本稿ではFCで発売された同名作のリメイクであるWii版『PUNCH-OUT!!』について記載します。FC版については『パンチアウト!!』をご覧ください。
【ぱんちあうと】
ジャンル | スポーツアクション(ボクシング) | ![]() |
対応機種 | Wii | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 | Next Level Games | |
発売日 | 2009年7月23日 | |
定価 | 5,800円 | |
配信 | 【WiiU】2015年6月24日/2,700円(税8%込) | |
周辺機器 | バランスWiiボード対応 | |
判定 | 良作 | |
パンチアウト!!シリーズ パンチアウト!! (FC / マイクタイソン) / スーパーパンチアウト!! (SFC) / Arm Wrestling / PUNCH-OUT!! (Doc Louis) |
任天堂発のボクシングゲーム『パンチアウト!!』シリーズ第5作。
『マリオストライカーズ』シリーズを手がけたNext Level Games(*1)によるファミコン版『パンチアウト!!』のリメイク作品で、SFCでリリースされた前作『スーパーパンチアウト!!』から実に11年ぶりの家庭用新作として発売された。
敵となる選手達は基本的にファミコン版準拠だが、『スーパーパンチアウト!!』からの出演や新規キャラクターも追加されている。
ハード性能が向上し、3Dグラフィックへと移行した関係で、過去作に見られた別キャラ同士での体格やモーションの共有はなくなったが、選手の外見や挙動は過去作のものを踏襲している。
+ | 個性豊かな全選手を紹介。 |
最初の頃は適当にパンチしているだけで勝てるので、余裕を持って楽しみながら試合ができるだろう…と思ったら大間違いである。
4人目にして最初のマイナーサーキットチャンピオンとなるキング・ヒッポーから難易度は一気に上昇し、その図体と鉄壁のガードはファミコン版同様に多くのプレイヤーにとって大きな壁として立ちはだかる。
この相手はただ普通にパンチしただけでは全部ブロックしてくるので、相手の攻撃を見切って適切なパンチでカウンターするという事が一気に重要となる。
メジャーサーキット中盤以降もこちらから攻める余裕は基本的になく、初見で動きを把握することが難しい敵も出てくるので、トレーニング無しの一発勝負で勝てる見込みは薄い。
もっとも、トレーニングで予習しても実戦ではスタミナや被弾ダメージといった問題が付きまとうので、決して楽勝とまではいかないだろう。
ワールドサーキットとなると一瞬のうちにパンチしてくる敵まで出てくるので最終的にプレイヤー自身の動体視力も必要となる。
…………が、このゲームの選手達は完全パターンで動いているため(ダウンを取るごとにある程度変わるが)、しっかり頭に叩き込んだか否かで難易度は大分違ってくる。
サンドマンも例外ではなく、スピードこそ速いが何度も練習し、戦っていくうちに目が慣れていくはず。倒れても諦めるな。
ちなみに1周目の敵達のパターンはほとんど前作までのものを踏襲しているらしく、昔取った杵柄でもそれ相応には戦えるはず。
サンドマンを打ちのめせば、見事念願のチャンピオンになれる。そしてエンディングへ……だが、俺達の戦いはこれからだ!
+ | 本気の2周目 |
演出・デザイン・そして攻略全てにこれまでの全シリーズ作品のテイストを引き継いだ、値段の割に少々小粒ながら質の良いリメイクである。
当然、昔ながらのプレイ感覚をほとんど再現しきった上で拡張しているので、その手の硬派なゲームが好みであれば勧めるに足るゲームだ。
*1 本作発売当時は任天堂プラットフォーム以外のソフトの開発も手掛けていたが、2014年に任天堂のセカンドパーティとなり、2021年3月に任天堂が同社の全株式を取得したことで任天堂の完全子会社となった。
*2 SFC版では彼をセルフオマージュしたガビー・ジェイが代役を務めている。
*3 ちなみにこのキャラクター名の綴りが"Joe"であるのに対し、顎を指す英単語は"jaw"と違う。
*4 試合前ムービーにて彼は子供達にボクシングを教えていたが、子供達の悪ふざけで取り囲まれてめった打ちにされ、そのままKOしてしまった様子がえがかれている。
*5 ディスコ・キッド同様にブルックリン出身の黒人選手。中盤に登場する相手で、グラフィックはグラス・ジョーのコンパチ。
*6 ヒッポー戦で相手ダウンBGMが聞けるのはここのみである。
*7 ドックのヒントで「スターパンチのデザートをごちそうしてやれ!」というセリフから、今作のヒッポーからスターが獲得できることが暗示されている。
*8 元をたどるとAC版のピストン・ハリケーンをアレンジした選手でもある。なお、「ホンドー」は作中では一貫してカタカナ表記であり、漢字は不明。
