「争いはそれまでだ!」
「無限の力は私……アダム・ウォーロックのものだ。異論はあるまい」
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日本語吹替声優 |
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川原慶久
- 『Marvel's Guardians of the Galaxy』
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武内駿輔
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
- 和田京介
- 『マーベル・ライバルズ』
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身長188cm。体重109kg。
悪の科学者集団エンクレイブによって創られた人造人間で、
当初は名前を与えられず「彼」を意味する「Him」と呼ばれていた。
「ヒム」と言っても
ハドラー親衛騎団の兵士(ポーン)とか『
パワパフ』の
オカマな悪役では無い
(前者は普通にそういう名前。後者は「
名前を出すのさえ憚れる存在」という意味で「彼」と呼ばれ続けている)。
「完全な人間」を目指して創られたため、優秀な肉体と頭脳、様々な超能力を備えている。
また、大きなダメージを受けると「コクーン」と呼ばれる
繭に包まれて回復、さらに強化されて復活する。
だが、
彼を創り出した科学者が悪人だと分かると反抗して脱走。
その後宇宙を放浪した後地球に舞い戻り、ソーの彼女のシフに手を出した事で彼と大喧嘩になって再度地球から叩き出されたりしたが
やがて正義のために戦う事を決意した彼は、ハイ・エボリューショナリーから
ウォーロックの名と
ソウル・ジェムを与えられ、
太陽を挟んで地球の反対側を回る惑星カウンターアースを支配するマンビーストを倒し、
その際にカウンターアースの人間から
アダムの名を与えられて
アダム・ウォーロックと名乗るようになる。
後に
ソウル・ジェムと同様に宇宙の無限の力の一端を司る6つの宝石インフィニティ・ジェムを欲した
サノスに敗れてしまい、
全てのジェムを揃えてインフィニティ・ガントレットを完成させたサノスは全宇宙の全生命の半数を一瞬にして消し去る凶行を犯す。
これに対してヒーロー達が立ち上がろうとした時、ウォーロックも復活してサノス打倒の軍勢を結成する。
ヒーロー達が次々に倒されていく間に一瞬の隙を作って
シルバーサーファーがガントレットを強奪する作戦は失敗し、ヒーロー達は全滅。
誰が相手でも勝てるはずのスクイレルガールはどうしてたかって?多分空気を読んで最初の指パッチンで消えたよ
次いで
ギャラクタスらコズミック・ビーイングスが一斉にサノスに襲いかかるがこれも全滅し、もはや宇宙はサノスの手に落ちたかと思われた……。
だが、
ソウル・ジェムを通じてサノスの心の奥底までを見通すウォーロックは知っていた。
サノスは自分が勝利するに値しない存在だという事を心の底で悟っており、
考えた事を全て実現する力を振るうサノスは戦いのどこかで
「自分が敗北する」という願いを叶えるために致命的なミスを犯す事を。
*1
そしてサノスは新たな宇宙の神として君臨するために肉体を捨て、自身を宇宙そのものと同一化する。
……その全能の力の源であるインフィニティ・ガントレットを、自分の肉体に置き忘れて。
その隙を狙って、サノスが虐待していた孫娘ネビュラがガントレットを奪い、今度はネビュラが全能の力を振るう事になってしまう。
ネビュラは時間を巻き戻して全ての死者や被害を無かった事にするが、このネビュラもヴィラン側の人物だったため、
封印から解かれたコズミック・ビーイングスとの戦いになる。
無限の力を持つネビュラが神々を圧倒する中、ウォーロックはサノスが心に秘めていた真実を説き明かして説得。
*2
復活したヒーロー達とも合流し、やはり彼らがやられている間に
ソウル・ジェムの中からインフィニティ・ジェムの均衡を崩し、
ネビュラからガントレットを奪還して壮絶な戦いに幕を下ろした。
この戦いの後、ウォーロックは自身がインフィニティ・ガントレットの新たな管理者となる事を宣言。その力を正しく用いると約束するが、
しかしそれは「自分がサノスに代わって全能の絶対者として宇宙に君臨する」と表裏一体の意味を持つ。
