ブースタ(AC)

登録日:2025/02/23 Sun 10:25:05
更新日:2025/05/23 Fri 19:11:50
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ここではフロムソフトウェア製作のロボアクションゲームARMORED COREシリーズに登場するブースタについて解説する。


もしかして?:ブースター(ポケモン)



「ブースタ」は、ACの『ブースト出力(推力)』と『ブースト消費EN』を左右するパーツである。
エネルギー供給量とキャパシタ容量に関わるジェネレーター、照準を司るFCS、冷却性能を決定するラジエーターと並ぶ、ACの内装の一つにして代表格。
PS2作品にしか存在しないラジエーター、N系で途絶えたオプションパーツとは異なり、「ブーストダッシュやジャンプをするためのパーツ」という分かりやすいを通り越して他のことをやりようが無いパーツなだけに、ブースタはジェネレーターやFCSと同様、基本的な役割が初代以来全く変わっていない。
他の内装と同様に要素が追加・削減されたこともあるが、パラメータに『出力(推力)』『消費EN』の二点だけは常に存在し続けている。

若干の表記ゆれがあり、説明書の記述やゲーム内の表示はAC2系辺りまでは「ブースター」、AC3系頃から「ブースタ」が主流。
一方で資料集や設定画などの記述では「ブースター」表記も残っており、統一はされていない。公式からしてこのような調子なのと別段統一しなくても齟齬が出るような部分ではないこともあってかプレイヤー間でも強く意識される部分ではない。
「アセンブル」と「アセンブリ」の違いと似た状況と言える。


概要

ブースター (booster) の意味は直訳で「増強するもの」。
航空機の分野では、航空用エンジンの部品やロケットエンジンの推進装置の周りに装備する補助的なエンジンを指す。
スペースシャトルの両脇に装備される補助ロケットなんかが丁度「正しい意味でのブースター」である。

ACでは「メインロケットエンジンそのもの」を指す。基本的に脚によって地上を走る陸上兵器であるACにロケット噴射による急速なダッシュ、または極一時的な飛行能力を与えるのがブースターである。まあゲーム内で歩行を使う機会はほぼ無いが
基本的に背部に二基*1装備され、ノズル部分が機外に飛び出しており、4系までは噴射炎の色にも関係するため、「内装」でありながらも僅かながら外見に影響を及ぼす。
性能より噴射炎の色で決めていると思しきCPU機体も散見される。

LR以前の作品では、ブースターの使用中にENが回復しないため、基本的に「飛び続ける」「ダッシュし続ける」ことはできない。それゆえに編み出された基本テクニックこそ「小ジャンプ移動」である。
4系ではステージが広くなったのもあってかブーストダッシュ中もENが回復するようになり、V系以降はそもそもENを消費しなくなったが、一説にはフロムが小ジャンプ移動でぴょんぴょん跳ねるACの姿に思う所があったからとも噂されている。


V系まではEN武器の使用で消費するENと共有していたため、ブーストジャンプとEN武器の使用は互いにENを食い合い双方の使用時間または使用回数を大きく削ることになる。
逆に言えば、ACはブースターの使用による「燃料切れ」自体は起こさない。
どういう原理の推進装置なのか、ACでは珍しいことではないが具体的な原理等の詳細は不明である。


当然ながら出力は高ければ高い程にスピードが出るようになり、またAC本体の重量が同じなら出力が増える程にスピードは上がる。
しかしこれまた当然、ハイパワーであればあるほど燃費や装備コストも悪化傾向にあり、長時間のダッシュや飛行は難しくなる。
逆に低出力低燃費のブースターは空中戦や滞空には向くが中量級以上の重量帯だとスピードが全く出なくなるため、特に重量機に乗せた場合は探索や三次元機動には向かないし敵機との撃ち合いでは動きが鈍過ぎて的と化す。
「高出力低燃費なブースター」というものも皆無ではないが当然そのような豪華仕様でノーリスクな訳がなく、消費EN以外の無視できない欠点があったり「軽量機なら十分な出力」という意味でしかない品だったりする。

燃費の悪さを飲み、高出力なブースターでカッ飛ばす』か『敢えて低出力低燃費のブースターを使用し、空中戦やEN武器を主力とする』かの迷いどころはACを構築する上の醍醐味である。
「高出力燃費劣悪な重量級orスピードスター向け」「軽量低燃費な軽量級or空中戦向け」といったブースターは大概の作品のお約束。

またシリーズで共通して、タンクとフロートはブースターを装備できない
ダッシュ・滞空性能は脚部に装備された固有のブースターの性能に依存することになる。
逆を言えばブースター代を浮かせることができるため、資金の厳しい最序盤はタンク・フロートに乗ってその分をフレームや武装に回すという選択肢もある。

そして内装の例に漏れず、初期ブースターは非常に性能が低いのがお約束
初期ブースターを装備している限りは、素早い機動も空中戦も望むべくものないもないので、フレームを変えるより武器を変えるより、最初にジェネレーターを買い換えたら、その次はブースターを乗せ換えるのが基本である。


2系からは本体に内蔵される、起動すると一瞬のチャージ時間の後に大量のEN消費・発熱と引き換えに機体を急加速させ、急速な突進または離脱ができるようになる「オーバードブースト(OB)」と呼ばれる新機能が追加された。
OBの性能はN系まではコアに依存するためパーツとして選択・変更することができなかったが、4系以降はブースターの性能に移行したため「OB(またはそれに類する機能)に優れたブースター」という選択肢も生まれている。
本項では便宜上OB搭載型コアも取り扱う。

また同じく2系から追加された装備として、背部やエクステンション(肩部)に装備される「追加ブースター」と呼ばれるものもある。
ブースターの推力を増強したり一定方向へ急加速したりと、EN消費は馬鹿にならないものの装備すれば独特の挙動を実現する。
勿論、流石に限度はあるので度を越した重量機では実現はできない



各作品のブースター

初代シリーズ

例の如くその性能は極シンプル。
重量とEN負荷の他は「出力」と「消費EN」のたった二点しか性能が無い*2ため、ごく単純な機体重量やスピードに対して「出力」と「消費EN」のバランスにどう折り合いを付けるかの時代だった。
速度の上限も厳しめに設定してあり軽めの中量級や軽量級の場合は上限に達しやすいため、これらの機体の機動力差は速度ではなく持久力によって生じるゲームバランスとなっている。
本作で登場した「全方面に性能劣悪な初期ブースター」「高出力かつ扱いが難しい燃費極悪(だが強化人間なら使いこなせる)ブースター」「とにかく持続性を追い求めた低燃費ブースター」は以降のどの時代にも存在する伝統パーツとなっている。


