ジム改/パワード・ジム

登録日:2012/04/11(水) 10:31:11
更新日:2025/02/01 Sat 18:10:13
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ジム改及びパワード・ジムとは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(以下MS)。
いずれも地球連邦軍ジム系列の機体である。




ジム改

GM type C

型式番号:RGM-79C
所属:地球連邦軍
   ティターンズ
   アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態:量産機
頭頂高:18.0m
本体重量:41.2t
全備重量:58.8t
出力:1,250kw
推力:12,500×4
    1,870×4
総推量:57,480kg
センサー有効半径:6,000m
装甲材質:チタン合金セラミック複合材

《武装》
60mmバルカン砲×2
ビームスプレーガン
90mmブルパップ・マシンガン
ジム・ライフル
ロングライフル
ガンダム用ビームライフル
ハイパーバズーカ
ビームサーベル
シールド

《主なパイロット》
サウス・バニング
アルファ・A・ベイト
ベルナルド・モンシア
チャップ・アデル
カレント
ホーク・ロイザー
マックス・ブロア
カムナ・タチバナ
シャーリー・ラムゼイ
パミル・マクダミル



地球連邦軍の主力量産型MSであるRGM-79 ジムの改良型。
ルナツーで密かに実用化された初期型ジムをベースに、稼働初期のRX-78-2ガンダムから実働データを入手・反映して開発されたのがジム後期生産型であり、これを更にマイナーチェンジすることで完成した。
言わば“量産型ガンダム“として1つの到達点に位置する機体である。

基本的な性能は後期型ジムに準ずるが、頭部などにはD型やG型の構造も取り入れられている。
これは本機の開発目的が単純な性能向上ではなく、一年戦争中の混乱により乱立したジム系MSを再整理し、生産や整備など各種規格の指標となるべく戦後を見据えて開発されたリファレンス機であった為。
そのため本機は一年戦争後におけるMSの統一運用と新規開発にジム改は大きく貢献しており、実際に「ガンダム開発計画」や後継機のジムⅡは本機を基準として開発されている。
また本機をベースとした実験機も幾つか存在する。


本格的な量産は一年戦争終結後からだが、戦争末期には量産試作機が完成しており、ア・バオア・クー攻略戦になどに実戦投入されている。

一年戦争中は主にエースパイロット個人や生還率の高い部隊に優先配備された。
かの“不死身の第4小隊”が一年戦争時に搭乗したMSも、このジム改(とジム・キャノン)であったとされる。*1

その後はデラーズ紛争終結後にかけて連邦軍の主力MSとして活躍、ジムⅡの配備が開始されるまで第一線で活動し続けた。
その後も新鋭機の配備が間に合わない(あるいはその必要がない)地区や、アナハイム社などに引き続き配備されたようで、U.C.0080年代後期から0090年代初頭にも民間企業や小規模な基地の護衛用として運用されている様子が描かれている。


なお、悪名高い“30バンチ事件”の際にはティターンズカラーの機体も確認されている。



主な武装

  • 60mmバルカン砲
連邦系MSに広く採用されている頭部バルカン砲は無論本機にも健在。
ジム改は従来機に比べて装弾数が増加している。

説明不要のビーム剣。
初代ジム同様、バックパック左上に装備している。
なお『クライマックスU.C.』の主人公カムナ・タチバナ大尉の機体は指揮官用を示す2本差しをしている。


  • ビームスプレーガン
    型式番号:BOWA BR-M-79C-3
拳銃型ビーム兵器。収束率が低いため遠距離では威力が大幅に減退するが、近~中距離では十分な威力を発揮する。
ちなみに本品は一年戦争末期から配備された改良型のC-3型。最初期のC-1型より小型だが、センサーの追加等により命中精度、射程、威力が向上している。

しかし高コストだったか、はたまた信頼性の問題かは不明だが、戦後は殆ど装備されなくなっている。
これはジム改に限らず他のジムタイプも同様。


カムナ機はデラーズ紛争の際に所謂ガンダムのビームライフル(BRASH XBR-M79-07G)を使用している。
これ以外にもジムⅡ等の連邦系量産機で広く使用されているBR-S-85-C2型は勿論、ガンキャノンのXBR-M-79a型も使用可能。
T3実験部隊などではEパック型のBR-S-85-C2(ただしEパックは1つ)まで使用されていた。


