ロボットアニメ

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ロボットアニメ - (2019/12/29 (日) 11:56:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/03/19(月) 14:40:57
更新日:2023/12/14 Thu 21:03:50
所要時間:約 8 分で読めます




「ロボットアニメ」とは日本のアニメーションのジャンルの一つである。
ロボットアニメはメジャーなジャンルの一つであり、その数は三桁は余裕である。
それゆえに歴史も長く、ロボットアニメが与えた影響は大きい。
元は玩具を売るためのアニメではあったが、少子化のためかここ最近は子供向けの作品が減っている。

その為、主人公ロボットが立体化されないなんてよくある話である。仮に立体化しても値段が高い、数が少ない等……。

まぁ、対象年齢15歳以上を元ネタがわからないからと勘違いした親が子供に大人向け玩具渡して怪我させる事態も時々起っているが。


さらに最近ではロボットアニメというジャンル自体があやふやで、ロボットアニメかどうかイマイチ分かりづらい作品が増えている。
仮にちゃんとしたロボットアニメが有っても、リアルロボットかスーパーロボットか分別される事も。

複数のロボアニメ作品のキャラクター、ロボットの共演するクロスオーバーゲーム作品『 スーパーロボット大戦 』のお陰で、
作品の知名度が上がったり、立体化されたり等、スパロボとは切っても切り離せない縁である。

日本以外の海外の国で独自で製作したロボットアニメは皆無…
というイメージがあるが実はそこそこの数の作品が製作されており、
日本製ロボットアニメと共に各国で人気を博している。偏見せずに見てみるのも面白い。


ちなみにリアルロボットの定義について、
「スーパーロボットの対義語であり、実際にありそうな(=リアルな)メカニズムをしている」という誤解をされがちだがそれは正しくない。
というのもリアルロボットというジャンルの立役者となったガンダムがリアルと評されたのはロボットの構造がリアルだったからではない。
(勿論過去のロボットシリーズと比べてリアルな描写も見られたが、どちらかというとスーパーロボット的な要素も色濃く残っている)
そう呼ばれたのは敵や味方といった人間周りの設定がリアルだからである。

つまり敵は「漠然と地球征服や破壊を企む舞台装置」ではなく「戦闘行為に利益を見出し戦争を仕掛けてくる人間」であり、
味方も「主人公が活躍する為に尽力してくれる存在」ではなく「主人公たちを一兵士・一部隊として扱うだけで必要以上に特別視しない軍隊」として描かれた事である。

ジオンは侵略側でありながらも現地の避難民の救助を行ったりする姿が描かれていたし、
地球連邦も決して綺麗な人間ばかりでなく疎開が行われた空き家で物品を漁る様な者たちもいた。
そういった人間臭さこそがガンダムを「リアルなロボット作品=リアルロボット」と呼ぶようになった所以である。

なのでスーパーロボットとリアルロボットは元々対義語でも何でもなくそれぞれ別のジャンルを示す言葉であり、
スーパーとリアル両方の条件を満たした作品が存在し得る事もあるという事を留意していただきたい。


【ロボットアニメの特徴】


ロボットアニメにおいて絶対にやらなければならないことは、

ロボットを活躍させる

これだけである。例外もある? それ以上はいけない
逆に言えば、ロボットの活躍シーンさえあれば、あとは何をやっても構わないのである。

恋愛を描きたければ、「闘将ダイモス」や「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」のようなロミオとジュリエット的なものにしてもよいし、
超時空要塞マクロス」や「機動戦艦ナデシコ」のようなラブコメにしてもよい。
ロボットが社会に与える影響を描きたければ、「無敵超人ザンボット3」のように戦いに巻き込まれ難民化する一般市民の姿を描いてもよいし、
機動警察パトレイバー」のように「ロボットの普及で変化した社会」を描いてもよい。

このような、「ロボットを活躍させさえすれば、あとはどのような物語でも作れる」という自由度の高さが、ロボットアニメの特徴といえる。

これは、かつてのにっかつロマンポルノや現代の18禁アダルトゲームが、「性的描写があれば、あとは何をやっても自由」であったために、
多くの怪作・異色作を生み出してきたのと同じ構図である。


【ロボットアニメの歴史】

◆1960年代

この時代はまだ人が搭乗するタイプのロボットアニメは登場していない(一応海外アニメの『やぶにらみの暴君』に人が搭乗するロボットが登場したらしい)。
ロボットが登場するアニメとしては「鉄腕アトム」といった作品があるが、特筆すべきは「鉄人28号」だろう。
本作は巨大人型ロボットが活躍するテレビアニメ第一号となった。