特徴的なブースター

  • B-P320
初代初期ブースター。
極端に低燃費という程ではなく、それでいて出力はダントツに低いという最初の産廃ブースター
ジェネレーターを買い換えたら、次はこれを買い換えねばまともな戦いは望めない。この傾向はN系までずっと続いて行く。
『PP』のトップランカー、エクレールは何の冗談なのか本機を採用している

  • B-HP25
『PP』にて追加。
初期ブースターをも下回る低出力、かつ圧倒的に低燃費という「最低出力・最低燃費ブースター」の始祖。
余程滞空性能の高さを発揮できるアセンと状況でなければ「とにかくスピードが出ない」という欠点の方が目立ってしまうので使い辛い類のパーツ。
これまた、この傾向は以降のシリーズにもほぼそのまま受け継がれている。

  • B-PT000
『MoA』にて追加。
それまで最も高性能高負荷ブースターだった「B-P351」を更に上回るぶっちぎりで最高の出力と最悪のEN消費量を併せ持つという非常に分かりやすい一品にして「ダントツ高出力、ダントツ高負荷ブースター」の先祖。
普通に使う分には過剰性能も良い所であり、燃費の悪さもあって実質的に強化人間用である。やはりこの傾向もN系まで続く。

『SLP』で復刻され、その時は高バランスの優秀なブースターに生まれ変わっていたのだが……。



AC2系シリーズ

本作から「発熱量」の要素が追加されたが、通常ブースターには特に関係は無し。
2系からの新機能として「オーバードブースト(OB)」が追加され、OB起動時は発熱が発生する*3
OBは各コアの固有性能として扱われるため、ブースターとは独立しており乗せ換えもできない。この仕様はN系まで続いている。

AC2のみの独自要素*4として、ブースターの消費ENがエネルギーの回復速度上限になるという謎の仕様がある。
低消費なブースターを使用したり、強化人間Lv5でブースト消費を半減すると却ってEN回復速度が落ちるため消費ENの大きいブースターの方がEN管理しやすくなり、強化人間Lv4で止めるという選択も生まれている。
この仕様は『AA』で撤廃されたため、フロムとしては不本意な仕様またはバグだったのかもしれない。

パラメータに「BOOST EFFICIENCY*5」という項目が追加されたがダミーパラメータであり意識されていない*6


特徴的なブースター

  • EBT-GR4300
超低燃費型ブースターの系譜。
やはり消費ENの低さには目を見張るものがあるが、初期ブースター以下の出力故にあまりにスピードが出ないため使い所が難しく、四脚に至ってはブーストダッシュすると却って遅くなる
これほどの代物でありながら『AA』にて救済されるどころか全体的に弱体化、出力低下と燃費悪化により元々悪かった立場は更に悪化してしまった。

なお本機を製造したエムロードには「ハイエンドモデルのブースター」と言えるものが無く、エムロード縛りでもしない限りはどの品も大体中盤辺りでお役御免となる。
「高級品より普及型」がモットーのエムロードのドクトリン的にはそれで良いのかもしれないが……。
似たコンセプトの企業のクレストはブースターに限らず高級モデルの製品も少なからず開発している。

  • ZBT-Z1/ARTERE
高出力高消費型ブースターの系譜。
上記の仕様によりこのタイプのブースターとして珍しく「基本ブースター」の一角に収まっている。
『AA』では仕様変更と出力低下により弱体化、もう一つの定番にして燃費を改善した調整版に当たる「ZBT-GEX/3000」の方が出番が多くなった。

  • BEX-BB210
エクステンションに装備される追加バックブースター。ACのお約束、強奪可能な護衛対象パーツの一つ。
起動することで急速後退、横入力しながらであれば急速斜め後ろ移動を実現する。
EN消費は決して軽くはないが、これを連発する「デンプシーロール」と呼ばれるテクニックが当時猛威を振るっていた。
あまりに振るい過ぎたからか『AA』にてエクステンションブースター全般が連続使用できなくなり、おそらく当初想定されていたであろう純粋な「斬り合いに付き合いたくない時に緊急離脱するためのブースター」となった。

なお、本機含めエクステンションブースターは全て小規模ながら技術力に定評のあるバレーナ製。

  • BEX-BD150
同じくエクステンションブースター。
起動することで急速に高度を下げるという効果を持つが全く使い道が無い
ただでさえ特にメリットが無い上にタンクとフロート以外で使うとドッスン着地して大きな隙を晒す。
残念ながら追加ブースター界きっての産廃と言う他は無い。

レミルACがこのパーツを装備している。他に装備しているのはE砂&ステルスというなかなか珍妙な組み合わせ。
ステルスで敵のレーダーを攪乱し、上空から急降下して敵の捕捉から逃れつつ一撃を叩き込む…という戦法を想定していたのだろうか。


  • BEX-BT180
こちらもエクステンションブースターで、AAから追加された。
起動すると急速に旋回する「ターンブースター」と呼ばれる装備の嚆矢。
敵機に張り付いて攻撃し続けたい時、旋回性の低い重量級機体の運動性の補助にと利便性は高く、続く3系でも愛用された。
N系ではEN消費量の増大でかなり使いにくくなってしまった。機動力補助目的で搭載したのであろうフォックスアイターンブースターを外して軽くした方がマシまである。



AC3系シリーズ

「BOOST EFFICIENCY」の項目が撤廃され、パラメータは再び初代系と同様のシンプルな形に。
極端に低出力に見えるブースターが散見されるが、実は下限値があるためそれらは大体初期ブースターの重量または燃費の面の互換品となる。
また上限値もあり、追加ブースターによって上昇させられる性能にも限度がある。

本作からOBは「OB搭載型コア」の機能となり、OBと追加武装「イクシードオービット(EO)」のどちらを取るかの二択となった。
とはいえ、この時代のEOは二次ロックせず攻撃してしまうため対戦に使える性能とは言えず、OBコア優位な時代だった。



特徴的なブースター

  • MBT-OX/E9
初代から受け継がれる「効率重視」ブースターの系譜。
低価格でありながら初期装備より出力・消費に優れ、いつの時代もミッション中盤まで活躍し、後進に道を譲るという非の打ち所がない優等生。

