刀(ONE PIECE)

登録日:2020/04/14 Tue 01:26:03
更新日:2025/04/08 Tue 05:50:24
所要時間:約 15 分で読めます





ここでは、漫画『ONE PIECE』に登場する名称つきの刀剣類を紹介する。



【概要】

ONE PIECE世界は一応大航海時代辺りをモデルにしているのだが、作中で主に使われている刀剣類はなぜか日本刀の比率が高い。
他にも海兵海賊は、カットラスやサーベルなどを使用しているが、一流の剣士達の多くはを愛用している。

刀にしてもそれ以外の刃物にしても当然、刃物なので射程は刃の届く範囲が限界……かと思いきや、作中での超一流の剣士たちは一瞬で間合いを詰める脚力はおろか、 平然と数百メートル単位で離れたものを切り裂いてしまう 飛ぶ斬撃鎌鼬)」も扱えるため、実質射程の短さがハンデになっていない。
また、悪魔の実は基本的に装備品類にも有効であるため、能力者ならば刀に能力を纏わせてさらに強力な一撃を放つことも可能。
総じてとは違い、最初期から現在まで常に活躍し続けているポジションの武器である。

なお、本作は少年漫画には珍しく、「個人のために専用の特別な剣をこしらえてもらう」展開が(作中で描写されている限り)ほとんどなかったりする。


◆位列

名工達によって打たれ鍛え上げられた刀・剣・槍などの武器は「業物(わざもの)」と呼ばれている。
更に、その中でもより優れた物は、「最上大業物(さいじょうおおわざもの)」「大業物」「良業物」「業物」と、明確にランク付けされており、ロロノア・ゾロといった一流の剣士を目指す者はより上位の刀を求めている。

なお、「刀」の定義からはやや外れるが、以下では名有りで登場した薙刀や両刃剣も紹介する。
そもそも「業物」は作中で「刀・など」と定義されているため、優れた刃物類ならばなんでもランクインするのかもしれない。

ちなみにこの業物の位列は現実にも存在し、江戸時代に罪人の首や死体を実際に用いることで公的な試し切りを多く行った山田浅右衛門5代吉睦が「懐宝剣尺」という本に記されたものである。
こちらの分類は最上大業物14工、大業物20工、良業物50工、業物80工、大業物・良業物・業物混合65工の計229工となっており、国の重要文化財や重要美術品に指定される名刀も数多い。
ちなみにあくまで試し切りできたものしか記されていないので当時ですら振るう事すら憚られる国宝指定級の刀剣の多くや江戸後期以降の名刀は業物として記されていない。

なお、ONE PIECE世界では業物の位列は刀剣類そのものを指すが、現実世界における位列は刀そのものでは無く刀を作る刀工を指す。

◆黒刀

その名の通り、黒い刀身を持つ刀の総称、厳密には僅かに赤黒い。
恐竜が踏んでも一ミリも曲がらないと謳われる圧倒的な強度を誇る。

ちなみになんで黒いかというと、実はコレ「武装色の覇気」。
極めて強大な覇気の使い手の場合、得物の刀剣に覇気を纏わせることで黒光りするコーティング(効果についてはそちらの項目を参照)の様に扱えるのだが、この際解除されずに半永久的に覇気を纏い続ける「黒刀(こくとう)」が生まれることがあるといわれる。
この変色は覇気を使えない一般人にも視認可能で、結果的に刀自体が黒く染まったように見える。
つまり元々黒いのではなく、使われている間に後天的に黒になったものらしい。
「黒刀」が生まれた場合、刀の位列も元の刀から大幅に昇格する。

ただし、歴史は長いながらも、作中確認される「常時の黒刀」は、ミホークの扱う「夜」と、リューマの扱った「秋水」の二振りのみ。
シャンクスや金獅子のシキニューゲートといった四皇クラスやロジャーなどの刀や薙刀でも確認されていない。
彼らでもあくまで一時的に黒刀を発生させるだけにとどまっている。

ただし、黒刀と“成った”としても武装色の覇気の「硬化」しか効果が残っておらず(上述の「恐竜が踏んでも一ミリも曲がらない」という特性)、自然系悪魔の実の能力者にダメージを与えるには黒刀の使い手が覇気を上掛けする必要がある*1

