光と闇の竜(遊戯王OCG)

登録日:2011/02/01(火) 23:47:26
更新日:2024/04/06 Sat 13:02:24
所要時間:約 7 分で読めます





《光と闇の竜》とは、遊戯王OCGのカードの1つ。

光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
このカードは特殊召喚できない。
このカードの属性は「闇」としても扱う。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。
この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。
このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。
自分フィールド上のカードを全て破壊する。選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。


【概要】

漫画版遊戯王GXに登場したモンスターカード。
第一巻の付属カードでもある。

俗称「ライダー*1
攻撃名は「シャイニングブレス」と「ダークバプティズム」

漫画版の万丈目が使用するエースにして、精霊が宿るカード。

アカデミア入学時から万丈目のプライドによりこのカードは封印されていたが、
後の十代との対戦後に「また一緒に成長したい」という気持ちが芽生えたことで、このカードの封印を解いた。
また、このカードを使って負けるのが怖かったという理由にも気づくことができ、万丈目は精神的な成長を果たした。


【OCGでの性能】

既に述べたとおり、漫画版GXの第1巻の特典カードとして登場した。
ただし、1巻の表紙は十代と《E・HERO ジ・アース》が務めている。

いかにもカオスシリーズを彷彿とさせる強力な除去能力や優秀なビートダウン性能を持っていそうな見た目だが、それに反してかなりトリッキーな、かつ難解すぎる効果を持つモンスター。

このカードをデッキに入れるなら、あらかじめ公式のQ&Aやwikiを熟読し、ゲームに支障をきたさないようにすることを強く勧める。
そもそもこんなややこしい効果にするなよ……


各効果について

  • このカードは特殊召喚できない。
レダメに代表されるドラゴン族の特殊召喚サポートは利用できない。
このため、召喚にはアドバンス召喚サポートを駆使する必要がある。


  • このカードの属性は「闇」としても扱う。
かなり忘れられがちなこの効果は効果外テキストやルール効果ではなく、永続効果
手札や墓地では闇属性として扱われず、《スキルドレイン》などで無効になる。

よって、闇属性アドバンス召喚サポートである《ダブルコストン》や《終焉の焔》のトークンは利用できない。


  • このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。
    この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。

このカードの最大の目玉というべき万能カウンター効果。
相手のみならず自分の効果の発動にも強制的に発動して無効化するため、非常に癖が強い。
その分、ありとあらゆるカードの発動を無効にする効果はコントロール性能が高いので、この効果をメインに利用していくことが多い。

今では珍しくもない万能無効化効果だが、このカードの初登場はシンクロ召喚登場の直前あたりで、革新的なカードだった。
テキストや裁定がややこしいのもたぶんそのせい


効果の発動する度に攻守がダウンし、攻守のどちらかが500を下回ると、それ以上数値を下げられなくなる。
そうなると、効果自体は強制的に発動するがステータスは下がらないので、結果的に不発となる。

《光と闇の竜》の攻撃力は2800、守備力は2400なので、素の状態では4回まで無効にできるということになる。
「攻撃力300/守備力0に下がって5回目を発動」ではないので注意。
逆に言えば無効化を使い切るか、上手くすり抜けて攻守を増加させる手段があれば発動回数を更に増やせる。
カードには書いていないが、覚えておこう。

あらゆる効果に強制的に発動するので、そのままでは《光と闇の竜》自体の効果を《光と闇の竜》が無効にしてあっという間に攻守が下がりきってしまいそうだが、
この無効化効果は同一チェーン上では1回しか発動しない特殊裁定になっているので、安心しよう。

だが、この特殊裁定が弱点にもなっており、その性質上同一チェーン上で複数回の除去を発動されると最初の1回以外無効化できない。
この性質を突くことでことで最小の消費でライダーを除去することができる。
例:サイクロン→ライダー無効化効果→強制脱出装置による除去→ライダー無効化効果が発動しないまま除去

これもカードには書かれていないが、よく覚えておこう。

当然ながら、スペルスピードの都合上カウンター罠にも無力。
ただし、これらは《光と闇の竜》を使う側にとってもメリットになりえて、
デッキをカウンター罠やフリーチェーンカードで固めることで、自分は強制カウンターの被害を抑えることが可能。

なお、「発動を無効にする」テキストゆえにダメージステップ時でも強制的に発動するが、
自身の戦闘破壊が確定している場合には攻守を下げられないので不発になる。

他にも、すでに表側表示で存在する永続カードの「効果の発動」には反応しない、
《月の書》などで裏側表示にされたり、《禁じられた聖杯》などで効果を無効にされると、ダウンした数値はリセットされる、などと、カードから読み取れないルールがやたらに多い。*2


ちなみに、限界まで無効化し、攻撃力800、守備力400になった場合でも効果は必ず発動する
攻守を下げられないため無効化はできないものの、逆に言えばチェーンが必ず発生する。
ここでポイントとなるのが、強制効果は任意効果よりも優先してチェーンが組まれるというルール。これを利用し、発動したカードに対して直接チェーンさせることを封じ、カウンターさせないという使い方も可能になる。