  • MBT-NI/MARE
出力と消費を両立したバランス型。
ミッションやアリーナで扱いやすいのはもちろん、対戦環境でも非常によく使われた。
特にSLの場合、速度がほしい場面では後述の008コアのOBを吹かせばいいというゲームバランスだったことも、このブースターの採用を後押ししていた。

  • MBT-OX/002
MBT-NI/MAREの互換品。性能は少しだけ出力と消費量が下がっている程度の差だが、圧倒的な価格の安さで優るため(入手にも修理費的にも)ミッションのお供。
対戦での出番はあまりないが、下記の両肩ブースターMWB-MX/WAKEとの組み合わせると出力上限の関係でベストに近い組み合わせになる特徴がある。

  • CBT-FLEET
最高出力・最悪燃費ブースターの系譜。
スピードは出せるがとにかく燃費が悪いので平たいステージのタイムアタック以外での使用はよく考える必要がある。
プレイヤーが使う時は燃費の悪さが大きな課題となるが、強化人間が使用すると燃費の問題が解決するので好相性。
……という訳で、オプション数無視が許されるトップランカーの多くがOP-INTENSIFIとセットで使用している。ズルい

因みにパーツ名の「FLEET」は、ここでは「艦隊」ではなく「速い」という意味の形容詞の方の意味と思われる。

  • MWB-MX/WAKE
装備しているだけでブースター性能を向上させる「背部追加ブースター」。
両肩スロットが埋まってしまうため火力が大きく低下し、おまけに両肩に中型ミサイルを積むくらいの重量があるのと、上記の通り出力上限があるので考えなしに積んでも大して速くは、ましてや強くなるパーツではない。
低出力低消費ブースターを装備した重量級機体でスピードアップを目指すとか、レギュレーション無し対戦会で防御重視フレームと、反則的火力を持つ800マシとのセットで装備するといった運用法が主。

なお『SL』のオープニングではクレスト強襲型がフレア代わりに使用してミサイルを撒くという印象的なシーンがあるが本パーツはパージ不可能なのであれはフロムマジックである。

N系でもデザインそのままに「WB31B-PEGASUS」という名で続投。
W鳥が武装の基本となり、コアによっては格納武器も積めるので火力不足も感じにくい。ただしコイツを装備するとブーストの発熱量が更に増す事には留意。
GULLの加速力を補う目的でコイツを積んだ日には…

  • CEBT-HEX
エクステンションブースターの一つ。
「空中の待機行動を可能とするホバーブースター」との触れ込みだが、その実態は起動後に降下すると地上スレスレで起動時高度まで急速上昇するようになるオートジャンピングブースターとでも言うべきもの。
『SL』で説明文通り起動時高度でENが続く限り浮遊し続けるブースターとなった。
上下運動の繰り返しは回避運動になったが無意味な滞空は的になるだけなので、高出力ジェネと組み合わせて無限飛行しつつ空爆するとか、空中から接近し続ける多数の敵機を空中で迎撃するとか、地雷原や足場の悪い地形で飛び回るといった目的で使うとよい。

  • MEBT-OX/MB
こちらもエクステンションブースター。
説明文では「上下の緊急回避を可能とする」とあるが、実際の挙動は「向いている方向に急加速する」。なので水平移動も可能。というかそちらがメインの使い方。
上下方向の移動は事前に視点を動かしておかなければならず、それも大きめに仰角or俯角を取っていないと上下移動してくれないからだ。
前方限定のQBと割り切れば色々と面白い使い方が出来るパーツ。

  • MCM-MI/008
『SL』で追加されたOBコア。
「高出力低燃費」という優秀なOBに加え、「軽量」で「頑丈」で「OPスロットが豊富」と四拍子揃ったぶっちぎりに高性能なコア。弱点は迎撃装置が無いことと入手の遅さからミッション攻略に向かないことくらい。
あまりに高性能過ぎて対戦会ではほぼ一択で、あまりに代わり映えしないということで嫌われがちだったという。
ではこれを禁止すれば良かったのかというと、そうしたらそうしたで攻撃側が極端に弱くなり本機の重量級モデルと言うべきMCH-MX/GROAを利用した引き撃ち機ばかりになってしまい迂闊に禁止指定すると余計に対戦が面白くなくなって状況悪化したという。
バランスブレイカーを通り越してこれ一択だったが故に使用禁止にもできなかったというACどころか対戦ゲーム界全体でも稀有なパーツ。

N系では大分マイルドになり「OBコアのエントリーモデル」といった位置付けに。



ACN系シリーズ

N系とひとくくりにはしているが、作品ごとにかなりバラつきがあるのが特徴。
共通点として、防御係数などの他のややこしい仕様共々、ブースター出力の上限・下限が撤廃されたため数字通りの性能になった。
N系からはOBのみならず通常ブーストでも発熱するようになったため、各ブースターに「ブースト時発熱量」が追加され、「高出力」「低燃費」の他に「低発熱」という魅力や選定基準が生まれた。

『LR』では更に「ブースト加速度」のパラメータが設定され、「瞬発力に優れる」「継続的なブーストダッシュ向き」という基準も生じている。

OB周りはというと、OBコアとEOコアの二択から本作からは「無機能コア」との三択となった。
今回は「OB予熱」と呼ばれる隠しパラメータがあり、OB起動から実際に動き始めるまでのタイムラグの間にも発熱するように。
通常ブーストしながらOBを使うと一気に熱が溜まるので以前とは使い方を変える必要が出て来た。
『LR』ではコア損傷により大きく性能低下することからOBコアの立場は弱め。


特徴的なブースター

  • CR-B83TP
型番の最後から「TP」の通称で愛された高出力燃費劣悪ブースターの系譜。
この手のパーツは強化人間専用パーツの感が強かったが、本作ではそのスピードと瞬発力を買われ主に『LR』の対戦で人気。
燃費はともかく発熱量が低めなので低発熱ジェネ&軽量ラジの「ロータスハゼル」にこれを組み合わせるアセンは定番の一つだったという。
一方、空中戦が全くできない弱点を突かれやすくなる。
特にポータブル版(LRP)では上下操作が困難な関係もあって、B03-VULTURE2によるトップアタックで完封される事例も増えたとか。

