クロノ・トリガー

【くろの・とりがー】

ジャンル RPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1995年3月11日
定価 11,400円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2011年4月26日/900Wiiポイント
判定 良作
ポイント 『FF』と『DQ』のトップが組んだ「ドリームプロジェクト」
正統派RPGとしてあらゆる要素が高水準
海外でも国産RPGの代表作として高評価
クロノシリーズ
クロノ・トリガー (PS/DS/Win) - ラジカル・ドリーマーズ - クロノ・クロス

本項目ではスーパーファミコンソフト『クロノ・トリガー』の紹介をしています。
PS・DS・Win移植版の詳細はクロノ・トリガー (PS/DS/Win)を参照。



概要

『ファイナルファンタジー』シリーズの坂口博信と『ドラゴンクエスト』シリーズの堀井雄二・鳥山明が手を組んだ「ドリームプロジェクト」としてスクウェアにより制作されたRPG。

当時としては正に「夢」のような超ビッグネーム達のコラボレーションであり、ネームバリューだけではなく作品の出来もオーソドックスながら非常に高い完成度を誇る名作である。
特に海外では日本産RPGの最高傑作として挙げられることも多く、様々な機種に移植されている。


ストーリー

これは、「時の引き金(クロノ・トリガー)」を引いてしまった者達の物語――

ガルディア王国歴1000年。平和なこの時代に暮らす少年・クロノは、王国千年祭の日に活発な少女・マールと出会う。
成り行きから千年祭を見て回り、仲良くなった2人はクロノの幼馴染である発明少女・ルッカが発明したワープ装置の実験会場に向かった。
実験は大成功……と思いきや、マールのペンダントが共鳴し、不気味な空間の歪みが出現。マールはその中に引き込まれ消えてしまう。
クロノは消えたマールを追いかけ、空間の歪みに飛び込む。たどり着いた先は、クロノ達が生まれるよりずっと前、中世のガルディア王国であった。

ふとしたきっかけから始まったこの冒険は、時空を超えてこの星の謎を突き止める為の壮大な戦いへと発展していく。


ゲームシステム

時空を巡る物語

  • 本作の主軸はタイムトラベルであり、主人公・クロノは現代から未来や過去を行き来し、時には意図的に過去の歴史を改変しながら進めていくことになる。
    • 人と恐竜族が対立する原始、魔王が人々を脅かす中世、平和な現代、そして荒廃した未来世界と、それぞれ独自の雰囲気を持っているだけでなく、マップも大きく異なる。
    • シナリオ進行は基本的に一本道だが、終盤のとあるイベントを境にして一気に自由度が広がり、豊富なサブイベントを任意でこなせる様になるが、それらはメインストーリー以上に「時間移動」を題材とした内容になっている。

基本システム

  • ワールドマップで拠点シンボルへ移動し、シンボルに応じて町やダンジョンに入るワールドマップ移動型。
  • アイテムや魔法は「ポーション」「ケアル」など『FF』シリーズと同様の用語が使用されている。
  • 一方主人公「クロノ」は『DQ』型の「喋らない主人公」を踏襲されているが、仕草によって意思表示する場面はある。また、本編ではなく所謂ギャグEDでは二言だけ喋るシーンがある。パーティメンバーの名前も変更できるので、感情移入しやすい。
  • 本作のパーティは3人編成で、メンバーは最終的に6名(選択肢によっては+1名)となる。パーティーメンバーの入れ替えは戦闘中以外であればいつでも可能。また終盤のとあるイベントの後は、主人公のクロノもパーティから外せるようになる。
  • ゲーム序盤の特定ポイント以降からは、いつでも好きなタイミングでラストボスに挑めるようになるという珍しいシステムを搭載している。
    • さらにストーリー上のどのタイミングで倒したかによってエンディングが変化するマルチエンディング形式となっている。当然初回プレイではストーリー途中の状態ではまず倒せないため、周回プレイを前提としている。
      • マルチエンディングは12種類(+バッドエンド)。ギャグ・シリアス・パラレルと種類も豊富で飽きさせない。本作の開発スタッフからのコメントが読める「ドリームプロジェクト」(通称「開発室ED」)というエンディングも。
    • また普通にメインエンディングを迎えた場合でも、一部のイベントでの行動により内容が少し変化する。中でもいくつかの選択はエンディング内容に大きく影響を及ぼすものもある。
      • その他、細かい部分でイベント内容が分岐するものも多いため周回プレイ時の楽しみになっている。
  • これに関連して、初回クリア後に「つよくてニューゲーム」というシステムが登場する。
    • これを選んでから任意のセーブデータを選択すると、そのセーブデータの各キャラのステータスや所持アイテムを維持したまま、ゲーム冒頭からプレイできる。
      • ただし、お金、各種ポイント、プレイ時間、イベント進行に直結する一部のキーアイテムは失う。このためお金は予め使い切っておくことが推奨される。
    • マルチエンディングを存分に楽しめるほか、入手数が限られているレアアイテムを複数個入手することも可能。
    • さらに、ゲーム開始直後からラスボスに挑むこともできるようになる。このため2周目以降でのみ見ることが可能なエンディングも。