◆1970年代前半

1972年に「マジンガーZ」が放映開始、高い視聴率に金属パーツを盛り込んだ玩具の超合金が大ヒットと大成功した作品になった。
本作によりパイロット搭乗型のロボットヒーローが定着。以降特撮ヒーローのブームを受け継ぐかのように作品数が増加していく。

1974年に合体ロボの元祖「ゲッターロボ」や、1975年には初の変形ロボで初めて特定の必殺技でフィニッシュのパターンを確立した「勇者ライディーン」等の作品が登場した。
各社の超合金に対抗するロボ玩具とそのロボットアニメも展開を開始。
特に磁石を仕込み遊びの幅を広げた「鋼鉄ジーグ」は玩具がヒットし、低視聴率ながら番組は継続された。
同年、『Z』は『グレート』に、『ゲッター』は『G』へと展開し、
シリーズ化への道筋をつける。

またマイナーよりだが、マジンガーZの2ヶ月前に初めてカラー放送されたロボットアニメとして「アストロガンガー」も意外と重要な位置にある(主に音響)。
今作はロボットアニメのお約束確立前の作品である点やメタ的事情もあり、巨大ヒーロー物っぽい雰囲気なのも特徴的。

またアニメではないが1973年に特撮『スーパーロボット レッドバロン』や『ジャンボーグA』も始まり、
ロボットブームの様相を呈する。

◆1970年代後半

前半である程度完成したロボットアニメだが、70年代後半でさらに発展していく。
特にドラマと玩具両面で一気に進んだのが1976年に東映本社が制作に乗り出した「超電磁ロボ コン・バトラーV」であり、
五機合体のギミックを完全再現した玩具と、美形キャラを軸に悪役側にもドラマ性を持たせた展開が好評となった。
以降時間や放送局を変えながらも東映制作のロボットアニメは80年代中盤まで続いた。

あのサンライズが自社製作を行い始めたのこの頃で、ハードなドラマが後世まで語り継がれる1977年の「無敵超人ザンボット3」や、
娯楽性に富んだ1978年「無敵鋼人ダイターン3」が人気を集め、自社製作3作目として1979年「機動戦士ガンダム」を放送。
本放送は人気が奮わず短縮となるが、この作品が1980年代のロボットアニメに重大な影響を与える。


◆1980年代前半

前述の「ガンダム」は打ち切りになったが、再放送とガンプラ人気により、リアルロボットアニメがブームとなった。
特に1981年の「ダグラム」はプラモのヒットで放送が延長され、
同監督・同スポンサーによる1983年「ボトムズ」に繋がり根強いファンを獲得した。
ちなみに「リアルロボット」とは元々これらの作品を( ガンダム含む )今までの作品と分けて指すものだった。

従来のヒーロー型のロボットアニメも好調で、東映制作作品やガンダムの後番組の1980年の「トライダーG7」や1981年「ダイオージャ」も制作された。
その他高年齢層のファンも増え、衝撃的な展開で話題を呼んだものの打ち切りになった1980年「伝説巨神イデオン」や、
宇宙戦士バルディオス」が映画で補完されるといった現象も発生している。


◆1980年代中盤

三角関係や歌といった要素や完成度の高い変形玩具でヒットした1982年「マクロス」や、
海外から上陸した1985年「トランスフォーマー」(以下TF)の大ヒットにより変形ロボのブームが到来した。
特にバンダイはTF潰しに熱心で、1985年「機動戦士Zガンダム」や1986年「マシンロボ」といった変形ロボのアニメが一気に増加した。

また、1981年の「銀河旋風ブライガー」に始まるJ9シリーズや「戦国魔神ゴーショーグン」といったロボットアニメでありながら、
キャラクターの活劇が中心の、作品の魅力がロボットに関係ない癖の強い作品も生まれている。

また、1985年の『超獣機神ダンクーガ』の軍隊所属のスーパーロボット、『忍者戦士飛影』の敵軍のミリタリー的な描写、
蒼き流星SPTレイズナー』の必殺技めいた機能を持つリアルロボットなど、
この頃から所謂「スーパー系・リアル系」の融合が進んでいく。

◆1980年代後半

リアルロボットアニメのブームも1986年「機甲戦記ドラグナー」を最後にほぼ完全に収束、ガンダムシリーズ以外は息してない状態になった。

代わりにSDガンダムから始まったデフォルメ体型のロボが人気を集め、SDガンダムはビデオや映画で定番になり、
また1988年「魔神英雄伝ワタル」といった作品も登場した。
以降SD体型のロボットアニメは1994年「疾風!アイアンリーガー」等の作品に引き継がれていく。