  • B03-VULTURE2
LRにおける基本ブースターの一つ。
出力と加速度は↑のTPに負けているが依然高水準をキープしており、それでいて消費ENと発熱はTPより抑えられており汎用性に優れる。
NXでは出力の割に消費量が多い上、環境的に特化型が猛威を振るったため影の薄い存在だったが、
LRでは多くのブースターが出力増消費増という調整がされている中、こいつだけ出力増・消費減というとてつもないアッパー調整を受けて他のパーツの存在意義を食ってしまった。
G91+ANANDAとの組み合わせは「ロータスハゼルTP」に匹敵する定番アセンとして広く使われていた。

  • B05-GULL
通称「グル」。正しい読み方は「ガル(カモメの意味)」。N系で全てのパーツが名称変更される中で唯一3系から名前を引き継いでいる。
通常ブーストでも熱が出るN系ならばこその「トップクラスの高出力&空戦用並みの低燃費」、その引き換えに「圧倒的に爆熱」という性質を持つ。
熱管理の厳しいN系で使うには難儀な発熱量だが、逆に言えば熱をどうにかできさえすれば非常に優秀なので低発熱なロータスや不動といったジェネとアナンダ等の高性能なラジとの組み合わせは高い人気を持っている。折角だから爆熱ジェネレーター、クジャクとも組み合わせてみよう

が、LRでは加速度が低めに設定されたため地位が下落。
レイヴン作品では基本中の基本である「小ジャンプ移動」に向かず、一直線のブーストダッシュで距離を詰めるか横滑りするかという独特の挙動が求められる。

  • B01-BIRDIE
NXではシリーズ伝統の効率重視ブースターかつ圧倒的な低発熱というレイヴンに優しいパーツ。かのKUJAKUとは相思相愛の関係である。
…だったのだが、LRの調整で低消費の特徴が取り払われてしまった。このためパーツ説明文が完全に詐欺状態。
代わりに極めて高い加速度が設定されたため、出力こそ劣るものの機敏な操作が可能になっている。

  • VASUKI
LRPの追加パーツ。
元々はSLPで追加された『MoA』の高出力ブースター「B-PT000」の復刻品のN系版にしてキサラギ唯一のブースター。
キサラギ製だけにその性質はとんでもなく曲者で、ダントツの加速力の為に他の全てを投げ捨てたブースターと言っても過言ではない凄まじい代物。
出力自体は然程高い訳ではなく、発熱量もグルに匹敵する高発熱という汎用性とは真逆を行く品なので使い道はかなり限られている。超上級者向けと言えよう。
これと緊急冷却性能に優れたラジエーターを組み合わせ熱暴走前提の戦術で大会に挑んだレイヴンも居たとか居ないとか……。

  • C03-HELIOS
外見も性能も尖りまくったOBコア。
ハイパワーかつ低発熱なOBを持つがとにかく脆いので、そのOB性能を駆使して飛び回り続ける運用が求められる。
ACでは珍しい細身でスマートなデザインで、OBを起動するとV字に広がる噴射炎と共に敵に突進するという素敵性能は間違いなく突出している。

  • CR-E98HB
前作の「CEBT-HEX」の外見と性能を受け継いだエクステンションのホバーブースタ。
N系では消費ENを抑えた機体に高出力のジェネレーターを搭載して、ホバーブースタのブースト時消費ENを上回るEN供給を確保した機体でホバーブースタを使用すると、
ホバーブースタ起動中であってもENが回復していく。通称「無限飛行」。
滞空中は少しずつ高度が下がっていくため適度に通常ブーストで上昇する必要はあるが、EN消費ゼロで飛行できるため、
足場の間をブースト移動で飛び移る類のミッションに無限飛行ACを持っていくと簡単に攻略できる。
ただし、平面的にゆっくりとしか動けないため対AC戦ではN系でも役立たず。

ナインブレイカー』のアリーナには、上記の無限飛行を行いながらスナイパーライフルで狙撃してくるランカー「リッチ・スティッチ」が参戦している。
ただしAIはホバーの使い方が下手で、ホバーと通常ブーストを同時に吹かして勝手にチャージングしてしまう悪癖があり、機体を全く生かせていない。
腐ってもWYRM(マガスナ)のダブルトリガーなので瞬間火力は高いが無限飛行のために防御力を犠牲にしているため、攻撃力を確保していればまともに射撃戦をしていても撃ち負けることはそうそうない。


AC4系シリーズ

前作までとの大きな違いとしてブーストダッシュ中にもENが回復するようになり、空中戦や無限飛行も簡単になった。
一方、固有パラメータ数はN系から一気に増大し歴代で最も複雑な7項目に増えた。

基本性能は
  • 横方向は「水平推力」「水平消費EN」
  • 飛行時は「垂直推力」「垂直消費EN」
に細部化され、またステップ移動に当たる「クイックブースト(QB)」実装に伴い、
  • 「クイック推力」
  • 「クイック消費EN」
  • 「クイック噴射時間」
  • 「クイックリロード時間」
と一気に項目が追加された。
QB性能はブレードの踏み込み速度とも直結するため、「通常推力かQB性能か(≒遠距離戦向けか近距離張り付き・ブレーダー向けか)」「QBを連発するか一回で大きく動くか」という方向性の違いも生まれ、更に
  • 背中の「メインブースター」で、前進と上昇
  • 肩の「サイドブースター」で、横移動
  • 腰の「バックブースター」で、後退
  • 背中の「オーバードブースター」で、突撃
まで個別調整できるようになった。
本作にてOBはブースター自体の性能に移ったためコアに拠らずにOBの性能を調整できるようになり、また2系以来久々に全コアでOBができるようになった。

熱仕様の撤廃で、OBは発熱に代わって「KP消費」となり、OBを使用する毎(し続ける程)に防御力が低下する仕様になったので、KP出力の依存するジェネレーターと選定基準を相談しながら取りたい戦法や特性に応じて使い分けるのが肝要。
産廃に片足を突っ込んでいた「低出力低負荷低消費」モデルは、近距離射撃やブレーダーのバックブースターなど、性能を度外視できる部位に負荷の低さを取って採用されることも。
企業ごとのパーツの性能と得意戦術がはっきり分かれた事と世代間格差が撤廃されたため、ジェネと同様本作の初期ブースターは基本的に産廃ではない
例えば高出力高消費モデルに近しいアリーヤのブースターは、「一気に突撃して近距離撃ち合いや斬り合い」をする限りは最後まで付き合えるし、逆に空中戦には向かないのでそれがしたいなら高性能高負荷モデルだからこそ即取り換えるべきという塩梅になっている。
プラズマ砲やレーザーライフルにENを使いたいテルスに装備された低燃費ブースターや、遠距離での撃ち合いが得意なサンシャインの通常推力と燃費重視ブースターも同様である。

