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*デバイスレイン 【でばいすれいん】 |ジャンル|シミュレーションゲーム|CENTER:&amazon(B000069SK9)&amazon(B000069SKL)| |対応機種|プレイステーション&br;セガサターン|~| |発売元|メディアワークス|~| |開発元|スターライトマリー|~| |発売日|1999年2月25日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|中ニセンスの塊|~| //判定変更メモ:16/6/9 不安定→なし ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''「裏切られるほうが悪いのさ。要するに、相手の本質を見抜いていないって事だからな」''} }} ~ ---- **概要 現代の東京都を舞台に、1人の少女を狙う巨大企業と彼女の同級生達の戦いを描くSFシミュレーションゲーム。~ プレイステーションとセガサターンで同時に発売された。 **ストーリー 高校生の雲野十夜と柊誠志郎は、ある日の放課後、同級生の少女カスミを自宅に送って行った。~ しかしそこへ謎の襲撃者が出現、彼女を連れ去ろうとする。~ 2人は「オーギュメント」と呼ばれる武器を手に、彼女を守るため戦う事を決意するが…。 **用語解説 -イデア理論 --「物質はすべてイデア情報を持ち、周囲に放射、そして吸収することで物質が変化する」という理論。 ---例えば後述する「所有者に不幸が訪れる宝石」は最初はただの宝石だが、たまたま幾人かの持ち主に不幸が訪れた結果、多くの人々が「これは呪われた宝石だ」と信じる(イデア情報を出す)。するとそれを吸収した宝石自体が「呪われた宝石」というイデア情報を放射するようになり、実際に持ち主が不幸になる宝石に変化する、という理論。 -オーパス --上記の「イデア情報」をいわく付きの物から科学的に分析・抽出し、結晶化させた物。あくまで複製を作るだけなのでオリジナルのイデア情報が失われることはない。 ---ゲーム上の扱いとしては、下記「オーギュメント」に装備させ、他のオーパスとの組み合わせで使える技やステータスが変わる装備アイテム。また、オーギュメントに吸収させる事で経験値になる消費アイテムでもある。 -オーギュメント --上記「オーパス」をコアに持つ武器。起動することで「SC空間」(シュレディンガー・キャット・フィールド)と呼ばれる戦闘フィールドを作り出し、組み合わせたオーパスでカレイドフェノムと呼ばれる現象((一般RPGで言う技や魔法。))を起こす。 ---「SC空間」とはオーギュメントを持つ者、オーパスをコアに持つ「ディゾナント」と呼ばれる兵器((いわゆるザコ敵。本作において「デバイスレイン」(後述)以外の敵はすべてこれ。))が生み出すことができ、一定の範囲を強制的に引きずり込む。こちらも環境まるごとを複製するため、SC空間内で物体を破壊、例えば街路樹を切り倒すなどをしても通常空間に戻った時、街路樹に変化はない。 --タイトルの「デバイスレイン」とは、オーギュメントを持つ者の総称であり、「道具を使う者」、反して「道具に使われる者」という意味がある。 --ゲーム上ではステータスの基礎となる武器。 持ち替える事はないので、実質キャラ固有のベースステータス。 **特徴 -基本はアドベンチャーゲームの様に移動先を選び、ストーリーを進めていく。 --必ず行わなければならない戦闘の他、自由参加のフリー戦闘も存在する。 --主要イベントのみ、会話はフルボイスで行われる。但し主人公は声無し。 --各章の冒頭には、フルアニメーションによるデモが入る。一度見たデモは別モードでいつでも視聴できる。 //全10章ってのはネタバレにもなるし、わざわざ言わなくても紹介できるのでカット。 -お金や店は存在せず、オーパス以外のアイテムも登場しない。 --オーパスは敵を倒すと必ず1体に付き1つをドロップする。他にも一部のイベントでも入手できる。 ''成長システム'' -オーギュメント(装備武器) --オーギュメントはキャラ固定となっており、実質そのキャラのベースステータスとなっている。 ---オーパスを吸収させる事で経験値が溜まり、一定値ごとにレベルアップする。その際、吸収させたオーパスは失われる。敵を倒しても経験値は増えないので、オーパス以外での成長は不可能。 ---レベルを上げる際、吸収させたオーパスの色によって、アップするパラメータにボーナスが付く((一度に同じ色のオーパスを多く与えると、色に対応したパラメータに数値が上乗せされる。))。 ---成長はオーギュメントごとに特徴があり、例えば主人公の持つ「セイクリッド・デス」の場合、CS(HPに相当)とDis(攻撃力)が伸びやすいが、BT-Spの値が低く、行動可能になるまでが遅い。 ---各種パラメータの内、Mov(移動力)とBT-Sp(BT減少スピード)は成長しない。CE-Sp(CE回復スピード)は限界までレベルを上げても2ポイントしか伸びない。 ---レベルの上限は50まで。レベルを上げるメリットはストーリー上必須となる戦闘が楽になること。逆にデメリットになる可能性があるのはフリー戦闘時で、敵のレベルも変化して厄介な攻撃を仕掛けてくる場合があるため、レベルを上げまくったからといって劇的に楽になるわけではない。 -オーパス(補助アイテム) --オーパスは上記成長要素以外にオーギュメントに嵌める事でカレイドフェノム(魔法やステータス強化)を使用できる。というか、こちらがメイン。 ---オーパスは黒・白・赤・青・黄・緑の6色、S・A・B・C・Dの5段階のランクがある。Sランクはオーギュメントのセンターオーパスのみ。 ---オーギュメントは各色2つづつ、合計12個。 ---3x3のマスにオーパスをはめ込み、縦横の連続した3個で効果が判定される為、一度に身に付けられる技は6種類まで。なお、斜めはない。 --オーギュメントとオーパスには属性があり、その属性の組み合わせ次第で、攻撃や回復、ステータス強化に変化する。 ---組み合わせによってはカレイドフェノムを発動しないものもある。具体的には赤・緑、白・黒、黄・青の組み合わせを含むと、特殊配列になっていた場合を除いて何も起こらない。 ---9マスの内、中央は武器固有で変更不可能になっている為、そこがキャラ特性となる。 ---組み合わせたオーパスのランクにズレがある場合、組んだ中で最も低いランクのカレイドフェノムが発現する。また、発現したカレイドフェノムよりもランクの高いオーパスを組んでいた場合、高いランクのオーパスに特性を持ったものがあればそれが適用されるため、Aランクのカレイドフェノムに特性を追加できるのはセンターオーパスだけとなる。 ---ゲーム中に存在する特性はA(効果範囲拡張)、B(カレイドフェノム使用時のBT増加量抑制)、C(消費CE抑制)、H(RR(命中率)増加)、P(Dis(攻撃力)増加)、R(射程延長)の計6種類。ただし、AとRは適用外となっているカレイドフェノムが多めで、ランクが低いカレイドフェノムの場合は数値の増減量がかなり控えめ。また、特殊配列には特性は一切適用されない。 --吸収させない限りは一切消耗しない。 --配置の変更に限っては移動中だけでなく戦闘中でも可能だが、BT(行動ゲージに相当。FFなどとは逆で、0になれば行動可能)が増加する。 ''戦闘システム'' -戦闘は半リアルタイムのシミュレーションバトル。 --時間経過によって行動ゲージが減少して、ゼロになると行動可能になるタイプで、速度や状態異常次第で行動回数は変わってくる。 ---コマンドを開いている間や戦闘アニメーション中は、時間は経過しない。 --無消費の通常攻撃は存在せず、技の使用には全てCE(MPに相当)消費が必要。その為、CEは時間経過で回復し、「待機」を選ぶと大きく回復する。 -味方は戦闘終了後に全回復する。戦闘中にCSが0になった者は退場となるが、やはり戦闘終了後にペナルティなしで復活する。 --敗北条件は「味方の全滅」のみ。全滅すると戦闘の最初からやり直すかタイトルに戻るかの選択になる。 --勝利条件は基本的に「敵の全滅」だが、ボス戦ではボスを倒すとザコ敵が全て消滅する((消滅したザコはオーパスを落とさない。))。 ---また一部のボスは条件次第で退却する。退却させずに倒すと貴重なオーパスを落とすが、ストーリーは変化しない。 -同時に戦闘に参加可能な味方は最大5人だが、メンバーの出入りはストーリーによって決まっており、自由な編成はできない。 --主人公のみ、ゲーム本編全ての戦闘に参加することになる。 ---- **評価点 //このゲームの最大の評価点はここら辺だと思うので最初へ -非常に凝ったSF的設定の数々。 --現代を舞台に武器であるオーギュメントや戦闘の原理など、SF的な凝った設定が用意されており、ゲーム中でも語られている。 --しっかり設定が練られた上で、シナリオ自体は割と王道になっている。 -歴史的遺物や呪い等の豊富な知識や遺物コレクション要素。 --各オーパスは、実在する歴史的遺物、偉人・著名人の持ち物、オカルト話に登場するアイテムなどのデータを元に作られたという設定であり、それぞれの逸話が作中で説明されている。 ---加えてオーパスは非常に数多く存在する為、これらを集め、設定を見るだけでも非常に楽しい。 -キャラクターは好評。 --主人公の見た目は金髪の不良、友人はチャラ男、敵には全身包帯の狂人やゴーグルで顔を隠した謎の男と、こちらも中二的センスのキャラ付けがされている。 ---特に敵キャラのJ.B.は見た目や言動、作中の行動から本作でも特に人気が高い。 -声優は豪華。脇役を含めて棒読みは一切なし。 -オーパス配置による試行錯誤の楽しさ。 --中央が固定で他8個のオーパスの属性次第で使用できる技が様々に変化する為、キャラごとに中央に合わせた配置を色々と試行錯誤するのは楽しい。 ---オーギュメント固有の技も存在し、これは同じ属性の組み合わせにしても他のキャラでは使用できない。 --ただ、後述の通り一部の技が非常に強すぎる為、最終的には「状態異常を持たせつつ、後をどう変えるか」という形になってしまいやすい。 -舞台が東京であり、現実に即した背景や建物が配置されている。 --その為、地味に東京の地名の勉強にはなる。 **賛否両論点 -独特なセンスの専門用語の数々 --いわゆる中二的センスの塊で構成されており、雰囲気作りの一環にはなっているが、初見では理解しづらい。 ---HP、MP、攻撃力、防御力などの一般的なパラメータまで専門用語に置き換えられている。しかも耳慣れた英単語をもじったものでもない。 ---さらに説明書では''専門用語をまた別の専門用語で解説する''など、難解さに拍車をかけている。 //やってる内に慣れる程度だったし、色々凝った設定の雰囲気作りにはなってたよ。 -メニュー画面のSE代わりの台詞 --コマンドを選ぶ度に「○○モードに移行しました」「○○を取りやめました」といったボイスが入る。雰囲気作りの一環にはなっているが、毎度毎度聞かされるのは鬱陶しいという人も。 -隠し要素に近い一部のオーパス収集 --一部のオーパスはサブイベントや撤退するボスの撃破、特殊なイベントバトル等で入手できる。 ---最高ランクのオーパスはゲーム中に1箇所は確実な入手場所が設定されており、入手できれば非常に強力。 --コレクションゲームの側面もあるのでこれらを探して集める楽しみはあるものの、一部の低ランクオーパスがサブイベント以外では低確率のランダム入手でしか入手の機会がないのでコンプリートしようと思うと非常に厄介。 ---確実な入手を狙う場合、そのイベントで全て入手できるまでリセットを繰り返す必要がある。 -似た逸話を持つオーパスを3つそろえることで特殊なカレイドフェノムが使用できる。 --オーパス収集の一環として楽しめる要素ではあるが、使いづらかったり、弱いオーパスを配置しなければならない影響で、他のカレイドフェノムが弱体化したりといった弊害も起きてしまう。 --例えば、説明書に載っている例では「サンシー・ダイヤ」「ホープ・ダイヤ」「リージェント」の組み合わせは「所有者に不幸が訪れる宝石」という共通点がある。 ---ただ、「サンシー・ダイヤ」は極めて入手が難しく、情報無しではよほど運が良くないと入手できないため、例とするには難がある。 --他の例では、主人公の持つ「セイクリッド・デス」を絡めた配列、つまり主人公専用技が大して強くない上に低ランクのオーパスを使うため、使用可能技の一枠も低ランクになる弊害がある。