◆妖刀

中には、使い手のほとんどが不幸な死を遂げたという妖刀と呼ばれるものもある。
妖刀は独特な気配を放っているらしく、ゾロは三代鬼徹を一目で妖刀だと見抜いたり、チョッパーが刀を持ってきた際には直接見えない位置でありながら気配だけで認識したりしている。
鬼徹一派の刀は特に妖刀として悪名高く、数多くの名立たる剣豪が腰に差したがその全員が壮絶な非業の死を遂げたという恐ろしい逸話が残っている。
ワノ国の刀匠である天狗山飛徹によれば、「刀自体が、使い手の覇気を勝手に引き出してしまう“閻魔”と原理は同じ」で、弱者が使えないとのこと。
いわば「刀に生命力を吸い取られる」ようなものとなり、それが理由で多くの剣士が扱えずに命を落としてきたらしい。

元ワノ国の刀匠「霜月コウ三郎」は、「刀にも性格がある」「危ない刀は妖刀ではなく名刀。真面目に凶器をやっているのが刀である以上、妖刀と言われるものは“生真面目”」と評し、「名刀は人間を見て、己にあった剣士を選ぶ」と子供時代のゾロに語っていた。

後述するが、映画版には刀自体が明確な意思を持ち所有者を操るという、明確な呪われた武器としての妖刀が登場したこともある。
本編に反映される設定なのかは不明。
作者は「昔の映画などではルールが破られることもあったが、じつはあの世界での不可思議なことの原因は悪魔の実のみ」と『FILM RED』副音声上映で明かした。


【位列・種類】

◆最上大業物12工

作中の刀剣類の中でも最上位に位置づけられる12本の刀。
いずれも四皇王下七武海などの海の頂点に立つ者が振るう名刀である。
明確に名前が明かされているのは5つだが、現在の所在までわかっているのはたった3つである。
ちなみに「最上大業物」という概念は日本刀の世界で実在する。
詳しくは個別項目を参照。

  • (よる)
ジュラキュール・ミホークが常に背中に背負っている十字架型の大刀。
その名の通り真っ黒な刀身が特徴の黒刀。
ミホークがこの刀を抜くのは本気で実力を認めた相手だけ。

  • 初代鬼徹(しょだいきてつ)
鬼徹一門の最初の一振りであり、その中でも最上位となる刀。
ただ劇中ではまだ未登場。
名前と存在だけは三代鬼徹の登場と共に最初期から明かされているのだが、所有者もデザインも不明のまま。
一部ファンの間では五老星の一人であるイーザンバロン・V・ナス寿郎聖が持っている刀が柄や鍔の装飾の類似性から初代鬼徹では?ともよく言われており、本編でゾロが彼の刀を見て「鬼徹?」と叫んだことから、その可能性が濃厚になった。

  • むら雲切(くもぎり)
“白ひげ”エドワード・ニューゲートがその生涯の最後まで振るい続けた大薙刀。
若い頃から使い続けていた愛用の武器であり、強烈な振動を操る白ひげが全力で振り回してもびくともしない上に赤犬の爆発的なマグマを真正面から受け止める驚異的な強度を誇る。
なお、全長は軽く7~8メートルはある。普通の人は手に入れても使いようがなさそうである。
現在は白ひげの墓標としてとある島に葬られている。
墓の建立から2年近くの歳月が流れ、白ひげとその隣にあるエースの墓にかけられた他の遺品が石化していく中、唯一石化することなくその状態を保ち続けている。

ちなみに「自称」白ひげの息子、エドワード・ウィーブルもやはり薙刀を使っているがこちらの銘などは不明。

  • エース
“海賊王”ゴール・D・ロジャーの愛刀であり、彼の息子とまったく同じ名前である。現在の所在は不明。
描かれた戦闘シーンは少ないものの、最上大業物に相応しい威力を誇る。
名称は分冊百科『VIVRE CARD』で判明。

  • やくざ火線(かせん)
海軍大将の一人“藤虎”ことイッショウの仕込み杖。
ワノ国の刀鍛冶・風月貴三郎作。
名称などは109巻のSBSで判明し、名前の元ネタは彼のモデルである勝新太郎氏の主演映画『新兵隊やくざ 火線』と思われる。

