登録日:2024/06/01 Sat 11:29:31
更新日:2024/09/03 Tue 19:20:07
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『かいじゅうステップ ワンダバダ』は、NHK・Eテレのアニメ作品。
「ウルトラシリーズ」に登場した怪獣たちを基にしたブランド「かいじゅうステップ」のアニメ化作品で、2019年から2021年にかけて2シリーズが制作・放送された。
【概要】
「
かいじゅうステップ」は、2018年に発表された、ウルトラシリーズを基にした幼児向けブランド。
『
ポンキッキーズ』の
コニーちゃんで知られるデザイナーの木原庸佐(きはらようすけ)によって可愛くアレンジされた古今東西の様々なウルトラ怪獣、通称「
こどもかいじゅう」と共に、はじめのいっぽ(ステップ)を踏み出そう!というのがコンセプトである。
発表以降、絵本やグッズ、それを基にしたYouTube動画が展開されていたが、これらの設定を基にアレンジを加え、NHK系アニメとして放送が行われたのが『
かいじゅうステップ ワンダバダ』である。
主人公はウルトラ怪獣のマスコット格・
ピグモンをモチーフにした元気なこどもかいじゅうのピグちゃん。
舞台であるK10星雲・チョーチイ星で友達になったカネちゃん、ダダちゃんと共に「かいじゅうや」を開店したピグちゃんは、チョーチイ星に住む個性豊かなこどもかいじゅうと一緒に賑やかな日々を過ごしていく事になる……。
NHK・Eテレの5分アニメ枠、通称「ミニアニメ」向けに制作され、2019年9月~2020年3月に第1シリーズが、2020年9月~2021年3月に第2シリーズの初回放送が行われた。
それ以降も何度か再放送が行われている他、Amazonプライムを始め各地の動画配信サイトでも公開が行われている。
また第1シーズンはDVDの発売も実施されている他、第2シリーズの初回放送時はYouTubeで公式配信が実施されていた。
テレビの初回放送終了後も「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにした『かいじゅうステップ SDGs大作戦』が制作されており、2021年以降YouTubeの円谷公式チャンネルで全15話+特別編が無料公開されている。
こちらは本編よりも短い1~2分のアニメーション作品で、ムゲちゃんの声を担当したのんによるナレーションのもと、SDGsに関する内容をかいじゅうステップの皆と共に分かりやすく解説している。
また、このシリーズを基に、食品ロス問題を題材にした『たべものかいじゅうあらわる!?』、海のごみ問題をモチーフにした『うみピカピカだいさくせん』という2冊のオリジナル絵本も制作。
これらの絵本は一般発売が行われていないが、YouTubeでノーちゃん役の原涼子による読み聞かせ動画が公開されており、そちらから内容の確認が可能である。
【登場キャラクター】
<こどもかいじゅう>
こどもかいじゅうのモチーフの多くは、メイン格の3人(ピグちゃん、カネちゃん、ダダちゃん)を含めて大半が
昭和ウルトラシリーズが初出の怪獣となっている。
勿論
平成ウルトラシリーズがモチーフとなっている怪獣もいるが、ムゲちゃんをはじめ意外なチョイスが多めである。
◇ピグちゃん(CV:
久野美咲)
物語の主人公であるこどもかいじゅう。モチーフは「
ピグモン」。
ピグモンのそっくりさん怪獣のように隕石に乗ってチョーチイ星にやってきた。
たまに空回りしたり失言をしたり、すぐ泣いたりする欠点もあるが、人助けならぬ怪獣助けが大好きで皆から頼りにされている心優しいこどもかいじゅう。
体に風船を括り付けると空にふわふわ浮かぶ事が出来る他、絵も得意だが、泳ぎは他の面々と比べて苦手な模様。
一方、長らく自身のかいじゅうパワーが分からず、自身のコンプレックスにもなっていた。
そしてかいじゅうまつりの中でお手伝いしかできない状況にとうとう感情が爆発してしまい、ゴンの傍で一人寂しく泣き出してしまうが、駆け付けたダダちゃんやカネちゃん、そして沢山のこどもかいじゅうたちによってパワーの中身を知る事となった。
それは「
友達を作ること」。
ピグちゃんの言葉がきっかけで開店した「かいじゅうや」のお陰で色々なこどもかいじゅうが仲良くなり、あの乱暴者のレッドもピグちゃんの真摯な言葉を受けて改心した。