他のキャラクターの特殊配列技が射程・範囲が優れているだけになおさら残念である。 --また、仲間の「ビショップ」は特殊配列技のオーパスを離脱時点までに揃えることが困難。(この時点では低確率のランダム入手限定) **問題点 ***戦闘システム面 -待機時間が減らなくなる状態異常「ディスコネクト」を高確率で与えるドロウジネス系のカレイドフェノムが強すぎる。 --あくまで高確率であって100%状態異常を付与できるわけではないが、ラスボス以外に状態異常耐性がない為、足止め役を作れば敵に何もさせないまま蹂躙する事が出来てしまう。 ---ちなみにそのラスボスだが、ステータス異常効果が効かず、全能力低下攻撃をしてきたり、攻撃を受け付けない姿に一定時間形態変化する等、まともに戦えばなかなかに厄介な敵ではあるのだが、味方の内一人が超長距離の技を使用すれば敵の射程外から攻撃可能だったり、ステータス異常に当たらないBTを増加させる攻撃を当て続ければ結局足止めが可能だったりと、攻略法が分かると嵌め殺す事も出来てしまう。 -敵味方含め全体的に状態異常の付与効果が多いため、敵にも使われ少々鬱陶しい。 --その為、状態異常の回復役を用意しておかないと、時間経過による回復を待たねばならず無駄に時間を食ってしまう。 ---ただし一番厄介な上記ドロウジネス系の技を使う敵は少なく、多いのは移動不可効果。本作は長射程攻撃も多いので、移動を止められてもオーパスの配置次第では問題なく戦える事も多い。 -確認できる敵の情報が少なく、行動前の事前の対策が取りにくい。 --基本的に相手に行動されるまでは何を使ってくるかすら不明。 --しかもカレイドフェノムの使用時に名称が表示されることもないので、エフェクトから判断するしかない。 -一部に使い道がほぼない他の劣化としか言えないカレイドフェノムが存在する。 -せっかく仲間キャラが多いのに、最初から最後まで編成の自由が一切利かない。 --魅力的なキャラも多く、また成長要素もあるゲームだけに、気に入ったキャラで自由に戦いたいと誰もが思うところだろう。 ---特に最終章はオーギュメントを持つデバイスレイン12人中10人が仲間として行動する。せめて最終戦の一枠だけでも自分の好きなメンバーを使いたかったという声は多い。 ---メンバーを変更できれば持って行かれたオーパス回収もできるので、そちらの面でもメンバー変更が望まれた。 -成長が無駄になりやすい。 --何故かといえば、''ころころメンバーが変わる上に、再加入時には固定ステータスで復帰する''為。 ---同色のオーパスをまとめて吸収させたことによるボーナス等も一切考慮されない。 --特に困り者なのが初期メンバーの1人である柊誠志郎。''終盤に一時離脱し、すぐに固定ステータスで復帰''する。 ---十夜・理子たちと長い間一緒にいるのでそこまでのゲーム進行においては当然ながら成長が有効だが、最後の最後で固定ステータスに戻されてしまう。 ---また、誠志郎ほどではないが最終メンバーの1人の壬生洋平も8章と10章でそれぞれレベルが上がった状態で参戦してくる。 //無理して成長させるのを止めても止めなくても難易度変わるようなゲームでもないし、成長放棄はわざわざ書くことじゃないかと。 --故に全ての戦闘に参加する十夜、その次に戦闘回数が多い理子の2人を中心にレベルアップさせるのが得策である。 -敵がドロップするオーパスは、その敵の種類や強さではなく戦闘する場所によって決まっている。 --入手可能なオーパスは変わらないが、フリーバトルの敵のレベルはこちらの平均レベルに合わせて変化する。 ---その為、下手に味方側を強化しすぎると、入手オーパス(経験値)は変わらないのにどんどん敵だけ強くなっていく。 あくまでフリーバトルだけなので、困ったらフリーバトルを諦めればいいだけではあるが。 ***その他システム面 -オーパスの持ち逃げ。 --装備させたオーパスは''離脱時に持って行かれる''。自動で外れるといった事はない。 ---一応、再加入時には装備品そのままで戻ってくるのでその際に回収はできるが、永久離脱されるとどうしようもない。 ---特にメンバーの1人「ビショップ」は中盤で永久離脱となるので、貴重品を装備させると泣きを見ることになる。また、味方としての参加が終盤1章限定というキャラが2人もいるので要注意。 --この仕様の所為で、主人公以外にうかつにレアなオーパスを装備させられない。 -メーカーロゴ(2種類)はスキップできない。オープニングデモも最初の数秒はスキップが利かない。またゲームの再開は「メモリーカードからロード→コンティニュー」と無意味に二重の手間を踏む為、更に時間を喰う。 --パッドリセットはできるがクイックロードはできない。 -一部にはフリーズバグも。 --敵の本拠地の地下5階でフリー戦闘を行うと、ザコ敵の行動の際にゲームがフリーズする事がある。ディスクを入れ直しても、直る時と直らない時がある。 -ラスボス戦後にセーブ出来るが、完全にED視聴用の上、周回要素もない。しかもその事を事前に知らせる事もない。 --その為、クリア前のフリーバトルでオーパス収集をしたい場合等、上書きしてしまうと取り返しが付かなくなる。 ***その他 -『悠久シリーズ』でおなじみのmoo氏が原画である為、本作もやはり癖の強い絵柄となっている。 --以前よりは綺麗になってきているが、顔のデッサンやポーズ等、気にする人にとっては割と致命的。 -戦闘時のBGMは、単調な上にループが短い。 -おまけ項目はデモの再生のみ。一部のイベントでは一枚絵が表示されるが、こちらの閲覧機能は存在しない。 **総評 いわゆる中二的なセンスでまとめられた現代が舞台のSFバトル物。~ 数々の凝った設定もあり、雰囲気の面では良く出来ており、それらもあってゲーム内のコレクション要素は非常に楽しい。~ 一方で戦闘面のバランスが非常に極端な物になっており、一部の攻撃技を使うと戦闘が完全に作業になってしまうほど。~ 世界設定が良く出来ているだけに、肝心のシステム面で微妙な出来になってしまったのは残念である。 ---- **余談 -前述の通りPS版・SS版が同日に発売された。同社作品『エターナルメロディ』『悠久シリーズ』の様なハード別イベントはないものの、OPムービーにわずかな違い(オーパスらしき物体の動き方)が見られる。 --カーソル移動や決定・キャンセル時のSEがPS・SSで異なっている。 --フリー戦闘開始時の敵の数は、味方と同じ数からその2倍までとなっているが、PS版は最低数近くに、SS版は最大数近くに偏る傾向がある。 -オーパスの由来や解説文は現実と異なっている点が多い。 --これは、開発スタッフによるとネタの盗用防止の為との事。 --かなり現実に即したネタだけに、実際のネタと勘違いしてしまったプレイヤーも多い。 -エンディングテーマは坂本真綾氏によるもの。氏はバンド活動を行う同級生役で出演しており、その同級生が歌っているという設定である。ソフトのディスクをCDモードで再生すればフルで聞くこともできる。 --''ロックのバンドなのに曲がバラード調なのは謎だが…''。 --また曲の前に''エンディング直前の会話もそのまま入っている''ため、いきなりネタバレになってしまっている。 --なお、作曲も5pb、MAGESの社長や会長を歴任している志倉千代丸氏という、現在からするとかなりの著名タッグである。志倉氏の曲としてはいかにもな感じだが、坂本氏のファンからすると、普段の坂本氏の曲調とかなり違うので違和感を感じる人もいるとか。 -本ソフトの説明書には、攻略本・ファンブック・サウンドトラックCD・ドラマCD・小説版の発売が告知されており、「様々なメディアに広がっていく『デバイスレイン』の世界」と銘打たれている。積極的にメディアミックスを行おうとしていた事が窺えるのだが…。 --実際は、小説版は世に出なかった。 --また攻略本とファンブックは統合されたらしく、書籍は1冊しか発売されなかった。 ---その書籍同梱の葉書を送ると、裏設定などが載った非売品のブックレットが貰えた。とはいえ開発中に変更されたのか、それとも単なるミスなのか、ゲームとは異なる記述もあるのだが…。 --ドラマCDは、ゲーム本編とは違って主人公にも声が付いている(緑川光氏)ものの、内容はゲームのプロローグをそのままドラマ化しただけであり、独自の展開などはない。 --サウンドトラックCDはゲーム内の音源をそのまま使ったものではなく、所謂アレンジサントラとなっており、原曲から大幅なアレンジがなされたものが多い。通常戦闘の曲に怪しげなボイスでコーラスが入っている他、原曲と比べると大幅にテンポが遅くて印象が全く異なる曲もある。 ---主人公の名前「雲野 十夜(くもの とうや)」は、『悠久シリーズ』に登場する「トーヤ・クラウド」をもじった物で同作品ファンをニヤリとさせた。もっとも声優は別人で、外見においても共通点はほとんどない。 ---またそのパッケージに描かれている敵キャラは、''ドラマ内には登場しない''。 //この部分は余談になると思うのでこちらへ。  -前述のラスボス戦後のセーブ時には、セーブデータに「2-B」と書かれるためマルチエンドの存在も噂された。 --劇中「(異性キャラの内)誰が好きなのか?」と聞かれ選択肢の出る場面もあり、さらに同社の前作『[[悠久幻想曲シリーズ]]』ではキャラ別EDがあるため個別ルートを探す者もいた。 ---当時メディアワークス自社ゲームの攻略本は発売時点では不完全な物であり、隠しシナリオなどは『電撃』誌上においてフォローする形式をとっていた。キャラ別EDの存在は誌上質問コーナーで取り上げるもはぐらかし続けたため、攻略本発売から半年後の『デバイスレイン』の攻略情報完結までささやかれ続けた。 --結局、「2-B」と書かれる場所はセーブした場所の記載場所であり、「2年B組の教室」という意味しかなく、マルチエンドは存在しなかった。 -ゲーム内の唯一の裏技(バグ?)としてCEを消費しないでカレイドフェノムを使用する方法がある。詳しいやり方は省略するが使ってしまうと今後のプレイに悪影響が出ること間違いなしである。 //議論系コメを削除。したければ意見箱でどうぞ。
*デバイスレイン 【でばいすれいん】 |ジャンル|シミュレーションゲーム|CENTER:&amazon(B000069SK9)&amazon(B000069SKL)| |対応機種|プレイステーション&br;セガサターン|~| |発売元|メディアワークス|~| |開発元|スターライトマリー|~| |発売日|1999年2月25日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|中ニセンスの塊|~| //判定変更メモ:16/6/9 不安定→なし ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''「裏切られるほうが悪いのさ。要するに、相手の本質を見抜いていないって事だからな」''} }} ~ ---- **概要 現代の東京都を舞台に、1人の少女を狙う巨大企業と彼女の同級生達の戦いを描くSFシミュレーションゲーム。~ プレイステーションとセガサターンで同時に発売された。 **ストーリー 高校生の雲野十夜と柊誠志郎は、ある日の放課後、同級生の少女カスミを自宅に送って行った。~ しかしそこへ謎の襲撃者が出現、彼女を連れ去ろうとする。~ 2人は「オーギュメント」と呼ばれる武器を手に、彼女を守るため戦う事を決意するが…。 **キャラクター #region(長くなるので折り畳み) -雲野十夜 CV:緑川光(ドラマCDのみ) --本作の主人公。私立藍仙高等学校二年。物事にあまり関心を示さないことから冷たく見られがちだが本心では仲間思い。 ---「セイクリッド・デス」の所有者となり、カスミを狙うダイスと戦っていくことになる。センターオーパスは黒。 -柊誠志郎 CV:関智一 --十夜の親友。私立藍仙高等学校二年。瘦せの大食いで冷蔵庫を空にすることも。意見をはっきり言うタイプなので衝突もしばしば。 ---「バルバロス」の所有者。センターオーパスは青。 -カスミ・アインハルト CV:川澄綾子 --本作のヒロイン。私立藍仙高等学校二年。自分の容姿にコンプレックスを抱いており、性格はおとなしく人見知り。 ---ダイスに狙われており、4章終盤でJ.B.に攫われてしまう。 -空木理子 CV:天野由梨 --十夜たちにオーギュメントを貸し与えたMIT卒業の才女。生真面目で絶対に折れない。 ---「ヘブンズ・キー」の所有者。