むしタイプ(ポケモン)

登録日:2010/10/20 Wed 19:27:25
更新日:2025/04/26 Sat 11:21:37
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おれの可愛いむしポケ!それいけーっ!


ポケットモンスターシリーズに登場するタイプの一つ。



【概要】


名前の通り、蜂等のいわゆる『昆虫』のような姿をしたポケモン達である。
昆虫に限らず、蜘蛛百足等一般的に「虫」として扱われる生物をモチーフにしたポケモンも含まれる。

代表的なむしタイプのポケモンとしてはバタフリースピアーヘラクロス等が挙げられる。

複合タイプは主にどくひこう、そして硬い外骨格のイメージからかはがねが多い。


昆虫は野生に溶け込ませやすいモチーフがとても多いためか、ストーリー最序盤からよく登場する。

全体的にレベルアップや進化が早い者が多いのも特徴で、序盤では即戦力になってくれる場合が多い。
しかし成長が早い分最終的な能力値は頭打ちになるポケモンも多く、
序盤に活躍した虫は中盤辺りから他の強力なポケモンに乗り換えられリストラされるパターンも多い。
メタな事情としてはストーリー部分におけるゲームバランス調整の役割が大きく、序盤での活躍を想定しているため、育ちきるのが早いという設定がなされている。
とはいえ世代を追うごとに最終進化のレベルは上がり、既存のポケモンの種族値も少しずつ引き上げられ、徐々にではあるが強化されている。


【性能】


能力値は全体的に素早さに優れており、攻撃面は攻撃か特攻のどちらかが極端に低い者が多いのが特徴。
耐久は全体的に微妙だが、耐久が高い奴は極端に高い場合が多い。
なお、HPだけは虫の息総じて低いという共通点があり、HP種族値100以上のポケモンは初代~第六世代まで1匹もいなかった。

攻撃面で抜群が取れるタイプはくさエスパーあく
防御面で耐性を持つタイプはくさ・かくとうじめん
攻撃が半減されるタイプはほのお・かくとう・どく・ひこう・ゴースト・はがね・フェアリー
弱点のタイプはほのお・ひこう・いわ

捕食関係や「飛んで火に入る夏の虫」ということわざを反映してか、くさタイプには攻防共に強いがほのお・ひこうタイプには攻防共に弱い。
あくタイプに強いのは虫(バッタ)をモチーフにしたヒーロー・仮面ライダーが悪を倒すイメージ、エスパータイプについても集中力をかき乱すからという説もあるが、本来は同じく仮面ライダーが死神博士を倒すイメージであると言われている。*1
だが、肝心のバッタポケモンの登場は第9世代のエクスレッグが初とかなりの時間を要した。*2
また、じめんタイプには強いがいわタイプには弱い。確かに岩でプチッとはなりそうだが、地面に強いのは土に潜れる虫がいるからだろうか……?初代の顔ぶれ的にはちょっと厳しいが。
どくタイプは体内が毒に侵されるのを恐れる、フェアリータイプはそもそも妖精と仲良しだからか。
なお、初代でのみどくタイプとは互いに弱点を突き合う関係だった。

攻撃面に関しては半減がくさタイプと並んで最も多い上、ひこう、ゴースト、はがね、フェアリーと第6世代以降ではメジャーな強タイプに悉く半減されるという、ある意味でくさタイプより悲惨なことになっている。
適当に強いポケモンでパーティーを組んでも、ほぼ全員がむし技に耐性を持っていたなんてこともザラにある。
逆に弱点を突けるタイプはマイナー所ばかりであり、本来有利な筈のくさやあく相手であってもどくやはがね等との複合で等倍に抑えられていたということも頻繁に起こる。
タイプ相性の覚えにくさの例として虫技はよく引き合いに出されるが、悲しいことに対戦環境ではよく覚えてなくても支障は少ないともいえる。
クレセリアラティオスの流行時にはその対策として使われたこともあったが、「はたきおとす」の強化でその需要もほぼなくなった。