他の仲間たちと同じように、ピグちゃんにもまた、自身にしか持てない素晴らしいかいじゅうパワーがあったのである。
◇カネちゃん(CV:
福圓美里)
元気いっぱいで活発、ちょっぴりお調子者な性格のこどもかいじゅう。楽しい事が大好きで、「かいじゅうや」が開店するきっかけを作った。
モチーフである「
カネゴン」と同じように、宝石のようなキラキラしたものが大好き。
鉄を食べる事も出来るようで、ダダちゃんの手伝いの時は鉄を口に含んで加工するという器用な事をやっている。
また、モチーフの怪獣がお金絡みという事もあってか計算も得意で、4桁の数字の足し算もお手の物。
他にも、ノーちゃんのアイデアでバンドを組んだ時にはドラムを担当しており、その腕前は歌が得意なノーちゃんからもお墨付きを貰っている。
どさくさに紛れてシンバルの一部を食べてしまっていたが
かいじゅうパワーはお尻からのロケット噴射で空を飛ぶ事だが、本気で焦った時に勝手に発動するので本人の自由に使えないのが難点。
第2シリーズでは怪我を治してくれたことがきっかけでムゲちゃんと仲良くなっている。
声を演じた
福圓美里は、後に「
ウルトラマンZ」に登場したカネゴンの声も演じており、特に声のトーンはカネちゃんとほぼ同じである。
◇ダダちゃん(CV:
真堂圭)
「
ダダ」がモチーフのこどもかいじゅう。かいじゅうパワーは透明になる事。
クールで意地っ張り、へそ曲がりで皮肉屋な性格。ノーちゃんと音楽ライブで張り合ったり、イタズラばかりのガッちゃんに雷を落としたこともある。
そのため、最初は「かいじゅうや」のメンバーになる事に乗り気ではなかったが、巨大
ロボット・ゴンが突如稼働した際にピグちゃんやカネちゃんに助けてもらった事で考えを改めてメンバーに加わった。
また煽りにも弱いようで、「ダダちゃんには無理だよね~」と言われて意地になった事も。
その一方で友情に厚く、自分が悪いと感じた時にはしっかりと謝ったりと根は優しい一面もあり、チョーチイ星にやってきたピグちゃんとは最初の友達になった。
手先が器用で発明が得意な頭脳派で、夢はゴンのような巨大
ロボットを制作する事。
また第2シリーズでは巨大ロケットを作る夢も抱いており、皆と協力して宇宙へ向かうロケットの制作に取り組んだ。
実は承認欲求満載でナルシストな所もあり、前述のノーちゃんとのライブバトルで披露した歌詞は「チョーチイ星で一番の天才のダダを称えよ」という感じのとんでもない内容だった。
しかし、バトルを始めた2人の歌が奇跡的に嚙み合った結果ライブは盛り上がり、2人は仲直りしたのだった。
◇ミクちゃん(CV:ねいろ)
「
ミクラス」がモチーフのこどもかいじゅう。
いつも無邪気で好奇心旺盛な性格だが、「楽しい事をいっぱいしたい!」という依頼をかいじゅうやの3人が奪い合った時には流石に困惑し、本人の事情もお構いなしに無理やりスケジュールを完遂させようとした3人に怒っていた。
かいじゅうパワーは体の大きさを変える事で、虫よりも小さいサイズにミクロ化出来るが、逆に寝ぼけて超巨大化した事もある。
虫が大好きで、小さくなってアリやテントウムシ、ハチに乗ったり、
カブトムシと一緒に樹液を飲んだり、ミクロな体だからこそできる体験を楽しんでいた。
また、空を飛ぶ事が夢で、かいじゅうやの面々の協力を得て人力飛行機で空を飛んだ事も。
◇ゴモちゃん(CV:
渡辺明乃)
「
ゴモラ」がモチーフのこどもかいじゅう。かいじゅうパワーは地面に潜る事。
花や野菜を育てる事が大好きで、沢山の美味しい作物が実る大きな畑を有しており、かいじゅうやの面々もよく収穫の手伝いに訪れる。
普段は優しいがマナーや野菜の扱い方には厳しく、特に意地汚いクレロンちゃんはよく注意されてしまっている。
◇クレロンちゃん(CV:
岩崎諒太)
モチーフとなった「
モットクレロン」と同じように食いしん坊のこどもかいじゅう。呑気だが少し臆病な性格で、「○○ロン」と喋る。
モチーフ通りとにかく食べ物が大好きでいつも腹ペコ。花の種を貰った時も食べ物が実ると思い込み、お花が咲いた時は最初がっかりしてしまった。
一方で、リンゴの美味しい所を食べて残りはポイ捨てしたり、泥んこ遊びをした後も手を洗わずにご飯を食べたり、若干意地汚い所も。
声を演じた岩崎諒太は、後にウルトラギャラクシーファイトシリーズで