ヒーロー達はその危険性を指摘し、反対するが、ウォーロックはもはや元には戻れないのだとしてヒーロー達を地球に送り返した(ページ冒頭や最下部の台詞)。
そしてインフィニティ・ガントレットの力を活用して宇宙をより良い方向にしようと尽力するが、
たとえば「人間の心から嫉妬や欲望の感情を取り除いて平和な世界にしよう」と考えてみたものの、
それを実行したら活力が失われた世界になってしまうだけだと分かって取り止めたり、
結局一人の人間が全知全能の力を持ったとしても無理が生じてしまった。
最終的に
リビング・トリビューナルの要請によってインフィニティ・ガントレットを分割、
各インフィニティ・ジェムを守護するヒーローチーム「インフィニティ・ウォッチ」を結成。
その顔ぶれは、
- アダム・ウォーロック:ソウル・ジェム
- ピップ・ザ・トロール:スペース・ジェム
- ガモーラ:タイム・ジェム
- ドラックス:パワー・ジェム
- ムーンドラゴン:マインド・ジェム
- サノス(反省した):リアリティ・ジェム
というもの。
彼らは悪に染まった未来のウォーロックであるメイガスや、
善の化身であるため一切の悪を根絶しようとするゴッデスを相手に無限の力を用いる戦いを繰り広げた。
その後はインフィニティ・ジェムを手放し、
ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーに加わっている。
なお、インフィニティ・ジェムは
よりにもよって地球の
放置するとやばいヒーロー達の
悪の秘密組織「イルミナティ」によって管理される事になったが、
平行宇宙同士が衝突して崩壊する「インカージョン」事件の際に
他の平行宇宙を破壊するために用いるという暴挙に出た挙句、*3
ジェムの能力を超えた使い方をしたため壊れてしまった。やっぱりイルミナティに渡すんじゃ無かった
ジェムが存在する宇宙にとっては万能の力であっても、他の宇宙には力が及ばなかったのである……。
*4
上記の通り、アメコミではサノスとの関わりが深いキャラクターなのだが、
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に登場の伏線は張られたものの、
『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』には長らく登場していなかった。
彼を出すと「こいつが大活躍してサノスに勝っちゃうんだな」という事が映画を見る前から分かってしまい、
サノスの強さを見せつけて「この大ボスをどうやって倒せばいいんだ……」という緊張感が、
「まあウォーロックがなんとかするんだろ?」になってしまうからだろうか。
そして2023年5月、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの完結編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』に登場。
ここではサノスが倒れた後に登場したので、インフィニティ・ストーンやサノス関連の設定は丸ごとカット。
出生も簡略化されてハイ・エボリューショナリーが創り出した人造人間という事になり、
誕生したばかりで純真無垢なのでヴィランに利用されているというキャラクターになった。
格闘ゲームにおけるアダム・ウォーロック
上記の「インフィニティ・ガントレット」事件を題材にした格闘ゲーム『
Marvel Super Heroes』では、
原作の最重要キャラであるが、前線で殴り合いを演じていないためかプレイアブルキャラクターとしては登場しない。
彼の出番は
ジャガーノートのエンディングだけで、
サノスを倒してガントレットを奪おうとしたジャガーノートの前に突然現れてガントレットを手中にしてしまい、
ジャガーノートを地球に送り返し、全てを元通りにしてめでたしめでたしとなる。
私利私欲のためにガントレットを使おうと企んでいたジャガーノートは呆然。
「よくぞ、サノスを倒してくれた、ジャガーノート。君はよくやった」
「お礼に君を故郷へ帰してあげよう」
「サノスに破壊された君の世界は元通りにしておいた。ありがとう、そしてさらばだ……」
なんと、この一発ギャグみたいな落ちのエンディングが
全キャラ中一番原作に近い(ウォーロックがジェムを手にして去る)。