技の威力自体も使い手が少なく命中不安な「メガホーン」以外は全体的に低く、その「メガホーン」すら上記の理由で決定力に欠けることが多い。
言うまでもなくサブウェポンとしての需要は最低レベル。
タイプ一致ですらウルガモスマッシブーン等の攻撃技の豊富なポケモンは虫技を切ることが多く、メガカイロスに至っては殆ど採用しない。
ぜったいほしょくかいてんざん」も『むしのしらせ』を活用したウルガモス以外はまず使用しない。
第八世代では遂にメガシンカを没収されたむし単タイプのカイロスですら一致技不採用というケースが度々見られるようになった。

しかしタイプの不遇さに反して技の性能自体は恵まれており、対戦において重要な効果を持つ技も多い。
物理技は命中不安定だが高火力の「メガホーン」に使い勝手の良い交代技「とんぼがえり」等、種族によって様々。
特に第七世代では威力が4倍になった「きゅうけつ」に相手の攻撃を必ず1段階下げる「とびかかる」と、「シザークロス」の上位互換が2つも追加された。
特殊技は安定した性能の音技「むしのさざめき」の採用が多い。
火力よりも効果目当ての攻撃技として交代封じ+固定ダメージという耐久型用の「まとわりつく」、ダブルで相手全体の特攻を下げる「むしのていこう」もある。

通りが悪いからこそ技の性能自体は優遇されているのかもしれないが、それでも「とんぼがえり」以外のむし技は採用率が落ち込みつつあるのが実情。
その「とんぼがえり」も主な使い手はランドロスをはじめとするむしタイプ以外のポケモンという有様である。

変化技では蝶や蛾のポケモンを中心に「ねむりごな」や「ちょうのまい」といった強力な技が与えられている。
ただしそれらを考慮しても素のスペックの低さから活躍が難しいポケモンが多い。
ストーリー序盤用の技として知られる「いとをはく」は地味にダブルでは敵全体の素早さを下げられ、特に第五世代以降は2段階低下に強化された。
HGSSの教え技を除けばむしタイプ以外でこの技を覚えるポケモンは存在しない。

防御面に関してはメジャーなかくとうとじめんを半減出来る一方で同じくメジャーなほのおやひこう、いわを弱点に持つため可もなく不可もなくと言ったところ。
ただし複合タイプ次第で優秀になったり悲惨になったりしやすい。
くさやひこうとの複合は攻撃範囲が被る上に弱点が重複する特に悲惨な組み合わせとして有名。攻撃面で見るとむし単よりはまだマシだろうが…。
どく複合はじめんが等倍になり、むし半減のフェアリーにどく技で弱点を突き、どくに強いエスパーにはむし技で対抗できるのでまずまずと言った所。
特に優秀とされるのがはがね複合で、ほのおが4倍・ひこうといわが等倍になる反面、かくとうとじめんで弱点を突かれないので弱点対策はほのおのみで済み、耐性はなお9つも残る。
なお、半減以下にできるタイプがひこうと丸被り(くさ、かくとう、じめん)且つあちらはじめんを無効にできるため下位互換とみられることも多い。
ただしフィールド効果を受けられたりひこうタイプの弱点且つメジャーなでんき、こおりは等倍なので一概には言い切れないだろう。

「とんぼがえり」以外のむし攻撃技の需要が壊滅的なので、むし技のダメージを半減する「タンガのみ」は殆ど使われない。
むし4倍勢ですら他のタイプの半減実を持たせた方がマシである。

なお、現時点では唯一リージョンフォームが存在しないタイプとなる。

ちなみに御三家の3タイプ以外で「HPが1/3以下になると一致技の威力が1.5倍になる」特性『むしのしらせ』を持つ唯一のタイプでもある。
ただし通りが悪いので活かせる場面は限られる…というか、他に有用な特性がある場合はほぼ間違いなくそちらが優先されるが。