センターオーパスは白。 -ビショップ CV:梁田清之 --本名不明の牧師。旧知の仲であるジョーカーの招いたトラブルに巻き込まれオーギュメント使いとなってしまう。 ---「テン・コマンドメンツ」の所有者。センターオーパスは緑。 -ジョーカー CV:岩田光央 --こちらも本名不明。麗しい見た目だが性別は男性。仲間と認めた人間は絶対に裏切らない。 ---「ルーイナス・シールド」の所有者。センターオーパスは黄。 -壬生洋平 CV:立木文彦 --謎の病気にかかった娘を助けるためにダイスに雇われていたがカスミの力で病気が治ったため、ダイスを抜けることになった。 ---「インディペンデンス」の所有者。センターオーパスは黄。 -佐伯柚流 CV:冬馬由美 --J.B.とウツロに復讐を誓うために様々な戦闘術を身につけた女性。 ---「ラ・ピュセル」の所有者。センターオーパスは赤。 -霧生忍 CV:石田彰 --ダイスの戦闘要員を務める少年。だが、ダイスへの忠誠心は低く、卑怯なことが嫌い。 ---「パペット・クロウ」の所有者。センターオーパスは白。 -園宗寺要 CV:沢海陽子 --ダイス日本支部の幹部で霧生の上司。平和利用のためにオーギュメントの研究・開発を行っていた。 ---「ジ・オーディナンス」の所有者。センターオーパスは青。 -名城瞳 CV:川上とも子 --十夜たちのクラスメート。十夜たちとのすれ違いから精神的に疲弊していたところをJ.B.に狙われる。 ---「ジーザス・シュラウド」の所有者。センターオーパスは緑。 -ウツロ CV:中尾隆聖 --要人暗殺・証拠隠滅を仕事とする殺し屋。サドでマゾ。 ---「ロッティン・バウンド」の所有者。センターオーパスは黒。 -J.B. CV:三木眞一郎 --本名・出身地など全てが不明の「Jack of Betrayer(裏切者)」を名乗る男。 ---「クイーン・デッド」の所有者。センターオーパスは赤。 -御子柴昭仁 CV:島香裕 --ダイス日本支部の支部長。園宗寺からオーギュメント研究を取り上げた死の商人。 -夕凪汐音 CV:坂本真綾 --十夜たちのクラスメート。バンド活動が忙しくて学校にはあまり来ていない。 --本作の事件に関わることはないが要所要所で出番がある。 -真端実 CV:石井康嗣 --表向きは私立探偵。裏では余計なトラブルを起こさないように管理している組織「外地会」のトップ。 --新宿を拠点としており、変化前のディゾナントのコアを銃で撃ち抜く芸の高さを見せる。 -備前淳也 CV:関俊彦 --十夜たちの高校の校医。親しみやすい性格なのか十夜たちは保健室に居座っていることも多い。 --しかし、ゲーム終盤では意外な「素顔」を見せることに… #endregion() **用語解説 -イデア理論 --「物質はすべてイデア情報を持ち、周囲に放射、そして吸収することで物質が変化する」という理論。 ---例えば後述する「所有者に不幸が訪れる宝石」は最初はただの宝石だが、たまたま幾人かの持ち主に不幸が訪れた結果、多くの人々が「これは呪われた宝石だ」と信じる(イデア情報を出す)。&br()するとそれを吸収した宝石自体が「呪われた宝石」というイデア情報を放射するようになり、実際に持ち主が不幸になる宝石に変化する、という理論。 -オーパス --上記の「イデア情報」をいわく付きの物から科学的に分析・抽出し、結晶化させた物。あくまで複製を作るだけなのでオリジナルのイデア情報が失われることはない。 ---ゲーム上の扱いとしては、下記「オーギュメント」に装備させ、他のオーパスとの組み合わせで使える技やステータスが変わる装備アイテム。&br()また、オーギュメントに吸収させる事で経験値になる消費アイテムでもある。 -オーギュメント --上記「オーパス」をコアに持つ武器。起動することで「SC空間」(シュレディンガー・キャット・フィールド)と呼ばれる戦闘フィールドを作り出し、組み合わせたオーパスでカレイドフェノムと呼ばれる現象(一般RPGで言う技や魔法)を起こす。 ---「SC空間」とはオーギュメントを持つ者、オーパスをコアに持つ「ディゾナント」と呼ばれる兵器((いわゆるザコ敵。本作において「デバイスレイン」(後述)以外の敵はすべてこれ。))が生み出すことができ、一定の範囲を強制的に引きずり込む。&br()こちらも環境まるごとを複製するため、SC空間内で物体を破壊、例えば街路樹を切り倒すなどをしても通常空間に戻った時、街路樹に変化はない。 --タイトルの「デバイスレイン」とは、オーギュメントを持つ者の総称であり、「道具を使う者」、反して「道具に使われる者」という意味がある。 --ゲーム上ではステータスの基礎となる武器。持ち替える事はないので、実質キャラ固有のベースステータス。 **特徴 -基本はアドベンチャーゲームの様に移動先を選び、ストーリーを進めていく。 --必ず行わなければならない戦闘の他、自由参加のフリー戦闘も存在する。 --主要イベントのみ、会話はフルボイスで行われる。但し主人公は声無し。 --各章の冒頭には、フルアニメーションによるデモが入る。一度見たデモは別モードでいつでも視聴できる。 //全10章ってのはネタバレにもなるし、わざわざ言わなくても紹介できるのでカット。 -お金や店は存在せず、オーパス以外のアイテムも登場しない。 --オーパスは敵を倒すと必ず1体に付き1つをドロップする。他にも一部のイベントでも入手できる。 ''成長システム'' -オーギュメント(装備武器) --オーギュメントはキャラ固定となっており、実質そのキャラのベースステータスとなっている。 ---オーパスを吸収させる事で経験値が溜まり、一定値ごとにレベルアップする。&br()その際、吸収させたオーパスは失われる。敵を倒しても経験値は増えないので、オーパス以外での成長は不可能。 ---レベルを上げる際、吸収させたオーパスの色によって、アップするパラメータにボーナスが付く(一度に同じ色のオーパスを多く与えると、色に対応したパラメータに数値が上乗せされる)。 ---成長はオーギュメントごとに特徴があり、例えば主人公の持つ「セイクリッド・デス」の場合、CS(HPに相当)とDis(攻撃力)が伸びやすいが、BT-Spの値が低く、行動可能になるまでが遅い。 ---各種パラメータの内、Mov(移動力)とBT-Sp(BT減少スピード)は成長しない。