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ふゆう(ポケモン)

登録日:2018/01/12 Fri 03:28:24
更新日:2026/09/15 Tue 21:06:22
所要時間:約 8 分で読めます





地面から 浮くことによって
じめんタイプの 技を 受けない。



ふゆう とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場する特性の一つ。




◆概要


特性が実装された 第三世代ポケットモンスター ルビー・サファイア』から登場している特性。

ゲーム中の説明では、効果は『宙に浮き、じめんタイプの技を無効化する』とされる。


説明を見た限りではよくある特定タイプの無効化特性である。
しかし、特定タイプを無効化する特性のなかでは珍しく、吸収系の効果を一切持たない

例えば『ちくでん』『ちょすい』『かんそうはだ』『どしょく』は特定タイプの技を無効化してHP回復、
『ひらいしん』『よびみず』は技を引き寄せた上で無効化して特攻アップ、
『もらいび』は無効化+ほのお技の威力アップという効果を持っている。

これらの特性に対して『ふゆう』にはこのような効果は一切なく、無効タイプを増やす効果しかない。








…と書くと地味な効果に見えるだろう。

しかし実際はひこうタイプと同等の無効化耐性を得る』という代物である。


◇解説

じめんタイプの技のみならず、
場の状態「まきびし」「どくびし」「ねばねばネット」の効果を受けず、特性『ありじごく』の影響も受けない

吸収系の効果が一切ない半面、単純な特定タイプの無効化よりも効果の範囲が広く、防御面は優秀であるといえる。

ついでにひこうタイプ同様、
…などデメリットもひこうタイプとよく似ている。

なお、技「フリーフォール」はひこうタイプと異なり無効化できなかったが、第八世代ソード・シールド』にてわざ自体が使えなくなったことでこの点も解消した。


この特性の大きな特徴は「無効化」の部分だけがひこうタイプと同等になるという点である。
つまりひこうタイプと異なり、この特性を得ても弱点が増えることはない。

例えばじめん/ひこうの複合タイプであるグライオンランドロスはじめんタイプの技が無効、いわタイプの技はひこうに抜群・じめんに半減で相殺され等倍のダメージを受ける。
これに対して同じ空を飛ぶじめんタイプでも、ドラゴン/じめんの複合タイプかつ特性『ふゆう』のフライゴンはじめんタイプの技が無効、いわタイプの技はじめんの半減のみでダメージ半減となる。


"タイプ” ではなく “特性”であるため、違うところは他にもある。

例えばひこうタイプは「はねやすめ」使用後にターン終了時まで一時的にひこうタイプが消失するが、『ふゆう』にそのような効果はない。
ひこうタイプは アイテム『ねらいのまと』を持つとタイプの持つ「無効化」能力を消されじめんわざが当たるようになるが、特性『ふゆう』持ちが『ねらいのまと』を持っても「無効化」能力は影響を受けず地面技は当たらない。

一方で『ふゆう』は特性であるため特性『かたやぶり』によって無効化されるし、特性『トレース』で相手にコピーされる。


なお、ひこうタイプも『ふゆう』も持たないポケモンでも アイテム『ふうせん』を持つことで一時的に同じ効果を得られる。
でんきタイプなどじめん技が弱点のポケモンに持たせるのが基本となる。


◇『ふゆう』最大のデメリット

この特性の大きなデメリットとして、

『ふゆう』を所有しているポケモンは、ほとんどがそれ以外の特性の個体がいない

…という謎の縛りが存在する点が挙げられる。

第二特性はもちろんのことだが、隠れ特性すら与えられることがない。
ビブラーバ・フライゴンに至っては隠れ特性まで『ふゆう』である*1
専用の特殊な特性*2を除いてこういった縛りがあるのはこの特性くらいである。

そのため、後述のように『ふゆう』を有しているが故に損をしているポケモンにとってはこの縛りが痛い時がある。それ以外においても、能力強化系の特性が得られない部分は損である。


数少ない例外は
の計6匹。

ドーミラー系統は第二特性として『たいねつ』を所有し、隠れ特性の『ヘヴィメタル』も与えられている。
なぜドーミラー系統のみが例外であるのかは不明だが、じめんとほのおの両タイプが弱点であるドーミラー系統にとって、これら2つの特性を持っていることは弱点を読みづらくしており、有用である。
ヘヴィメタルの実用性はほぼないが

ヨマワルは進化によって『ふゆう』を失う珍しい例であり、その兼ね合いでか隠れ特性『おみとおし』を与えられている。

ドガース系統は第八世代になってリージョンフォームの追加と同時に第二特性『かがくへんかガス』と隠れ特性『あくしゅう(ドガース&原種マタドガス)』&『ミストメイカー(ガラルマタドガス)』が与えられた。


