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アーマード・コア ラストレイヴン - (2014/06/01 (日) 18:19:18) の編集履歴(バックアップ)


アーマード・コア ラストレイヴン

【あーまーど・こあ らすとれいう゛ん】

ジャンル カスタマイズメカアクション
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 フロム・ソフトウェア
発売日 2005年8月4日
定価 7,190円
廉価版 PlayStation2 the Best:2006年11月30日/2,800円
ポイント ACシリーズ『N系』第3作にして最終作
シリーズ屈指の高難度・ランク査定も健在
かつての過ちを繰り返した部位破壊
ストーリーやキャラクターは高評価
アーマード・コア シリーズ 作品リンク


概要

アーマード・コアシリーズ10作目の作品。「PS2最後のアーマードコア」でもある。(『フォーミュラフロント(FF)』はカウント対象外)
俗に言う「N系三部作」のトリを飾る作品であり、これ以降の作品は次世代機で展開される新シリーズに移行している。

今までのACの世界観に輪をかけて重厚で退廃的な世界観が特徴で、時系列的には『ネクサス(NX)』の続編に位置する。
キャッチコピーは「誰もが、生きる為に戦っている。」

通称『LR』。以降このページではLRと略す。


ストーリー

『NX』の最終局面において全世界にまき散らされた特攻兵器は、各地に甚大な被害をもたらした。
利権争いどころではなくなった各企業は一時的に協力し、連合統治機構「アライアンス」を設立、世界に新たなかりそめの秩序を作り出す。

アライアンスによる新たな秩序も固まり始めた半年後。
かつてのレイヴン統率組織「レイヴンズ・アーク」の主宰、ジャック・O率いる大規模武装集団「バーテックス」は、アライアンスの秩序を揺るがすあるひとつの声明を世界に発表する。
バーテックスは「アライアンスの打倒と、レイヴンによる新たな秩序の創出」という理念を掲げ、アライアンス陣営への総攻撃を予告。
世界は、再び争いの渦に巻き込まれて行くことになる。

両陣営の戦力は五分と五分。
戦いの鍵を握るのは、両陣営にとっての最重要戦力となるACを保有する22人のレイヴンたち。
バーテックスの24時間後の総攻撃予告を前に、レイヴンたちは胸にそれぞれの理由を秘め、戦場へと向かう。

ある者は野心を胸に、ある者は富と栄誉を求め、ある者は信じる正義の為に戦い、ある者は強者との戦いを求め----

誰もが、生きる為に戦っている。


システム・特徴

ゲームモード

  • ミッション:様々な依頼をこなしていくシリーズ恒例のモード。
    今作ではシリーズ初のマルチエンディングを採用。細かい途中分岐を除くと、ルートは6種類。
  • VRアリーナ:シリーズおなじみのアリーナ。仕様はこれまでとやや異なる。
    • フリーミッション&EXアリーナ:1周クリアすると追加される。1度クリアしたミッションと、倒した事のある敵ACを自由に選択できる。
  • 対戦:お馴染みの通信対戦機能も搭載。今回は新たにレギュレーション機能を搭載している。

特徴 -ミッション・ストーリー関連-

  • LRは「バーテックス総攻撃までの24時間」という設定で物語が進んで行く。
    • とはいえ、やることは以前のシリーズとほとんど変わらない。ミッションが24時間の中にぎゅっと詰まった、と考えてもらえればOK。
      • ミッションの内容は様々。ただ、今回はレイヴンが物語の重要なキーパーソンになっている為、対AC(レイヴン)の戦いが多め。
        ミッションでレイヴンを撃破するとレイヴンごとに設定された賞金と、報償パーツが手に入る。
  • 今回の特徴は、ずばりマルチエンディング
    • 今までの作品では「マルチエンディングをにおわせながらも実際のエンディングはひとつ」という肩すかしな作品がいくつかあった。
      しかし、本作は正真正銘のマルチエンディング。プレイヤーの選んだミッションにより、最終的に6つのルートに分岐する。