◆大業物21工

最上大業物よりは少しランクが落ちるが、それでも十分に高名な刀たち。
買おうとすると1000万ベリーはくだらないとされる。

  • 和道一文字(わどういちもんじ)
ゾロが幼馴染のくいなのから受け継いだ刀。
ワノ国を50年以上前に出国し東の海にたどり着いた「霜月コウ三郎」という人物の作品。
造りは白塗鞘太刀拵、刃は直刃。鍔は楕円形。
ミホークの一撃で唯一折れなかった刀であり、ゾロの刀で唯一持ち替えずに使い続けている。
ゾロは基本的にこの刀を口に咥える形で三刀流のスタイルを取る。
SBSにてシモツキ村がコウ三郎によって興された村であること、くいながコウ三郎の孫であることが明言され、「なぜ普通の少女のくいながこんな名刀を持っていたのか」という疑問の答えが明かされた。

  • 秋水(しゅうすい)
ゲッコー・モリアがワノ国から盗み出したワノ国の秘宝。
かつて竜斬りをやってのけた伝説の侍、リューマの愛刀である黒刀。
多くの業物が判明した現在でも夜と二振りしか確認されていない黒刀の一本。
経歴を加味しても最上大業物でないのが不思議だが、
所有者だったリューマ自身がワノ国では刀神様と崇められている事もあり、この刀剣も国にとって非常に大切な秘刀にして国宝としてワノ国では認知されている。おまけにこの刀を紛失した後、国難が加速したためより信奉されており、この刀をワノ国が取り戻すことは国民の悲願となっていた。
刃は乱刃・大逆丁字。
作中では秋水と共に盗まれたリューマの遺体にブルックの影を入れたゾンビが使用していた。
ゾンビが敗れる際にゾロに譲り渡し、以降雪走を失ったゾロの刀として用いられるようになる。
ゾロ曰く見た目通りに物理的にも攻撃の破壊力的にも非常に重いらしくおとなしい刀ではない様子。
……が、ゾロが手に入れた事情を知らないワノ国の人からすると前述のように完全に墓場泥棒でしかないため(誤解があるとはいえ)、後に返却されることになり、その代わりに「閻魔」を譲られた。

  • 二代鬼徹(にだいきてつ)
ワノ国に入国したルフィが、刀鍛冶の天狗山飛徹の元から旅立つ際に「侍っぽい」という理由で使えもしないのに持ち出した。
作成者は飛徹の祖先である古徹。妖刀。
真打ちホーキンスらとの戦闘前にゾロが一目みて「名刀かもしれん」と感じとった代物。
斬れ味は相当ヤバく、作中でこれを持っていつものように「ゴムゴムの銃」を放ったコマを良く見ると、コマの端でモブの持っていた刀が両断されている。
剣術の心得が欠片もないルフィでもこれだけの性能を発揮できるのだから相当なものである。
アニメでは、ルフィが鬼徹を使うシーンが増加された。
が、この刀を持ったままカイドウに勝負を挑んで返り討ちに遭い、そのまま百獣海賊団に兎丼の囚人採掘場まで連行され身包み剥がされたためルフィの手元からは離れていた。まさに妖刀。
その後、ルフィ達が兎丼の囚人採掘場を制圧し、菊の丞が回収して天狗山飛徹に無事、返却した。

  • 天羽々斬(あめのはばきり)
ワノ国の天狗山飛徹により作られた刀。
「天をも切り落とす」と謳われる名刀であり、製作者の飛徹にとっても最高傑作と言える刀らしい。
光月おでんの愛刀の一振りであり、地上最強生物であるカイドウに「閻魔」と共に唯一傷を付けた刀。
おでんは処刑直前に自身の子供たちに妻を通じて、モモの助には「天羽々斬」を与えた。