序盤救済用のポケモンが多いせいか、全体的に低種族値なポケモンが目立ち埋葬級のポケモンも少なくない。
しかし一方で優秀な複合タイプや、無駄の無い配分のおかげでメジャーなポケモンはとことんメジャーだったりと、底辺と上部の差が激しいのが特徴。
ある意味ポケモン界屈指の格差社会である。


【むしタイプの歴史】


●385族



第一世代赤・緑

不遇中の不遇でまさに『冬の時代』

当時猛威を奮っていたエスパータイプの弱点を事実上唯一突く事が可能なタイプ(もう一方のゴーストは設定ミスでエスパーに無効となっていた)。

…と言えば聞こえは良いが肝心の技に全く恵まれず、攻撃技は「きゅうけつ」(当時威力20)、「ミサイルばり」(当時威力14×2〜5)、そしてスピアー専用の「ダブルニードル」(威力25×2)のみ。あまりにも威力が低すぎるし、技の数も全然足りていない。
サブウェポンもまともなものがなく、大半のむしタイプは「はかいこうせん」等ノーマル技に頼らないといけない有様。致命的なまでにまともな技がない
ガチ環境におけるむし技はサンダースがエスパー対策の「ミサイルばり」を覚えられたらついでに覚えるという程度の扱いで、それも事実上ナッシーピンポイントだった。
ストライクカイロスあたりは虫技を一切覚えないどころか習得可能な攻撃技がノーマルに偏り過ぎているせいで、ゲンガーで詰むわタイプ不一致で火力が出せないわで散々である。

当時の攻略本では最強(笑)のむし技「ダブルニードル」を唯一使えることからスピアーがエスパーキラーとして持ち上げられていたが、実際は殆ど勝ち目がなかった。
自分もどく複合なのでエスパーが弱点な上、先制できるエスパーポケモンもナッシーとスリーパーぐらいしかいない。
そもそも「ダブルニードル」が貧弱な上に第二世代までは全能力に努力値を振れたため、4倍弱点のナッシーや紙耐久のはずのフーディンルージュラすら倒せない。
一方のスピアーは特殊の種族値が45(第二世代以降は特攻45・特防80)しかないため一致「サイコキネシス」など到底耐えられない。

実はむしタイプとしてまともにエスパーと渡り合えたのはスピアーよりもパラセクトだったりする。
肝心のむし技が「きゅうけつ」なので火力はスピアー以下だが、それでもHP吸収効果のある技(メガドレイン)を一致で使えるため持久戦に持ち込めた。

むしタイプがもっとまともな強さだったらエスパータイプを止めることができるはずだったため、非常に歯がゆい思いをさせられることになった。
特にストライクやカイロスに関しては捕まえにくさやステータスの高さ、強そうな見た目から期待し、技のラインナップを知りがっかりしたプレイヤーも多いのではないだろうか。

上述の通りどくタイプとは互いに弱点を突き合う相性だったため、パラセクトは4倍弱点を3つ持つ唯一のポケモンだった。

また、当時の全国大会の決勝大会では何と1匹もエントリーされていなかった。虫だけに無視された形に……
当時の強タイプであるこおり・でんき・エスパーがだいたい刺さってしまうのがまずすぎた。
ニンテンドウカップ98では使用ポケモンに制限こそかかったものの、スピアー・ストライク・カイロスとどうしようもない奴らばかり選出されてしまった*4
強いて言えば98カップ予選でカイロスがケンタロス対策となる「じごくぐるま」アタッカーとして極稀に使われたぐらいである。一応同じ「じごくぐるま」アタッカーであったカイリキーとは耐性が違うという言い訳が成り立った。


◆第二世代(金・銀

むしを弱点に持つあくタイプの追加、強力な物理技である「メガホーン」の追加等で割と強化され、弱点の突きあいに参加できる余地が増えた。
ハッサムやヘラクロス、ツボツボフォレトス等のメジャーポケも輩出され始め、初代よりかなりマシになった。