この頃になると80年代中盤までロボットアニメを制作していた葦プロや国際映画社、東映はロボットアニメ制作から離れてしまい、
年間の作品数は激減してしまっている。
一方で1987年「破邪大星ダンガイオー」などといったOVA作品が作られたのもこの時期である。


◆1990年代前半

1990年に放送された1990年の「勇者エクスカイザー」がヒット、勇者シリーズへ発展し、
1991年「絶対無敵ライジンオー」から続いたエルドランシリーズといった作品等、ヒーローとしてのロボットアニメが復権した。
ガンダムも新作が四作連続で制作されたりと作品数は再び増加。
1994年の「覇王大系リューナイト」や「魔法騎士レイアース」といったファンタジーを舞台にした作品も制作され、
特に「レイアース」は少女向け作品でありながらロボットアニメでもあるという特異な作品となった。


◆1990年代後半

1995年「新世紀エヴァンゲリオン」のヒットにより、所謂セカイ系の作品が増えたが、
1997年には「勇者王ガオガイガー」で勇者シリーズは終了する等作品数は減少を続けた。
しかし、TFが「ビーストウォーズ」で復活。全編CGの話題性や声優のアドリブ満載の内容や玩具の良さで人気となった。

この頃からメカをCG、キャラクターや背景をセルで描いた1999年「ゾイド」や2001年「電脳冒険記ウェブダイバー」が登場した。


◆2000年代前半

前述のビーストウォーズやゾイドから増えだしたCGによるロボットの表現はさらに増え、
TFシリーズに引き続き使われたり、2000年「ヴァンドレッド」等の作品が生まれた。
2002年には『21世紀の1stガンダム』こと「機動戦士ガンダムSEED」が爆発的にヒットし、続編も制作された。

エヴァのヒットの流れを汲むような2002年「ラーゼフォン」や2004年「蒼穹のファフナー」といった深夜作品も話題となった。
反面いわゆる子供向けの作品は減少を続けていく。


◆2000年代後半

完全氷河期。
ガンダムはともかく、TFのアニメは一作のみ、ゾイドは終了と子供向け作品はほぼ壊滅状態となる。
その中で熱さやドリルを売りにした2007年「天元突破グレンラガン」が裏で放送され、話題となった。
同年の「機動戦士ガンダム00」や2006年「コードギアス 反逆のルルーシュ」といったサンライズ作品は相変わらず好調であったが、作品のほとんどはオタクが主な客層の深夜帯にシフトした。
2005年「創聖のアクエリオン」や2008年「マクロスF」みたいなヒット作もあるが、萌えアニメシフトやカードゲームブームもあり以前のような活気はなくなった。
また2009年、マジンガーZのリメイク作品が変則的な時間に放送された。


◆2010年代前半

ガンダムを除けば、2000年代後半同様に大半は深夜作品である(例外として2010年「STAR DRIVER 輝きのタクト」などがある)。
2012年にはアクエリオンの続編「アクエリオンEVOL」が放送された他、
深夜作品の中で「輪廻のラグランジェ」、2013年「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」、2014年「ブレイク ブレイド」が有名。
一方で2010年には「BB戦士三国伝」がヒットしたり、TFが復活したりしているなど子供向け作品も徐々に見直される傾向もあり、
前述のTFパトレイバーといった人気作品が実写化している。また、ハリウッド映画の「パシフィック・リム」「ベイマックス」は和製ロボットアニメをリスペクトした作りからロボアニメファンの支持を集めた。

スタドラ(小畑健)、2013年革命機ヴァルヴレイヴ(星野桂)、ガンダムビルドファイターズ(ヤスダスズヒト)、2014年のアルドノア・ゼロ(志村貴子)、
2015年鉄血のオルフェンズ(伊藤悠)など、キャラクターデザインに人気漫画家を起用する作品も急増している。


◆2010年代後半

引き続く新作の出ているガンダムシリーズ以外にも、
ギャグを基調とした2016年『ヘボット!
タカラトミーの玩具をアニメ化した2017年『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド~機動救急警察~』2018年『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION
10年ぶりの新展開となる『ゾイドワイルド』など子供向け作品も上場。
2017年「交響詩篇エウレカセブン」「コードギアス」「フルメタル・パニック!」などは今後の展開に向けた再編集作品が劇場作品として公開(新作もその後放送・放映)。
そして東映版マジンガーZが劇場作品となって復活そのころ、エヴァシリーズはようやくシン・エヴァンゲリオンの制作再開

などなど新旧ロボットアニメが登場を果たしており、なかなか幅広いジャンル・世代向けで豊作の時期と言える。
そして『スーパーロボット大戦X-Ω』はさらなる魔境へと足を踏み入れていくことに



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