ウルトラマンゼノンの声を演じている。
◇ノーちゃん(CV:
原涼子)
まさかの
円盤生物「
ノーバ」がモチーフのこどもかいじゅう。空を自在に飛ぶ事が出来る。
おしゃべりで陽気、オシャレが大好きな性格で、よく色々な物事を歌にして歌っている。一方で気が強く目立ちたがり屋でもあり、ダダちゃんとライブバトルを繰り広げた事もある。
また義理堅い側面もあり、クレロンちゃんと交わした秘密を懸命に守ろうとした事も。
クレロンちゃん自身のせいで努力は無駄になってしまったが
土いじりも平気だが、実は虫が苦手で、ゴモちゃんの畑仕事の手伝いの最中に芋虫を見た時はビビってしまっていた。
◇ジョーちゃん(CV:ひいろ)
よくかいじゅうやの手伝いをしてくれる
ロボットのこどもかいじゅう。心優しいが恥ずかしがり屋で内気な所も。
かいじゅうパワーは体をバラバラに分離させる事だが、モチーフとなった「
キングジョー」とは異なり、頭&両手・体・下半身の3つに分離する。
その際に意識も3つに分かれるようで、それぞれ別々の行動が可能になるが、あまりにハードワークを課すと疲れてしまい、全ての体の部位の行動が停止してしまう。
もっと格好良くて強い
ロボットになるのが夢で、ダダちゃんに改造してもらった事もあったが……。
◇レッド(CV:
関智一)
力自慢のこどもかいじゅう。モチーフはお馴染み「
レッドキング」。
第1シーズンでは
悪い意味で典型的なガキ大将気質で、遊びに乱入して自分勝手なルールで滅茶苦茶にしたり、畑や家を
荒らしたりと乱暴ばかりでトラブルメーカーな側面が強かった。
だが、かいじゅうまつりの準備中に乱入して滅茶苦茶にした結果、ピグちゃんを始めとする皆から参加を拒否され、自分が嫌われている事実を思い知らされ泣き出してしまった。
そして、それを見たピグちゃんから「本当はレッドの怪力に憧れていた」「レッドの怪力が自分にあったらみんなを助けられると思っている」と諭され改心。
誰かを助ける事の嬉しさを知って以降はピグちゃんを始めとした皆と打ち解け、トラブルメーカーなのは相変わらずだが皆のために奮闘する
良い意味でのガキ大将となった。
ケムちゃんとは根っからの
ライバル同士のようで何かにつけて張り合っているが、その勝負の中でスフランからピグちゃんやカネちゃんを協力して救出した事を契機に良いコンビぶりも見せるようになり、
ジャミちゃんも加えて「
すごいかいじゅうや」を結成した事もある。
ジロちんと共に、こどもかいじゅうながら名前が「○○ちゃん」ではない。
声の人はウルトラシリーズを含む日本の様々な特撮ヒーロー作品の常連俳優・声優として知られている。
◇ケムちゃん(CV:
潘めぐみ)
運動神経が抜群で、高速移動を得意とするこどもかいじゅう。モチーフは「
ケムール人」。
忍者ごっこが大好きでいつも忍術修行をしており、
バルタン星人でもないのに「○○でござる」と忍者のような口調で喋る。
レッドとは根っからの
ライバル同士で何かにつけて張り合っていたが、スフランからピグちゃんやカネちゃんを協力して助けて以降は良いコンビぶりを披露する事が多くなった。
こちらの声の人も、
ライバルのレッドの声の人と同様多数の特撮ヒーロー作品に出演している事で有名。
◇ジャミちゃん(CV:
田中裕二)
あの「
ジャミラ」がモチーフ。第1シリーズは台詞なしのモブとして登場していたため、本格的な出番は第2シリーズからとなった。
豊富な知識を持つ物知りなこどもかいじゅうで皆への指導も上手だが、
オタク気質な所もあり、趣味の化石の話になると止まらないのが玉に瑕。
かいじゅうパワーは
火炎放射で、第1シーズンではそれを活かして焼きトウモロコシ屋を開店していた。
お笑いタレントとしても有名な声の人は、相方と共に2018年・2019年のウルトラマンフェスティバルの公式サポーターを務めた事がある。
◇ガッちゃん(CV:
金田朋子)
こちらも第1シーズンは台詞なしのモブとして登場していたため、本格的な出番は第2シリーズから。
モチーフの「
ガッツ星人」と同様、3人に分身する事が可能。
声の人からも連想される通りいつも賑やかで騒がしくイタズラ大好き性格で、ダダちゃんの手伝いをしようとしては余計な事をやらかして怒られてしまうのが恒例行事。
一方で整理整頓と言う意外な得意技があり、ダダの部屋を含めこどもかいじゅうたちの部屋を手際よく綺麗にして感謝されていた。
