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じゅうべえくえすと - (2021/10/20 (水) 11:23:17) の編集履歴(バックアップ)


じゅうべえくえすと

【じゅうべえくえすと】

ジャンル RPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ナムコ
開発元 バースデイ (企画制作・デザイン)
イマージュソフト
発売日 1991年1月4日
定価 7,800円(税別)
判定 なし
ポイント ストーリーが長くボリュームが多い
戦闘のバランスがあまりに大味
宝箱とフィールドの罠でやる気をそがれる


概要

貝獣物語』を手掛けた「バースデイ」制作のオーソドックスなRPG作品。 物語上の繋がりはないが、端々に貝獣物語のシステムを導入している。
また本編10章、裏ワールド2章の12章仕立てでボリュームはファミコン作品では有数。

あらすじ

やぎゅうの里の空に激しい光と共に空間が裂け、飛び出してきた2つの球が激突した。
1つは遠くに飛び出し、もう一つは三色の光の球に分かれやぎゅう谷へと落ちた。
やぎゅうの里城主がその谷を調べると、右目を怪我した赤ん坊が入ったカプセルが落ちていた。
その事件から15年後。世界は時空の歪んだ摩訶不思議な戦国世界へと変貌していた。

そんな不安定な世界では、宇宙塚を中心にした不思議な事件が発生しており、
やぎゅうの里城主は親友であるおわりにゅうどうと共に、魔界衆が原因であると突き止める。
彼らを探る最中に行方不明になったおわりにゅうどうを探し、魔界衆を止めるようにと頼まれ、
主人公、じゅうべえの冒険が始まる。 (ゲーム冒頭より)

基本システム

  • 一般的な「ドラクエ型」のRPG。
    • フィールドを移動するランダムエンカウント方式。
    • 一定の経験値でレベルがあがり、お金を用いて装備を整え強化するシンプルなスタイル。
  • 探す
    • 足元ではなく、目の前のマスを調べるシステムのため、同じマスでも向きが違うとアイテムの入手が出来ない事がある。
    • 十字ボタンのちょん押しにより向きを変えられる分、歩きはじめるにはラグが存在する。
  • 旅日記
    • どこでもセーブが出来るこのゲームの良心。
      • エンカウントが激しい、ボスが強い、アイテム変換が確率であるなどの理由から有り難いが、一方でバランスが崩れる原因となる。
  • 助っ人
    • 戦闘員3人、非戦闘員11人の固有能力を使う事が出来る。
    • 宝箱の罠を解除する、アイテム変換が出来る、ダンジョンから離脱する、解読できない言葉を解読するなどゲームの上で重要な力を持つ。
      • 助っ人システムは形を変えて『大貝獣物語』に継承された。
  • 超力
    • 他のゲームでいうところの「魔法」
      • 攻撃の超力には7種類の属性があり、敵によって効きやすい、効きにくいなどがある。
      • 回復やステータスアップなどの補助、エンカウント抑制、戦闘から逃げる超力など一通り揃っている。
  • 特技
    • 超力とは別の、各キャラ固有の特技。
      • じゅうべえは通常攻撃がそのまま特技になっており、複数攻撃や連続攻撃など様々に使い分けられる。これも『大貝獣物語』の主人公に継承された。

戦闘システム

  • 貝獣物語同様、キャラクター一人一人が敵を指名し行動が取れる。
    • 敵の数が多くて倒しきれない場合、防御させた味方一人を囮にして受けるダメージを減らし、かつ攻撃役を守るという方法が使える。
  • 命(HP)が一定以上減った敵はグラフィックが変化するが、ステータスの弱体化はない。あくまで目安。
  • ステータスのスピードで敵味方の行動順が固定されるため、超力による補助もしやすくなっている。

