真名はローマ帝国の悪名高き暴君として知られる五代皇帝ネロ。同じ型月キャラだけど 教授は関係ないです(名の由来ではあるけど)。
史実では男性だが、一応女性説ネタに使えそうな下記の逸話があるためか、本作では女性となっている。
- 「男の愛人がいた」や「2回ぐらい男性と結婚した、うち1回は花嫁役。」など。(当時のローマは男色自体はタブーではないが女役は恥とされてた)
- 同時代の歴史家(当時はユダヤの祭司)ヨセフスが、ローマへ使者としてきた際「ネロに会いにきたのに妃が相手をした」というような記述。(自伝)
- 新約聖書の『ヨハネの黙示録』ではネロを「大淫婦バビロン」と女性扱いしていた。
主人公との会話で口走りかけた最初の名はルキウス・ドミティウス・アヘノバルブス。
四代皇帝クラウディウスの養子となった際にネロ・クラウディウス・カエサル・ドルーススとなり、
皇帝に即位してネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスとなった。
どこかの 青い王様に似ている理由は、アーサー王伝説自体がイギリスにおいて キリスト教、 ケルト神話、そして古代ローマ文化への憧憬から成り立ったものである為。
つまりは青い王様が赤い王様に似ているというのが設定的には正しかったりする。 後付臭いとか言うなこれが公式見解なんだよ
中高生で世界史を習った人なら、
「え?あの暴君ネロ?キリスト教迫害してローマ帝国の国家予算湯水のように贅沢で無駄遣いして、母親のアグリッピナ殺して、 師の哲学者セネカ自殺に追い込んだろくでなし皇帝?マジかよ」
となるだろうが、本作ではそのようなキャラではない。
野心家である母アグリッピナが皇后になる為に実の娘でありながら特に皇帝になりたくもなかった彼女を男装させ皇帝に据え結婚したのだが、
アグリッピナが命じ教鞭を振らせた師であるセネカに「母の言いなりでいいのですか」と言われ、目を覚ます。
皇帝を操り人形としか考えておらずローマ国民の福利厚生より私腹を肥やすことが第一だった腐りきった元老院への反発による国家財産の国民への放出するなどの改革を進め、元老院と対立する。
また彼女を自分が「皇帝の母」となるための舞台装置としてしか考えておらず、国政に口を出し続ける実母アグリッピナを暗殺しようとするがことごとく失敗、最後は公衆の面前で斬り殺すに至った。しかしその結果、彼女は終生頭痛に悩まされるようになる。アグリッピナは彼女が逆らえぬよう幼い頃から毒と解毒剤を持っていたのだが、アグリッピナの死により解毒剤は永久に失われてしまったのである。
そして師のセネカはそんな常に「自由」であり続けた皇帝ネロに「教えることはなくなりました」と自殺したのであった。
(セネカに関しては余から離れていかないでくれと釘を刺していたが、後日結局自害されさめざめと泣いた)
これらの経験からか、セイバーの天敵はアグリッピナとセネカになっている。
なお、セネカにいつもの舞踏着を披露して男装と言った際には唖然としたまま「男装…?」と疑問符を浮かべられていた。
キリスト教迫害についてもローマ帝国の固有宗教であるローマ神話の神々への信仰、ともすれば神の子たるローマ皇帝崇拝をそっちのけで、
当時発足したばかりの小規模宗教に過ぎないキリスト教が布教する横暴を見て、
また当時圧倒的多数だったローマの神々信仰者の国民等からも押される形で「仕方なく」弾圧したのである。
そんなとにかく国民を心から愛した彼女であったが、皇帝の座から元老院の陰謀等によりついに追い落とされることとなった。
国を逃げるように後にし、愛を捧げた国民達は特に助けてもくれず、彼女は「己の愛は一方的なものだった」と哀しく悟りながら自害した。
余談だがこれらのエピソードは全てが創作ではない。
歴史書でもローマの大火後の復興政策は絶賛されていたり、人気取り政策で国民人気は高かったりしたようで、
近年になってネロの再評価が行われていたりする。もちろん史実では男性のはずである。