戦闘

  • マップ上のモンスターに接触する(シンボルエンカウント)か、マップ上の特定のポイントに達することで戦闘が始まる。
    • 戦闘への以降はシームレスで、マップ上の地形やモンスターの位置がそのまま戦闘画面に反映され、後述の技の効果範囲にも影響する。
  • 戦闘システムは、『FF』でお馴染みのアクティブタイムバトル(ATB)を微改良した「アクティブタイムバトルVer.2(ATB Ver.2)」を採用。Ver.1からの変化はほとんどないが、味方キャラクター3人のコマンドが同時表示され、同時に行動可能な仲間の連携攻撃を繰り出せるといった特徴がある。
    • 時間経過に応じて敵味方のウェイトゲージがたまり、満タンになったキャラから逐次行動可能となる。攻撃や魔法の使用エフェクト中はウェイトゲージは停止する(『FF』でいうウェイトモード)。
  • 各キャラクターは、MP*1を消費して「技」や「魔法」を放てる。
    • キャラクターごとに使用可能な攻撃属性が設定されており、キャラの個性づけに加えて、いかに敵の弱点を突くかという戦略性に貢献している。
    • 個々の技には攻撃範囲(「敵単体」「敵全体」「ターゲットを中心とした円範囲」「自分とターゲットを結ぶ線分上」等)が設定されているので、敵との位置関係によって有効な技を選ぶ必要がある。
    • また敵の物理防御力、属性攻撃に対する耐性によって有効な技は変わり、特定の攻撃を当てると性質が変化する敵も存在する。
    • 前述したとおり、2人ないし3人の同時攻撃を仕掛ける「連携技」システムが存在する。たとえばクロノが「全力斬り」、ルッカが「ファイア」を使える状態なら、2人が連携して攻撃する「ファイアソード」を出せる。連携技はそれぞれが別々に技を出すよりも威力が高くなるものが多い。
      • パーティ編成によって出せる連携技が変わるので、これも考慮に入れた戦略が必要。他、特定のアクセサリを装備している時のみ使える技もある。

評価点

RPGとしての高い完成度

  • 「ドリームプロジェクト」と銘打っただけあり、RPGとしての完成度はとても高い。
    • 誰にでもとっつきやすい難易度、シンプルなシステム、王道で先が気になるシナリオなど、RPGに必要な基本的な要素はいずれも高水準にまとまっており、大きな欠点が無い。
      • 一方でマルチエンディング形式や「つよくてニューゲーム」、意外なキャラクターが仲間に加入するなど当時としては先駆的な要素も含まれており、初心者から上級者まで、幅広いユーザーが魅力を感じられる出来栄えに仕上がっている。
    • 難易度もあまり高くなく、意図的なレベル上げをしなくてもあまり苦労せずに進めるようになっている。一方、ボスはそれぞれ個性的な行動パターンや耐性を持っているため、闇雲に攻撃するだけでなく、弱点や攻略パターンを見極めるという戦略性が求められる。