評価点

  • キャラクターデザイン
    • 貝獣物語同様、瀕死時のグラフィックでは可愛らしい姿を見せる敵もいる。
      • 一方でネーミングセンスがなかったり、ブラックジョークにしては不謹慎な敵がいないわけではない*1
  • ボリューム
    • 概要でも説明したように12章という長い作品のため、長期間楽しめるというのは評価点。
    • ファミコンのRPGに有りがちな、ヒントが雑、ヒントがないため当て所無くさまようといった事がなく、シナリオをクリアする上でのストレスはほとんどない。
    • ワールドは広いものの、本体に付属しているマップがあるため迷うこともない。
      • マップはほぼ日本地図だが、中国大陸や裏ワールドがチラッとだけ載っている。ただのオマケかと思いきや、実際に行ってみるとそのあまりの広さに驚くという仕掛けになっている。
    • また、マップも1章1章で範囲が区切られており、マップがないからといって迷子になることもなく、戦闘にさえ目を瞑れば楽しめる。
  • アイテム所持数
    • 一人7個まで持てるようになり、ロバロバ購入により実質11個と、貝獣物語よりも増えた。
  • 地図システム
    • アイテムとして「地図」が手に入り、使用するとどこかのマップに×印をつけた画面が表示される。実際にその場所を探し出して×印を調べると道が開けたり、有用アイテムが手に入ったりする。
  • BGM
    • メロディーがよく、聴きやすいものが揃っている。ただし音質はよいとは言えない。
      • 特に勇壮ながらどこか悲哀を感じさせ、後の展開を暗示するかのようなフィールド曲は印象に残りやすい。
    • 作曲者は『安全地帯』でベース・ピアノ・キーボードを担当したことがある六土開正。
  • どこでもセーブ機能
    • 戦闘やアイテム変換の前にセーブ出来る事で最善な結果を残しやすい。
    • おかげで悪質な問題点に対し心が折れにくい。
  • 豊富な助っ人能力
    • 宝箱を開けるための鍵や移動用など、他のゲームにおいて持ち物欄を埋めがちなアイテムが、いつでも際限なく使える。
    • 特にフィールド上ならどこでも呼べて一度行った町まで移動できる「カゴちゃん」は広大なフィールド移動において大変便利。後述する戦闘バランスの悪さゆえ常に全滅の危機がある本作において一人でも生存していれば近隣の町まで一瞬で戻れるのも高評価。移動の距離に応じて消費するお金が増えるが増えたところで10数両なのでお金が足りないなんて事もまずありえない。
    • 一方で主人公達では開けられない宝箱を開ける事の出来る「ジロキチ」は本作の害悪として叩かれる事に(後述)。
  • 有用な戦闘用アイテム
    • 敵の耐性により威力は上下するが、それでも主人公たちより遥かに基礎ダメージが高いアイテムがある。
    • そのほとんどは「げんない」の変換で入手が可能のため、彼が加入してからの戦闘は少しだけ楽。
  • お守りシステム
    • 神社にはお守りが販売されており、装備することによって各パラメータが直接上下する。
      • 攻撃力の上がるお守りで速攻を狙うか、命や守備力の上がるお守りで安全に進めるか。ここでプレイヤーの個性が出る。
      • 仲間それぞれに違うお守りを持たせて役割分担もできる。
      • 「マリファ*2」や「バラモス」「タイソン」といったネーミング的にヤバいものも。
  • 破綻するようなバグがない
    • これだけ長いストーリーを持ちながら、ゲームに著しく問題を与えるようなフラグ管理のミスもない。