*9 旧作では両手のオープンブロー(平手打ち)のような動作であったが、本作ではちゃんと相手を締め上げる動作になっている。
*10 FC版にもカルメンへの愛を語る台詞が存在していた。
*11 FC版ではプレイヤーが優勢に進めた状況でインターバルに入るとヅラが取れた姿が確認できる。
*12 あくまでSFC版『スーパーパンチアウト!!』基準での話であり、当時でもクリンチを仕掛けて延々しがみつき、振りほどかれるや否やアッパーで追撃してくる卑怯者であった(クリンチが解かれた直後の攻撃は反則であり、これはAC版1作目に登場するピッツァ・パスタが元ネタ)。しかし同作では前述のハッガーに加え、飛び蹴りをかますドラゴン・チェン(AC版2作目が初出の香港のブルース・リー似のカンフー使い)、頭突きや毒霧攻撃をしてくるマスクド・マッスル(メキシコの覆面レスラー)、長髪を振り回してくる平家陽炎(日本のオカマボクサー)、ボールを投げてくるマッド・クラウン(イタリアの巨体ピエロ)、杖で殴ってくるホイ・コーロー(中国の老武闘家)、エルボーを使うブルーザー兄弟(最後に順番に戦う出身地不明のスキンヘッドの巨漢双子)が立ちはだかる無法地帯と化しており、それらに比べれば十分に正統派である。
*13 AC版『スーパーパンチアウト!!』のみ名前が「ウォッカ・ドランケンスキー」であった。
*14 通算6回ダウンさせるとその一滴すらも出てこなくなり、困惑しながら力尽きて10カウントを迎えるというKOシーンを見ることができる。
*15 よく誤解されるがAC版の『スーパーパンチアウト!!』のみ欠場であり、シリーズ皆勤賞ではなく精勤賞である。
*16 主に海外のみでの稼働だったが日本でもごく一部の店舗でもおかれていた。
*17 マッチョマンの攻撃が決まるとブーイングが聞こえる。しかし女性人気は高いようだ。
*18 試合前のムービーにて。なおこれ以外のイントロは4枚のスライドショーなのに対して、挑戦者編サンドマンだけはこれまでの相手選手がKOされる様子を一人ずつ写した特別仕様。
*19 海外版説明書および日本語版のプロフィールより。海外版のゲーム中では28歳・230パウンド(約104kg)と書かれているが、これはサンドマンのプロフィールがスーパー・マッチョマンのものになっているというミスがあったため。
*20 1周目では全員マックの事を見くびっていたが、2周目では全員マックの事を強敵と認め、鍛錬を重ね全力で挑むという設定がある。中にはマックへの恨みや嫉妬で怒り任せに準備を重ねているキャラクターもいる事がそのキャラクターの試合前のデモで分かる。
*21 ただし空元気だったようで、勝利後での戦歴表示画面でのカイザーはいつにも増してガタガタ震えている。
*22 顔の前で糸巻きの手の動きを持続させる運動。当時流行していたビリーズブートキャンプなどではお馴染みの動き
*23 これはAC版『スーパーパンチアウト!!』の実写ポスターが元ネタ(色は本作とは違い赤)と思われる。
*24 路地裏に貼られたマックのポスターすら見るだけで顔を真っ赤にしてポスターを無理矢理ひっぺがしヒステリックにビリビリに破り散らしている様子が防衛戦での彼のムービーとなっている。
*25 試合前ムービーにて、穴が開いて使えなくなったグローブを捨てようとした際にゴミ箱からロープを見つけ、この凶器の製作を思い付く様子が描かれている。
*26 一応、2ラウンド目には開始前からマックを攻撃しようとしたアランを制止しているが、彼に吹き飛ばされてしまう。本人は無事ではあったものの、このような仕打ちを受けてもなおアランを反則負けにしようともせず、何事もなかったかのように試合を続けている。
*27 一般販売されたファミコン版でマイク・タイソンとタイアップしており、氏本人がラストボスとして出演していた。肖像権や晩年の関係からバーチャルコンソールではMr.ドリームとしてキャラクター変更された海外版後期ロットが採用されている。
*28 こちらはダッキングでなければ避けられない。
*29 厳密には、3~5発ほど連続でアッパー、小休止を挟んで息を整えた後またアッパー連打…といった流れを3回繰り返してくる。小休止の時は一歩下がるので、こちらの攻撃は当たらない。
*30 シリーズではFC版でレフェリーを務めていた他、AC版2作でもドンキーコング(時期的には恐らく現在のクランキーコングと同一人物)と共に観客としてカメオ出演していた。
*31 マックは本作発売前に『スマブラX』でアシストフィギュアとして出演していた。
*32 ただし、その中でもアメリカ英語カナダ訛りのベア、イギリス英語アイルランド訛りのアランのように、訛った話し方をするキャラクターもいるので聞き取りの際は注意。
*33 実際の漫画版のとある場面と一致する箇所がある。
*34 グラス・ジョーはだいぶ美化されている。
*35 本作では描写されていないマック以外の選手同士が戦っている写真もある。ブルvsホンドー、フラメンコvsカイザー。