しかし念願の高火力技である「メガホーン」は当時ヘラクロスの専用技
もう一つの新技「れんぞくぎり」は主力として使うにはかなりの工夫が必要な性能で、まともなむし技を使うには「めざめるパワー(虫)」を粘る必要があり、プレイヤーへの負担が大きすぎた。
対戦環境における虫ポケの扱いを見ても、上記のメジャー所以外の立場はあまり変わっていなかったりする。
ハッサムに至ってはサブウェポン含め攻撃技に全くといっていいほど恵まれておらず、殆どが優秀な耐性を活かしたサポーターという役割だった。
冬は過ぎたが、虫ポケ格差社会の始まりも告げられた…

当時トップメタだったナッシー対策に不一致めざ虫を採用するという他の世代では考えられない環境でもあった。
つまり、恐らく全世代で唯一サブウェポンとしてのむしタイプに需要があった世代である。
ちなみにこのめざパ虫の主な使い手はガラガラやカイリキーである。タイプ一致ならばハッサムも使い手に上がる。…後の世代をプレイした人は確実に驚くであろう。


◆第三世代(ルビー・サファイア

「ぎんいろのかぜ」や「シグナルビーム」といった攻撃技が追加され少し火力がマシになったがそれでも若干不満のある数値だったり…
そもそも、これらの虫技はタマゴわざでのみ習得可能という虫ポケモンが妙に多く、タマゴ経由で遺伝させなければ虫技が全く使えない種族もちらほらいる。自力で覚えろよ…
なお、鱗粉もカラフルなビームも飛ばせそうにないカイロスは今世代でも「めざめるパワー(むし)」か、実戦向きではない「れんぞくぎり」しか虫技を覚えられなかった。

ヘラクロスの専用技だった「メガホーン」は立派な角を持つ一部のポケモンも覚えられるようになった…が、虫タイプで習得可能なのは相変わらずヘラクロスだけだったため、他の虫ポケモン達の救済処置にはならなかった。*5

全体的な立場としては第二世代とあまり変わっていないが、特性の追加により一部のポケモン(バタフリー等)は多少なり救済されている。

新規参入勢としては圧倒的速さによるバトンが可能なテッカニンや、独特な特性と能力で得意な相手にはとことん強いヌケニン辺りが注目株か。
まあ他にも新参入いたけどね、アメモースとかアゲハントとか…


◆第四世代(ダイヤモンド・パール

技性能で冬の時代を何とか脱した世代。

これまではタイプ毎に技の物理・特殊が決められ、むし技は一律物理技扱いだったが、この世代から分化した。
同時に物理では「シザークロス」「とんぼがえり」、特殊では「むしのさざめき」等の強力な攻撃技が追加。
また、虫ポケモン達の習得技にも調整が入り、自力で虫技を覚える種族も増えている。改善が遅い
今まで習得技が不遇すぎたカイロス君も「シザークロス」を獲得した事で、ようやくまともな虫技を使えるようになった。

特に「むしのさざめき」は特殊アタッカー向きの虫ポケならほぼ全員が覚えるため、「シグナルビーム」等が実質サブ技専用に。ようやくまともなむしタイプの技が追加された。
種族の面でも事実上最速の催眠使いであるメガヤンマ、長期戦になるほど真価を発揮するビークインが追加。
全体的にこの世代から大幅に強化されている。
因みに進化することでむしタイプが消えてしまうばけさそりポケモンが初登場したのもこの世代。そのせいでむしタイプ使いの四天王の切り札が虫じゃないという事態に…

特性『テクニシャン』を入手したハッサムや「インファイト」を入手したヘラクロス等のメジャーポケの更なる強化も目立つ。


◆第五世代(ブラック・ホワイト

後と比べても最盛期とされる世代。

攻撃技に関してはあまり変わっていないが、ウルガモス・シュバルゴペンドラーアイアントなど強力なむしタイプが大量に出現。
初登場がヤグルマの森とかなり遅いこともあるか。

