世紀エヴァンゲリオン』に登場する ラミエル及び新劇場版の第6の使徒はプリズ魔がモデルであり、
結晶体のような無機質な外見という共通点に加えて、鳴き声もプリズ魔のそれが流用されている。
『ウルトラマンオーブ 完全超全集』収録のウルトラマンオーブクロニクルのエピソード5「ルサールカより愛をこめて」に登場。
ルサールカに出現し、ナターシャの住んでいた村を襲うが、オーブと交戦の末に吸収したオーブに内部から粉砕されるという、
『帰ってきたウルトラマン』に登場した個体と同様の戦法で倒された。
だがガイは体力を激しく消耗し、さらにプリズ魔の亡骸は ジャグラス ジャグラーによりカード化され、 マガゼットンの復活に用いられた。
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MUGENにおけるプリズ魔
Westoon氏の製作したキャラが存在していたが、現在は公開停止。
当初はスプライトが上記の実写風かつWinMUGEN専用であり、
MUGEN1.0以降では使用不可だったが、
Ver3.0からスプライトがゲーム風に差し替えられた他、MUGEN1.0にも対応した。
ダッシュ・ジャンプはできないが、常時
アーマーかつ
投げも無効で、
飛び道具属性の攻撃を吸収してHP・ゲージを回復する凶悪キャラ。
固有システムとして特定の攻撃を与えることで永続ターゲットにより付与するバステ「結晶化状態」と、
ランクの高さにより技やステータスが変動する「結晶度」がある。
初期バージョンでは主に「プリズム光線」や「フラッシュ光線」などの原作でも使用した飛び道具をメインに戦うが、
自身に触れた者を巨大な結晶に閉じ込め、相手諸共粉砕する当身「クリスタルブレイク」などのオリジナル技もあった。
ver2.1以降は「フラッシュ光線」「クリスタルブレイク」は削除され、
一部の性能の変更や一部技の調整が行われた。
超必殺技は相手を一瞬で結晶化させる「結晶化光線」と
対象を一定時間だけ異次元空間へ送り込む全画面攻撃「異次元空間転送光線」。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
最終更新:2025年04月29日 15:22