グラフィックと音楽

  • ハード後期の作品ということもあり、グラフィックの質はSFCでもトップクラス。戦闘時のドットアニメーションも非常に凝っており、敵は一体毎にきちんとモーションが設定されている。斬撃や特大魔法のエフェクトは迫力満点。
  • キャラクターは3等身で描かれており、イベントでは笑う、考え込む、驚く、喜ぶ、叫ぶ等様々な表情を見せてくれる。戦闘でもエイラが色仕掛けを使う時に髪をかき上げたりと細かい部分のアクションもしっかりと作り込まれている。
  • 光田康典氏の手によるBGMも非常に高評価。ちなみに光田氏は本作がプロ作曲家としてのデビュー作となる。
    • 印象的なメインテーマに始まり、パーティメンバーそれぞれのテーマソングやボス戦の他、フィールドBGMの『風の憧憬』(中世)や『時の回廊』(古代)は特に有名で、ネットコミュニティでたびたびおこなわれるゲーム音楽談義ではほぼ毎回顔を出す「常連」になっている。
  • SEも良い音が多い。小川のせせらぎといった環境音にも抜かりがない。シチュエーションと相まって、出来のよすぎる敵の叫び声がトラウマになったというちびっこも。

時間移動を生かしたシナリオ

  • 思いがけない偶然でタイムトラベルできるようになってしまった現代の少年少女が、行く先々の時間で様々な仲間と出会い、やがて惑星の運命を揺るがす1つの危機を見つけてそれに立ち向かう…という王道のストーリー。
    • タイムパラドックスをテーマにした序盤からプレイヤーを引き込み、仲間となるキャラそれぞれにも焦点が当てられ描写が掘り下げられていく。徐々に伏線を張りつつ、終盤のキャラ毎の最強装備入手イベントで大団円を迎えさせるという構成もニクイ。
    • 同じイベントでも、パーティメンバーによって違うセリフが用意されているという細かい演出も。
  • 本作はTVアニメの様にゲームの進行度毎にサブタイトルが設定されており*2、セーブ画面で確認できる。これは同シリーズの『クロノ・クロス』や、元々続編として世に出るはずだった『ゼノギアス』にも受け継がれた。

ラスボスの正体

  • ラスボスは名前だけはかなり序盤で登場する。そしてそのラスボスが何をやったかの情報も手に入る。しかしその時点ではそれだけで、それ以外の具体的な情報は謎のまま。
    • そして時代をまたにかけて様々な冒険をしていくうち、徐々にラスボスの正体が明らかになっていくという流れで、序盤から存在感を強く感じさせつつも、肝となる部分は最後まで謎のままで、全く飽きさせないストーリー運びになっている。
    • 最後の最後でラスボスの本体と対面したときに、仲間がそれまでの全てを悟ったようにラスボスの正体と目的に思い至って口にする。この時のセリフは元々喋らない主人公クロノ以外全てのキャラごとに用意されており、キャラごとに内容の具体性も若干異なる。
    • そして、これまでのラスボスの正体と目的にまつわる全ての流れを使った盛大な「引っ掛け」がラストバトルに存在する。

賛否両論点

主人公の設定

  • 前述の通り、クロノは『DQ』型の主人公として演出されているため、どちらかというと『FF』寄りな本作の雰囲気とはやや相容れない部分もある。他のパーティメンバーの過去や性格の掘り下げがなされる中、クロノだけはセリフもなく個別イベントもないのでキャラ描写としての影は薄くなりがち。
    • もっとも終盤にある理由でパーティから離脱する時のイベントでは、主人公らしく十分に目立っている。
    • ごく一部のEDにて、本当に一言だけだが台詞を発する場面がある。

