こだわり系アイテム(ポケモン)

登録日:2010/08/07 Sat 16:23:13
更新日:2025/09/07 Sun 12:36:07NEW!
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ポケットモンスターに登場する「こだわり」と名のついたアイテムの総称。

※アイテム説明文
ちょっと こだわった (名前)。
もたせると (特定の能力値)は あがるが おなじ わざしか だせなくなる。

その効果は共通して、
ポケモンに持たせるとアイテムに対応した能力値を1.5倍に上昇させるが、代償として『繰り出した直後に選んだ技』しか使えなくなる」というもの。

ポケモンを強化する持ち物のうち、使い捨てではないものに関して1.1~1.3倍程度の強化倍率しかない中、1.5倍は破格の数値と言っても過言ではない。
ただし、その代償も大きく、常に「アンコール」がかかった状態になるという事である。

例えば技が「たいあたり」「つばさでうつ」「なきごえ」のポケモンが居たとして、
場に出て1度「たいあたり」を使うと次ターン以降も「たいあたり」しか選択できなくなるのである。
ただし、一度手持ちに引っ込めてから再度場に出すことで違う技が選択できるようになる。

非常にハイリスクな持ち物だが扱い方次第では非常に強力。
能力値の上がり幅は全アイテム中トップであり、基本的にはアタッカーに持たせて奇襲や撃ち逃げのためによく採用される。
1ターン消費する代わりに能力を上げて居座る積み技とは正反対の使われ方である。


一方で変化技などの搦め手を中心とした耐久型の受けポケモンなどに持たせると補助や攻撃を選択できなくなるため、実質機能停止状態になる。
先ほどの例で言えば、例えば「なきごえ」など相手にダメージを与えられない技を選択してしまうと相手にやりたい放題させることになってしまう。

これを利用して「トリック」「すりかえ」で相手の受けポケモンにこだわり系アイテムを押し付けてコンボを潰すというトリッキーな使い方も有名。
受けポケモンは搦め手と回復技を使い分けて戦うのが基本であるため、1つの技しか使えなくなってしまうと機能停止してしまう。

ハピナスなど、受けポケモンの一部には上記のアイテムの押し付けの対策に自分の持っている持ち物を投げつけて持ち物無しの状態になる「なげつける」を採用することもあるほどの天敵となる戦術である。
なお、特性「ねんちゃく」持ち上記のこだわりアイテムをトリックで押し付けられないことには注意したい。
また、ポケットモンスターSVで登場した サーフゴー に対しても通用しないなど穴も存在する。


また、こだわりトリック(あるいはすりかえ)を、こだわり系アイテムを持っている相手に行った場合、当然だが自分は再びこだわり系アイテムを持つ事になる。
この場合、第四世代まではトリックしか選択できないため交代を余儀なくされたり、互いにこだわりトリックを数ターンに渡って繰り返す我慢比べが始まる事もあった。
が、第五世代ではトリックでこだわり系アイテムを入手した場合、改めて別の技を選択できるようになった。

ダイマックスすると効果が全く発揮されなくなる。このため、火力や素早さが元に戻ってしまうが、自由に技を選べるようになるため一長一短といったところ。
ダイマックス終了後は元の技でこだわる。

なお、こだわり系アイテム持ちのポケモンが「いちゃもん」を受けた場合、固定された技と「わるあがき」を交互に繰り返すようになる。(「アンコール」状態や技が一つしかない場合でも同様)


狙った相手にこだわり系アイテムをトリックする戦法は決まれば相手を機能停止させるためアドが大きいが、読み違えると逆に相手を強化しかねない諸刃の剣となっている。
他のどのアイテムにも言える事だが、このアイテムのおかげで計算がいい方向にも悪い方向にも狂う事はよくある話。


【こだわり系アイテム一覧】


・こだわりハチマキ

物理攻撃の威力を1.5倍にする。
ルビー・サファイア・エメラルドで他のこだわり系アイテムよりも一世代早く登場。
高い素早さを持つ高速アタッカーが火力を伸ばすことで全抜きを狙ったり、高耐久の物理アタッカーが相手の引き先に負担をかける目的などで採用される。

ただし、これを装備したいポケモンにはトリックやすりかえを覚える者が少ないため、トリック・すりかえ目的の使用率は他に比べて低い。
物理に先制技が多い関係上、先制技を高火力で使えるポケモンに持たせ、消耗した終盤の全抜きを任せるという用途もよく見られる。
これの特性版として「ごりむちゅう」があり、ガラルヒヒダルマの特性として登場している。



・こだわりメガネ

特殊攻撃の威力を1.5倍にする。
ハチマキに遅れてダイヤモンド・パール・プラチナから登場。
やはり高い素早や高耐久の強力な特殊アタッカーに採用されやすい。

一方で、これを特攻の低いポケモンに持たせて強引に特殊アタッカーに仕立てる事もできる。
三種の神器」と言われる「10まんボルト」「だいもんじ」「れいとうビーム」を全て覚えるギャラドス等はその一例である。


・こだわりスカーフ

素早さを1.5倍にする。
メガネと同じくダイヤモンド・パール・プラチナから登場。
素早さを一定値で倍加するアイテムは実質これだけのため*1、こだわり系では最も使用率が高く、「きあいのタスキ」と同等かそれ以上の必須アイテムと認識されている。

火力は高いが素早さが中途半端なアタッカーと相性が良く、意外なポケモンに持たせての奇襲も可能。
スカーフを巻いて一貫性の高い技で負担をかけたり、「オーバーヒート」や「りゅうせいぐん」といった大技の撃ち逃げなども相性が良い。
更に先手を取りやすい関係上、こだわりトリック戦法も決まりやすい。

特にドラゴンタイプの「げきりん」や「りゅうせいぐん」は威力・一貫性共に極めて高く、はがねフェアリー等の交代受け要員がほぼ必須。

素早さ種族値70から最速に調整したポケモンにこれを持たせると、130族の素早さを抜く事が可能となる。
実数値にして134。この値はキノガッサの存在もあり、素早さ調整において非常に重要視されてきた。
なお現環境では130族より素早いポケモンも増え、130族抜きは死語になりつつある。

中速アタッカーにスカーフを巻いて奇襲アタッカーとしての運用が行われてきたが、素早さのインフレなどにより
今ではゲッコウガやカプ・コケコ、フェローチェ等、既に素早いポケモンがスカーフを巻いていることもザラにある。
「りゅうのまい」や「ちょうのまい」などで素早さを上げて全抜きを狙うポケモンへのストッパーとして活躍が見込まれる。

また必ずしもスカーフで大技を撃つ必要もなく、キノガッサで「キノコのほうし」を撒いたり
サーナイトシャンデラのようにスカーフで「おにび」等変化技を撃って後続を有利にする奇襲戦術もある。

その他、相手のパーティ構成からどのポケモンが所持しているかを予測することもできる。
中でもこれを所持したバクフーンの「ふんか」やムクホークの「ブレイブバード」は有名すぎて対策されやすい。

またスカーフメタモン確実に相手を抜ける。(「へんしん」又は「かわりもの」でのコピーはHPとワザのPP以外のため。
ただし相手もスカーフだと運ゲーになる)



追記・修正はこだわってお願いします。

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最終更新:2025年09月07日 12:36

*1 他はメタモン専用の「スピードパウダー」とパラドックスポケモン専用の「ブーストエナジー」のみ。