テツノコウベ

登録日:2022/12/16 Fri 11:20:26
更新日:2025/03/19 Wed 00:04:54
所要時間:約 4 分で読めます





※『ポケモンSV』終盤のネタバレを含むため、未プレイの方は注意!※
























『キャシャン キャシャン!!』

ロボットに恋したサザンドラの子どもと
オカルト雑誌が取り上げたポケモンに似ている。

古い書物に記されたテツノコウベという物体は
このポケモンかもしれない。

テツノコウベは『ポケットモンスター』シリーズで登場するポケモンの一種である。

■データ

全国図鑑No.993
分類:パラドックスポケモン
英語名: Iron Jugulis
高さ:1.3m
重さ:111.0㎏
タマゴグループ:タマゴ未発見
性別比率:性別不明

タイプ:あく/ ひこう

特性:クォークチャージ(ブーストエナジーを持たせるかエレキフィールドのときいちばん高い能力が上がる。)

種族値
HP:94
攻撃:80
防御:86
特攻:122
特防:80
素早さ:108

合計:570

努力値:特攻+3




■概要

テツノコウベとは「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」にて初登場したポケモンである。

未来からやってきたパラドックスポケモンの一種であり、サザンドラが一回り小型化してロボットになったような姿をしている。
他のパラドックスポケモンと比べると変化が少なめでかなり現代種に近いのが特徴。
しかしよく見ると頭部は下顎を除くと液晶になっており、二つ小さな頭は本体から離れている(切り離すことも可能らしい)ことがわかる。感情表現もより豊かになっている。

元来サザンドラは「動くものを敵と思い込み襲う」・「サザンドラに村を滅ぼされたという言い伝えは多い」など非常に狂暴なポケモンである中には例外もあるがことで知られていたが、
テツノコウベは更に機械特有の冷酷さが加わっており、高エネルギーを放射して建造物を徹底的に破壊し、すぐさま次の標的を求めて飛び去って行くという。
「月刊オーカルチャー:7月号に」では機械とサザンドラのハイブリッドなのではとしている。

更にポケモン図鑑の記述にはこのような内容でオカルト雑誌が取り上げられたとある。その内容はなんと


ロボットに恋したサザンドラの子供ではないか


と胡散臭い記述が多い「月刊オーカルチャー」の中でも一際荒唐無稽な内容となっている。
仮に本当だとしても一応性別不明なポケモンでもメタモンによってタマゴを孵化させている前例はあるが、いったいどうやって機械と生物とで子孫を残したのか謎である。


ちなみにこの図鑑説明はなんとも読み取り辛く、プレイヤーによって解釈が割れることも。英語版の記述を参照すると
It resembles a certain Pokémon introduced in a paranormal magazine, described as the offspring of a Hydreigon that fell in love with a robot.
オカルト雑誌で取り上げられたとあるポケモンに似ており、ロボットに恋をしたサザンドラの子孫として(誌面上で)説明されている。」ということらしい。
ロボット相手に恋破れたサザンドラなのだろうか…


■ゲームでのテツノコウベ


『デ デ デ』


バイオレット限定でエリアゼロに生息しているパラドックスポケモンの一種であり、下層に幅広く生息している。
クリア前でも少数出現しているのでやろうと思えば最終戦前に捕まえて相手のパラドックスポケモンと対面させることも可能。


ストーリー上ではゼロラボのロック解除後に大量になだれ込んできたパラドックスポケモンのうちの一匹として登場。
ペパーからは「強そうなヤツ いくぜ!」と発言されており、登場する個体数も一匹であることから、原種が600族なだけあって上位に位置するパラドックスポケモンのように描かれていた。
スカーレットでは元がムウマと思われるハバタクカミだったが


ラスボス戦でも手持ちのパラドックスポケモンのうちの一匹として登場する。
素早さの高さを活かして「エアスラッシュ」で怯ませてくるため、なるべく素早いポケモンで上から倒してしまいたいところ。


■対戦でのテツノコウベ

原種であるサザンドラと比較すると合計種族値が30も落とされた。
サザンドラと比較してHPと素早さは上がったが、他は低下。特に攻撃は大きく下がりわかりやすい高速特殊アタッカーの配分になった。

タイプは ドンカラスバルジーナイベルタル等と同じあくとひこうの複合
4倍弱点こそなくなったがサザンドラの弱点5耐性8に対して弱点4耐性5と、タイプで受けるにはあまり向かなくなっている。

サザンドラ譲りのあく技の他、ひこうタイプとなった事により「エアスラッシュ」「ぼうふう」を習得できるようになった。
サブウェポンも「だいもんじ」「ラスターカノン」「だいちのちから」等現代種譲りで多種多様。
一致技と「だいちのちから」で全ポケモンに等倍以上で対処できると、攻撃範囲はすこぶる広いと言っていい。

しかしドラゴンタイプではなくなったことでサザンドラが得意としている「りゅうせいぐん」は覚えなくなった*1うえに、
補助技に関しても強力な積み技の「わるだくみ」、起点作りや妨害で使える「でんじは」や「ステルスロック」といった現代種が使えるはずの有用な技を悉く習得できないため、サザンドラよりも殴り合いを強いられることになる。
申し訳程度に「ふるいたてる」は覚えるが、焼け石に水である。