ヒーロー側全員のエンディングでジェムを回収して賞賛の言葉を贈る役割でも良かったろうに、
なんでよりによってジャガーノートだけがこんな目に……。
まあ、同作のヒーロー側のキャラは
「カミさんの方が心配」だの
「こんなものより記憶が欲しかった」だの
そもそも眼中になかったりな連中なので
(例外はちゃっかり自分の体を治してた
アイアンマンと
危険視した上で宇宙にポイ捨てしたキャプテンアメリカ)、
石化された人達を元に戻した後に回収されたと考えるのが自然だろう。
特にキャプテンアメリカED
家庭用で追加されたサノスのエンディングが同様に原作に近いが、最後まで物語を語り切ってはいない。
*5
逆にジャガー以外のヴィラン側はジェムの力を各々の野望を叶えるために使い、
といった具合になる。
マグニートーEDは一見ハッピーエンドなのだが、後に「マグニートーが権力を握ったあらゆる並行世界で失敗した」と言われているので、
このマグニートーED世界も恐らく最終的に破綻したと思われる……。
MUGENにおけるアダム・ウォーロック
MUGEN1.0以降専用のキャラが存在し、海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。
グラディエーターを改変したものらしく、製作者名はそのまま「Marvelvsdcu」で登録されている。
スプライトは
マグニートーなどを改変したもののようだ。
インフィニティ・ガントレットは装備しておらず、それに纏わる
超必殺技などは無い。
AIは搭載されていない。
「これまでの混沌と偶然の世界が秩序に支配されるのは不安なのかね?」
「しかし、もはや以前の私に戻る事はできないのだ。蟻と宇宙ほどにも違う」
「こうなる事は分かっていたが…… 理解されず残念だよ」
出場大会
*1
これは
Dr.ドゥームも同様らしく、思考を実現する全能の能力を得てヒーロー達を壊滅させた際に、
「しかし、この力を以てしても、キャプテンアメリカならあらゆる攻撃を退けて私を倒しに来るのでは……」と考えてしまい、
本当に何をしても復活して立ち向かってくるキャップに襲撃されて途方に暮れ、ついにその能力を手放さざるを得なくなったというエピソードがある。
仮にキャップをどうにかしたとしても、次は
Mr.ファンタスティックがありとあらゆる方法でドゥームを倒しに来るだろうし……。
*2
サノスの項目には彼の深慮、胆力、交渉力について書かれているが、
そのサノスが真実を突き付けられて何も言い返せずに屈服する場面は実に印象的。
*3
サノスですら「全宇宙の生命の半分を抹殺」であったのに、
イルミナティは別の宇宙の全生命、全存在を抹消するというサノス以上の大虐殺を行おうとしていた。
さらに、この案に強硬に反対した
キャプテンアメリカを洗脳して黙らせ、
後にこの件に関する彼の記憶を消去するという
教授の得意技禁じ手を二重、三重に行っている。
そこまでやった上に計画失敗、インフィニティ・ジェム破損という大失敗に終わったのであった……。
*5
家庭用でのサノスのエンディングはジェムの力を得るか手放すか選択式になっており、前述した展開のうち、
神となって宇宙と合一化する(ジェムの力を得るエンディングがここ)
→ ネビュラにジェムを奪われて元に戻される
→ ウォーロックの説得を受けてネビュラに挑むがジェムの力の前に一瞬でやられる
→ ウォーロックがガントレットを奪還する
→ なんとか戦いが終わった後、ヒーロー達に詰め寄られて、自爆して死を装って逃亡
→ 辺境の惑星で農業にいそしむ(力を手放すエンディングがここ)
→ それを見抜いていたウォーロックが挨拶に来る
という流れが原作の物語で、ゲームではどちらを選んでも原作の一場面に繋がるようになっている。
だが、原作を知らずにゲームだけ見たら、神の力を得たエンディングの数秒後に何もかも失うとは思わないであろう……。
なお、サノスと同じく隠しキャラのDr.ドゥームもジェムの力で神となって宇宙と同一化するが、サノスがこの展開なので、
エンディングの数秒後にガントレットをMr.ファンタスティックが填めている場面しか思い浮かばない。
実際にリードがインフィニティ・ガントレットを掌握してドゥームを廃人化させた並行世界が複数あるし……。
「彼も結局は宇宙というモザイクを構成する部品の一つでしかない」
「サノスを欠いて図面は完成しないのだ」
最終更新:2024年12月10日 00:56