対戦では無効タイプが増えることがメリットだが、そもそもこの特性を持つポケモンは上述の通り、殆どが『ふゆう』以外の特性を持たないため、『ふゆう』持ちであることが採用理由にならないことも多い。


◇第九世代における『ふゆう』

スカーレット・バイオレット』では俄かに注目を浴びる特性となった。
この世代特有のバトルシステムとして登場した テラスタル は、戦闘中にポケモン1体を任意の単タイプへと変えることができる。

元々持っていたタイプは失われるため、例えばひこうタイプのポケモンがテラスタルでほのおタイプになれば、テラスタル使用後はじめんタイプの技をこうかばつぐんで受けてしまう。

しかし、特性はテラスタルに影響しないため、『ふゆう』持ちのポケモンはテラスタルでほのおタイプになっても相手が特性『かたやぶり』でない限りはじめんタイプの技を無効化することができる


本編ではナンジャモムウマージでこのコンボを使ってくる(ゴースト→でんき)。



◆『ふゆう』を所有するポケモン


『ふゆう』を所有するポケモンは非常に多く、世代によって多少の順位変動こそあれ、所有する種族の数は概ねトップ10に入る。

第三世代から第五世代までは高頻度で追加されていたが、第六世代以降は殆ど追加されていない。


この特性は大きく二種類の系統に大別することが可能である。
  • 複合タイプを2つ持ち、ひこうタイプの代用として『ふゆう』を所有する
  • 単純に見た目が浮いているため『ふゆう』を所有する

なお、先述のようにこの特性を持つポケモンは他の特性を持たない種族が大半を占めており、ギラティナのフォルムチェンジを除けば*3、『ふゆう』以外の特性を持つ種族はドガース系統、ヨマワル、ドーミラー系統しかいない。


翼で飛んで地面から離れているが、タイプが他に2つあるのでひこうタイプの代用


クワガノン以外は全てドラゴンタイプのポケモンである。
飛行能力はあるが既に複合タイプを2つ持っているため、いわば3つめのタイプの扱いでひこうタイプの代わりに『ふゆう』の特性が与えられている。

これらの種族は特性が『ふゆう』一択であり、隠れ特性はない。
ゲームシステム上は通常特性と隠れ特性の双方が『ふゆう』として設定されている。


このシステムのお陰で、例えばサザンドラのような「悪の力を持ち空も飛べるドラゴン」であるポケモンが存在できるのである。
あく/ドラゴン複合になったらタイプ相性でじめんタイプをスカす手段が皆無となるのはおかしいし、ドラゴン/ひこう複合であればあくタイプを持てなくなる。

ここに特性の『ふゆう』を割り当てることで、ドラゴンタイプとあくタイプを持ちつつ空も飛べるという個性を持たせることが出来ているのである。
このように考えると絶妙な調整であるといえるだろう。


ひこうタイプの代用で『ふゆう』を持つポケモンの能力や技の傾向はひこうタイプとよく似ている。
技に関しては「そらをとぶ」「アクロバット」「はねやすめ」「おいかぜ」などひこうタイプの技や「はがねのつばさ」を覚えられる。

全体的に素早さも高い傾向にあり、ギラティナの素早さ種族値90でさえこのグループの中では鈍足である。クワガノンは言わずもがな。


ちなみに公式設定で飛べるガブリアスは、普段のモーションが地に足をつけたものだったために『ふゆう』を貰えなかったが、Pokémon LEGENDS Z-Aで獲得したメガシンカZによって登場から20年越しに『ふゆう』を得た。ただ飛行技は「つばめがえし」しかない上、羽を使った技も覚えない


何かしらの力によって浮遊している


ガス、超能力、電磁浮遊など、何かしらの特殊能力で宙に浮いている。

こちらのグループは見た目上の共通点が浮いてること以外殆どなく、ひこうタイプの技なども覚えられない。
強いて言うならエスパータイプが多いことくらいか。

チリーンやムウマージなど、単タイプでありながら『ふゆう』を持つ種族もいる。
素早さの傾向も類似した要素がなく、アグノムのような速攻型からドータクンのようなトリパ向きまでいる。

一方でゴースト、マタドガス、ソルロック、ルナトーン、ドータクン、ロトム、シビルドンなどじめんタイプが弱点のポケモンもおり、特性『ふゆう』のお陰で弱点をひとつ減らすことに成功している
特にシビルドンはでんき単タイプに特性『ふゆう』が加わり、タイプ相性の上では弱点がゼロという素晴らしいことになっている。
ドリュウズさん「じしん」はやめてくださいしんでしまいます


