飯綱落とし

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飯綱落とし - (2012/04/28 (土) 21:08:24) の編集履歴(バックアップ)




投げ技の一種。「いづなおとし」と読む。
相手をつかんで跳び上がり、きりもみ回転しながら頭から落とす技。
空中の相手をつかんで派生するケースもある。
スクリューパイルドライバーと違い自身も逆さになっていることが多いため、自爆と紙一重の危険な技。
(勿論、ゲーム中で失敗することはないし自分も逆さにならなければならないと厳密に決められている訳ではない)

実在する技ではなく、もともとは漫画家・白土三平が自身の代表作のひとつ『カムイ外伝』において、
忍者である主人公カムイの必殺技として出したのが初出であるといわれている。
このとき参考にしたのは、実在する格闘技としての「忍術」ではなく、プロレスであるとファンからは推測されている。
尚、本来は「いなおとし」だが、後発作品では「いなおとし」と読ませる例も多々ある。まあ音的には違いが分からんけど
ちなみに、格ゲーキャラが使うものは「落とし」という表記が多いが、カムイのものは送り仮名に「と」が入らない。

+ 映像描写

69年放送のアニメ版『カムイ外伝』OPより。飯綱落しは0:38~。敵忍者チビ過ぎね?とか思わない。
余談ではあるが、ナレーターは故・城達也が担当している。
ちなみに、このアニメの後番組として始ったのが『サザエさん』。


作中でカムイは地上戦用の必殺技「変移抜刀霞斬り」を、
空中戦によって破った強敵のマシラを仕留める為、飯綱の姿を参考に新しく編み出した……。
という経緯があるので、カムイは基本的に空中でしか飯綱落しを使わない。
(地上で放つ場合は、跳躍して相手の背後に回りこんでのバックドロップになる)

つまり、カムイの飯綱落しは 空対空の「空中投げ」 こそが本来の描写であり、
むしろ「空中投げ」というアクション演出の元祖とも言える。
しかしながら、1965年発表という古さもあってか、服部半蔵のモズ落としの影響が強くなり、
格ゲー業界では「地上で相手を掴んで、飛び上がってから落とす」というように、
基本的に「地上で仕掛ける技」として定着してしまったようである(ついでに書くと、きりもみ回転もしなかった)。
実はバルログの方が先なのだが、こちらは「空中から地上空中問わず相手を掴む技」、
地上専用投げだとしても山田十平衛の方が先だが、何故か話題に出てこない。

弱点としては、術を仕掛ける最中「身体が密着する」というものがあげられ、
「飯綱返し」として、自分の身体を貫通して背後のカムイを刺殺しようとした忍者もいたが、
その弱点を把握しているカムイは常に鎖帷子を着ている為に防がれてしまった。
さらに、カムイに対して飯綱落しを仕掛けた敵もいたが、これも不発に終わっている。
これは「猿真似ごときに主人公が負けるわけが無い」と言うマンガ補正とかではなく、
「コピー対策に返し技もセットで開発しておいた」と言うオチが付いている。
アニメ最終回においても、変移抜刀霞斬りを体得した相手に対して、十文字霞くづしで対抗している。
こういった用意周到さこそが超人格闘家と天才忍者の違いであろう。

+ 飯綱とは
飯綱(イイズナ)とはイタチの仲間の動物であり、主に地上に居るので飛んだり樹上生活したりもしない。
では何故飯綱落としという名称なのかというと、カムイはイズナがジャンプして鳥を捕食した姿に着想を得たから。
つまり「飯綱を落とす」技ではなく「飯綱が(獲物を)落とす」技ということ。

オカルト界では「イズナ使い」と言う術師に使役されている狐の一種、いわゆる式神使い魔


見た目が派手なことから、格闘ゲームにおいても使用するキャラが多く、
さらには出典故か、忍者キャラが使用することが非常に多い。
現在では「忍者の技」として認知されているようで、
『カムイ外伝』が忍者物に齎した影響の強さを示す証拠となっている。

  • ガイ……「武神イズナ落とし」、「回転イズナ落とし」
  • ガルフォード……「ストライクヘッズ」、「ダブルメガストライクヘッズ」など
  • このは……「このは落としの術」
  • (バトルマスター)……「スクリュー飯綱落とし」
  • 颯紅葉……「宇宙飯綱落とし」
  • 颯鳳葉……同上
  • ナイル……「そっちは私の抱き枕よ!」
  • バイオスパーク……「イズナ落とし」(カービィも使用できる)
  • 服部半蔵…… 「モズ落とし」、「真・モズ落とし」 など
  • パピー……「ストライクドッグ」、「メガストライクドッグ」など
  • バルログ……「イズナドロップ」、「ローリングイズナドロップ」など
  • マキ……「戯天狗」
  • 増田千穂……「飯綱落とし」(空中投げとコマンド投げ「延落殺」からの派生の2種類)
  • リュウ・ハヤブサ(DOA版)……「飯綱落とし」

忍者以外
  • カービィ……『SDX』のコピー能力「ニンジャ」の技「イズナおとし」。スマブラシリーズでも投げ技の1つとして使用。(スマブラXでは何故かメタナイトも似た技を使える)
  • キャプテンアメリカ……超必殺技「ファイナルジャスティス」の〆
  • グリフォンマスク……「ジャスティスハリケーン」(必殺技) 「イカロスクラッシュ」(空中投げ必殺技) 「ビッグフォールグリフォン」(超必殺技)
  • 豪鬼……名称不明(X-MENでの空中投げ。非常にマイナーな技)、「百鬼豪墜」(ZEROシリーズでの百鬼襲からの派生投げ)
  • モリガン・アーンスランド……「ベクタードレイン」
  • 山田十平衛……「いずな落とし」(空中投げ)、「大いずな落とし」(必殺技)、「ダイナマイトいずな落とし」(超必殺技)
  • ユリ・サカザキ…… 「いづな落とし」(龍虎2とCVSでの空中投げ。KOFでは「燕落とし」になるが、モーションはほぼ同じ)

その他
藤林すず……同じ名前の技を使うが 投げ技ではない
天馬星座の星矢……「ペガサスローリングクラッシュ」(原作漫画やアニメなら 服部半蔵どころかバルログよりも古い 。縦に回転する)
アマテラス……(原作では神器・鏡を裏装備にすると裏攻撃がガードになるのだが、これをタイミング良く出すと投げ技へ派生する。MUGENにおいてもリアス式海岸氏製の擬人化アマテラスに、当て身技『天落とし』として搭載されている。)

ちなみに、ここで名前が上がっている中で名称・技性能・見た目を考慮すると、
並み居る忍者を差し置いて龍虎2のユリのものが一番カムイに近いと思われる。
後にKOFシリーズで技をパクリまくる彼女であるが、龍虎2の時点で既にその萌芽を感じさせていたようだ。
抜かりは無いッチ!

関連項目:コマンド投げ