例えば、自分が魔法カードを発動されると、その魔法がチェーン1、ライダーの効果がチェーン2となる。

発動を無効にするタイプのカード、対象を取らないカウンターや無効化効果は直前に発動されたカードにしか発動できないため、《ホルスの黒炎竜 LV8》や各種カウンター罠に魔法を止められる心配はなくなる。
同じように《シューティング・クェーサー・ドラゴン》などがいようとも本命カードは無効化できない。

ただし《エフェクト・ヴェーラー》《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》《ブレイクスルー・スキル》など、「直前に発動した効果」ではなく「フィールドのカードの効果」を止めるカードには通用しない。


  • このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。
    自分フィールド上のカードを全て破壊する。選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

破壊されて墓地に送られると、自分のフィールドのカードをすべて破壊し、墓地のモンスター1体を蘇生できる。

破壊された時の効果は場所そのものは問わないため、これだけでも色々とコンボが組める。
ドラグニティアームズ-レヴァテイン》に装備されたり、《鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン》に乗られたりと色々忙しい竜でもある。

例えば《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》の効果で装備すると、レヴァテインが破壊されると《光と闇の竜》も破壊されるため、自分のフィールドを一掃した後に《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》を蘇生できる。

これを利用した無限自己再生が可能であり、《巨竜の聖騎士》の無限コストになったり、
相手が《増殖するG》を使ったターンであればLPが続く限り自爆特攻し続けることができるのでデッキデスに追い込める。

当然ながら破壊・墓地送り以外の除去には無力なので注意。


まとめ

書籍付属のカードということもあり、再録もされないためテキストが現在だと古すぎるのは確かに否めないが、
上述の通りかなりややこしいカード。

裁定をまとめ、現在の記述にしたテキストはこんな感じだろう。

光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
このカードは特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカードの属性は「闇」としても扱う。
(2):魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時に発動する。
このカードの攻撃力・守備力を500ダウンし、その魔法・罠・効果の発動を無効にする
(同一チェーンでは一度まで。また、攻撃力・守備力のアップ・ダウンが逆転している場合、1ターンに一度のみ)。
(3):このカードが破壊され墓地へ送られた場合、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動する。
自分フィールドのカードを全て破壊する。その後、対象のモンスターを特殊召喚する(どちらかの効果を処理できない場合でも、もう片方の効果を処理する)。

邪神アバター》や《邪神ドレッド・ルート》らと並び、色々な意味で初心者お断りなカードに間違いないだろう。
逆にこのカードの扱い自体がルールの勉強になるかもしれない。


リリース2体のアドバンス召喚で出すことになり、味方の効果も構わず無効化する特性上、運用は基本的に専用デッキになる。
全盛期にはこいつを気軽に出張させてた連中もいるけども

あらかじめ《光と闇の竜》を立たせておけば、相手は《光と闇の竜》の処理に何枚もカードを消費する羽目になるので、結果として相手の対抗手段を減らし、本命となる勝ち筋を守りやすくなる。

…と言いたいところだが、時代の流れによって天敵が増え、そこまで苦労せずに処理できてしまう。

無効化効果も蘇生効果も自分のカードを巻き込むため、この手のカードのお約束である「召喚コストの重さ、効果の抜け穴を他のカードでフォローする」のが難しい。
「相手が《光と闇の竜》を処理する負担」より「自分が《光と闇の竜》を守る負担」が大きくなってしまったというべきか。

より手軽に召喚できて、任意に発動できる万能カウンターを内蔵したモンスターも溢れかえっており、
手放しに強いとは言えないカードになってしまった。

後述の《あまのじゃくの呪い》《禁じられた聖杯》のコンボの爆発力や、装備カード化での運用など、独自の強みは残されているので、活かしてあげたいところ。


【相性の良いカード】

・あまのじゃくの呪い
発動後、攻守の増減を逆転する罠カード。
これで発動回数制限に縛られず無効にしつつ自らの攻撃力を上げる事ができる
……と思いきや

このカードがある時は1ターンに1度しか無効化効果が発動しないという特殊裁定が存在する。*3

一応攻守が下がり切っている状態の特に発動すれば、
素のステータス+発動した回数×500アップのフィニッシャーモンスターに変貌すること自体は可能。
とはいえそんな状態になる頃には大抵除去されることが多く、トラップ特有の遅延故その状態で攻撃するのは難しいが。

一つ注意するのは、光と闇の竜を召喚する前に、このカードを発動すること。
召喚した後に発動すると無効にされるので注意。
ただし光と闇の竜が他のカードを無効にする効果にチェーンする形であれば、召喚後でも発動は可能。


禁じられた聖杯
フィールド上のモンスター1体の効果を無効にし攻撃力を400ポイントアップさせる速攻魔法。
ステータスが最低になった状態の光と闇の竜に対して使えばステータスをリセットさせつつ攻撃力を増加させる事ができる。
低攻撃力と油断した相手への迎撃に使える他、相手モンスターの効果を止めたりと幅広く使える。
注意点としては他の魔法罠と同様タイミングによっては使えない点と効果適用ターンは効果が無効にされてしまうので光と闇の竜の無効効果を使う事ができない所か。