各キャラの能力値や技能について

  • 一部のキャラの能力値や武器能力が極端であったり、一部の技が異様に使い勝手が良く、逆に完全な趣味技も目立つ(特に話題になりやすいキャラは以下に分けて記載)。
    • とはいえこの作品では戦闘に参加できるメンバーが3人の為、最終的に単騎型(クロノ、ロボ、(ネタバレ*3):天冥属性)+攻撃重視連携型(ルッカ、エイラ:火属性)+回復連携型(カエル、マール:水属性)という編成でバランスが取れるように調整されており、数あるRPGの中でもキャラバランスはかなり良い部類に入る。(ネタバレ*4)
  • 一部のステータス値はカプセルで増強できるが、マールとルッカの「力」に関しては増やしても全く意味のないステータスになっている。
    • 彼女達の通常攻撃のダメージは「力」ではなく「命中」に依存するため。命中の数値はカプセルでは伸ばせない。
    • ただし、マール、ルッカ以外のキャラクターはレベルを上げるだけで「力」がカンストまで成長するため、最終的には通常攻撃のダメージをカプセルで伸ばす事ができないのは全員同じと考える事もできる。

カエルについて

  • カエルの技は一部の技を除き終盤は微妙な性能で殆どお荷物と化してしまっている。一応伝説の勇者らしく、物理攻撃、魔法攻撃、回復とバランスよくそろってはいるのだが、総じて火力が低め。個性的かつ強力な技もあるが、そちらはやたらと癖があるため一部ボス戦や一部2人技以外ではやはり使いにくい。
  • 周回プレイにおいて、カエルは一人だけ最強武器(攻撃力200)がイベントに深く関わる武器であるためか周回引き継ぎ出来ず、周回プレイでは再び強化イベントを経るまで最強武器がブレイブソード(攻撃力135)にまで落ち込んでしまう。この事を知らずにクリア前に最強武器以外を売却してしまい、周回プレイ時にカエルだけ武器がない…という経験をしたプレイヤーは数知れず。
    • もっとも、周回プレイの序中盤ではある程度の攻撃力があれば問題ないし、カエルの最強武器の入手イベントはやや手間はかかるがボス戦無しの為、実際には一時的にカエルの火力が落ちた所で別段困ることなどないのだが…。気持ちの問題か。
  • カエルの回復手段は持っているが、単騎火力が低いという特徴は同じ水属性のマールも同じであり、そして2人に共通して連携技*5が非常に強力という特徴がある。
  • 最終ダンジョンでは敵に魔法攻撃が通りづらく、ザコ、ボス問わず割合ダメージ攻撃*6やカウンターを多用してくる。しかしそれ以外の攻撃は防具や魔法防御が極まってくると、ダメージを大体100以下に抑えられる。つまり終盤では低HPになる状況を維持しやすく、物理攻撃が有利となるため、彼の物理全体攻撃「かえるおとし*7」がザコ、ボス問わず、お手軽且つ非常に有効な攻撃手段になる。これを知っていると知らないとではカエルの評価は大きく変わる。

ロボについて

  • ロボは、終盤のあるイベントをこなすまでは素早さ*8、魔法防御が他のキャラと比較して著しく低く武器性能もかなり凡庸。しかし、最強武器二種は打って変わっていずれもクセが強く使い辛い*9。また、強力ではあるが攻撃範囲が自分中心や投げ判定だったりと肝心なボス戦で役に立たない技や連携が多い。ロボのこれら仕様を嫌いあえてカエルを使用するプレイヤーも少なくない。
  • ロボは現HPの数値で威力の代わる武器を用いてHP下1桁が8以上なら、マシンガンパンチ、それ以下ならロボタックルを絡めた連携やエレキアタック、など不安定要素を潰すための択はしっかり存在する。
  • また、ルッカとの連携技である「ダブルボム」は有効範囲がロボの周囲のみという使いづらさを反映してか、2人技にもかかわらず恐ろしいほど火力が高い。使えるシチュエーションは限定されるが、有効な場面では非常に強力。
  • 相当な周回プレイが必要ではあるが、マジックカプセルで魔力を限界まで上昇させると、エレキアタック(MP17)が他のキャラのMP20を払う最強魔法に匹敵する威力になり、またヒールビームはたったMP3を払って全体を全回復することが可能となり一気に最強候補のキャラへと変貌する。

