忍者外伝

【にんじゃがいでん】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームギア
発売元 セガ
開発元 日本システムハウス
発売日 1991年11月1日
定価 3,500円
判定 良作
ポイント 忍者外伝外伝
携帯機でも健在のデモシーン
リュウ「おそろしいやつだった」
忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ


概要

『忍者龍剣伝』シリーズの一つ。龍剣が狙われている事を知ったリュウ・ハヤブサは世界各地を駆け巡り、恐るべき計画に辿り着く、といったストーリー。
本作はセガがテクモからライセンスを受けて発売したもので、テクモはクレジットこそされているが直接は関わっていない。
ファミコン三部作とは繋がりの無い本作独自のストーリーとなっている為、タイトル通りの「外伝」であり、
海外における本シリーズのタイトル『NINJA GAIDEN』にも掛けたダブルミーニング的な内容になっている。
後年の『ニンジャガイデン』シリーズと違って本作は漢字表記なので注意。

ゲームシステム

  • オーソドックスなライフ&残機制の横アクション。全5ステージ。
    • 剣攻撃・ジャンプ・忍術・壁張り付きと、アクション面は概ね「忍者龍剣伝」のシステムを踏襲している。
    • 道中に点在するオブジェを壊して手に入れる様々なアイテムを駆使する点も同様。
    • 忍術は原則最後に取得したものをFORCEを消費して繰り出す。「火炎の舞」のみ取得と同時に一定時間無敵の効果。
  • ファミコン版同様、ステージの合間にビジュアルシーンが用意されている。
    • ステージの副題は日本語表記であったFC三部作と異なり、「ASSAULT」「SMUGGLING」など英語で表示。最終ステージのみ副題は無い。
  • パスワードによるコンテイニュー機能がある。
    • だが後述の賛否両論点を鑑みると、本当に必要な機能であったかどうかは疑問点が残る。

評価点

  • ファミコン版同様のスピーディなアクション
    • 操作のクセはほとんどなく、忍者龍剣伝とほぼ同様の感覚でリュウを操作出来る。
      • 剣攻撃の判定が素早く、攻撃最中も移動可能、忍術使用は下ボタン+攻撃ボタンと、所々で本家とは若干違う操作感になっている。
    • ステージごとの特徴が明確であり、ステージの長さも比較的コンパクトにまとまっている為、ダレにくい。
      • ビル間を登る強制上スクロールステージや、壁張り付き状態から反転するどんでん返しのような扉といった、ファミコン版にはなかった仕掛けも登場する。
  • シリーズ恒例のビジュアルシーンは健在
    • リュウは緻密に描き込まれて実写ばりに濃く、更に色々な表情を見せてくれる。
    • フォントは小さめで漢字が多用されているが、ドットがつぶれて見にくいなどの現象は無い。
    • 余談だが、「魔」という漢字は广の中が「マ」という略字表記。これは『クロノ・トリガー』の魔王でも見られた手法である。
      • なお、ファミコン版の方は略字ではない方の魔で表記。
  • 本家に劣らないグラフィック・BGM
    • 解像度の低さも手伝い安っぽさがあるのは惜しいが、キャラクター・背景ともに良質なドット絵で丁寧に作り込まれている。
      • ステージによっては、疑似的な多重スクロール、キャラ手前の背景などを用いて積極的に奥行き感を表現している。
    • BGMは全般的にスピーディかつメロディアスな曲揃いで、アクションの高揚感を後押ししてくれる。

賛否両論点

  • 難易度が低い
    • 敵の攻撃が熾烈な箇所もあるが、結構な頻度で回復アイテムが設置されており、比較的容易にリカバリーが可能。
    • ファミコン版で猛威を振るったダメージを受けた際のノックバックが存在しない 。この為ダメージ→転落のコンボが発生する可能性が大幅に減った。
    • ゲームオーバーになってもパスワードコンティニューがあるので、基本的な操作に慣れればクリアはそう難しくはない。
    • 元々本編の方が過剰なほどの高難易度で有名だった為、『III』同様、万人向けに調整されたとも解釈できる。
  • ビジュアルシーンが淡泊
    • 所々簡易なアニメーションが採用されているとは言え、シーンの多くは一枚絵で構成されているシンプルなもの。
    • シーン中のBGMも1曲が延々と続くのみで、バリエーション豊かな音楽が効果的に使われていたファミコン版と比べると、どうしても味気無さを感じる。
      • あくまでも「ファミコン版と比較して淡泊」という話であり、「幕間の空白をビジュアルで補完する」という本来の役割は十分に果たしている。
  • 肩透かし感の強いラスボス
    + ネタバレ
  • 魔人シュラゲインは第3形態までありダメージは持ち越し、画面上空を左右しながら攻撃を繰り出してくると言った、邪鬼王の悪夢を彷彿とさせる内容だが難易度は雲泥の差。攻撃はシンプルで遅いので簡単に見切れるものばかり。時間は掛かるがノーダメージクリアも可能。
    • にもかかわらずリュウは「 おそろしいやつだった。 」と口にする。彼の企てていた計画に触れての発言だった可能性もあるが。

問題点

  • ボリューム不足
    • 評価点の方にも記したが、ステージがコンパクトにまとまっている上に5ステージエンドという事もあり、物足りなさがぬぐえない。
      • ステージ3はビルを登っていくシーンのみで、他に比べるとかなり短い。
      • それに輪を掛けて短いのがステージ4で、ほぼボス戦も同然である。
    • 加えて全体的にBGMの数が少ない。デモシーンでは通常ボスBGM、スタッフロールではタイトルBGMが流用されている。
  • ビジュアルが淡泊とは上述したが、ストーリー自体も本家に比べると非常にあっさりしている
    • アイリーンのようなヒロインがいないばかりかキャラ自体が少なく、リュウとの会話があるのは最初のボスと無線、あとはラスボスだけである。
    • ステージ2クリアのデモまでは面白くなりそうな予感もするのだが、そこから先はあっと言う間に終わってしまう。
    • 敵の計画は本家にも劣らない壮大なものなのだが、如何せんステージもデモも少ないので本家のようなドラマチックさや盛り上がり所は望めない。
    • エンディングも、ラスボスは無言で倒れ、敵本拠地が爆発するこれまたあっさりした演出が入るのみ。
  • 高度な工夫が見られるが、上手く表現出来たか怪しい個所がある
    • ステージ3のガラス窓が単なるスプライトのチラつきに取られやすい。
      • スプライトの切り替えによって半透明表現を行う為に、あえてこのような表示の仕方を取ったと思われる。
    • 最終ステージのBGMが一瞬だけ途切れる、場合によっては不具合とも取られかねない箇所がある。
      • 「ブレイク(意図的に音を止めて空白部分を作る音楽表現)」だった可能性も考えられるが、ゲームギア音源による表現の限度もあり、意図的だったかどうかの判断が難しい。

総評

比較的マイナーなゲームギアということもあり、忍者龍剣伝シリーズではあまり知られていない作品だが、その出来は本編に劣る物ではない。
ゲームギアを所有している忍者龍剣伝、ニンジャガファンならば、押さえておいて損は無いだろう。


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最終更新:2023年12月25日 23:30