ミンゲイドラゴン
・霊廟の守護者
・輪廻竜サンサーラ
ドラゴン族のダブルコストモンスター
それぞれ独自の追加効果を持ち、ミンゲイドラゴンはデッキをドラゴン族で縛っていればスタンバイフェイズに、霊廟の守護者は「場のドラゴン族が墓地へ送られた時」に自己再生ができる。
サンサーラは自身を除外することで墓地からライダーをサルベージでき、追加でアドバンス召喚が可能。
ただし、リリース要員は別途必要なので、若干重い。
漫画版のサンサーラは墓地から特殊召喚する効果だったが、それでは本来ライダーは蘇生できないのでOCG化の際に擬似再現したものと思われる。
どうせなら「召喚条件を無視して特殊召喚」か「リリース無しで召喚」にしてくれればよかったのに


ガチガチガンテツ
ランク2エクシーズ代表のガチムチさん。
ステータスの強化は永続効果であるため、このカードによって阻害されず、
下記に記した相性の悪いモンスターも戦闘破壊できるようになる。
さらに破壊耐性も所持しているので、光と闇の竜が破壊された後もガチガチはフィールドに残す事ができる。
残ったガチガチにはアドバンス召喚用のリリースなり、カードのコストなりになってもらおう。


・死皇帝の陵墓
ライフを1000または2000払う事で1体もしくは2体のリリースを要求するアドバンス召喚をリリースなしに出来るフィールド魔法。
2000払う必要があるものの、リリースなしで光と闇の竜を場に出せるため非常にありがたい。
特に「レベル8モンスター主体だが特殊召喚しやすいため召喚権が余りがち」で「特殊召喚効果は発動を介さないので光と闇の竜に引っかからない」上に「フィールド魔法サーチを共有出来る」【ホルス】とは光と闇の竜ともども相性が良い。


【天敵】

帝モンスター
このカードの効果発動は強制であり無効にするのであって破壊はできない為、
必ず帝の効果を無効にしてしまい攻撃力が2300になり、その後は帝共通攻撃力2400により殴り倒される。
その他、召喚時にノーコストの追加効果を発動する上級モンスターはほぼ苦手と言って良い。

・1ターンに何回でも効果を発動できるカード
具体的には《オネスト》のようなカード。
発動を無効にしても破壊はしない都合上、何度も効果を発動されてステータスを最低まで落とされてしまう。

メインフェイズに任意に連続発動できる《BF-大旆のヴァーユ》が墓地にいたら目も当てられないことになる。

なお、○○フェイズに発動する誘発効果については、ルール整備により発動を無効にされても1ターンに1度しか発動できないようになった。
そのため、《黄泉ガエル》の発動が無効にされても、そのターン中は再度発動することはない。

また各種デッキで出しやすいエクシーズモンスターの登場で、より対処されやすくもなっている。
No.39 希望皇ホープ》には効果を使われれば戦闘破壊されてしまう上、ランク3では《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》に素で破壊される。


・フリーチェーンの除去カード
具体的には《強制脱出装置》や《破壊輪》など。
ライダーのカウンター効果は同一チェーン上で1回しか発動しないため、その効果にさらにチェーンする形で発動すればあっさり攻略できる。
ただし、うかつに破壊するとモンスターの蘇生効果を発動されるので気を付けよう。


・相手モンスターをリリースして特殊召喚されるモンスター
具体的には《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《サタンクロース》「壊獣」など。

これらのモンスターを出すためのリリースならば、カウンター効果を発動されることもなく、破壊扱いにもならない。


【ゲーム作品】

本来は漫画版オリジナルカードなのだが、環境を圧巻した実績やキャラの人気などから、ゲーム作品では基本的にアニメ版GXのエースカードと同格の扱いを受けている。

DS作品では召喚時にアニメーションがあるが、他の漫画版カードと違って汎用ジングルではなく、GXのモンスターのジングルが使われている。
タッグフォース3でも召喚ムービーが追加された。もちろん漫画版出身では唯一の追加である。

DUEL TERMINALでは万丈目が相手になった場合に、使用デッキによっては《魔の試着部屋》を使い、
おジャマ3兄弟を出した後に漫画版の台詞を言いながら《光と闇の竜》をアドバンス召喚するという、漫画版とアニメ版の夢のコラボレーションが実現する。
万丈目さんのファンは必見である。

遊戯王マスターデュエルでは9期以降の数字テキストにはなっていないものの、
無効効果が同一チェーン上で一度しか発動しないことと攻撃力・守備力が500以上の場合のみ処理されることが明記されている。


万丈目「またオレと追記・修正してくれるか」

光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)……」


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最終更新:2024年04月06日 13:02

*1 イントネーションは人によるが、ライトアンドダークネスの略のため、ライ↓ダー↑で「東京」と同じ。普通に仮面ライダーのイントネーションの人もいる。

*2 一応裏側表示になった場合ステータスがリセットされるのはこのカードに限った話ではなく、OCGのルールで定められている。

*3 適用されている時に1ターンに何回も発動すると、無限に攻撃力が上がってしまうため。こういった無限ループを防止するための特殊裁定はそこそこ多い。