エイラについて

  • アイテムを盗む技はエイラの「いろじかけ」(とその連携技)だけ。そのためアイテム狩りプレイをするならばエイラが必須となってしまう。当然ボス限定で盗める貴重なアイテムなどもあるため、極めるにはパーティからエイラが外せない。そのためかエイラは特に優秀に設定されており、連携技の性能もぶっちぎりで高い。武器が素手(拳)のため入手不要で、レベルアップにより自動的にランクアップしていくのも強い。
    • 一応エイラにもお手軽な回復手段、魔法攻撃、全体攻撃に乏しいという欠点が存在し、これらの欠点を解消するにはやはり他のキャラとの連携が不可欠である。
    • エイラが強いと言われる所以はカエルの項目にもあるとおり終盤は物理攻撃が優位であるという点に起因しており、エイラ自身が特に技の最大威力が飛びぬけて高いというわけではない(※ネタバレ*10)。

その他システム面

  • 3人技は派手だが基本的にクロノがいないと使えず、終盤では個別に攻撃したり、2人技を使った方が何かと効率的で、あまり役目がなくなってしまう。
    • クロノ不在で使用できる3人技もあるにはあるが、それらは全てアクセサリ「○○の石」が必須となっている。こちらも貴重なアクセサリ欄を1つ埋めてまで発動するにもかかわらず、その効果が見合っていないものがほとんど。
    • 例外的に、クロノ・マール・ロボが使える3人技「キープアレイズ」はこの技でしか発動できない「パーティー全員にリレイズ(一度だけ自動復活)」という大半の敵に対して非常に強力な性能を持ち、低レベルクリアでは重宝されることが多い。あまりの強さから縛り対象になることもある。
      • ただしキープアレイズ発動での復活時は瀕死状態であり、また3人技を使用するということは使用後に3人とも手隙になるということなので強力な全体攻撃を連発する相手に対してはジリ貧になる。
    • 単発威力だけで言えば2人連携より高くなる組み合わせも多い。発動後3人とも手隙になってしまうデメリットも考慮すると、トドメの一撃として使用するのが主になる。
  • 効果範囲がキャラクターの立ち位置に依存した技があるにもかかわらず、味方キャラを戦闘中に移動させられない。
    • 初期配置は戦闘する場所によって自動的に決まる。また敵キャラの多くは動き回る。
    • 仮に味方を移動可能にした場合、操作やターン処理の問題が複雑化するだろうから致し方ない部分かも知れない。

その他イベント面

  • ゲーム本編の難易度自体は決して高くないのだが、隠し要素が多い割にはゲーム中でのヒントが薄く、攻略本無しには発見が難しいものも多々存在する。
    • これらはほぼ裏技扱いで紹介されているものも少なくなく、スタッフの遊び心がすぎる結果となっている。中にはスタッフが意図的に情報を流さなければ絶対に発覚しなさそうなレベルのものまである。
    • 『ワルキューレ』『月光の鎧』などの準最強クラスの装備品が、ある手順を踏む事で手に入るのだが、当時はネットも普及しておらず、これになかなか気がつかなかったユーザーも多かった。攻略本には武器のデータは載っているが肝心の入手方は載ってない為、どうやって手に入れるのかと友達とあれこれ考えた人もいたのではないだろうか。
  • マルチエンディング形式を採用しており、ストーリー最終段階でのイベント状況に応じた変化や周回プレイを想定したどのタイミングでクリアするかのED変化があるのだが、ラスボスを倒すのは必須なので、エンディングを見るには何度もラスボス戦を繰り返すだけであり、単調な作業になりがち。
    • 普通に戦った場合のラスボス戦は、外殻戦の前に形態変化して連戦となるのだが、連戦後に外殻を倒した時点で引き返すことは可能。以降は最終形態の手前の形態からスタートできる。
      • 強くてニューゲーム後は、連戦なしの外殻といきなり戦うことが可能になる。
    • またエンディングの内容も、面白いIFエンドもあるのだが、エンドロールの演出が変わるだけというものも少なくない。