  • 90mmブルパップ・マシンガン
    型式番号:HWF-GMG・MG79-90mm
ホリフィールド・ファクトリー・ウエポンズ製の、通称「ジム・マシンガン」。
システム・ウエポン構造を採用していて、部品交換によって容易に下記のロング・ライフルやジム・ライフルに組み換えられる。
ヤシマ重工製の100mmマシンガンより小口径ながらも新型炸薬によって初速が増し、ジオン軍のMSにも十分な貫通力を発揮した。

その汎用性からか90mm口径弾共々戦後の規格統一を生き延び、一年戦争中からグリプス戦役頃にかけてビーム兵器の使用が躊躇われるコロニー駐留部隊やビームの減衰率が高い地上部隊に配備された。


  • ジム・ライフル
    型式番号:HWF-GR・MR82-90mm
戦後に開発されたジム・マシンガンの改良型。
長砲身化に伴い更に貫徹力が増しており、ジム・カスタムなどの高性能機にも愛用された。こちらはU.C.0096年代にも使用が確認されており、息が長かった模様。


  • ロング・ライフル(ロングバレル・ライフル)
    型式番号:HWF-GR・MLR79-90mm
こちらもジム・マシンガンの構造を応用した改良型。
ビーム兵器が幅を利かせた戦後においてもなお優秀な狙撃ライフルとして運用され、相性の良いジム・スナイパーⅡは戦後の運用で初弾命中率95%を叩き出したという。
ビームが扱いづらい荒天時にも安定して狙撃が可能な為、ティターンズ等の特殊部隊は主にこのライフルを用いたとされる。


  • ハイパーバズーカ
    型式番号:BLASH HB-L-03/N-STD(前期型) / BLASH HB-L-07/N-STD(後期型)
03型はガンダムやジムと同じ物。
口径は380mmとMS用実弾火器としては最大級だが装弾数は5発と少なく、取り回しや弾速にも難がある。

07型は戦後に開発されたもので、口径が360mmに減じているものの、追加センサーとカートリッジ式弾倉により命中精度と継戦能力が向上した。
こちらはパワード・ジムやガンダムMk-Ⅱも使用している。


  • 対MS戦用シールド改
    型式番号:FADEGEL RGM-M-Sh-007
旧来のジムのシールド(FADEGEL RGM-M-Sh-003)の改良型……というか廉価版。
見た目はいつもの六角形のラージシールドだが十字マークが省略されてマウントラッチが可動式になり、裏側にウェポンラッチが設けられた。

運用性は向上したが、材質がルナ・チタニウムからチタンセラミック複合材にダウングレードされている。
実際に『機動戦士ガンダムUC』でジムⅡが使っていた時はジュアッグのロケット弾で容易く貫通されて本体も撃破されるなど防御力は心許ない。


  • ビームガン
装備例が『MS IGLOO』のみというレア武器。
陸戦型ガンダム等が運用していたXBR-M-79E型ビームライフルの銃身を切り詰め、フォアグリップを廃してショートバレル化したもの。
配備されたのは一年戦争最末期だったが、取り回しと高出力を両立していた模様。


  • その他
連邦軍規格の装備は概ね使用可能。
アナハイム社仕様機などはネモのシールド等を装備している為、同社の規格に合わせて改良されている可能性も考えられる。



主な活躍

映像作品では『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。
従来通り赤白の制式カラーの機体と、デザートカラーのトリントン基地仕様が登場した。
信頼性の高さ故か宇宙・地上共にジムマシンガンとシールド改を携えている。

無論士気も練度も十分ではないモブばかりが乗るこの機体に活躍の余地はなかったが、それでもサウス・バニング大尉の機体はザメル相手に奮戦し、相討ちに近い形とは言え撃破に成功している。


漫画版の『クライマックスU.C.』ではなんと主人公であるカムナ・タチバナとその仲間の乗機、つまりは主人公機として抜擢された。
しかもカムナ機は、『ギレンの野望』シリーズの指揮官用ジム同様のビームサーベル2本差しにガンダム用ビームライフル装備という贅沢仕様だった。

劇中ではデラーズ・フリートのコロニー落としの落下阻止作戦に参加し、激戦の末ザック・ウィンザー中佐のゲルググを撃破した。






キース少尉、ちゃんと操縦の仕方をお勉強してきたのか?