対戦環境にむしタイプがはびこりエスパーやあくタイプがかなり扱い辛くなるという事態に陥った。まさにむしタイプの時代。
ただそんな中でもクレセリアは高耐久で活躍しており、対策として「メガホーン」持ちが評価されることもあった。
一致だけでなくドサイドン等がサブ技として使うこともあった。

既存のポケモンにしても、隠れ特性によって大きく強化されたポケモンもいる。『いたずらごころ』を与えられたバルビートとイルミーゼがその最たる例。

また毎回恒例のように追加されていた低種族値のむしタイプが今世代には全くおらず、
第五世代から追加された虫タイプ最低種族値はデンチュラであるが、複合タイプや無駄のない種族値割りでとても「産廃」もしくは「ストーリー攻略用ポケモン」とは言い難い。
ストーリーにおいてもいつもよりむしタイプが出現し始めるタイミングが遅く、今までと比べて「序盤用」というイメージは薄い。


◆第六世代(X・Y

環 境 激 変。
具体的には新タイプ:フェアリーの追加、ファイアロー襲来、粉技の仕様変更など。

フェアリータイプはむしが攻めで有利なあくタイプに対して攻守共に有利であり、おまけにむし技も半減で受けられるという鬼畜相性を掲げて参戦。
ファイアローはほのお/ひこうタイプで飛技優先度+1の特性をもつ虫ポケ絶対殺すマン。当たり前のように「とんぼがえり」も覚える。お前人のモノを…!
そして蝶系のポケモンが振り撒いていた粉技はくさタイプに無効、さらに「ぼうじん」まで無効、その特性の疑似耐性を得られる『ぼうじんゴーグル』なんてものまで登場した。
こんなの絶対おかしいよ……。

新規虫ポケは図鑑No.666のビビヨン系列のみ。
しかし種族値や覚える技、カラーバリエーションなど、これまでの序盤虫ポケでは最高レベルの優遇を受けている。
ちなみに、既存の虫ポケモンたちも種族値が申し訳程度にプラスされた。

またカイロス、ハッサム、ヘラクロスがメガシンカに対応。
特にカイロスはヘラに対する積年の恨みつらみを爆発させたようなビジュアルと特性を手に入れた。KOWAI。
ORASではスピアーもメガシンカを獲得した。

総じて見るとタイプ内の格差がさらに広がり、対戦環境の観点で見ても第一線で活躍できる者はごく少数という向かい風の強い時代となった。
あくタイプが前より活躍の場が増えたことでそちらで弱点を突ける機会が増えたのがせめてもの救いである(もっとも、あくはフェアリーでも弱点は突けるが)。

ちなみに「れんぞくぎり」は第五世代で威力20、今回はさらに威力40からスタートと大幅に強化されている。
特性『テクニシャン』のハッサムやストライク、コロトックなら初撃の威力が実質60、二撃目なら威力80になり、『メトロノーム』でさらなる強化も狙える。
しかしむし技の通りの悪さ故にせっかく火力を上げても恩恵を受けづらく、そもそも最初から『こだわりハチマキ』を使った方が強力である。


◆第七世代(サン・ムーン

前回に続き変更点が大きいタイプとなった。
序盤のズバットでお馴染「きゅうけつ」がなんと威力80に超強化され、殴りつつ回復できる選択肢として機能するようになった。
(なおズバット等旧作で低レベルで覚えていたポケモンは全て「すいとる」に差し替えられている。一部は高レベル習得に変更。)

また、同じむし物理威力80技として「とびかかる」が登場。こちらは命中すると相手の攻撃力がダウンするので
確1になってしまう攻撃を無理矢理耐えたり後続サポートに繋いだりと相手の思惑を崩すのに何かと役に立つ。

おかげで「シザークロス」はこの2つと同威力で効果なしというかなり不遇な技となり、使うとしてもヌケニンかカイロス用になってしまった。
次回作では急所ランク+1の効果を付けても良いのではないかとの声も。