問題点

行き先に迷うことがある

  • 後半、クロノのパーティ入れ替えから始まるパートでは「これからどう動いたらいいかわからない」というユーザーも発生した。ただし「困った時は時の最果てへ」というのを忘れなければ、しっかりヒントを得られる。
    • また、終盤になると自由度が高くなり、実質メインシナリオと言える内容のイベントを任意の順番で起こす事ができ、サブイベントの様に無視してラスボスと戦う事も可能というのは同社の『ファイナルファンタジーV』『VI』と共通であり、それらをオマージュしているとも言える。
  • ワールドマップにある拠点シンボルが若干分かりにくい箇所もある。

システム・イベント不具合(軽微なものを含む)

  • 致命的なものは少ないものの、場合によってはゲームの進行が止まってしまうバグもあるので注意が必要。
    • 本作ではモブキャラとの会話中も動き回ったりメニューを開くことができ、間違えて話しかけた場合でも他の場面に移動できる。しかし、会話中に下手に動き回ったり直前でメンバーを入れ替えたりすると、一部のイベント中で進行に異常をきたすケースがある。また、アイテムを手に入れた後、ウィンドウを閉じずに画面を切り替えてしまうとそのアイテムを手に入れた判定がなされず、アイテムが消失するケースもある。
      • これは開発段階では「エーテルシステム」*11と名付けられ、行動に応じて展開が変わる予定があったのだが、製品版では動けるシステムだけが残されることとなった。
    • メニュー開閉を繰り返してベルトコンベアを逆走するなど、通常プレイでは行わない動作ばかりのため問題視はされていない。
    • 一部のバグは低レベルプレイなどの縛りプレイに活用されている。
  • 一部の連携技の消費MP表示にミスがある。連携技の消費MPは基本的に元の技それぞれの消費MPと同じ筈なのだが、一部の連携技は消費MPが元の技とは食い違い、さらに画面上には実際の消費MPとは違う数値(元の技の消費MPのまま)で表示されている。
    • 後述のニンテンドーDS版では消費MPの食い違いは正式に仕様となり、連携技用に変化した消費MPがきちんと表示されるようになった。
  • エイラの色仕掛けでは、色仕掛けで奪えるように設定されたアイテムだけでなく、本来敵が落とすはずのアイテムをも奪える(つまり戦闘中に1体の敵から最大2つのアイテムを奪える)。これにより、本来なら「はなびら2まい をてにいれた」などの戦闘終了時の表示用のアイテムをそのまま「はなびら2まい」として手に入れてしまうなどの現象がある(本来の処理では「はなびら2まい」をドロップアイテムとして手に入れると「はなびら」×2に自動変換される)。
    • これらの「○○2まい」系アイテムを手に入れてしまった場合、戦闘終了1回毎に1つずつ通常のアイテム2個に変換される(ドロップアイテムの方が優先されるため逃走するのが確実)他、交換所に持っていけば一括で自動変換されるため、ほぼ実害はない。わざと集めたい場合は工夫すれば減らさずに溜めていくことも可能。

総評

ドリームプロジェクトの名は伊達ではなく、極めて完成度の高い傑作RPGとしてユーザーに絶賛された。
その後はPSでシリーズ2作目となる『クロノ・クロス』が制作された他、PSとDSへ2度に渡って移植されている。
海外でも人気が高く、向こうのファン達が無許可で作った3Dリメイク、続編などが発表されることもあった(どちらもスクエニが警告を出して公開を差し止めた)ほどで、その人気ぶりが伺える。