設定によるとネクストが装備するブースターはコジマ粒子を利用したロケットブースターで、「ジェネレーターから供給される電気的エネルギーを推進力に変換する非化学ロケット」「ENは大量消費するが推進剤の消費は少量なため、余程の無茶をしない限りはブースターより先にジェネレーターが燃料切れ*7を起こす」とのこと。
QBはブースター内に蓄積されたコジマ粒子をプラズマ化させることで瞬間的に大推力を生じさせるという原理。
ブースター内にコジマ粒子が溜まり切るまで連続使用できないという設定もあり、おそらくこの「溜まり切るまでの時間」がゲーム内のQBリロードタイムに相当すると思われる。
またOBも基本的な原理はQBと同じで、「展開されているPAを吸収して一定量のコジマ粒子を蓄積、プラズマ化させることで大きな推力を生み出す(初期加速以降はジェネレーターが供給するコジマ粒子を使用する)」とのこと。どうやらコジマ粒子が継続供給されるか否かの違いの様子。
本作ではネクストAC特有の機構のようで、ノーマルACはOBを持っていないようだ。


「企業標準機」の概念が存在する本作ではブースターも各標準機に合わせた仕様となっており、概ね以下の性質を持つ。
クーガー
重量~中量級。「コジマ技術に出遅れた名門エンジンメーカー」という設定に違わず、QBに関する性能は低い代わりに通常推力とその消費ENには優れている。
QBを吹かしまくる近距離戦より通常ブーストを利用した遠距離での撃ち合いに向く。元々GAマン前提のブースターだが、『fA』でGA傘下となって以降はBFF機もクーガー製を採用しておりこちらとも好相性。
ローゼンタール
バランス型志向の中量機に合わせた、尖った面の少ない比較的軽めの品。
オーメル
AC4の時代では空戦向け軽量機に合わせて、上昇力やQB噴射時間に特化した軽量級。
『fA』では高機動戦特化機体向けの、特にQB性能に優れた高出力高負荷型。
アルゼブラ
新製品の空戦向け逆関節機と地上戦用四脚機に合わせた軽量級空中戦特化or地上戦特化型。
レイレナード
地上高速戦闘向け中量機に合わせた高出力劣悪燃費型の系譜が基本。本作はブーストダッシュでENを使わないので迂闊に空中戦したりしない限り出力の高さの恩恵を得やすい。
しかし中には同盟企業向けの比較的低負荷な品も。
インテリオル
AC4の時代ではEN兵器主体の重量~中量級機体に合わせた重量~中量級低燃費型。
「最低消費枠は弱い」のが通例だが本作の低燃費ブースターはQB性能に優れる傾向にあり、QBを連発する運用であれば推力の低さを補えるため、捨てる部位の穴埋めのみならず実用目的でも割と人気。
『fA』では軽量高速機向けの、軽量級向けの範疇での高出力低燃費型。QB性能の高さは引き継いでいるので中量級以上にもある程度対応する。
トーラス
激重重量&最悪EN負荷機体無理矢理動かすための超重量&超高出力&超EN大喰らい型
本体重量が重過ぎて迂闊に積むとブースタ自身の重さでスピードを殺される。どちらかと言えばトーラスマンより重四脚で地上を爆走するのに向く。
その意味ではGAE四脚とトーラス製ブースターを組み合わせたテレジアのアセンはかなり理に適っている。


特徴的なブースター

  • GAN01-SS-O.CG
「4系の初期ブースターは産廃ではない」という傾向のほぼ唯一、正しい意味でのイレギュラー
コジマ技術に出遅れているクーガーの初期作に当たるOBということで、「技術レベルはあまり高くない」という説明文に違わず、高出力は高出力だが本体負荷と消費ENとKP消費量が悪過ぎる明確な産廃。
突進力が欲しければレイレナード製に、巡航性能が欲しいならオーメル製か『fA』の新作を使いたいところ。
『fA』の時代までに相当ムチャなやり方で技術獲得に成功したそうで、『fA』では優秀な巡航型と(設定上は)独特の強みを持つAA搭載型という中々の性能の新作OBを二つリリースしている。

  • KB-JUDITH
  • LINSTANT/O
  • LB-HOGIRE
  • BB11-LATONA
前者二つはOB、後者二つはバックブースター。
先述した「捨てて良い部分を埋めるためのダミー代わりブースター」の代表格。
何れも非常に軽量低負荷なので、OBや後退力を考慮しないのであればこれらを積んでおけば軽量化&負荷低減になる。
「LINSTANT/O」も燃費は悪いが出力はかなり高いので一瞬だけ突撃する用途であれば十分実用的。
『fA』で新たに登場した「BB11-LATONA」も「想定搭載機が後退を重視していない」という設定に違わず推力は低めだが、QB性能が高いので瞬間的に後退するくらいの用途であればこれで十分。
「LB-HOGIRE」は『fA』でその地位を譲るまで、AC4では一択状態だった。ある意味ではおそらく最も人気だったローゼンタール製パーツ

  • S04-VIRTUE
高負荷高性能パーツを多数リリースしているレイレナード製メインブースターの二番手、突撃用メインブースター。
飛行性能は壊滅的だが圧倒的なQB性能を持つため、一気に踏み込む必要があるアセンに適性を持ち、メインQB性能が突撃の速度に直結するブレーダーや「加速撃ち」と呼ばれるテクニックを使用するミサイラーと好相性。
また非常に軽量かつ高出力なジェネレーター「GN-SOBRERO」との組み合わせも人気だった。

  • CB-JUDITH
垂直推力特化型メインブースター。
垂直方向への推力と燃費性能はダントツに優れているため、とりあえずこれを装備しておけば大概のACは空中戦ができる。
特にミッションでは空中戦が有利な場面、地上戦一本では厳しい場面も少なくないため出番は多い。
反面水平推力はかなり低いので前進力はOBに頼ることになる。QB性能も推力は無いが低消費なので場面によっては連続QBでどうにかできる。