特徴 -戦闘関連-

ナインブレイカー(NB)』からの調整が激しい。以下、特徴的な変更及び新要素。

  • 部位破壊
    • 今回ACのフレームパーツにはAPとは別に隠しパラメータとして耐久値が設定されており、一定のダメージを受けると、部位が損傷、やがては破壊される。
      損傷すると損傷部位によってACの機能に障害が発生する(頭部が損傷すればレーダー機能に支障が出る、コア損傷で付加機能に影響が出る、など)。
  • 部位破壊実装に伴う当たり判定の細分化
    • 部位破壊の実装に伴い、各パーツの当たり判定が細分化し、ACの当たり判定が小さくなった。
  • ACの高速化
    • 全体的なブースト出力の調整により、ACが高速化。ゲームスピードが上がった。
      • また、ブースターに「ブースト加速度」のパラメータが追加された。高ければ高いほど最高速に達するまでの時間が短い=機敏に動ける。これにより「出力はイマイチだがきびきび動ける」「大出力だがもっさり」など、高出力一点張りだったブースターの選択肢が広がった。
      • しかし、前述の調整とこれが組み合わさったことで、ある問題が…後述。
  • 熱システムの緩和
    • ラジエーターなどの性能上昇も相まって、ブースト、被弾時の発生熱量が緩和。これにより、熱量によるハメ殺しの脅威は殆どなくなった。
  • ブレードホーミングの復活
    • 空中でブレードを振った際の、相手への追尾が若干だが復活。

特徴 -その他-

  • 今回は「生と死」を意識した演出が多数見受けられるが、その一環か、敵味方どちらのACもAPが0になると、擱座ではなく爆散するようになった。
    ほかにも損傷部位にスパークが走るなどの、損傷を強調する表現が見られる。
    • またシリーズ初の試みとして、敵勢力に「歩兵」が登場する。歩兵の攻撃力は非常に低く、防御力も皆無なのでゴミのように蹴散らせるが、ロックオンできない上数で押してくるため、歩兵らしく鬱陶しい存在となっている。
  • BGMは今までのACとは大きく異なり、環境音楽のようなミニマル調の曲が多い。ミニマル調が基本だが、「Six」「I'll talk you」のようなボス戦に相応しい盛り上がりのある曲もある。
    • 効果音もリアル感を意識した仕様になったものもある。
  • 各所に挿入されるデモムービーでは、今までのシリーズよりもいっそう派手にACが躍動。
    • また、フロムお家芸のフルCGオープニングはなんと二本立ての大盤振る舞い。どちらも完成度が高いフロムらしい仕上がりとなっている。
      • ムービーの美しさは次世代機も真っ青のレベルであり、半ば実写である。それでもさらに美しくなっていくのだから、フロムに限界はないのか。

問題点

一人プレイにおける問題点

しかし、本作が「オールドシリーズ最後のACとして相応しいか?」と聞かれれば、多くのレイヴンはNO、と答えるだろう。それはなぜか?