余談

つよくてニューゲーム

  • このゲームには周回プレイ用の機能があり、一度クリアしたデータが存在する状態だと、セーブデータ選択画面に「ニューゲーム」の他に「つよくてニューゲーム」が選べるようになる。
    これを選ぶと一部のイベントアイテム等を除いたキャラクターのレベル・ステータス・技の習得状況・所持アイテムなどを全て引き継いだ状態で最初からスタートできる。
    エンディングの中にはこの周回プレイで十分に強い状態でゲームをスタートしたのでない限り見られないものもある。
    • この手のシステムはクロノ・トリガーが初出と言う訳では無いが、このゲームそのものの知名度が手伝い、これ以降の「データを引き継いで周回プレイ」、およびそのような機能を使ったかのような「最初から強い状態でスタートすること」そのものを「つよくてニューゲーム」と表現するようになった。
      wikipediaにもこの記事が作られている

開発経緯

  • 本来はスーパーファミコン用外部CD-ROM機器「プレイステーション(仮)」用ソフトとしてFF4の没案(戦闘画面に移らずそのまま戦闘する)+鳥山明で企画がスタートしたものの、鳥山明の多忙により開発が延期されたため、最初に制作されていたものが形を変えて『聖剣伝説2』として生まれ変わった後、CD機器自体が中止されたため当初の企画が実現できなくなり、改めて本作が新規に開発し直されたという逸話がある(参考インタビュー / その2)。
    • そのため両作品の主人公・ヒロインの姿はよく似ている。
    • また本作のアクティブタイムバトルver2.0も、聖剣伝説2のモーションバトルと同じくFF4の没案のシームレス戦闘システムが発端となっている。
    • 経緯から分かる通り初期企画はFF4開発と同時期。開発の初期段階として鳥山明の絵柄風のキャラをデザインしたりなどされていた。
  • この一旦宙に浮いた企画案がジャンプ編集長の鳥嶋和彦の発案により[鳥山明+堀井雄二+坂口博信=『ドラクエ』+『FF』=『クロノ・トリガー』]として再構築されることになった(参考インタビュー)。
    • そしてVジャンプ主導の企画としてこの3名による「ドリームプロジェクト」として大々的に宣伝されるようになった。ただし実態としてはネームバリュー先行の部分がある。

ドリームプロジェクトについて

  • 堀井雄二が携わったのは開発初期段階のプロット制作である。
    • 堀井のプロットでは現代・中世・未来・原始はあったが古代は存在せず、魔王にも魔族の王である以上のバックグラウンドはなかった。
    • その初期プロットをベースに、シナリオ全体を統括しているのは加藤正人である。堀井のプロットから全体的なストーリープランを加筆・修正しており、追加の古代パートは加藤が全面的に監修している。
    • 序盤のお祭り広場で細かい行動分岐があるのも堀井のプロットによるもの。ただこういう造りはゲーム全体の作風にあまり踏襲されていない。
  • 鳥山明によるメインキャラクター絵は渡されたキャラ設定案のリファインという形。
    • 各時代のイメージイラストはイベントシーンの再現絵ではなく、まず鳥山明にイメージイラストを描いてもらい、それを再現するイベントを後から作ったという順序。*12
    • 鳥山明がイラストを担当したのはメインキャラクター及びイメージイラストに載っているキャラのみで、その他のサブキャラクターのイラストを手がけたのはVジャンプで鳥山明風の絵を描いている人である。
    • モンスターはドラクエシリーズと違ってほとんど鳥山明デザインではないが、開発スタッフが「鳥山ワールドを実現する」ことを目標に、アラレちゃん風・ドラゴンボール風・ドラクエ風のデザインをスタッフが大手を振って描けた。
  • 坂口博信はゲーム開発外のプロデューサー業務に徹していた。
    • 実質的な現場指揮はディレクターの北瀬佳範である。
    • 序盤のお祭り広場だけ、北瀬に言われて関わったとのこと。
    • しかし出来上がった作品の出来に満足できず、結局全面的な手直しを自らすることになった。