  • KRB-SOBRERO
『fA』にて追加されたことソブレロのOB。
2番目に軽い重量と最高攻撃力のAAを持つ。AAアンプとセットで発動すれば場合によっては一撃でネクストを倒し得る程の威力を叩き出す。
その代わりにOBの性能は最悪レベルに燃費劣悪、尚且つ出力はぶっちぎりに最低。最早AA付きのOBというよりOB付きのAA発生器と見た方が良い思い切った代物。
因みにソブレロコアはよく見るとOBを四発装備している。

  • ASB-O710
  • ACB-O710
『fA』にて追加されたクイックブーストの出力と消費EN量を大幅に増大させる追加ブースター。前者は肩部、後者は背部装備。
画面を覆う激しい閃光と共に機体とENゲージが一気に吹っ飛ぶ挙動は他にない迫力があるが、出力増大度とEN消費悪化度合いが激し過ぎるのでただパワーを上げたいだけなら素直にアリーヤかライールのブースターを積んだ方が良い。
背部追加ブースターとレーザーブレードを組み合わせた時の突進力は凄まじい。凄まじ過ぎてオンで使用するとラグワープが多発して顰蹙を買いがちという意味で使い辛く、ミッション向け。
AC4最終ミッションの時のジョシュアはこんな気分だったのかもしれない。
肩部ブースターの方はQB時間の長いサイドブースターやスタビライザーによる重心偏重と組み合わせるとVOBの進路を無理矢理曲げる事すら可能になる。

因みに没になったパーツの中にはローゼンタール製の追加ブースターというものもあったそう。
「ガレージでは折り畳まれる翼のような造形のブースター」という相変わらずローゼンタールイズム全開の品だったらしい。



ACV系シリーズ

ブースター細分化は撤廃され、再び一種類に。
本作ではブーストジャンプができなくなったため垂直方向に関する性能は削除された。
QBは「ハイブースト(HB)」に変更され、OB改め「グライドブースト(GB)」の性能もHB性能を参照する仕様となったため幾分かシンプルに。

……が、通常・HB出力(最高速度)と消費ENに「ブースト燃焼効率(ハイブースト燃焼効率)」が追加、
更に「初動燃焼率」「最大加速到達時間」「ハイブースト加速時間」「ハイブースト初期出力率」「ハイブースト最大チャージ時間」「最大出力タイミング」も加わったことで、
固有パラメータ項目の数自体は4系をも超える11項目と、更に見るべき部分が増えた。
それぞれざっくり説明すると、

(ハイ)ブースト燃焼効率
要は「加速力」。高いほど最高速度に到達する時間が短くなる。
この性能はブースト移動を続けて後述する「最大加速」に到達して以降に発揮されるもので、この性能に優れていれば方向転換時で減速してもすぐに最高速で移動できる。
初動燃焼率
停止状態から移動し始めた際、その瞬間に発揮される性能。
「50」なら、下記「最大加速到達時間」の間は本来の性能の50%の出力しか出ない、という意味。
最大加速到達時間
「初動」で低下していた性能が本来のスペックを出し始めるまでにかかる時間。
「60」なら、ブーストを入力してから60フレーム(1秒)後にやっとスペック通りの加速力(最高加速)になる、という意味。
ハイブースト加速時間
HBの噴射時間に関係する。
ハイブースト初期出力率
HBをチョン押しで起動した際の出力。
「50」なら、50%の性能になる。
ハイブースト最大チャージ時間
スペック通りのHBが可能になるまでのチャージ時間。
これが経過する前にボタンを離すと上記「初期出力率」を参照した性能のHBになる。
最大出力タイミング
最も高出力でHBできるチャージ時間。
「10」なら、ボタン入力から0.1秒後に離すと最大出力となる、という意味。実際には多少の誤差は許容範囲な模様。

という感じ。
他の内装パーツ同様にブースターも三種類に大別され、加速力に優れる「高加速型」と最高出力に秀でる「高出力型」と燃費の良い「低消費型」に大別される。
因みに、ノズルの形がそれぞれ高加速型は三角形、高出力型は円形、低消費型は四角形。

なお、ACV時点の各ブースターのペットネームは何れも「風」に関係するネーミング。

また、コアの「EN伝達率」もブースターに影響し、これが高いほど加減速にかかる時間が短くなる。
伝達率が高いほど加減速が高まるため、加速型ブースターを積めば切り返しは素早くなるが、急激に減速もするので最高速を一瞬しか維持できない。
伝達率が低いほど最高速度を維持しやすくなるため、出力型ブースターを積めば一回HBしただけで長距離を移動できるが、慣性で滑りまくるため小回りが全く効かなくなる。
高伝達率コアには出力型、低伝達率コアには加速型、とするのが弱点を補いあってマイルドになる。

総合すると、部位が一本化されただけでブースターについて考える事自体は4系に負けず劣らず結構多い時代となっている。

肩部外付け装備や背中装備が無くなったことで、本作には「追加ブースター」の類は存在しない。


特徴的なブースター

  • UBT-25/H / BA-214
ペットネームが無いため「一個上」という他に類を見ない通称が付けられている。理由は後述の「シナツ」の一段上に来るパーツなため。
全体的にバランスが良くて扱いやすいため、余程の特化機以外では大体これで事足りる。ショップ入荷も早め。
間抜けな響きの通称が付けられていながらここまで便利なパーツはそうそう無い。

  • BT-21 SHINATSU / BA-309
通称「シナツ」。日本神話に登場する風神である。
HB特化型ブースター。通常ブーストの性能は意図的に設けられた低性能パーツ群であるジャンク品以下だが代わりに非常に優秀なHB性能を持つ。
高出力なジェネと低負荷なフレームを組み合わせれば戦闘モードでも無限GBできるほど。
常にHBまたはGBし続ける運用を維持できる限りは優秀な人気のブースター。

  • KT-2R3/DAFENG / Bo-C-H11
  • KT-5R2/BURYA / Bo-C-L13
前者は「ダーフェン」または「ダーフォン」と読む。「大風」の中国語読み。読みは一緒だが大豊ではない。根本の円形のパーツから通称「ポンデリング」
後者はロシア語で「嵐」の意味。正しくは「ブーリャ(буря)」と読むが「ブリャー」と呼ばれる事も多い。
どちらも高出力型のブースターで、重量級のACでも高速でぶっ飛ばす出力を持つが、その分燃費も相当悪い。
V系はアッパー版に当たる第二世代型モデルが単純に強く、敢えて第一世代型パーツが用いられる事は少ないのだが、これらの場合は最高出力最高消費ブースターの系譜に当たるブリャーの大味な挙動やEN消費量の多さから扱い辛いと感じて敢えてダーフォンを採用する例も少なくなかった。