ただ幾人も罪の無い人間も平然と処刑したり、親友の妻を寝取る為に親友を僻地にさせんしたりとかなり無茶苦茶してもいる。
問題児であるネロが皇帝でありえた理由として民衆からの支持の高さが一因である為ローマ市民に対しての受けは比較的良いが、一方で理不尽な処罰を幾度となく振り回された宮廷内や当時のローマの倫理観とはかけ離れた思想を強要・喧伝した為に元老院との仲は歴代皇帝の中でも最低の部類に入る。
ぶっちゃけ人類史上最強皇帝コンモドゥスとか、かたっぱしから美少年食い漁ってた女装変態皇帝ヘリオガバルスとか、上には上がいるし。
そんな彼女が英霊として主人公に呼ばれ、月の聖杯戦争で剣士として戦うこととなるのが物語の始まりである。
なお、コンセプトは「きのこが考えた 女体化
征服王
」との事。
傍若無人な割に不思議と人から嫌われない辺りは似てなくもない。
ステータス
筋力:D 耐久:D 敏捷:A 魔力:B 幸運:A 宝具:B
スキル
対魔力:C
二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。
彼女自身に対魔力の素質が皆無なため、 セイバークラスにあるまじき低さを誇る。
皇帝特権:EX
本来もち得ないスキルも本人が主張することで短期間だけ獲得できる。
該当するスキルは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等。
このスキルランクがA以上の場合、肉体面での負荷(神性など)すら獲得する。
頭痛持ち:B
生前の出自から受け継いだ呪い。
慢性的な頭痛持ちのため、精神スキルの成功率を著しく低下させてしまう。
せっかくの芸術の才能も、このスキルがあるため十全には発揮されにくい。
安定して高いパラメータが売りのセイバークラスでありながら、このステータスで見れば 筋力・耐久が低く、敏捷・魔力・幸運が高いという非常にピーキーな能力を持つ。
本来であればセイバークラスの条件を満たしていないのだが、にもかかわらずセイバーとして召喚されたのは、
彼女の最大の特長であるスキル「皇帝特権」の恩恵である。
セイバーの皇帝特権がEXという規格外のランクを持つのは、皇帝の持つ強権や彼女の生前のワガママぶりのみならず、真実彼女が万能の天才だったからである。
(ただし歌だけはダメ、つまり 音痴である。史実通りだから仕方ないね。なお 本人に音痴の自覚は全くない。
…中の人の歌唱力のせいでめっちゃ可愛い癒し系音痴だが)
生前彼女はその旺盛な好奇心を発揮して大抵の職技を経験しており、また自己解読でコツを掴むことのできる天才だった。
もっとも、バッドスキル「頭痛持ち」と生来の飽きっぽさからすぐコツを忘れてしまうのだが…。
戦闘では自ら鍛えた深紅の大剣、隕鉄の鞴『原初の火(アエストゥス・エウトゥス)』を用いた剣戟戦を得意とする。
…そう、彼女の持つ剣はただの自作の剣であり、宝具でもなんでもないのだ。セイバーなのに剣が宝具(とっておき)ではないというシリーズでも珍しい英霊なのである。
実際の所、皇帝特権の効果でセイバーとして召喚されたのだがセイバーとしての素養が皆無なわけではない。
なお、本来最も適正が高いクラスは ライダーなのだとか。また、当人曰く「暗殺は余の専売特許」
「陰謀うずまく我が人生、甘く見るな!」との事で、 アサシン適性もあるのかもしれない…などとファンから言われてもいる。
ちなみに、当時のローマの知識人らしく ギリシャ文化かぶれであり、 大英雄ヘラクレスの大ファンである。
彼を真似して闘技場で ライオンと丸腰で戦い、首の骨をへし折ってやろうという挑戦すらしたことがある(ライオンの首が太すぎて気絶させるに留まったが)。
アタランテという女英雄にもぞっこんであり、聖杯戦争にてすれ違った際は見惚れていたという。
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