◇ムゲちゃん(CV:のん)
心優しく大人しい性格のこどもかいじゅうで、第2シリーズから登場。本を読んだり花を育てたりするのが大好き。
また褒め上手な一面もあり、ムゲちゃんの優しい言葉には喧嘩ばかりのレッドやケムちゃんも敵わない。ピグちゃん曰く「言葉の魔法使い」。
かいじゅうパワーは傷や物の破損を治すという優れものだが、使いすぎると自分が疲れてしまう。
傷を治した事がきっかけで自分と正反対な趣味嗜好のカネちゃんと知り合い、互いに理解を深めていった。
モチーフは
ウルトラマンコスモスに登場した宇宙妖精「ムゲラ」という意外なチョイス。
その事もあり、ムゲちゃんが登場するエピソードでは人形やイラストなどにコスモスが顔を見せている。
◇エレちゃん(CV:
飯田里穂)
「
エレキング」がモチーフのこどもかいじゅうで、普段はチョーチイ星の海や湖の中で暮らしている。
「エレガントなエレちゃん」と言う自称の通り上品な性格で、料理やダンスが得意なアクティブな一面も持つ。
驚いたり怒ったりすると放電し、周りの皆を痺れさせてしまうが、無意識なのでエレちゃん自身はその事に気づいていない。
普段はUFOのような形をした、巨大で派手な家に住んでいる。
◇ジロちん
「
ハネジロー」がモチーフのこどもかいじゅう。
台詞はないが毎回物語のどこかに登場しており、公式ホームページには「ジロちんをさがせ!」というコーナーが存在してる。
時には、ピグちゃんたちがピンチだったり若干シリアス気味なムードになっている状況でこっそり顔を見せているシュールな場面も。
◇ギガちゃん
「
ギガス」がモチーフのこどもかいじゅう。
力持ちで、口からの吐息で何でも凍らせてしまうかいじゅうパワーを持つ。
アニメでは台詞がないモブキャラクターとして登場しており、第2シリーズには出番がなかった。
◇バオちゃん
『
ウルトラマンダイナ』に登場した怪獣「
バオーン」がモチーフ。
いつも寝てしまうのがかいじゅうパワーらしく、あくびを見ると周りの皆も眠くなってしまう。
アニメでは第1シーズンでモブキャラクターとしてのみ登場。
<その他>
◇ゴン
「
クレージーゴン」そっくりの謎の巨大
ロボット。
ダダちゃんが見つけた不思議な
ロボットで、ダダちゃん曰く「伝説のスーパーロボット」。
最初は動かないまま放置されていたが、ダダちゃんがスイッチを入れた事で突如起動。以降は森の中で静かに暮らしている。
一時は「
怪獣を食べる怪獣じゃないか」とノーちゃんたちに誤解されかけたが、実際は困っている皆を助ける事を生き甲斐とする心優しい性格で、皆からの「ありがとう」という感謝の心をエネルギー源としている模様。
シャッターの中にある部屋には沢山の玩具や図鑑、そしてゴンと仲良く遊ぶ子供たちの絵が収納されている。
◇ガマクジラ
チョーチイ星の海に住む巨大な怪獣。ゴンと同様にデフォルメされておらず、こどもかいじゅうと比べるとかなりの巨体である。
絵本「うみピカピカだいさくせん」では伝説の怪獣として登場しており、ピグちゃん、カネちゃん、ダダちゃんが潜水艦に乗って捜索する事に。
◇スフラン
第2シリーズ・第7話「ケムちゃんとレッドのアスレチックたいけつ!」に登場したお化け植物。
レッドとケムちゃんの勝負を見守るピグちゃんやカネちゃんに襲い掛かり、2人を長いツタで締め上げたが、レッドの怪力とケムちゃんの俊敏さの前に捕り逃してしまった。
歴代ウルトラシリーズのスフランとは異なり、きはらようすけ氏が手掛けた、怖い顔をした球根から蔓が伸びたようなオリジナルデザインの全体像が登場している。
◇ウルトラマン、グリッドマンなど
今作では
ウルトラマンを始めとする円谷ヒーローは直接登場しないが、人形やイラストなどで時々顔を見せている。
また、第2シリーズではダダちゃんが思い描いた「海の中で秘密に作られている巨大
ロボット」の想像図として何故か『
SSSS.GRIDMAN』バージョンの
グリッドマンが登場した事がある。
◇たべものかいじゅう
絵本「たべものかいじゅうあらわる!?」に登場した謎の巨大怪獣。
ピグちゃんたちが食べ物を持ち寄って開いたパーティーの翌日に現れ、強烈な悪臭でこどもかいじゅうを苦しめた。
だが、ピグちゃんはその怪獣の体が、あの時パーティーで無駄になり捨てられた大量の食べ物で構成されている事に気が付き…?