問題点

  • ストーリーが長い割に薄い
    • 全10章仕立て、和風RPGの皮をかぶったSFだが、章の転換毎に超展開を見せていく。
    • じゅうべえ一行の目的は「日本(とその周辺)各地で悪事を働いている悪の組織・魔界衆の成敗」で一貫しており、大まかな本筋はそこからブレる事はない。
      しかし、「その為にどうするか」「次の目的地に行く為にどうするか」といったイベントが唐突かつ説明不足で置いていかれやすい。
      例1)妙な岩壁が海を塞いでいて向こうに渡れない。→本筋と関係ない外伝をクリアして仲間にした仲間が持っていたアイテムを特定の場所で使うと、岩壁が壊れて渡れる様になる。
      例2)中国大陸で敵の罠にはまって監禁されてしまった。→敵に殺された味方がキョンシーとして復活したので、操作して助けに行く。
      上記はほんの一例ではあるが、他にも唐突かつ説明不足なイベントが多い。
      • しかもその展開に対する言及が少ない。「行動したからこうなりました」と理解するしかない*3
      • また「行けない場所を行けるようにする」イベントで、爆破や破壊行為で無理やり通れる様にする・渡れる様にするイベントがやたら多い。
        唐突な「中国の長城を破壊兵器で全壊させて進む」「ただ歩いて渡るためだけに樺太~北海道間の海をイベントアイテムで凍らせる」といったイベントの数々は、下手な魔界衆の破壊活動より大規模破壊行為ではなかろうか……。
    • エンディングは、プロローグから察する事が出来るため、途中の展開が上手く作れなかったように見える。
      摩訶不思議と前置きをしたのだから、最初からSF要素を増やした厚みのある話にも出来たと思うのだが…。
    • 「コスモトロン」の存在と扱い
      • 事件解決に奔走しているじゅうべえ一行はあらゆる場所で謎の物質「コスモトロン」を手に入れるが、これが何なのか中盤までゲーム中一切説明がない。章タイトルにも出ているのでプレイヤーは何となくキーアイテムであるのは察せるが…。
      • しかも明かされるコスモトロンの正体も、「全て集めると、かつて古代に封印されたエイリアンの破壊兵器を蘇らせるもの」であり、敵に絶対渡してはいけない物であるのは確かだが、じゅうべえ達の手元一箇所に集め続けても益は一切無いのも確か(寧ろ集めてはいけないという理由で各地に散らばっていたとも考えられる)。
        なのにじゅうべえ達はその事実に対しあれこれ思案する事もなくコスモトロン集めを続行し、案の定終盤で味方に変装した敵に集めたコスモトロンをすべて渡してしまい兵器が復活するというトホホな展開が起きる。
    • 刀鍛冶イベントの末路
      • じゅうべえの武器を刀鍛冶に鍛えてもらい、だんだんと切れ味が増していくというイベントがあるのだが、最終武器は他人からのもらい物。システム的に武器は一つしか持てないので、鍛え上げた武器はあっさりお払い箱に…。鍛冶代返せ!
  • エンカウント率が高い
    • 特定のエリアの周辺ごとに細かくエンカウント率が設定されているという妙な仕様のせいでエンカウント率が非常に高い。
      • この仕様のせいで平地のみならエンカウント率は低いが森や侵入できる山が近くにある平地エリアだと一気にエンカウント率が跳ね上がる。*4エンカウント判定が低いエリアなら画面半分ほどは歩けるものの、だいたいは1~5歩でエンカウントし、1歩エンカが2~3回続くことも珍しくない。
    • また素早さにより逃走率が変わるため、新しい地域では逃走に失敗しやすい。
    • そのため街にたどり着くまでに数歩歩いてセーブ、エンカウントし逃走に失敗したらリセットのセーブ歩きをすることになる。
  • 操作性が悪い
    • 本作では十字ボタンを押すとキャラが押した方向に向くだけであり、移動させるにはもう一度押す必要がある。十字ボタン押しっぱなしでも一応、向く→移動するの一連の動作はしてくれる。
    • そのため、一般的なRPGの感覚で動かすと常時カクカクした動きになってしまい、ストレスがたまってしまう。
    • 貝獣物語では一般的なRPGの動きだったのに、どうしてこうなった。
  • 敵が常に一回り強く割に合わない。