  • 閻魔(えんま)
ワノ国を50年以上前に出国し東の海にたどり着いた、霜月コウ三郎の作品で本人にとっては最高傑作。
光月おでんの愛刀の一振りであり、地上最強生物であるカイドウに「天羽々斬」と共に唯一傷を付けた刀。
「地獄の底まで切り伏せる」と謳われる名刀であり、炎のような刃文が特徴。
おでんは処刑直前に自身の子供たちに妻を通じて、日和には「閻魔」を分け与えた。
日和は、国宝「秋水」の返却を渋るゾロに、その代わりとしてこの父の形見でもある「閻魔」を提供することを提案し、代わりの刀をくれるのならとゾロがそれを受けたため現在「閻魔」はゾロの刀になっている。
大地を切り落とすほどの切れ味を誇るが、やはり癖が強く覇気(ワノ国の言葉では「流桜」)を勝手に吸い上げ、コントロールできないと覇気を吸われた持ち主は干からびるというとんでもない性質を持つ。
鍛え上げられた侍でもある錦えもんですら、ゾロに善意によって「自分なら貰わない」と忠告しており、初めて「閻魔」で試し斬りしたゾロは木を斬るつもりが大地もろとも叩き斬って、覇気の過剰放出によって息切れを起こし、そのまま覇気を吸い上げられてミイラのような腕になっていた*2
勝手に覇気を引き出して解放状態になる性質は「閻魔」の気性と個性によるものあり、「閻魔」には悪気は無く、「閻魔」が刀としての役目を果たそうとしているだけであり、コウ三郎によると気性は「ド真面目」とのこと。
ゾロはこの刀を気に入り、コントロールできるように百獣海賊団との決戦直前まで鍛練していた。
「閻魔」と同じ妖刀の「三代鬼徹」を使っていたことと、コウ三郎が打った刀の「和道一文字」を使っていたことでゾロには馴染んでおり、制御は比較的早く行えた。
ゾロは火災のキングとの戦いでは、日和の三味線の音色を聞いた「閻魔」がゾロの意志に反して勝手に覇気を過剰に吸い始め、まともな覇気のコントロールが出来なくなってしまう。
だがゾロは昔に霜月コウ三郎から聞いていた話を思い出したことで、ゾロは「閻魔」には悪意があるわけではなく、かつておでんは「閻魔」に覇気をこれほど吸い取られ続けても余裕で戦えたと察する。
そして自分の未熟を自覚したゾロは「閻魔」のコントロールをやめ、「閻魔」の性質を受け入れ、「閻魔」に覇気を吸い取られ続けたことで、「覇王色の覇気」に目覚めた。

◆良業物50工

大業物よりさらにランクは落ちるが、それでも名刀と呼ばれる刀たち。
登場数は少ないが、比較的癖のない刀が多い。
普通の街の武器屋でも、家宝としてなら持っていることもある、というランク。

  • 雪走(ゆばしり)
ローグタウンの武器屋・いっぽんマツがゾロの男気に惚れてタダで譲り渡した彼の店の家宝。
造りは黒漆太刀拵、刃は乱刃小丁字。鍔は隅切角木瓜形。
軽くて扱いやすいらしく、ゾロも好んで用いていた。しかしエニエス・ロビーで海軍本部大佐のシュウと交戦した際彼の「サビサビの実」の能力で修復不能なまでに錆びてしまった。その後はブルックの仲間たちと共にスリラーバークに葬られ、ゾロは死んでしまった愛刀を供養した。

  • 花州(かしゅう)
海軍のたしぎバロックワークスのMr.11を捕縛し、彼から没収した刀。

  • 山颪(やまおろし)
小説版でのみ、ローグタウンでたしぎが手に入れた刀。現在の公式設定に存在するのかは不明。

◆業物

全体数は不明だが、「普通の刀よりは上だが、名だたる刀に含まれるほどではない」というランクと思われる。
しかし、ものによっては恐ろしく危険な性質を秘めているものも含まれており当たり外れの激しいランクである。

  • 三代鬼徹(さんだいきてつ)
ゾロがいっぽんマツの店で手にした刀。
嘘偽りない出来映えから証明される悪名から投げ売りされていたが、実際には100万ベリーはくだらない正真正銘の名刀の一本。
作者はワノ国の天狗山飛徹。
造りは革包太刀拵、刃は乱刃・互の目乱。鍔は菱形。
切れ味こそすさまじいが、剣士の切る気の無かったものも切ってしまうとんでもないじゃじゃ馬な性質を秘めた刀であり、
しがない刀売りの一人でしかない、いっぽんマツにすらその凶悪さは察する程。
「屈服させた」ゾロでも初期はそのコントロールに苦慮していた。
なお、見ての通り鬼徹一門は後の代になればなるほど位階が下がっていっている。

  • 時雨(しぐれ)
たしぎが戦闘において愛用する刀。
上述のように彼女はこれより位階が上の花州も持っているはずだが、やはり実戦においては単純なスペックよりも手に馴染んでいるか否かの方が大事なのかもしれない。