更に特性を「エレキフィールド」で発動しようにもひこうタイプが災いして恩恵を受けられず*2、テラスタイプに頼ろうにも肝心のでんきタイプ技が「チャージビーム」とでんきタイプの「テラバースト」しかないジレンマを抱える。
そしてその種族値バランスのせいで最速にすると特攻をブーストできない
幸い、244振りの時点で特攻=素早さとなるので他に抜かれる可能性が少ないレベルで収まる*3のが救い。

総じて元が600族だったのが30も減ってしまったことの弊害なのか、サザンドラの弱点をある程度克服した代わりに強みも薄まってしまった性能になっている。
素早さも高いと言えば高いのだが、困った事にそれ以上の素早さを持つポケモンに対して軒並み弱すぎる。特にこいは無理。
そうなると、結局自分より遅い相手としか戦えない事になる。そういう評価どっかで見た
なら特性や「こだわりスカーフ」を持たせて上からと考えたくなるものだが、それならメインウェポンが半減されづらく決定力も高い奴がいる……。
お察しの通り、どうあがいても「多少素早さが落ちようがそれサザンドラでよくない?」と言う事になるのだ。
種族値が絶妙すぎてサザンドラと比較されがちな点は某UBを想起させる

その結果、同じ未来種であるテツノイバラと熾烈(?)なパラドックスポケモン最弱争いを繰り広げてしまっている
10億年後の技術が使われてるはずなのになぜこいつらは弱体化しているのだろうか
しかも仮にテツノコウベがガラル地方で使えた場合は評価が大きく変わる可能性が高い*4ため、「出てくる世代が一つ遅かった」という評価までテツノイバラとお揃いになってしまった。タイムマシンが3年早く稼働していれば……。

一応「ちょうはつ」「おいかぜ」は原種同様に覚えられ、またパルデア地方で「ぼうふう」を覚えられるポケモン中最も特攻が高いことからダブルバトルでは補助兼アタッカーとして考察されている……のだが、やはりサザンドラの壁を越えられず、おまけにレギュレーションDでトルネロスが復帰した事からその役目すらお役御免に。
そして、シーズン8で遂にパラドックスポケモン唯一のシングル・ダブル共に使用率圏外に叩き落された。
皮肉にもライバル?のテツノイバラはタイプだけならトルネロスに滅法強いためシングル圏外・ダブル150位(使用率表示圏内最下位)となんとか崖っぷちで踏みとどまった。でも五十歩百歩だと思う*5
そもそもSVではひこうタイプ自体が不遇気味と言う事情もあるのだが……。

とはいえ、昨今はブーストエナジーを切り高い素早さからおいかぜ、一致バークアウト、飛行技が撃てることが評価されなんだかんだダブルバトルでは中堅どころの実力があることを使用率が示している。
なんだったら最終1桁の人が使ってたりする。
伝説解禁後のレギュレーションGでは、カイオーガと組んで天候が雨の状態でぼうふうを必中させるなど、サザンドラとはまた別の使い道を開拓している。

そして禁止伝説級解禁後のシーズンではダブルバトルでコウベにとって大きな変化が起きる。
ミライドンの特性「ハドロンエンジン」によるエレキフィールド展開で「クォークチャージ」が発動する機会が上がるよになり、前述通りのサポート向きの性能が再評価されて躍進。
今では50位台とかつて圏外だったのが環境の変化などでダブルバトルの地で活躍している。


持ち物は専用道具の「ブーストエナジー」や火力を上げる「いのちのたま」や「こだわりメガネ」などが候補。


■余談

  • ロボットとサザンドラの合いの子とか言われてるトンデモ設定だが、実はゲームフリーク系列としては前例がある。
    かつてゲーフリが製作したゲーム『パルスマン』(ポケモン的にはボルテッカーやパルスワンの元ネタ)の主人公は、映像内の少女に恋した科学者が、結ばれパルスマンが生まれたという設定でありテツノコウベと似たような話になっている。

  • 未来のパラドックスポケモンの中でも液晶や発光する部分の面積が大きいため、眠りにつくとほとんど黒(色違いだと銀)一色の奇妙な物体にしか見えなくなる。

  • 名前の由来は文字通り「鉄の(こうべ)(頭)」で英語名もそれに倣っている。Jugulisはあまり聞き馴染みのない言葉だが、ラテン語で喉や首を表す単語である。


追記・修正は手持ちのサザンドラが恋するロボットとの恋愛を成就させた方にお願いします。

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最終更新:2025年03月19日 00:04

*1 ちなみに「りゅうのはどう」は覚える

*2 一応クォークチャージはちゃんと発動できる。

*3 具体的には最速ズガドーンと同速でカエンジシやテツノワダチより1だけ速い。

*4 ダイマックス、特にダイジェット・ダイアークとの噛み合いと技範囲の広さからほぼ特殊イベルタルと化す。禁止級伝説解禁ルールでイベルタル本人と枠を争うことはありえても、単体として低評価になることはおよそ考え難い。

*5 ちなみに、ダブル圏外にはチヲハウハネもいるのだが、そもそもチヲハウハネはダブルバトルに不向きなので……