その他

  • 古代のフィールド曲『時の回廊』は『風の谷のナウシカ』の『王蟲』に、オリジナルサントラ収録の没曲『歌う山』(後にDS版で使用)は『天空の城ラピュタ』の『君を乗せて』に一部が似ているという指摘がある。これらについて質問された作曲者の光田氏は中高生時代の夏休みなんか毎日ビデオテープで観るくらい好きだったので意識しなくても似せてしまったかもと回答している(ちなみに光田氏は結局、自分の曲を作りたいと思ってスクウェアに入社したが、当初はそれらジブリ作品の曲を作った久石譲氏のスタジオを就職先にしようと内定も取っていた)
  • 衛星放送を使ったSFC用周辺機器「サテラビュー」で本作の関連タイトルが配信されていた。
    • ミニゲームを独立収録した『ジェットバイクスペシャル』、データ集の『キャラクターライブラリー』、サウンドテストの『ミュージックライブラリー』の他、本作の設定を下敷きに新たなストーリーとなるサウンドノベル『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』が配信された。
      • 上記のうち、キャラクターライブラリーとミュージックライブラリーはPS移植版以降のおまけ要素の原型となり、ラジカル・ドリーマーズについては同作の設定を元にしたRPG『クロノ・クロス』への発売に繋がった。
  • ファミ通.comで2019年4月3日~4月8日の期間に「平成に登場したゲームの中から“最高の1本”を読者に選んでもらうアンケート」が実施され、本作が1位の座を獲得した。
  • この「ドリームプロジェクト」と既に発売済だった「半熟英雄〜あぁ、世界よ半熟なれ…!」の作曲を担当したすぎやまこういちを採用した時点で、当時のスクウェアはライバル企業だったエニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズのメインクリエイターをひととおり採用してしまった事になる。
    • それを危惧したのかどうかは不明だが、後日エニックス側は堀井雄二を専門役として社の役員に採用することになる。
    • それから数年後、奇しくもエニックスとスクウェアは2003年に合併し「スクウェア・エニックス」として生まれ変わることになった。

移植版

PS・DS・携帯アプリ・スマートフォン・Steamと5回に渡って追加要素付きで移植されている。
また、オリジナルのSFC版そのままの内容でWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。
2018年2月28日には突如PC版がSteamで配信された。UIなどはスマホ版が元になっており、追加要素も収録されている。
移植版の詳細はクロノ・トリガー (PS/DS/Win)を参照。

添付ファイル

*1 一般的なRPGでは「マジックポイント」や「マジックパワー」の略であることが多いが、本作では魔法以外の技でも消費するためか「マインドポイント(精神力)」の略であるとSFC版の説明書に明記されている。

*2 普通にすべてのイベントをこなしてゲームクリアした場合のサブタイトルは26個。ちょうどテレビアニメを2クール放映した時と同じ話数。

*3 魔王

*4 ただし、カプセル等で無理矢理全キャラの魔力をMAXにしたり、ラストエリクサーを大量に盗みだしてしまうとカエル、マール、魔王がやや不利と感じるかもしれない。それでも前述のかえるおとしの有用性やマールの連携、魔王の魔法のコストパフォーマンスの高さを考慮すると、さほど気にはならない。

*5 カエル:カエルフレア、あぐらうちぎり、ベロロンキッス等 マール:はんさようボム2、3、アイスタックル、ひょうがなげ等

*6 いずな落とし、鉄球、ハレーション、ライフシェイバー等が該当

*7 最大HP-現在HPの差が大きいほど大ダメージ

*8 ルッカと同値だが彼女は父親絡みのイベントで素早さを補強できる専用防具をコンスタントに入手できる。

*9 片方は安定はしているものの他の力依存キャラと比べて圧倒的に攻撃力が低い。もう片方はロボの現HPの下一桁の数値によって激しく増減する。つまりどんな小さなダメージを受けても攻撃力が変動する可能性が高いため全く安定しない

*10 ただしLV97で武器が「ごうけん」に変化するとCT時にダメージが9999固定になり、全キャラ中単騎最大火力となる。

*11 ATELシステム。Active Time Event Languageの略。元々の用途はシームレスに戦闘へと移行する処理のために作られた並列処理スクリプトシステムである。

*12 実際に作中では再現出来ないパーティや装備の組み合わせのイラストが見られるのもこのため