パワード・ジム

Powered GM

型式番号:RGM-79
所属:地球連邦軍
生産形態:実験機
頭頂高:18.0m
本体重量:46.6t
全備重量:64.2t
出力:1,650kw
推力:32,000×2
    1,870×4
総推量:71,480kg
装甲材質:チタン合金セラミック複合材

《武装》
60mmバルカン砲×2
90mmブルパップ・マシンガン
ハイパーバズーカ
ビームサーベル
シールド

《主なパイロット》
ディック・アレン


ガンダム開発計画”におけるガンダム1号機の装備の評価試験のため、ジム改に大型バックパック、大推量ブースター、ショックアブソーバーユニットを装備した試験機。
推力は原型機の30%増しで、胸部もダクトが4つに改装されている。

あくまで評価試験のための部分改修機なので独自の型式番号は与えられず、武装も既存の物を使用している。



主な活躍

ジム改同様『0083』に登場。複数機がトリントン基地でデータ収集を行っていた。
その内1機にはトリントン基地でもバニング大尉に次ぐ腕利きであるディック・アレン中尉が搭乗、
模擬戦でもコウ、キース、カークスのザクⅡF2型3機を手玉に取っていた。

奪われたガンダム2号機の追撃にも参加したが、
二手に分かれて探索していた際に脱出用のコムサイⅡを発見、破壊しようとした隙を突かれてドム・トローペンの奇襲を受け、同行していたチャック・キースの目の前で爆散した。

なお、他の機体も基地内で破壊されたらしく、残骸が確認出来る。




バリエーション

詳しくは「ジム改のバリエーション」へ。



ガンプラ

ジム改はMGでデザートカラーとスタンダードカラーの両方が通常ルートで発売。
武装は後期型ビームスプレーガンやシールド、ビームサーベル、ジム・マシンガン等が付属、特にジム・マシンガンはパーツの組み換えによってジムライフルなど複数の武装に切り替えが可能となっており、スタンダードカラーには更にロングライフルのパーツが追加されている。

HGUCではデザートカラーが通常で、スタンダードカラーがボール改修型とのセットでプレミアムバンダイから発売。
先に発売されたパワードジムのリデコキットである。
MGに比べてライフル組み換えパーツとビームスプレーガンが無い代わりにハイパーバズーカと豊富なハンドパーツが付属するが、手甲パーツがクリーム色とグレーの2種混合となっていて、クリーム色左手甲用が可動平手専用しかない(グレー成型のハンドに付け替えられない)など、左右で合わせるのがやや困難で扱いに困るものとなっている。
また、サーベルグリップこそ付属するものの元キットにあったビームエフェクトパーツが無く、他から流用する必要がある。
スタンダードカラーは単なるカラバリだが、色分けの都合でバックパックが真っ赤っか(本来はグレー)になっている。


パワード・ジムはHGUCで通常ルートで発売、プレミアムバンダイ受注販売ながらMGも販売されていたりとなかなか優遇されている。

出来栄えは勿論のこと、付属の武器もそれぞれ微妙に異なっているので気になった方は近所の店に行ってみよう。



ゲームでの扱い

パワードジムはゲームによって地上専用か宇宙でも使えるかがまちまちとなっている。

Gジェネレーションシリーズ』では性能的には0083時代の量産機なのでそれ相応。とはいえ、ジム・カスタムと違って武装にバズーカがあるため射程の長さ故に使い易い。
また、0083ステージではバスク率いる連邦艦隊が敵として出るため、鹵獲するのも容易となっている。

ギレンの野望 アクシズの脅威V』ではパワードジムがかなりの高性能となっており、リック・ディアス等を差し置いて終盤まで使用可能。
移動力8、高運動性+シールドによる生存力、バズーカの射程が2で支援向きかつIフィールドに妨害されない…と至れり尽くせりである。



余談

  • デザイン担当は、ガンプラ等の「Ver.Ka」でもおなじみのカトキハジメ氏。
    ガンダム・センチネル0079』に登場した「ジム後期生産型」のものを多少アレンジして流用している。
    更にジム改から『第08MS小隊』での「初期型ジム」へ流用された。
    • 上記の経緯もあってか、設定の整合性を付けるために開発経緯がなかなか混沌としている。詳細は「初期型ジム/ジム後期生産型」の余談を参照。

  • ジム改は英語では「GM Type-C」と型番で表記されているが、これは直訳だとジム・カスタムと被ってしまうためだと思われる。




追記・修正は規格や後付け設定の整理統合を目指しつつお願いします。

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最終更新:2025年02月01日 18:10

*1 ……のだが、彼らの一年戦争中の乗機は媒体によってコロコロ変わるので断定は出来ない。