その正体は、アンノン星からやって来た宇宙人のアンちゃん。
食糧不足で苦しむアンノン星から食べ物を求めて宇宙を捜索していたところ、感謝という言葉と裏腹に食べ物を無駄にしてばかりのチョーチイ星のパーティーを見て憤慨し、巨大怪獣になって襲い掛かったのである。
アンちゃんの説教に、こどもかいじゅうたちは返す言葉もなく、自分たちの行為を大いに反省するのだった。
元ネタである「
アンノン星人」は本編では目玉だけしか見せておらず、ネジに手足が生えたような全体像はこの絵本オリジナルである。
【作中用語】
◇チョーチイ星
物語の舞台で、オープニングにも歌われている通りK10星雲にある小さな星。こどもかいじゅうが仲良く暮らしている。
沢山の果実やキノコが実る森、どこまでも続く草原、たまに噴火する火山、綺麗な湖や海まで多種多様な自然がある一方、
超
巨大生物の化石が眠る砂漠、謎の古代遺跡を模したテーマパーク「ともだちランド」、「夢の石」を捧げると願いを叶えてくれるという「大地の巨木」がある森など不思議な場所も多い。
◇かいじゅうや
ピグちゃん、カネちゃん、ダダちゃんが結成したお店。
当初は「面白そうだから」と言う理由で設立された事もあり目的が定まっていなかったが、動き出したゴンからダダちゃんを救出した事をきっかけに「かいじゅうパワーで困っているかいじゅうを助ける」事がモットーとなった。
ゴモちゃんの畑の作物収穫のお手伝いからノーちゃんの話し相手、ミクちゃんの遊びの付き合いなど様々な案件を受け持つ、いわゆる「何でも屋」的なポジション。
レッド、ケムちゃん、ジャミちゃんが3人に対抗して「すごいかいじゅうや」を立ち上げた事もある。
◇かいじゅうパワー
こどもかいじゅうが持つ様々な特殊能力。
火炎放射、分身、治癒などの不思議なパワーから怪力、高速移動、更には「友達を作る力」など一見わかりづらいものまで、個性豊かなかいじゅうパワーが存在する。
◇ワンダバダ
こどもかいじゅうたちの掛け声のようなもので、本作を代表する言葉。
何かに気づいたり反省したりした時には「
か・い・じゅ・う・ワンダバダー!」の掛け声と共に様々な教訓やまとめを述べるのが定番。
基本的には子供向けアニメらしく、ためになる教訓やしっかりとしたまとめが多いが、先にサッカーのルールを破ったレッドが自分を棚に上げて「ルールを守るのが大事」と述べて皆から呆れられたり、カネちゃんが「自分で自分の体をくすぐっても気持ちよくない」というくだらない教訓を述べてピグちゃんやダダちゃんから顰蹙を買った事もある。
また、仲違いしかけたピグちゃんとダダちゃんが(その原因である)レッドに無理やり仲直りさせられた時は、「ワンダバダ」のシーンのアニメーションも
BGMも非常に暗くやる気のないものになっていた。
なお、「ワンダバダ」自体が「(ちゃんとした)気づきや反省を述べる」と言う意味の1つの固有名詞になっているらしく、「
ワンダバダする」という言葉(動詞)も存在する模様。
【余談】
- 2020年にテレビ東京系列で放送された『ウルトラマンZ』では、放送に合わせてYouTubeの円谷公式チャンネルにてその週の話にちなんだ作品を1週間限定で無料配信する「応援配信」を実施していた。
その中で、第13話「メダルいただきます!」の放送に合わせ、かいじゅうステップ屈指のカオス回である第1シーズン・第24話「ロケット カネちゃん!」の応援配信が行われている。
ウルトラQの「カネゴンの繭」が放送されるかと思ったら意外なチョイスに驚いた人、この配信で『かいじゅうステップ ワンダバダ』を知った人ももしかしたらいるかもしれない。
- ウルトラシリーズを基にしたデフォルメキャラクターが活躍する作品としては、1990年代まで展開が行われていた『ウルトラマンキッズ』が存在するが、そのテレビアニメ作品の1つである『ウルトラマンキッズ 母をたずねて3000万光年』はNHKのBS2(初回放送)および教育テレビ(現:Eテレ)で放送されていた。
最終更新:2024年09月03日 19:20