    • 開始直後のフィールドの敵ですらこちらのHPの1/3~1/4を削る強さであり、それらが3匹の編成も当たり前のように出るため常に全滅の危機。
    • またじゅうべえの速さが遅いため、レベル1で先を取れる敵はおらず、レベル3でようやく2種類から先手を取れる。
    • 序盤はアイテム欄に余裕がないので数戦戦い、街に戻りのレベル上げ作業を余儀なくされる。
    • そして、苦戦してレベルを上げても敵の特殊攻撃でガンガン命を削られていくため疲弊する。
    • 行動が素早さに依存するため、味方が増えても傾向は変わらず、守備力が低い仲間はいつまでたってもやられやすいリスクを背負う。
  • 敵の強さと経験値のバランスがムチャクチャ。金銭面は後述。
    • 強い敵ほど経験値が多い、などという暗黙のルールは微塵も存在しておらず、むしろその地域で一番倒しやすい敵が最も経験値効率が高いということもザラにある。*5苦労をして倒しても1章の経験値は一匹あたり1や2、多くとも7という少なさなので弱い敵を狩り続けた方が経験値効率が良いというケースがほとんど。
      • 序盤こそ必要な経験値は少なく、積極的に戦闘をすればレベルは上がっていくが、話の後半になるにつれ敵が強くなる方が早い。
      • 特に章ボスがいない章では、全体的にザコ敵がものすごく強く、主人公でさえもまともにダメージが通らなかったり、1ターンでパーティーを全滅寸前に追いやられるような組み合わせも存在する。
    • 後半になるとさすがに増えるが、経験値は戦闘後の生存者で頭割りシステムもあって、割に見合わない敵が多い。
      • しかも頭割りシステムで経験が1以下になる場合、 しっかり小数点以下まで切り捨てられる 為、低報酬に更に拍車がかかる。最初から2人パーティのウルフ編では 2匹倒して経験1 なんてこともザラ。
      • 特にダンジョン内に存在する場合が多いシンボルエンカウント用の敵は通常エンカウントの敵と比較すると不具合かと思うほどの強さを持つが、経験値やお金が雑魚敵より低くドロップ品なども存在しないため、戦う必要性が全く存在しない完全なる障害物である。ただし、章ボスクラスだけは雑魚との比にならない程度に経験値やお金をもらえる。
    • 上記エンカウントと敵の強さ&低報酬が相まって戦闘を拒否するプレイヤーも多く、ラスボスに推奨レベルで到達するプレイヤーはごくわずか*6。 挙句の果てに最終章になると何故かその前の章よりも全体の経験値が低くなるためレベルアップが困難になる。
      • それでもボスは倒せるので変な方向でバランスは取れているとも言えなくはないが…。
  • 装備の値段のインフレ
    • お金も最序盤こそ600両とほどほどの装備を整えられる所持金を持っており、それ相応の武具が買えるが、一つの街を越える度に値段が跳ね上がっていく。後半の武器は1万2万、防具は3万4万を平然と要求してくるというのに、入手金額がさほど増えていかない。
      • 序盤は弱い装備と低く上がらないレベルでやっと倒せる戦闘を延々繰り返すことになり、途中からは1万両もの換金アイテムが割と手に入るようになるがまるで足りず、後述の錬金術を使わないと正直まともに工面できない。
    • また仲間のうち、ウルフ以外の武器、防具が拾えない事も財布を圧迫してくる。
      • そのくせ終盤に行くほど数値上昇は微々たるもので苦労してお金を貯めて買い替えても強くなった気がしない。特に防具が顕著で一例をあげるならりゅうひめの6章で買える防具「りゅうのころも」が7200両で守備+28なのに対して7章の「ミンクのスーツ」が10000両で守備+29、8章で「ブランドスーツ」が17600両で守備+30と、1万両以上も値が上がって守備の上昇値はたった2ポイント。じゅうべえも似たような物である。その間、敵の攻撃力は最も低い相手が6章では攻撃力95、高い相手が攻撃150なのに対して8章での雑魚最低攻撃力は35ポイント上昇の攻撃135、高い相手に至っては80ポイント上昇の攻撃230なので敵の攻撃力と販売価格ばかりがインフレして守備力上昇量ばかりが置き去りにされていく始末。