  • まず、全体的なミッション難度の高さが挙げられる。
    • クリアだけなら練習すれば何とかなるが、問題は最高評価のSランク取得。取得条件が(例によって)はっきりと示されておらず、またかなりややこしく設定されてしまっている。攻略本・攻略サイトを見なければ制覇は困難。『サイレントライン(SL)』や『NB』とはまた違う意味で理不尽な方向に傾いている。
    • おなじみの「Sランク取得が入手条件の隠しパーツ」も存在。パーツコンプリートへの道を阻む。
  • 初心者には厳しい対AC戦もミッションで序盤から登場し、特に最適なアセンブルを組むのに苦労する序盤では苦しい戦いを強いられる。その極致がゲーム開始初期に選べる3つのミッションのひとつ「管理局強行偵察」。
    • 最初は弱いザコ敵を倒すだけなのだが、エリアの最深部には強化人間*1・多数の高火力エネルギー武器・固い装甲という凶悪な性能を持つ、バーテックスの実力派レイヴン「ライウン」とのタイマンが待ち受けている。
      シリーズ恒例の「初心者殺し」にしても極悪なシチュエーションであり、前情報を持っていない多くのレイヴンを葬り去っていった。
      • 歴史の長いACシリーズではあるが、最初に選択できるミッションでACと戦うシチュエーションがあるのは後にも先にも本作だけである。しかも相手は強化人間かつ充実した装備を備えた上位クラスのレイヴンであり、アリーナ下位の雑魚ランカーとはわけが違う
    • 現在は無改造の初期機体で管理局強行偵察をクリアすることがラストレイヴンのもっともポピュラーなやりこみとされるなど、遭遇時のライウンのセリフ「命令だ、死んでくれ」と共に半ばネタとして愛されるようになっている。
    • その後は楽なミッションもちょくちょく出てくるようになるものの、所謂「騙して悪いが」*2系ミッションでACとの連戦を強いられる、ECM装備の高級MTとACが同時に襲ってくるなど、凶悪なミッションはちょくちょく登場する。勿論、中盤を過ぎるとミッションの難度はさらに上昇する。
  • 全体的にステージも狭くなってしまったため、せっかくのスピード上昇も台無し。更に電波障害が発生している・地形が悪いステージも多く、更に難易度を上げている。
    • ミッション内容も、狭いステージ内を敵の猛攻に耐えながらひたすら進んでいくという、スピードを生かせないミッションが多い。また、そこらじゅうに配置された歩兵の避け様のない攻撃もストレスを溜める要因になっている。
  • そして本作の難易度の高さを象徴するのが、高難易度のミッションを多数経由して辿り着く通称「ジナイーダルート」の最終ミッション「中枢突入」。その難易度たるや、インターネット上で「難しかったゲームのボスは?」という話題になるとナインボール・セラフや上級距離維持Lv5と並んで確実に話題に出てくるほど。
+ 中枢突入、その実態
  • その内容は「回避スペースのない狭い通路で、前方から突っ込んでくる特攻兵器を処理・敷き詰められたレーザートラップを回避しつつ、最奥を目指す」→「周囲から絶え間なく飛んでくるレーザー砲を回避しつつ、壁面に設置されたエネルギー源を破壊」→「最後に登場する、最終決戦仕様のジナイーダ*3とタイマンし、これを撃破」という流れで構成されている。
    • ハッキリ言ってジナイーダ戦までは攻略法さえわかればラクであり、特にエネルギー源の破壊は「歩行移動さえしていればレーザー砲はほぼ回避できる」ということにさえ気付けば、エネルギー源がロックオンできず狙いにくいことを除けば少ない損害で攻略できる。問題はこの後に控えるジナイーダであり、高難度ミッションを超えた果てに待ち受ける最大の障壁として、プレイヤーの前に立ちふさがる。
    • まず、機体性能が根本的にプレイヤーと違う。強化人間であることに加えてさらにスピードを中心に専用の性能補正がかかっており、圧倒的なスピードでほぼ息切れすることもなく、トップアタックを仕掛けてくる。常に背後を取ろうと高速で上下左右に移動してくるため、一定以上のスピードを確保した機体でなければサイティングすることすら困難であり、一時は「重量級の機体ではクリアは不可能」とさえ言われた。
    • さらに武装も豪華で、近距離用のマシンガンとミサイルはともかく、背部に搭載したパルスキャノンが恐ろしい脅威となっている。このパルスキャノンはプレイヤーが使う分には「強力だが高速連射されるためエネルギー消費が馬鹿にならず、そもそもキャノン系なのでタンクか四脚でなければまともに扱えない」という極端な特性の武器なのだが、ジナイーダはその欠点を強化人間の恩恵で全て打ち消してしまうため、死角のない超火力武器となっている。これを受け続ければどんなにエネルギー防御を固めていても一瞬でAPが蒸発し、部位破壊まで誘発してしまう。
    • これに加え、先に述べた前哨戦を効率よくこなすためにアセンブルをジナイーダ戦に最適化することができない上に、前哨戦でダメージを負ってしまうためどう頑張っても完調の状態でジナイーダと戦うことができないのが高難易度に拍車をかける。
    • 唯一の救いは右腕武器のハンドレールガンの性能が低いことと、パルスキャノンは肩武器なので相手が武器を切り替えない限り使ってこないということ。一部のレイヴンからは「ラスジナ戦はどれだけパルスキャノンが飛んでこないかの勝負」と言われることも。
  • このようにACLRの鬼難易度の象徴として語られることの多いラスジナだが、撃破した時に見られる専用のエンディングは感動モノ。血反吐を吐くような戦いを乗り越える価値のあるものとなっている。
  • VRアリーナの利用には賭け金が必要で、金欠の時には戦えない。アリーナは手軽に小金を稼げる場所&操作練習の場として機能していたのに、どうしてこうなった。
    • N系の悪癖で「対戦ステージは選択不可」であり、相手毎にステージは固定される。
    • 対戦相手のロジック自体はN時代からある程度向上しているが、今作でも強化人間を盾にごり押してくるタイプの敵が多い。また、やや困難ではあるが、相手のACの頭上に着地すると一切の動きを停止してしまうというロジックを持った敵が数体存在し、これを利用することであっさり勝ててしまう相手も。ステージが狭いのも相まって、一部の相手に対しては地形にハメることでほとんど一方的に勝利することも可能。
      • さらに、VRアリーナ、EXアリーナともに、「肩武器を一切使用しない」「マシンガンを連射しない」など、明らかにロジックに欠陥がある敵が存在する。
    • 今作のVRアリーナのトップランカー「ダイ・アモン」も、ACシリーズ恒例の「強化人間の恩恵を活かしてのトップアタックからのラッシュ攻撃」というロジックで動く。ステージと肩武器のリニアキャノンのお陰で前作のトップランカーであった「イツァム・ナー」よりは強く仕上がっているが、いささかワンパターンな感は否めない。
      • しかも、フレームパーツはイツァム・ナーのAC「プロトエグゾス」を頭部以外コピペしている。武装も両手マシンガンというところがプロトエグゾスと酷似しており、これもワンパターン感を助長してしまっている。