&br()CE-Sp(CE回復スピード)は限界までレベルを上げても2ポイントしか伸びない。 ---レベルの上限は50まで。レベルを上げるメリットはストーリー上必須となる戦闘が楽になること。&br()逆にデメリットになる可能性があるのはフリー戦闘時で、敵のレベルも変化して厄介な攻撃を仕掛けてくる場合があるため、レベルを上げまくったからといって劇的に楽になるわけではない。 -オーパス(補助アイテム) --オーパスは上記成長要素以外にオーギュメントに嵌める事でカレイドフェノム(魔法やステータス強化)を使用できる。というか、こちらがメイン。 ---オーパスは黒・白・赤・青・黄・緑の6色、S・A・B・C・Dの5段階のランクがある。Sランクはオーギュメントのセンターオーパスのみ。 ---オーギュメントは各色2つづつ、合計12個。 ---3x3のマスにオーパスをはめ込み、縦横の連続した3個で効果が判定される為、一度に身に付けられる技は6種類まで。なお、斜めはない。 --オーギュメントとオーパスには属性があり、その属性の組み合わせ次第で、攻撃や回復、ステータス強化に変化する。 ---組み合わせによってはカレイドフェノムを発動しないものもある。&br()具体的には赤・緑、白・黒、黄・青の組み合わせを含むと、特殊配列になっていた場合を除いて何も起こらない。&br()もう1つは「コア・サポート」と呼ばれるステータス強化。攻撃型か防御型かに分かれる。 ---9マスの内、中央は武器固有で変更不可能になっている為、そこがキャラ特性となる。 ---組み合わせたオーパスのランクにズレがある場合、組んだ中で最も低いランクのカレイドフェノムが発現する。&br()また、発現したカレイドフェノムよりもランクの高いオーパスを組んでいた場合、高いランクのオーパスに特性を持ったものがあればそれが適用されるため、Aランクのカレイドフェノムに特性を追加できるのはセンターオーパスだけとなる。 ---ゲーム中に存在する特性はA(効果範囲拡張)、B(カレイドフェノム使用時のBT増加量抑制)、C(消費CE抑制)、H(RR(命中率)増加)、P(Dis(攻撃力)増加)、R(射程延長)の計6種類。&br()ただし、AとRは適用外となっているカレイドフェノムが多めで、ランクが低いカレイドフェノムの場合は数値の増減量がかなり控えめ。また、特殊配列には特性は一切適用されない。 --吸収させない限りは一切消耗しない。 --配置の変更に限っては移動中だけでなく戦闘中でも可能だが、BT(行動ゲージに相当。FFなどとは逆で、0になれば行動可能)が増加する。 ''戦闘システム'' -戦闘は半リアルタイムのシミュレーションバトル。 --時間経過によって行動ゲージが減少して、ゼロになると行動可能になるタイプで、速度や状態異常次第で行動回数は変わってくる。 ---コマンドを開いている間や戦闘アニメーション中は、時間は経過しない。 --無消費の通常攻撃は存在せず、技の使用には全てCE(MPに相当)消費が必要。&br()その為、CEは時間経過で回復し、「待機」を選ぶと大きく回復する。 -味方は戦闘終了後に全回復する。戦闘中にCSが0になった者は退場となるが、やはり戦闘終了後にペナルティなしで復活する。 --敗北条件は「味方の全滅」のみ。全滅すると戦闘の最初からやり直すかタイトルに戻るかの選択になる。 --勝利条件は基本的に「敵の全滅」だが、ボス戦ではボスを倒すとザコ敵が全て消滅する((消滅したザコはオーパスを落とさない。))。 ---また一部のボスは条件次第で退却する。退却させずに倒すと貴重なオーパスを落とすが、ストーリーは変化しない。 -同時に戦闘に参加可能な味方は最大5人だが、メンバーの出入りはストーリーによって決まっており、自由な編成はできない。 --主人公のみ、ゲーム本編全ての戦闘に参加することになる。 ---- **評価点 //このゲームの最大の評価点はここら辺だと思うので最初へ -非常に凝ったSF的設定の数々。 --現代を舞台に武器であるオーギュメントや戦闘の原理など、SF的な凝った設定が用意されており、ゲーム中でも語られている。 --しっかり設定が練られた上で、シナリオ自体は割と王道になっている。 -歴史的遺物や呪い等の豊富な知識や遺物コレクション要素。 --各オーパスは、実在する歴史的遺物、偉人・著名人の持ち物、オカルト話に登場するアイテムなどのデータを元に作られたという設定であり、それぞれの逸話が作中で説明されている。 ---加えてオーパスは非常に数多く存在する為、これらを集め、設定を見るだけでも非常に楽しい。 -キャラクターは好評。 --主人公の見た目は金髪の不良、友人はチャラ男、敵には全身包帯の狂人やゴーグルで顔を隠した謎の男と、こちらも中二的センスのキャラ付けがされている。 ---特に敵キャラのJ.B.は見た目や言動、作中の行動から本作でも特に人気が高い。 -声優は豪華。脇役を含めて棒読みは一切なし。 -オーパス配置による試行錯誤の楽しさ。 --中央が固定で他8個のオーパスの属性次第で使用できる技が様々に変化する為、キャラごとに中央に合わせた配置を色々と試行錯誤するのは楽しい。 ---オーギュメント固有の技も存在し、これは同じ属性の組み合わせにしても他のキャラでは使用できない。 --ただ、後述の通り一部の技が非常に強すぎる為、最終的には「状態異常を持たせつつ、後をどう変えるか」という形になってしまいやすい。 -舞台が東京であり、現実に即した背景や建物が配置されている。 --その為、地味に東京の地名の勉強にはなる。 **賛否両論点 -独特なセンスの専門用語の数々 --いわゆる中二的センスの塊で構成されており、雰囲気作りの一環にはなっているが、初見では理解しづらい。 ---HP、MP、攻撃力、防御力などの一般的なパラメータまで専門用語に置き換えられている。しかも耳慣れた英単語をもじったものでもない。 ---さらに説明書では''専門用語をまた別の専門用語で解説する''など、難解さに拍車をかけている。 //やってる内に慣れる程度だったし、色々凝った設定の雰囲気作りにはなってたよ。 -メニュー画面のSE代わりの台詞 --コマンドを選ぶ度に「○○モードに移行しました」「○○を取りやめました」といったボイスが入る。