      • 限定的でイベント入手の武具や装備ステータス補助のお守りは更新されると事前に装備していたものは破棄扱いであり、事前に情報を得ていないと無駄な出費が嵩んでしまう。*7
  • 「げんない」の存在
    • 特定のアイテムを別のアイテムに変換する助っ人で、バランス崩壊の原因。
    • 500両で購入可能な「オカルトン」というアイテムは、24%の確率で*8死者単体の蘇生、命・超力の全回復という「タスカル」というアイテムに変化するが、この売値が5000両。オカルトン購入に対して差し引き4500両の儲けが出る。
    • どこでもセーブが可能なため、変換前にセーブ、失敗したらリセットを繰り返す事で、時間こそかかるがクリアまでの金策を可能としてしまう。
    • 便利ではあるが、おかげで罠のリスクを伴う宝箱の存在意義が薄い。
    • だからといってこれを制限すると格上と延々と闘うことになり辛さが増す。
    • また、戦闘用アイテムとしてマシンガン(敵全体に150ダメージ)、ミサイルポッド(敵全体に280ダメージ)、ひらいしん(敵全体に200ダメージ)があり、2、3つで大半の雑魚をなぎ倒せてしまう。
    • 素材となるアイテムの価格も300~1000両と安価であり数を用意しやすい。
    • この2つの変換の存在で、相手の強さが調整されているように思える。
  • 攻撃用超力の存在意義が薄い
    • 超力に対して耐性を持つ敵が登場する。炎の敵には当然炎は効かないのだが、意外な敵が耐性を持っている場合がある。しかも、補助魔法の様に効くか効かないかの二択しかない。当時はドラゴンクエストなども攻撃魔法は効くか効かないかの二択だったのでこの仕様自体は特別問題視されることではないが、本作では上記の戦闘用アイテムが量産しやすいうえ、戦闘用アイテムは耐性に関係なく必ずダメージを与えることが出来るので、攻撃用超力の存在を完全に奪ってしまっている。
      • カエン系の超力を無効化する相手でも「かえんじって」や「ファイアボール」は普通に効いてしまうなど理不尽な仕様も攻撃系超力の存在意義を奪ってしまっている。
  • 序盤からクライマックス
    • 最初は一人で冒険しなければいけないのだが、最初の本格的なダンジョン、からくり城へ入る為の謎解きや先への進み方が、「怪しいところを調べる」である。初の章ボス戦も、いきなり二回攻撃を引っ提げて立ちはだかる。
    • 続く2章では複数の敵を率いる中ボス戦に加え、クリアまで戻れないダンジョン*9。しかも、極めつけにあるアイテムを持っていないとダメージを与えることが出来ない、大魔王の様なボスまでも現れる。いずれも下手をすると詰みかねないレベルであり、仲間を加えるまで苦行が続く。しかし、苦行はまだ始まりに過ぎなかった。
  • 落とし穴トラップ
    • ダンジョンで何度もお目にかかることになる開閉式の床やひび割れは、仲間の一人が引っかかっても入り口や階下に落とされる足止めのギミック。序盤のダンジョンは大した脅威にはならないが、隊列が増える中盤からは目に見えて厄介なトラップへと早変わりする。
    • ただでさえ長いダンジョン、強敵の群れの中、何も産まないただの足止めになっているためにストレスが溜まる。
      • 勿論直前でセーブ、落ちたらリセットで問題はないのだが、それが故にこのトラップの存在に対しヘイトが募っていく。
      • 小技として 落とし穴の上でセーブ&リセットで再開するとその箇所の落とし穴判定が無くなる と言うものがある為、パーティメンバーが増える後半はこの手を使うと良い。非常に面倒な方法の小技だが、こんな手にすら頼らないと まともに踏破できないぐらい間断なくビッチリと仕掛けてある のが問題である。最大の4人パーティで落とし穴トラップだらけの箇所を延々と昇らされる「氷結城」でゲンナリしたユーザー数は計り知れない…
  • 宝箱の罠
    • 罠はずしの能力を持つ、ジロキチが加入する話の最序盤からほとんどの宝箱に仕掛けられており、解除するのも確率。
    • 失敗すると10ダメージの爆弾や毒になる毒針はまだ楽な方で、 全員のレベルが1下がる エナジードレイン、強制的にダンジョンの入口に飛ばされるテレポート、モンスタートラップなど凶悪かつ迷惑極まりないものがある。