◆その他

位列「なし」と明言されている刀剣もある。
ここでは位列が定められていない、使用者が一人しかいないような変わった種類の刀剣についても記す。

  • ゾロの無銘刀
初期の東の海編でゾロが所持していた無銘刀の二振り。その後ミホークに折られ三代鬼徹や雪走に代替わりした。
実はワノ国編で霜月コウ三郎から貰ったものと判明。
本人曰く「鈍ら」でありそんな刀しか打てなくなったと嘆いていた代物ではあったが、その後折られるまでゾロが幼少期から長年使用していた愛刀であった。
ちなみに同じコウ三郎から作り出された和道一文字や閻魔とは質に歴然とした差があるものの兄弟刀でもある。
アニメ135話ではジョニー達の過去を描いた場面で、ジョニー達と会った頃のゾロは力が強すぎて2本の刀をポキポキ折ってしまう回想が描かれた。

  • グリフォン
赤髪のシャンクスが愛用する片刃のサーベル。
実に海賊らしいデザインの剣である。
彼は現在、残った右腕でこれを操って戦うが、彼の本来の利き腕は左であり両腕が揃っていた頃はミホークとも渡り合っていたらしい。

  • 猫の手
クロが両手に装備する手袋のような武器。
十指それぞれに刀が取り付けられており、鉤爪のようにして使う。
切れ味はかなりのものだが、片腕分はルフィにあっさり折られている。彼の戦闘スタイルもあって、強度よりも軽量さを優先した武器なのかもしれない。
一人でどうやって装備するのか謎な構造をしているが、クロはカバンにいれた状態から一瞬で装着し敵の攻撃を回避する身軽さを見せている。

  • 大戦槍(だいせんそう)
首領クリークの持つ最大最強の武器。
肩当て二つを合体させて出来る重さ1トンの大槍で打ち込む力が強ければ強いほど爆発する性質を持つ。
クリークはこれを軽々と振り回しながら同時に様々な武器兵器を繰り出してくる。

  • キリバチ
ノコギリのアーロンが使うノコギリ状の大刀。魚人の腕力で振るえば建物も容易く破壊する。
「切り裂く」というよりは「引き裂く」ことに特化したような形状。

  • テリーソード/ブルーザーアックス
巨兵海賊団の船長ドリー&ブロギーの得物。
前者がドリーの剣、後者がブロギーの戦斧。
100年の死闘を経てなお壊れずに共に戦い続けた相棒的な存在。
当然ながら巨人サイズの代物である。

  • バンブー
海軍本部大佐Tボーンの両刃剣。ゾロと打ち合って折られてしまった。
名称は分冊百科『VIVRE CARD』で判明。

  • ファンクフリード
スパンダムのペット兼愛刀。
動物系悪魔の実「ゾウゾウの実*3」を食べた生きたサーベル。ゾウの姿をしている時でも鼻を刀身に変えることもできたり色々と器用。
スパンダム本人の戦闘力は大したことないのだが、スパンダムに忠実なファンクフリードは相当強力な武器である。

  • 鬼哭(きこく)
トラファルガー・ローの愛用する刀。
妖刀で位列なし。
ローの身長ほど長い大太刀で、腰にかけず背負うか手で持つかして携帯している。
彼のメイン武器はオペオペの実の能力であるが、この刀自体もヴェルゴを一刀両断したりと要所要所で活躍している。
覚醒後は、能力を刀に纏わせる技「K・ROOM」も披露。

  • 血吸(けっすい)
ハンニャバルが本気を出す際使用する薙刀。
この刃に炎を宿した姿は部下からも頼りにされるほどの実力を持つ。

  • 雷雨(らいう)
インペルダウン看守長で現黒ひげ海賊団二番船船長“雨のシリュウ”が振るう名刀。
鍔は四角形。名称は分冊百科『VIVRE CARD』で判明。

  • 桜十(おうとう)木枯(こがら)
金獅子のシキが愛用していた二本の両刃剣。
大海賊の本人が「名剣」と言っているため相当の逸品であると窺える。
かつては二刀流の剣士だったが、作中ではインペルダウンからの脱獄の際、両足を自ら切断したため、脱獄に自ら義足代わりに両足に装備している。

  • フラン(ケン)
夢の鉄の海賊(アイアンパイレーツ)フランキー将軍」が背負っている装備の一つ。
「略奪者の剣」と銘打たれた巨大刀。
フランキー当人曰く剣はそこまで得意ではないそうだが、魚人島編の地面スレスレに持ちながら将軍が回転する「将軍足元危険(ジェネラルあしもとデンジャラス)」というセコイ技や、ワノ国編でのVの字に切り裂く「勝利のVフラッシュ」といった多彩な攻撃が可能。