なお、メガシンカ形態であるメガシビルドンは、『ふゆう』に『ビーストブースト』の効果が合わさった専用特性『うなぎのぼり』を所有する。



◆余談


スピアージバコイルキチキギスなど、どう見ても浮いているが 複合タイプの関係でひこうタイプを持たず、更に特性『ふゆう』も持たないというポケモンは非常に多い。

特にむしタイプは最終形態で羽を持って飛んでいる種族が多く、技「はねやすめ」を覚えられるケースも多いが、『ふゆう』持ちはクワガノンしかいない。

ここらへんは想像できるかもしれないが、ゲームバランスの都合であろう。

見た目が浮いているポケモンに片っ端から『ふゆう』を与えたら、じめんタイプの立場が激減するし、却って性能の劣化や没個性化を招きかねない。
彼らは特性により能力が強化され、それがシナリオ攻略や対戦で大いに役立っているのだ。

例えばメガスピアーは特性『てきおうりょく』があるから対戦でそこそこの強さを発揮できるのであり、特性が『ふゆう』にでもなった日には紙耐久もあいまって一気に弱体化しかねない。
見た目上宙に浮いているアーゴヨンウルトラビーストなので特性が『ビーストブースト』で固定されており、このビーストブーストによって無類の強さを発揮している。後年『うなぎのぼり』が出現したが


一応、タイプ相性以外の手段でじめん技をスカす手段は用意されており、技「でんじふゆう」を使えば5ターン限定でふゆうと類似した効果を得られる。
こちらは“わざ”の効果なので交代すればリセットされるが、効果が継続するターンの間はバトンタッチで味方に引き継ぐことができる。


『ふゆう』を所有するポケモンの中でドラゴンタイプの割合が多い*4のは、ドラゴンが空を飛べるというイメージに加え、特性を第3タイプの代用で割り当てても十分な強さを発揮できるためであろう。
また、ドラゴンタイプの場合元からメジャーなタイプを半減できるため、『ふゆう』が加わることで強さに磨きをかけることができる。

例えばサザンドラやギラティナ(オリジンフォルム)はドラゴンとサブタイプで重ね掛けされるタイプ相性が殆どなく、ドラゴンとサブタイプが半減するタイプは全てそのまま半減される。
ここに『ふゆう』が加わることで、多くのタイプを半減または無効化する*5ことができるようになる。
火力面に関しては素の状態でも比較的高い水準にあり、特性による強化がなくてもさほど困らない。


一方で進化前は浮いているが最終進化で足を得るゲンガーは、第三世代から第六世代までは進化前と同じく特性が『ふゆう』だった
3D化しても二本足で立っており、特に浮いている描写は無い。

これにより、どくタイプでありながら第二世代までの弱点であるじめんタイプ…というか具体的には「じしん」を無効化でき、長年ゲンガーの強みとなっていた。

『ふゆう』のゲンガーが初登場した『FR・LG』当時、もしくは第二世代まで遊んでいたトレーナーが第三世代以降で復帰してゲンガーに「じしん」をぶっぱなしても無効で驚くという光景は各地で見られたであろう。

見た目が浮いていないため、第六世代では『ふゆう』持ちにもかかわらず、空を飛ぶポケモンのみが参加可能なスカイバトルでは参加不可であった。

そして第七世代ではとうとう特性が『のろわれボディ』に変更され、使い勝手が大きく変わっている。

現在は同タイプの『ふゆう』持ちを使いたい場合は進化前のゴーストに頼ることになる。





追記・修正は空中に浮遊しながらお願いします。

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最終更新:2026年09月15日 21:06

*1 ナックラーに隠れ特性『ちからずく』が設定されているため、隠れ特性のナックラーから進化したビブラーバは特性『ふゆう』でも隠れ特性持ちの扱いになる。このため、隠れ特性のビブラーバ♀ or フライゴン♀から生まれるナックラーは一定確率で隠れ特性となる

*2 伝説のポケモンの専用特性は言うに及ばず、他にもレジギガスアーケオスのような高すぎる能力にリミッターを掛ける特性や、ポワルンやギルガルドのようなフォルムチェンジのトリガーとなる特性などが該当する

*3 フォルムが変わるから特性が変わるだけであり、オリジンフォルム自体は『ふゆう』一択である

*4 ドラゴンタイプの総数に対する『ふゆう』持ちの割合はエスパータイプの総数に対する『ふゆう』持ちの割合よりも多い。なお、エスパー/ドラゴン複合のラティ兄妹は飛行能力による浮遊なので、便宜上ドラゴンのグループのみにカウントし、特殊能力で浮遊するグループにはカウントしないものとする

*5 ドラゴンと『ふゆう』のおかげでほのお、くさ、みず、じめんというメジャーなタイプに強く、更に複合タイプで半減や無効が増えるため、攻め手の有効打が限られてくる。範囲の狭いポケモンで対面してしまうと、全ての攻撃を半減以下に抑えられることがあるため、嘗てより弱点が増えた現在でも警戒が必要であることに変わりはない。