      • これでいて報酬は僅かなお金かお店で購入可能な消耗品ばかりなのだから開ける気力をそがれる。*10中にはからっぽなのに罠が仕掛けてあるというケースもある。
    • これもまた宝箱の前でセーブし、失敗したらリセットしてやり直せば良いだけの話なので、ぶっちゃけ 罠システム自体が機能していない
      セーブ出来ずにこんな罠を搭載されたらそれはそれでストレスフルなのだが…。
  • セーブの難点
    • どこでもセーブできるのが良心ではあるのだが、あろうことかこの際に次のLvUPまでの必要経験値が「仲間キャラ全員分、かつ毎回」表示される。
    • 幾度となくセーブ&リセットを繰り返すととにかく邪魔で時間もかかる。リセット前提のゲームバランスと噛み合っていない。
    • セーブ機能そのものが悪いというより、セーブ&ロードの繰り返しが必要なゲームバランスの問題という話ではあるが。
    • ダンジョンの奥で謎解きをする場面がいくつかある。町の人がヒントを教えてくれるのだが、ダンジョンでセーブしてしまっていると聞きに戻るのも苦労する*11
  • 全体完全復活によるループ
    • 全滅時に味方蘇生かつ命と超力の完全回復という「タスカルオール」というお助けアイテムがあるが、全滅して進展する必須戦闘(負けイベント)でも強制発動する。よって折角のお助けアイテムを無駄に消費する厄介な状況が出来上がる。
      • アイテムの預かり所がないので全滅イベント前に取ったら無駄消費となる。しかも、その戦闘では一度全滅したとみなされ、お金までも半分に減らされるが、こちらは銀行があるので対処可能である。
      • これを回避するには全滅イベント発生までにタスカルオールを入手せず、イベント後に戻って回収するしかない。そもそも初見ではそんなことを知る由もないので、大量に集めたタスカルオールを全部使わされるショックは大きい。
  • 村や町の扱い
    • 終盤に起こるイベントによって、ほぼすべての町へ入れなくなってしまう。
      • そのため、ほとんどのアイテムが再入手不可と言う状態に陥る。このイベントが起こる時点でまだ遠い最終決戦の準備をしないと、ただでさえ厳しかった冒険の難易度がさらに跳ね上がる。
  • ボス戦専用BGMが存在しない
    • ボス戦はもちろん、ラスボス戦すら存在せず、通常BGMが流れる。
    • それなのに、前述の裏ワールドでは戦闘BGMが変わる。
  • 露骨なお色気要素
    • 龍姫の単独行動コマンドの名前が「おいろけ」。キミ、まだ未成年だろ?
    • 町の人が突然「わしゃスケベじゃ」とカミングアウトしてくる。しかもそのような人物が複数いる。こういった人には龍姫が単独で会話することで話が進むのだが、布団の上に連れ込もうとする人もいたり…。
    • そのものズバリ「すけべなほん」というアイテムがある。使用すると「(使用者)の・・・が・・・した」と伏せ字で表示される。ちなみに使用者が男でも女でも犬でも岩男でも一緒。
    • とある町の場所が何故かじゅうべえの姉の背中に浮かび上がり、一枚絵で表示される。ファミコンのくせにこれに容量を割いているあたり確信犯。

総評

和風時代劇の皮を被ったSF・ファンタジーという大筋は良いのだが、話の道のりが何がやりたいのかわかりにくく散らかっている。
戦闘が序盤は難しいが後半は生成出来るアイテムの都合で途端に優しくなる。
折角多くの仲間が加入するのに一部の仲間はワンポイントのみの使用と勿体無い。
これらの要素の良し悪しや、前後で発売されたゲームとの比較、ならびに貝獣物語の次がこれだったため、
せっかくバグも無く長く楽しめそうな素材ながら良ゲーになりきれなかった。

余談

  • 後年でのまさかの脚光(?)
    • 本作はFC最後期の単発作という事もあり、長らく「知る人ぞ知る」佳作RPGという扱いだったが、ニコニコ動画にてネタ系解説RTA(リアルタイムアタックプレイ)動画を投稿しているとあるプレイヤーの動画が絶大な人気を集めたことにより、未プレイ者や存在すら知らなかった若年層へタイトルの存在を知らしめるきっかけとなった。
      中には「本作のストーリーや登場人物は知らないが、メガトンコイン*12だけは知っている」という人も。