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ロックマンワールド - (2016/10/15 (土) 08:48:10) の編集履歴(バックアップ)


ロックマンワールド

【ろっくまんわーるど】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 水口エンジニアリング
発売日 1991年7月26日
定価 3,500円
配信 3DSバーチャルコンソール
2011年6月7日/400円
分類 良作
ロックマンシリーズリンク


概要

ファミコン版『ロックマン』及び『ロックマン2』を元に再構成したアレンジ移植作品。
この「ファミコン版の2作からボスを4体ずつ採用」という形式は、最終作である『ワールド5』を除き、受け継がれた。

シリーズ20周年に発売されたムック『オフィシャルコンプリートワークス』にて、本家シリーズのプロデューサーの稲船敬二氏は、
「外部に発注して製作した初めてのロックマンだったが、そこの企画マンがロックマン好きで、ロックマンをかなり分かっていると思った。そのためにいい出来になった。」と語っており、次作『ワールド2』を除く後のワールドシリーズは全て同じ会社が開発を担当している。

特徴

  • 基本システムは初代『ロックマン』(以下『1』)がベースのためスライディングやチャージショットなどは存在せず、ライフを回復できるE缶も無いため難易度は高め。
    • ただし、被ダメージ時にトゲ等の即死オブジェに触れても大丈夫であるなど、『2』の要素も取り入られているところもある。
  • ステージ中の仕掛けなどは基本的にはファミコン版がベースとなっているが、独自のギミックも多く、本家シリーズ経験者でも退屈することなく楽しむことが出来る。
    • 『1』では初期作ゆえの理不尽な敵の動きやステージ構成があったが、本作では問題点が見直されており遊びやすくなっている。
    • BGMも『1』は他のシリーズと比べ、電子音感が強かったり、妙にスタッカートが多く聴きにくい感じがあったが本作ではなめらかで聴きやすく改善されている。
  • ボスキャラは『1』と『2』から4体ずつと、本作オリジナルの「エンカー」の計9体。また、「キャリー」という移動用アイテムも存在する。
    • 本作に登場しなかった『2』のボス残り4体は次作『ワールド2』に登場したが、『1』のガッツマン及びボンバーマンは結局GB作品には出られず仕舞いであった。
      • この2体のボスの特殊武器の使いづらさが原因と考えられる。ただしガッツマンの武器「スーパーアーム」は後に『ワールド5』で「ディープディガー」として形を変えて登場している。
      • ボンバーマンの武器「ハイパーボム」は『ロックマンロックマン?』でようやく改善された。
  • ロックマンとボスの体力、および特殊武器ゲージ数が「19」に統一された(ファミコン版では各ゲージとも、数値は「28」)。
  • ジャンプ中や落下中に慣性がつくようになった(ただし、次作『ワールド2』は除く)。
    • 上記2つは、以降のワールドシリーズに受け継がれることとなった。
  • 特殊武器の需要も高めで、中でも攻撃範囲の広いサンダービームや、敵の動きを止められるアイススラッシャーが役立つ場面が多い。
  • エンカーから取得できる武器「ミラーバスター」は、前方にバリアを張り敵弾を跳ね返すというシリーズ全体から見ても非常に珍しいタイプのもの。
    • ただし使えるのは最終ステージのみで、道中で使いすぎるとラスボス戦で詰むため実質対ラスボス専用。
    • エネルギー切れによりラスボス戦で詰むことも含めてロックマン2の再現と言えなくもないか。

問題点

  • 画面サイズが小さくなったためか、ロックバスターなどの弾速が遅くなり、連射が効きにくくなった。
    • それだけでなく、敵の攻撃が回避しにくくなったといった弊害も生じた。
  • ロックバスターでボスに与えられるダメージが「1」に固定された。
    • 連射が効きにくくなったことも相まって、ロックバスターのみでの攻略が難しくなった。
  • 各ゲージが19に統一されたことにより、FC版と比較してロックマンの体力や特殊武器の使用回数が相対的に減少した*1
    • もっともボスの体力も減少しているため、FC版よりも短期決着をつけやすくなったボスも存在する。本作以降では、それがより顕著になる。
  • ステージ数が少なく、『2』のボス4体及びエンカーはワイリーステージ前半の最後にボスラッシュ形式でまとめて戦うことになるなど、後半に詰め込み過ぎな感がある。
    • そのため特殊武器を試し撃ちする暇が無く、全てのボスを倒して次のステージ(最終ステージ)に進むまで武器エネルギーは一切回復することが出来ない。
    • フラッシュマンから取得できる「タイムストッパー」などは一度使うとエネルギーが切れるまで止まらないため、誤って無駄遣いしてしまうと悲惨である。ただし、バグか仕様かは不明だが、スクロールなどで画面が切り替われば武器変更が可能になるという抜け道も一応ある。
    • ゲームオーバーになれば武器エネルギーは全回復するが、再開地点はワイリーステージの最初で、ボスラッシュで得た特殊武器も没収される。つまり振り出しに戻る。他作品のようにボスラッシュから再開することはできない*2
  • 移動用アイテムの性能が微妙
    • 元の作品には『1』にはマグネットビーム、『2』には後のラッシュの原型となるアイテム1号~3号という移動用アイテムがあったが、本作では代わりにオリジナルの「キャリー」というアイテムを入手できる。
    • このアイテムは最初の4ボスを倒すと入手できるが「足場を1個だけ出現させる」というアイテム1号の劣化版でしかない。
    • 容量の関係でこうなってしまったのかもしれないが、このために『2』にあった「移動用アイテムを駆使して進む」という多彩なステージ構成が失われている。

総評

外注作品でありながら出来は良くアクションゲームとしてもロックマンシリーズとしても十分楽しめる内容。
第1作ということもあってこの時点では問題点もやや多かったが、以降のシリーズではほとんどの問題点が解消され、本家シリーズにも引けを取らないほどの出来となっている。

その後の展開

  • 本作オリジナルボスのエンカーは後にシリーズ最終作『ワールド5』のワイリーステージの中ボスとして再登場している。
    • 他にも『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』で他のロックマンキラーと共にスペシャルステージのボスキャラとしても登場している。ちなみに彼のスペシャルステージは本作のワイリーステージを再現したものとなっている。
    • ワールドシリーズに登場するロックマンキラー達も、通常ボスと区別して音楽用語から名づけられることになるが、先駆者である彼の名前の由来は「演歌」。第一作目からいきなり渋いチョイスだ。