  • TOKONATSU mdl.1
『VD』にて追加。
高出力型のパワーを持ちつつ、加速型に匹敵する効率性能も有するため小回りも効く、正に「イイトコドリ」なブースター。
半面装備負荷も消費も猛烈に重く、重量は他のブースターの約2倍、EN負荷も1.5倍ほどもある。
下手な積み方をすると息切れしやすくなるため却って遅くなりかねない、アセンと立ち回りに一定の知識と慣れを必要とする中級者以上向けと言えるブースターと言えよう。

  • BB-119
『VD』にて追加。
本機を含めた低消費型はカテゴリごと従来作の「最低燃費ブースター」のような存在、つまりカテゴリごと産廃に近い代物である。
燃費を生かしてHBやGBを吹かしまくろうにも、先述の通り加速型でも似たようなことができるためパワーの無さの方が際立ってしまうのである。
その新作に当たる本機の性能はというと、これまた使いやすいとは言い難い。
説明文の通り最高速に到達するまでの時間は高加速型に匹敵する速さだが、 ダントツに低い初動燃焼率『5』という驚きの数値故に、装備するとブースト入力に一瞬遅延が入るかのような挙動になる。特にHBに至ってはライト版OBの短距離ダッシュといった運動性になるのでこれで戦うには慣れが必要になるがこれを使いこなすくらいなら多分シナツか常夏の練習をした方が良い

姉弟仲の悪い双子の姉、マーガレット・レオンは本機をこともあろうに重量機に装備するという暴挙に出ているお陰で機動性が完全に終わっており、終盤に登場する割に基礎テクニック「引き撃ち」で簡単に倒せることで有名。
余談だが、彼女の弟キャシディもスピード重視という思想と軽量パイル機という速さが求められるアセンの割に低消費型ブースターを積んでいるお陰で機動力不足という弱点を抱えている。
「片や火力と装甲、片や機動力を兵器に追求したという真逆の方向性故に喧嘩別れした姉弟がブースターの趣味だけ一致している、そして共通してそれが弱点になっている」というのは一周してやはり似た者姉弟なのではなかろうか。



ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON

「シンプル化」を志向したVIではブースターも幾分か単純になり、V系の複雑な要素の多くが撤廃され4系に近くなった。垂直方向への推力に関する性能も復活している。
加えて、ENゲージを消費する行動がブースター関連のアクションに限定されたことで、消費EN量の重要性がわかりやすくなっている。

パラメータは通常・上昇・QB推力と通常以外の消費EN量、QBの使用間隔に直結するQBリロード時間とその間隔が開き始めるラインの「QBリロード保証重量」、かつてのOBに当たる「アサルトブースト(AB)」関連の性能、そして近接武器使用時のホーミングブーストにかかわる「近接攻撃推力(消費EN)」のみとなっている。
単純な項目数自体は「12」と少し増えているが、加速度云々の仕様が全て撤廃されているためざっくり「上昇力が高い空戦向け」「とにかく低燃費」「QB性能に優れる」「ABで突撃or巡航したい時用」「近接攻撃向き」といった方向性の違いが分かりやすくなった。

4系を境に見られなくなった伝統的装備の多くが復活した『VI』だが残念ながらブースターに関してはその手の復刻系パーツは控えめ。「シンプル」ではないからか。
追加ブースターの概念もないが、コアのパラメータである「ブースター効率補正」はQBの消費ENに影響を及ぼす。


特徴的なブースター

  • BST-G1/P10
ジェネやFCS共々「初期内装は産廃」の法則を復活させてしまったパーツ…に見せかけた上級者向けブースター
ぱっと見では魅力的とは言い難い寂しい性能で、ルビコプターが手強く感じる理由の一端でもある。
実際に古いバージョンでは産廃と言われても仕方ない立ち位置だったが、アップデートで他パーツ含めて性能が色々と変化した結果、AB主軸の運用ではBUERZELよりも優秀であることが判明。
説明文では「軽量機向け」を謳っており実際各推力や保証重量は控えめだが、QB燃費はトップ、ABは推力・燃費ともにトップ4と良好であり、
さらに「AB中は受ける衝撃力軽減」や「AB中のサイドステップはQB噴射時間に応じて連発できる、しかも重量影響なし」仕様が注目された結果、重量二脚にこれと重ショットガンを乗せるアセンがランクマッチ上位でも見掛ける鉄板構成の一つとなった。
なので本質的には「ABとQBの重要性を体感させるためのパーツ」と思われる…が、初心者やライトユーザーがストーリー攻略のお供にできるパーツではないのは間違いなく、ゲームに慣れないうちは素直に上位版に買い替えるほうが良いと思われる。

ちなみにこれとは真逆にQB性能を捨てて通常移動性能に特化したBST-G2/P10SPDもあり、こちらは重量機・引き撃ち機・連射銃や盾を用いる近接機によく採用されている。

  • BST-G2/P04
最初からショップに入荷されている「最初のステップアップ先枠」にして、たいていの戦場に対応できるファーロンの汎用型ブースター
AB推力とQB燃費は初期ブースタより低いが、推力と燃費性能のバランスは良好、QB保証重量も軽めの重量級まで対応、ブースター本体の負荷も軽めというバランス型の逸品。
これを買っておけばミッションで困る場面はそうないが、バランス型の宿命として大きな長所が少なく、特定の性能に尖った装備が求められやすい対戦環境での採用率は低め。
レッドガンは全員一律でこれを採用している。ベイラムも大豊もブースターを製造していないので、次に近しい企業が総長のツテがあったファーロンだったということだろう。