&br()雰囲気作りの一環にはなっているが、毎度毎度聞かされるのは鬱陶しいという人も。 -隠し要素に近い一部のオーパス収集 --一部のオーパスはサブイベントや撤退するボスの撃破、特殊なイベントバトル等で入手できる。 ---最高ランクのオーパスはゲーム中に1箇所は確実な入手場所が設定されており、入手できれば非常に強力。 --コレクションゲームの側面もあるのでこれらを探して集める楽しみはあるものの、一部の低ランクオーパスがサブイベント以外では低確率のランダム入手でしか入手の機会がないのでコンプリートしようと思うと非常に厄介。 ---確実な入手を狙う場合、そのイベントで全て入手できるまでリセットを繰り返す必要がある。 --特に9章では複雑な手順を踏むことでPec(取得経験値)999のオーパスが10個貰えるというイベントがある。 -似た逸話を持つオーパスを3つそろえることで特殊なカレイドフェノムが使用できる。 --オーパス収集の一環として楽しめる要素ではあるが、使いづらかったり、弱いオーパスを配置しなければならない影響で、他のカレイドフェノムが弱体化したりといった弊害も起きてしまう。 --例えば、説明書に載っている例では「サンシー・ダイヤ」「ホープ・ダイヤ」「リージェント」の組み合わせは「所有者に不幸が訪れる宝石」という共通点がある。 ---ただ、「サンシー・ダイヤ」は極めて入手が難しく、情報無しではよほど運が良くないと入手できないため、例とするには難がある。 --他の例では、主人公の持つ「セイクリッド・デス」を絡めた配列、つまり主人公専用技が大して強くない上に低ランクのオーパスを使うため、使用可能技の一枠も低ランクになる弊害がある。他のキャラクターの特殊配列技が射程・範囲が優れているだけになおさら残念である。((赤オーパス「火炎冠」がCランク、緑オーパス「プセウド・ツァーリ」がDランクと非常に足を引っ張っており、早く組めるようになってもSCE(消費MPみたいなもの)が終盤レベル並みの124とランクに釣り合わないぐらいバカでかい。ダメージが高い・デバフ効果が強いと評価点も無くはないが帳消しにできるほどではない。)) --また、仲間の「ビショップ」は特殊配列技のオーパスを離脱時点までに揃えることが困難(この時点では低確率のランダム入手限定)。&br()青オーパス「ナーガル・クロゾルム」はCランクで入手しやすいが赤オーパス「ラスト・リゾート」がAランクという渋さ。&br()短射程・短効果ではあるもののダメージ・デバフ効果・高命中率など極めて優秀。 **問題点 ***戦闘システム面 -待機時間が減らなくなる状態異常「ディスコネクト」を高確率で与えるドロウジネス系のカレイドフェノムが強すぎる。 --あくまで高確率であって100%状態異常を付与できるわけではないが、ラスボス以外に状態異常耐性がない為、足止め役を作れば敵に何もさせないまま蹂躙する事が出来てしまう。 ---ちなみにそのラスボスだが、ステータス異常効果が効かず、全能力低下攻撃をしてきたり、攻撃を受け付けない姿に一定時間形態変化する等、まともに戦えばなかなかに厄介な敵ではあるのだが、味方の内一人が超長距離の技を使用すれば敵の射程外から攻撃可能だったり、ステータス異常に当たらないBTを増加させる攻撃を当て続ければ結局足止めが可能だったりと、攻略法が分かると嵌め殺す事も出来てしまう。 -敵味方含め全体的に状態異常の付与効果が多いため、敵にも使われ少々鬱陶しい。 --その為、状態異常の回復役を用意しておかないと、時間経過による回復を待たねばならず無駄に時間を食ってしまう。 ---ただし一番厄介な上記ドロウジネス系の技を使う敵は少なく、多いのは移動不可効果。本作は長射程攻撃も多いので、移動を止められてもオーパスの配置次第では問題なく戦える事も多い。 -確認できる敵の情報が少なく、行動前の事前の対策が取りにくい。 --基本的に相手に行動されるまでは何を使ってくるかすら不明。 --しかもカレイドフェノムの使用時に名称が表示されることもないので、エフェクトから判断するしかない。 -一部に使い道がほぼない他の劣化としか言えないカレイドフェノムが存在する。 -せっかく仲間キャラが多いのに、最初から最後まで編成の自由が一切利かない。 --魅力的なキャラも多く、また成長要素もあるゲームだけに、気に入ったキャラで自由に戦いたいと誰もが思うところだろう。 ---特に最終章はオーギュメントを持つデバイスレイン12人中10人が仲間として行動する。せめて最終戦の一枠だけでも自分の好きなメンバーを使いたかったという声は多い。 ---メンバーを変更できれば持って行かれたオーパス回収もできるので、そちらの面でもメンバー変更が望まれた。 -成長が無駄になりやすい。 --何故かといえば、''ころころメンバーが変わる上に、再加入時には固定ステータスで復帰する''為。 ---同色のオーパスをまとめて吸収させたことによるボーナス等も一切考慮されない。 --特に困り者なのが初期メンバーの1人である柊誠志郎。''終盤に一時離脱し、すぐに固定ステータスで復帰''する。 ---十夜・理子たちと長い間一緒にいるのでそこまでのゲーム進行においては当然ながら成長が有効だが、最後の最後で固定ステータスに戻されてしまう。 ---また、誠志郎ほどではないが最終メンバーの1人の壬生洋平も8章と10章でそれぞれレベルが上がった状態で参戦してくる。 //無理して成長させるのを止めても止めなくても難易度変わるようなゲームでもないし、成長放棄はわざわざ書くことじゃないかと。 --故に全ての戦闘に参加する十夜、その次に戦闘回数が多い理子の2人を中心にレベルアップさせるのが得策である。 -敵がドロップするオーパスは、その敵の種類や強さではなく戦闘する場所によって決まっている。 --入手可能なオーパスは変わらないが、フリーバトルの敵のレベルはこちらの平均レベルに合わせて変化する。 ---その為、下手に味方側を強化しすぎると、入手オーパス(経験値)は変わらないのにどんどん敵だけ強くなっていく。 あくまでフリーバトルだけなので、困ったらフリーバトルを諦めればいいだけではあるが。 ***その他システム面 -オーパスの持ち逃げ。 --装備させたオーパスは''離脱時に持って行かれる''。自動で外れるといった事はない。 ---一応、再加入時には装備品そのままで戻ってくるのでその際に回収はできるが、永久離脱されるとどうしようもない。 ---特にメンバーの1人「ビショップ」は中盤で永久離脱となるので、貴重品を装備させると泣きを見ることになる。また、味方としての参加が終盤1章限定というキャラが2人もいるので要注意。 --この仕様の所為で、主人公以外にうかつにレアなオーパスを装備させられない。 -メーカーロゴ(2種類)はスキップできない。オープニングデモも最初の数秒はスキップが利かない。またゲームの再開は「メモリーカードからロード→コンティニュー」と無意味に二重の手間を踏む為、更に時間を喰う。 --パッドリセットはできるがクイックロードはできない。 -一部にはフリーズバグも。 --敵の本拠地の地下5階でフリー戦闘を行うと、ザコ敵の行動の際にゲームがフリーズする事がある。ディスクを入れ直しても、直る時と直らない時がある。 -ラスボス戦後にセーブ出来るが、完全にED視聴用の上、周回要素もない。しかもその事を事前に知らせる事もない。 --その為、クリア前のフリーバトルでオーパス収集をしたい場合等、上書きしてしまうと取り返しが付かなくなる。 ***その他 -『悠久シリーズ』でおなじみのmoo氏が原画である為、本作もやはり癖の強い絵柄となっている。 --以前よりは綺麗になってきているが、顔のデッサンやポーズ等、気にする人にとっては割と致命的。 -戦闘時のBGMは、単調な上にループが短い。 -おまけ項目はデモの再生のみ。一部のイベントでは一枚絵が表示されるが、こちらの閲覧機能は存在しない。 **総評 いわゆる中二的なセンスでまとめられた現代が舞台のSFバトル物。~ 数々の凝った設定もあり、雰囲気の面では良く出来ており、それらもあってゲーム内のコレクション要素は非常に楽しい。~ 一方で戦闘面のバランスが非常に極端な物になっており、一部の攻撃技を使うと戦闘が完全に作業になってしまうほど。~ 世界設定が良く出来ているだけに、肝心のシステム面で微妙な出来になってしまったのは残念である。 ---- **余談 -前述の通りPS版・SS版が同日に発売された。同社作品『エターナルメロディ』『悠久シリーズ』の様なハード別イベントはないものの、OPムービーにわずかな違い(オーパスらしき物体の動き方)が見られる。 --カーソル移動や決定・キャンセル時のSEがPS・SSで異なっている。 --フリー戦闘開始時の敵の数は、味方と同じ数からその2倍までとなっているが、PS版は最低数近くに、SS版は最大数近くに偏る傾向がある。 -オーパスの由来や解説文は現実と異なっている点が多い。 --これは、開発スタッフによるとネタの盗用防止の為との事。 --かなり現実に即したネタだけに、実際のネタと勘違いしてしまったプレイヤーも多い。 -エンディングテーマは坂本真綾氏によるもの。氏はバンド活動を行う同級生役で出演しており、その同級生が歌っているという設定である。ソフトのディスクをCDモードで再生すればフルで聞くこともできる。 --''ロックのバンドなのに曲がバラード調なのは謎だが…''。 --また曲の前に''エンディング直前の会話もそのまま入っている''ため、いきなりネタバレになってしまっている。 --なお、作曲も5pb、MAGESの社長や会長を歴任している志倉千代丸氏という、現在からするとかなりの著名タッグである。志倉氏の曲としてはいかにもな感じだが、坂本氏のファンからすると、普段の坂本氏の曲調とかなり違うので違和感を感じる人もいるとか。 -本ソフトの説明書には、攻略本・ファンブック・サウンドトラックCD・ドラマCD・小説版の発売が告知されており、「様々なメディアに広がっていく『デバイスレイン』の世界」と銘打たれている。積極的にメディアミックスを行おうとしていた事が窺えるのだが…。 --実際は、小説版は世に出なかった。 --また攻略本とファンブックは統合されたらしく、書籍は1冊しか発売されなかった。 ---その書籍同梱の葉書を送ると、裏設定などが載った非売品のブックレットが貰えた。とはいえ開発中に変更されたのか、それとも単なるミスなのか、ゲームとは異なる記述もあるのだが…。 --ドラマCDは、ゲーム本編とは違って主人公にも声が付いている(緑川光氏)ものの、内容はゲームのプロローグをそのままドラマ化しただけであり、独自の展開などはない。 --サウンドトラックCDはゲーム内の音源をそのまま使ったものではなく、所謂アレンジサントラとなっており、原曲から大幅なアレンジがなされたものが多い。通常戦闘の曲に怪しげなボイスでコーラスが入っている他、原曲と比べると大幅にテンポが遅くて印象が全く異なる曲もある。 ---主人公の名前「雲野 十夜(くもの とうや)」は、『悠久シリーズ』に登場する「トーヤ・クラウド」をもじった物で同作品ファンをニヤリとさせた。もっとも声優は別人で、外見においても共通点はほとんどない。 ---またそのパッケージに描かれている敵キャラは、''ドラマ内には登場しない''。 //この部分は余談になると思うのでこちらへ。  -前述のラスボス戦後のセーブ時には、セーブデータに「2-B」と書かれるためマルチエンドの存在も噂された。 --劇中「(異性キャラの内)誰が好きなのか?」と聞かれ選択肢の出る場面もあり、さらに同社の前作『[[悠久幻想曲シリーズ]]』ではキャラ別EDがあるため個別ルートを探す者もいた。 ---当時メディアワークス自社ゲームの攻略本は発売時点では不完全な物であり、隠しシナリオなどは『電撃』誌上においてフォローする形式をとっていた。キャラ別EDの存在は誌上質問コーナーで取り上げるもはぐらかし続けたため、攻略本発売から半年後の『デバイスレイン』の攻略情報完結までささやかれ続けた。 --結局、「2-B」と書かれる場所はセーブした場所の記載場所であり、「2年B組の教室」という意味しかなく、マルチエンドは存在しなかった。 -ゲーム内の唯一の裏技(バグ?)としてCEを消費しないでカレイドフェノムを使用する方法がある。詳しいやり方は省略するが使ってしまうと今後のプレイに悪影響が出ること間違いなしである。 //議論系コメを削除。したければ意見箱でどうぞ。

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