前回に引き続き何匹が種族値が上方修正されたが、アメモースはストーリー上での立場かなんと+40もされギリギリ実用に耐えうるレベルになった。
また、アリアドスは特防が10上がり専用技まで貰えた……が正直アメモースを見るともうちょっと種族値上げて欲しかったとこである。
ただ相方は何も無しだったのであるだけマシなのかもしれないが。
と思ったらレディアンUSUMで「カウンター」を修得。
おかげでアゲハントが『とうそうしん』必須と言われる羽目に

メガシンカの仕様変更によりメガスピアーは「まもる」に枠を割かなくて良くなり技スロットの自由度が上昇。
メガカイロスも最初から100族を抜けるので使いやすくなった。
反面メガヘラは遅くなってしまう都合上相手を選んでシンカする必要が出てきた。

ついでにむしタイプと直接関係ある話ではないものの、前作で大暴れしていたファイアローが大幅に弱体化し、
この影響でアロー対策としてよく撒かれていたステロが以前ほど採用されなくなったために第6世代よりも虫ポケを選出しやすい環境になった。
一方でフェアリー蔓延によるどく・はがね増加、あく死滅によりむしタイプの技の通りはさらに悪くなっている。
とは言え別に攻撃の通りが悪いのは今更である為あまり気にする事ではない。逆に言えばむし単は割を喰っているとも言えるが


新顔はみず複合のグソクムシャオニシズクモというテクニカルな2匹、初のフェアリー複合でとっても可愛いアブリボン、でんき複合で重戦車型のクワガノンとその進化前のダブル要員デンヂムシ、
シャープで美しいフェローチェと筋肉モリモリマッチョマンのマッシブーンという対照的なウルトラビースト2匹と前作の反動からか色々追加された。


◆第八世代(ソード・シールド

本作における大胆な互換切りにより、ハッサム、ヘラクロス、ウルガモスなどの強力なポケモンたちが姿を消してしまう。
対戦環境も前作に続くフェアリーやはがねの多さに加え、苦手タイプのダイマックスわざ「ダイバーン」「ダイジェット」「ダイロック」がいずれも強力な効果のため採用率が高いのが何より苦しいところである。

とはいえ、アイアントは高速アタッカー型の種族値がダイマックスとうまく噛み合っていることでエース級としてPTに入れられることもあったり、
ビビヨンが登場を見送られたことや、キョダイマックスを習得するなどで追い風が吹いたバタフリーが無限戦法で活躍しているという喜ばしいケースも存在している。

新顔として初となるエスパー複合の防御型テントウムシ・イオルブ、同じく初のこおり複合の蛾・モスノウ、ウルガモスに続くほのお複合のマルヤクデが登場。
いずれもお手軽に強いというわけではないものの、豊富な補助技や強力な隠れ特性などといった要素を持ち、うまくハマれば大いに活躍を見せてくれる3系統である。
また、イオルブとマルヤクデの2匹にはキョダイマックス個体も存在している。

この他、上述したハッサム、ヘラクロス、ウルガモスの他カイロス、ペンドラーは2020年6月配信のDLCアーマルドは冠の雪原にて復活した。

Pokémon LEGENDS アルセウスではストライクの進化系としてバサギリが追加された。ニンフィア以来の正統な追加進化である。もちろん今まで通りハッサムにも進化できる。
また、威力が控えめの通常攻撃「シザークロス」に遂に急所に当たりやすくなるという効果が追加された。これにより次回作以降での活躍が期待されたのだが…。


◆第九世代(スカーレット・バイオレット

新顔は専用のスレッドトラップをはじめとした補助技専門のワナイダー、待望のバッタモチーフであるエクスレッグ、これまたいそうでいなかったフンコロガシモチーフのベラカス、そしてウルガモスの太古の姿とされるチヲハウハネ
チヲハウハネ以外は合計種族値がここ数年の世代と比べて低めになっている。
新技は威力が低い代わりに確実に相手の素早さを下げる 「とびつく」が登場。「テクニシャン」の補正を受けるのでハッサムとは特に相性が良い。
一方で、アルセウスで強化された「シザークロス」だが、本作で急所に当たりやすくなる効果が削除された。何故だ。
だがその代わりに新たに「切断技」と言うカテゴリーの対象になり、新特性「きれあじ」で威力が1.5倍に強化される事もあって、この特性を隠れ特性として持つ前述のバサギリはかなりの強化を得ている。