  • AB-J-137 KIKAKU
BAWSの旧式ACフレーム用、すなわち優秀な近接攻撃力を持つBASHO向けというだけあり、ダントツの近接攻撃推力を持つ格闘機の為のブースター。
近接攻撃→攻撃判定前にキャンセルの流れを繰り返すテクニックで圧倒的超高速移動ができる他、ABの燃費も最高峰なので長距離・長時間のABで飛び回る際にも役立ってくれる。
それ以外の性能は全て投げ捨てていると言ってよく、特にFLUEGEL/21Zが後の調整で本パーツより一回り低い程度の近接攻撃ブースト性能を手に入れたことで、欠点の少ないあちらに流れる人も少なくない。
ただ一芸特化品としては未だ現役であり、近接攻撃メインのアセンを組む対戦トップランカーを中心に根強く使い続ける層もいる。
設定上は最初期の産物であり「ACによる近接戦闘」というコア理論を主軸としたものであるらしい。
つまり、ある意味ではACVIのストーリー上でACが近接志向の存在だと決定づけたブースタともいえる。

  • BC-0400 MULE
初期ブースターが産廃呼ばわりを脱出して久しい中、ずっと産廃なRaDのブースター。
最軽量ブースターなのに、近接攻撃以外の推力が全ブースター最低、近接攻撃推力もブービーなせいで移動がとにかく遅い。
いわゆる効率重視ブースターに当たると思われるが、基本的に燃費も良くはない。
唯一上昇消費ENだけは抜群に優れているためトップアタックにはまあまあ便利だが、トップアタックが得意な脚部にはより相性の良いブースターが存在するため、敢えてこれを選ぶ理由がない。
なにより、これらの問題点が1.01時点から判明しているにもかかわらず、アップデートでも碌な強化がされないという悲しいポジションにある。

  • BC-0600 12345
テキトーなパーツ名のインパクトが強過ぎるRaD製ブースター。コーラルか何かに酔ってグデングデンの状態で適当に命名したらしい。
その印象に反し、重量機でQBを多用するなら実戦にも耐えうるブースターで、QB推力と噴射時間、そしてトップクラスの保証重量のお陰で重装備でもある程度のステップ性能を担保してくれる。
一方で上昇性能は出力こそブースター中3位ではあるものの、それを絞り出す為の燃費はぶっちぎりのワーストで結果的に下から数えた方が早い、と言うくらいに空中戦への適性は底辺。
想定されているコンセプト通り地上戦主体の重量機、殊更低い上昇性能を補える上に脚部特性により地上QBがジャンプを兼ねる重量逆関節機との相性が良く、特に逆関節は一度の噴射で斜めに大きくジャンプすることが出来るためトップアタック適性は良好。
また、ホバリング中はQB噴射時間の影響が非常に大きくなるので、空中で燃費を抑えながらQBでスピーディーに動きたい四脚との相性も悪くない。
当初は使いにくさが目立っていたが、徐々に強化され今に至る。

  • FLUEGEL/21Z
アーキバス系のシュナイダー製ブースター。名の意味は「翼」。
巷に頭空力呼ばわりされるだけあってフレームはピーキーすぎる超軽量級しかない同社製品だが、その一方で3つのブースターは名機揃いと言っても過言ではないレベルであり、このパーツもとても優秀。
元々「ハイスタンダードでQB周りに光るものはあるが、後一声足りない」という器用貧乏気味の性能だったのだが、アプデの度にじわじわと強化。
最終的には「BST-G2/P04を全体的に速度寄りに調整し、近接推力は全体2位」という、器用万能といえるモノが出来上がった。
AB性能や装備負荷効率は比較的控えめだが、ミッション勢/ソロプレイヤーや中2脚使いにとっては冗談抜きで「とりあえずこれを積めばおk」と言える優等生に仕上がっている。

  • ALULA/21E
これもシュナイダー製のブースターで「小翼」を題する。
上昇と近接攻撃以外の推力が全て全ブースタ中2位、近接攻撃推力も中の上くらいという、水平移動の速度に命をかけたシロモノ。
こいつを積むだけで一段階は速度性能が上がるしQBの使用間隔も短く、ネクストばりにQBを吹かしながらドヒャドヒャとサイドステップできる。
ただ、各消費ENがすべてワースト3に入っており、高推力を前提としても明らかに燃費が悪い
特に上昇推力が低いため、上昇時の燃費の悪さは全ブースタの中でも頭1つ抜けて最悪である。
おかげでQB/ABはタイミングをしっかり選んで使わないとすぐEN切れだし、空中での制空合戦なんかは大の苦手である。
さらに「軽量機向け」という題目通り保証重量も低いため重装備は厳しく、装備負荷もかなり重い部類。
そこへ、消費ENをカバーできるブースター効率補正の高いコアや容量のあるジェネレータを、高低差を伴う戦闘のために垂直跳躍力のある脚部を…などと考え出すとカスタマイズの幅がどんどん狭まっていく。
一応、高推力や短いQBリロードの関係から雑なカスタマイズでも結構機能するが、真に性能を発揮させるにはしっかりしたカスタマイズと繊細な操作が必要な面白いパーツである。


  • IB-C03B: NGI 001
ルビコン調査技研製のブースターでAC6に於ける高消費と引き換えの全点豪華ブースターポジの一品。
FLUEGEL/21Zより僅かに軽い程度の重量で全ての性能が高水準であり、特にQB性能は出力1位、噴射時間と保証重量3位というハイスペックにより一度吹かせば凄まじいかっ飛びぶりを披露する。
が、全般的に消費ENとQBリロード時間が重たく小回りが利きづらくなる。
軽量型ジェネの様な容量の少ないものだとあっと言う間に空にして余計小回りの悪さに拍車が掛かってしまうので、そう言う意味でもENゲージに余裕のあるジェネを載せやすい重量機向け。










追記修正はスタミナと疲労度と相談の上、丁度良いペーs……ペースでおねg…………丁度良いペースでお願いします


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最終更新:2025年05月23日 19:11

*1 大抵並列配置だが中には縦二列に並ぶコアもある。有名どころでは『fA』版ホワイト・グリントなど。またV系の一部コアは背部と胸部に計四基装備される他、初代系の「XCL-01」はACシリーズで唯一1基しか装備しないコアとなっている。なお個数や配置はゲーム内性能には影響しない。

*2 おまけにEN負荷は実質的にダミーパラメータである。

*3 AC2のみ生じない

*4 厳密には初出は初代系の強化人間の仕様。

*5 直訳するとブースト効率。説明書には「ブースト使用時間です。」と書かれている。

*6 各ブースタを使用し続けた時、容量64000のジェネレータが何フレームで空になるか表示されている。つまりブースト消費に完全に反比例している。

*7 4系のジェネは燃料電池という設定。