難度の高さは人によって感じ方の違いもあるので、一概に否定は出来ない。ただ、問題はまだ残っている。

対戦プレイにおける問題点

クソゲーオブザイヤーにもノミネートされてしまった前作『NB』は、対戦バランスの良さが後に再評価された作品でもあった。
ではその続編であるLRはその高バランスを維持しているか? 答えは『否』である。

  • 部位破壊。このシステムでは単純に負けている側がより不利になってしまうため、多くのレイヴンから忌み嫌われている。
    • また、このシステムの実装はフロート型脚部パーツをカテゴリごと産廃に追いやった。全体的に脚部の位置が高いフロートは脚に被弾しやすく、その結果すぐに破損及び破壊が発生、マトモな戦闘継続が出来ないレベルに機動力をそぎ落とされてしまう。機動力がほぼ全てのフロートで機動力が低下するとどうなるかは言うまでもない。
    • 『SL』ではこのシステムの原型とも言える「武器破壊」が実装されていたが、レイヴンからの受けはあまりよろしくなかった。更に『SL』では対戦では武器破壊をオフにすることが出来たのに対しLRではオフにできない。
      なぜフロムは似たようなシステムが過去に批判を受けながら改悪システムを実装したのか、疑問を感じざるを得ない。
  • では、フロートを抜きにすればゲームバランスはいいのか? …それがそうでもない。
    • まず、特徴の項で述べた「当たり判定の細分化」と「AC全体の機動力増加」が組み合わさり、弾が当たり辛くなってしまった。そのため回避がきっちり出来るプレイヤー同士が対戦すると、互いの弾が当たらず泥仕合になることが多い。
    • 機動力重視の時代となり、ほとんどのレイヴンは高速機動特化型の機体を構築。弾速の速い武器を使ってのチマチマとした引き撃ちが戦闘の主体となった。…アセンブルの自由度はどこに?
      • 引き撃ちが主流になったのは、機動力が底上げされた結果サイティングの難易度が上昇したことも一因に挙げられる。距離をとればACの見た目上の動きは鈍くなるため、サイティングが容易になる。
    • 攻撃を回避する爽快感はあるが、攻撃が当たらないことによるストレスも大きく、評判はいいとはいえない。また、攻撃が当たりづらいにも関わらずパーツの弾数などは前作からほとんど調整されていないため、非常に弾切れが起こりやすい。
    • 機動力がアセンブルにおいて大きなウェイトを占めるため、全体的に調整され、加速度のパラメータが追加されたブースターも、多くのアセンブルにおいて結局は最高出力ブースター一択になってしまう。しかも本作の最高出力ブースター「CR-B83TP」はブースト時の発熱量が少なく、ラジエーターに負担をかけないというメリットまである。
  • また、パーツのパラメータ調整は今回も適当。相変わらず重量と性能が釣り合ってないプラズマキャノンやスラッグガン、当たり判定の細分化のお陰で防御判定が縮小され実用性が低下したシールド・追加装甲、どう考えてもハンデとなる為に作られたとしか思えないハンドレールガン*4、まさかの旋回大幅減でフロートと同じく対人戦は絶望的となったタンク*5などがいい例。
  • 復活したブレードホーミングではあるが「ないほうが扱いやすい」とまで言われるほどの癖の強さで、今までのシリーズのモノに比べて人を選ぶ。