  • 魂の喪剣(ソウルソリッド)
新世界編のブルックの愛剣。
ブルックが予てより使用してきた名無しの「仕込み杖」だったが、2年間の修行中に手長族に研いで貰った上、ヨミヨミの実の進化した能力で「黄泉の冷気」を纏う斬撃を放てるようになり、新たにこの名で呼ばれるようになった。
戦闘中には「眠り歌・フラン」などでバイオリンを弾く際の弓代わりに使われる事も。
地味に50年以上前から現役で使われている超年季ものの武器である。

  • デュランダル
海賊貴公子キャベンディッシュが愛用する名剣。
斬撃も刺突も可能な両刃剣。
ワンピースの刀剣には珍しく元ネタがあり、フランスの叙事詩「ローランの歌」に登場する聖剣が名前の由来。

  • 鮫切包丁(さめきりぼうちょう)
海軍本部中将“鮫切りバスティーユ”が使う巨大な包丁。
彼の異名と武器の名前のどちらが先に付いたものなのかは不明。
サボの「竜爪拳」によってあっさりと握り砕かれてしまった。

  • プレッツェル
ビッグ・マム海賊団最高戦力スイート三将星シャーロット・クラッカーが使う名剣。
彼は世界に一本しかないこの剣を「ビスビスの実」の能力で増やして戦う。
クラッカーの覇気と合わさることで、ドフラミンゴを圧倒したギア4バウンドマンのルフィの外皮にダメージを通すほどの切れ味を誇る。

  • ナポレオン
ビッグ・マムが普段被っている二角帽(バイコーン)のホーミーズ。
ビッグ・マムが自身の魂を分け与えて作った最強のホーミーズの一つであり自らの意思を持つ。
普段は二角帽に描かれたドクロが顔となっているが、戦闘時には頭から巨大な剣を伸ばし刀身に顔を移動させ、自ら振るう事ができる。
仕込まれているのは両刃剣のようだが、剣に意識を移している時は片刃のサーベルとなっている。
また、剣としての機能ではないが電伝虫の通信を傍受する機能がある。

  • 白魚(しらうお)
ビッグ・マム海賊団の“鬼夫人”シャーロット・アマンドが使う大太刀。
鍔が魚の形をしている。

  • 土竜(モグラ)
ビッグ・マム海賊団最高戦力スイート三将星最強のシャーロット・カタクリが愛用している三又の槍。

  • 助参(すけさん)角参(かくさん)
錦えもんの愛刀。
どちらも位列なし。
錦えもんは一刀流と二刀流を使い分ける。
名称は分冊百科『VIVRE CARD』で判明。

  • 辻死梅(つじしばい)
カン十郎の愛筆。
位列なし。
柄が刀のそれと同一になっており、武器としても充分使用できる。
名称は分冊百科『VIVRE CARD』で判明。

  • 外無双(そとむそう)
横綱河松の愛刀。
鍔は付いていない。
「河童流」と呼ばれる剣術と共に使用される。

  • 絡繰刀(カラクリとう)
百獣海賊団の真打ち・ホールデムが用いる特殊な刀。
アニメでは蛇腹剣として描かれている。
名前からして疫災のクイーンが開発した武器。
飛び六胞ササキが使う回転する剣絡繰螺旋刀(カラクリらせんとう)や、キングが使うソードブレイカー風の刀など、類似品が百獣海賊団内でよく使われている。

  • 八斎戒(はっさいかい)
百獣海賊団の総督、百獣のカイドウが振るう金棒。
SBSの作者解説によれば、位列はないが、いつかカイドウが手放した時には伝説となるだろうとされている。

  • 金毘羅(こんぴら)
読者のSBS投稿がきっかけで生まれた大将候補の海軍中将“桃兎”ことギオンの刀。

  • 七星剣(しちせいけん)
映画『ONE PIECE 呪われた聖剣』に登場した剣で同作のキーアイテム。
かつてアスカの国を滅ぼした伝説の妖刀であり、単に「実力不足だと命にかかわる」というだけの鬼徹シリーズとは違い、不用意に手にすると人格を乗っ取られるマジモノの呪いの武器。