一方、環境的にはダイジェット喪失も含めてひこうタイプが衰退、いわタイプはキョジオーン、フェアリータイプはミミッキュデカヌチャンを残してほぼ駆逐、
あく全盛期と言う事もあり今までの世代と比較して動かしやすくはなった。
ウルガモス、ハッサムなどの強力なむしポケモンは以前より数を増やし、エクスレッグはいろめがねによるタイプ相性の不利を強引にねじ伏せる火力、ワナイダーは「ねばねばネット」、ベラカスは「さいきのいのり」という貴重な個性もあいまってそれぞれに採用価値がある。特にハバタクカミなどの強力なフェアリータイプに強気に出れるハッサムは使用率上位を維持している。


新要素のテラスタルで全ポケモンがむしタイプになる事も可能だが、むしタイプの攻撃面は半減される相手が多すぎてあまりテラスタルの恩恵を得られないため、対戦でむしテラスが採用されることはあまりない。
耐性面では地面タイプと格闘タイプを半減で受けられる点が優秀なのだが、似たような耐性に加えて地面を無効にできるひこうタイプと競合しやすい。
但しフィールドの恩恵を受けるなら話は別で、尚且つひこうのメジャーな弱点であるこおりとでんきは等倍なので決して悪くはない。
攻撃面でむしタイプを十全に活かせるエクスレッグとチヲハウハネ、浮かないことでエレキフィールドの効果を受けながら地面と格闘を半減に転じられるテツノイバラ、同じく地面と格闘を半減しつつ、もらいびで炎弱点をフォローすることができるヒードランが数少ないむしテラス使いとなっている。
とはいえ、任意の1タイプを選ぶシステムとしてはZワザの頃よりも選択肢に上がりやすくなったため、若干だがマシになったといえるか。

テラレイドバトルでは「つるぎのまい」+「きゅうけつ」コンボが強力でミュウツー戦におけるミュウの印象が強い。一方、くさテラスには「むねんのつるぎ」持ちが、あくテラスには「ドレインパンチ」持ちが高い人気を誇り、エスパーテラスにもかいがらのすず+「ふんどのこぶし」で何とかなってしまう*6ことも多いのが非常にネックである。

【むしタイプの主な使い手】


・一般トレーナー

むしとりしょうねん
こんちゅうマニア

ジムリーダー


四天王


・その他



更にイッシュチャンピオンアデクの手持ちも半数はむしタイプである。




追記・修正は虫ポケモンと戯れながらお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 11:21

*1 ポケモン自体の元ネタがそもそも『ウルトラセブン』のカプセル怪獣ということもあって、初期のポケモンには特撮作品が元ネタのわざやポケモンが多数見受けられる。なお、これ以外の仮面ライダーシリーズが元ネタのものとしてはちきゅうなげ(元ネタは『仮面ライダーX』より鉄腕アトラスの技「アトラス中地球」)やカメックス(元ネタは『仮面ライダーV3』よりカメバズーカ)が有名。

*2 なお、バッタほどでは無いが、あく・エスパー側の元ネタであるイカがモチーフのポケモンも第6世代のカラマネロが初とかなり遅めの登場である。

*3 第6世代まで

*4 ストライク・カイロスはともかく何故スピアー?……と、思われるかもしれないが、当時Lv30のモルフォンは入手不可だったため、同じタイプのスピアーに白羽の矢が立ったと思われる

*5 そもそも角を持つ虫ポケモンが少なかったという問題もあるが。

*6 付け加えるとかいがらのすずにバフを絡めた高火力技で何とか切り抜けられるケースは多い