評価点

  • シナリオ
  • 「ストーリーの核心について直接は語らず、プレイヤーに推理や想像の余地を与える」ような展開が多かった今までのACシリーズ。しかし今回はかなり展開に関するヒントが多く、物語性が強調されている。
    • また、ルートによって大きくその役柄を変えるレイヴンたちも評価が高い。特に重要人物であるエヴァンジェは、各ルートでそれぞれ違った役者として描かれている。
    • 計6つあるエンディングの中で先述したジナイーダルートを進んだ場合、エンディングの前に1シーン挿入される。
      言葉少なく動きも無いシーンだが、ファンのハートをぶち抜くその内容とそこに到るまでの血反吐を吐きそうな難易度の相乗効果で、多くのレイヴンの心に焼き付いた。
      • ただ、回収されていない伏線は多い*6。もっとも、LRまでやり込んできたレイヴンならば「フロム脳の介入の余地」と捉えることが出来るだろう。
  • ガレージ(機体構築画面)
  • 『FF』の仕様を更に昇華させた今回のガレージはとても使いやすくなっており、現在でも歴代最高であるとの評価が高い。
    • 機能面はもちろん、第二のポイントとして、自分の組み立てた機体を周囲から自由に観察する事ができる。これまでは勝手にクルクル回っている自機を決められた固定視点からしか見られなかった。大きな進歩である。
  • 問題点の項で批判した対戦バランスだが、(シリーズの伝統と言うべきか)一部の強パーツを制限すれば、かなりアセンブルや戦術に幅が出ることも事実である。
    内装パーツの全体的な上方修正や戦闘の高速化に伴い、前二作では使われなかったパーツに日が当った点は大きい。
    • 『NB』の「Bレギュ」のような広く知れ渡っているレギュレーションは無いが、地方によって様々なレギュレーションが作られ、対戦会も開かれた。
  • 他、ゲームスピードの高速化は概ね肯定的に捉えられている。

総評

かなり力の入った作品ではあったが、理不尽な難易度、余計なシステムなど欠点が目立つ出来となってしまった。
気合いの入ったシナリオやN系の過去作で指摘されていた欠点を修正し、特色のひとつとして昇華した点は評価すべきだが、練り込みが甘い部分も散見され、オールドシリーズ最後のACとしては少々苦しい出来となってしまったのは否めない。
特に部位破壊に関しては、なぜ過去の過ちを繰り返してしまったのか理解に苦しむ。

しかし、重厚な世界観やスピード感のある戦闘などの評価点もあり、決してクソゲーではない作品であることも事実である。
難易度の高さからビギナーにはお勧めできない、ある程度他の作品で修練を積んだレイヴン向けの作品である。


余談

  • ACと言えば多かれ少なかれ含まれるネタ要素。某動画サイトの利用者ならば「フラジール」「尻を貸そう」などの単語が浮かんでくるであろう。
    本作も多くネタキャラを輩出しており、中でも「遅かったじゃないか・・・」でおなじみ弱王ことジャック・O*7に始まり、「管制室ちゃんと援護しろよぉ!」などの迷言でレイヴンの腹筋を破壊したモリ・カドルや、「じょ、冗談じゃ」などの弱気な台詞で小物感たっぷりのズベン・L・ゲヌビ、きのこ先生の愛称で知られるグリーン・ホーン、ふたりはダムキュア、緊急発進☆レビヤたんなどの多くのネタキャラが生まれ、愛された。
  • PS2最後の作品、そしてシリーズ最高の難易度ということも相まってか、現在でもミッションや対戦の研究が続いている息の長いタイトルでもある。
    • 中には隠しミッションを除く全ミッションをノーダメージクリアという偉業を達成したプレイヤーも存在する。難点も多いが、強烈な魅力を持つゲームであることは間違いないだろう。
  • 2013年末時点で、本作がレイヴンが主人公の最後のACシリーズである*8。そういう意味でもラストレイヴンである。