  • 炎分ソード
ゾロがいつか欲しいと思ってる炎の刀身を持った剣。

  • 鼻嵐
ウソッp…そげキングが体を物理的に張って作った名剣。命名者と名刀認定者は共にゾロ。
一見するとどう見ても刀匠には見えないそげキングが作ったものだが切れ味は本物で雪走と同等、否、全く同じと中々の物。
が、流石にそげキングの手を物理的に失うリスクの前では荷が重かったのか重量は「そげキング+雪走+海楼石」と全く同じの凄まじい重量で、ゾロの馬鹿力でようやく振り回せる。
ちなみにそげキングにどことな~く凄くよく似ている弱気な雰囲気を醸し出している。


【余談】

刀剣の形状

尾田栄一郎は、映画『ONE PIECE FILM GOLD』監修にて、映画スタッフがロングロング海賊団ナルシーの扱う長い剣について複雑な形状にデザインしていたところ、「複雑にしすぎると個人的に刀がオモチャのように感じてしまうのでシンプルに」と剣の形状を修正している。
何気に刀剣・槍の類の形状が比較的シンプルなのはこだわりがあった様子。

海楼石の剣

海楼石で作れば覇気なしでも能力者に有効な剣ができると思われるが、海楼石を保持している海軍や産出国であるワノ国においてもこのような武器はほぼ登場していない。
海楼石の槍は存在しているので、「作れない」というような技術的な問題ではなく恐らくは運用上の問題なのだろう。
理由としては、単純に貴重であること、加工に手間取ること、相手に奪われて逆用される危険性などがあると思われる。
覇気ならば個人の技術だが、海楼石の武器は奪われると誰でも能力者に有効な攻撃ができるようになり危険性が高いのかもしれない。
また、そもそも論で考えると海楼石製の剣が必要になるのは「覇気は使えないが、強豪能力者に通用するほどの剣術の持ち主」という極めて歪な強者だけである。
この世界において強者=覇気使いといっていいものであり、覇気そのものは修行さえ積めば誰でも修得できるものなので、「強豪能力者を相手取れるほどの武術の達人なのに覇気が使えない」という状況が考えにくく、「対能力者戦は覇気で、長期に渡る拘束が必要な場合のみ海楼石の拘束具を用いる」という使い分け自体は理に適っている。

なお、一般的な刀の素材については特に明言されていないが、名工が作っている描写はあっても伝説の金属を使っているという描写はないため、多分普通の鋼である(驚異的な強度を見る限り信じがたいが…)。

擬人化

92巻SBSにて、読者から「ゾロの刀を擬人化してみて欲しい」と要望があった。
質問者はもしかしたら、刀のイケメン擬人化で人気を博したゲーム『刀剣乱舞』をイメージしていたのかもしれないが、作者のイラストは、全員おっさん化
気に入ったのか、93巻のカバー裏表紙ではこのおっさん達の顔が刀から生えている。

以降、
  • グリフォン→ひだ襟のじいさん(94巻)
  • 黒刀「夜」と十字架の小刀→ケバいよる子とおまけ子(95巻)
  • ブルックの仕込み刀「ソウルソリッド」→老婆(96巻)
  • ついにはクリマタクト→晴れと雨と曇りをまとっていて足が伸びる男&悪ノリでヤマトの横乳→服からはみ出たデブ男(99巻)
  • カイドウの金棒「八斎戒(はっさいかい)」→「表に出やがれ!おれはでない」という超マッチョのお爺ちゃん(100巻)
  • ヤマトの金棒「(タケル)」→タバコ吸っている陽気なお爺ちゃん(101巻)
  • ウソップの「がま口カバン」と「黒カブト」→「おれが収納!」「おれが飛ばすぜ!」というスーツとヒーロー姿のおっさん達(102巻)
  • トラファルガー・ローの「鬼哭」→「いやー旅つかれたわー」と言う帰国中のおっさん(ローの趣味は「放浪」)(106巻)
  • シャーロット・カタクリの槍「土竜」→ドーナツ食べてる王冠かぶったモグラ(106巻)
と、刀を飛び越えてアイテムの擬人化が「なにかなかった/あった未来」以来の定番シリーズ化した。尚、和道一文字の擬人化はコウ三郎に似ている。






そげキング「追記・修正お願いします」
ゾロ 「背スジをのばせ! 名刀“鼻嵐”!! 三十六煩悩鳳!!」

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最終更新:2025年04月08日 05:50

*1 パンクハザードでのゾロが秋水でモネを両断した際には覇気を纏わせていなかった

*2 その後に一喝して腕は元に戻った

*3 ワンピース世界に「インド」や「アフリカ」はないためモデル名はなし。古代種「マンモス」などは別に存在している。