スカサハ


「影の国よりまかり越した、スカサハだ」

本来はケルト神話に登場するクー・フーリンにゲイ・ボルグという槍を与えた女王の名前(Scáthach 日本語表記はスカアハなどとも)だが、
ここではiOS&Android用アプリ『Fate/Grand Order』(FGO)に登場する彼女モチーフのサーヴァントについて紹介する。

+ 原典:ケルト神話のスカアハ
スカアハ (スカータハ、スカハ、スカトとも。Scáthach。古期アイルランド語ではスカーサハ)は、ケルト神話に登場する女性武芸者、女王。
ウアタハという名の娘がいる。
7つの城壁に囲まれた「影の国(ダン・スカー『Dún Scáith』」(「影の城」、「スカイの国」とも)という名の異界を統べる女王。
スキュエ島(「スカイ島」とも)がその崇拝の中心地である。呪術師でもあるがむしろ武芸に秀でていると言われる。
コンラの母であるオイフェとは姉妹でライバル。

ケルト神話では、クー・フーリンが後の正妻エマーに求婚した際に、
エマーの父から、「スカアハのもとで修行する事」という条件を出されたためにクー・フーリンと出会う
(エマーの父はクー・フーリンが修行に耐えられず死ぬ事を目論んでこの試練を課した)。
クー・フーリンが数々の難所を潜り抜けながら影の国に来た事に賛嘆し、クー・フーリンの師となって彼にだけ奥義を授ける。
そしてクー・フーリンが彼女の元で修行を終えた時、スカアハは彼に魔槍ゲイ・ボルグを与えたという。
この修行中にスカアハの領地にオイフェが攻め込んできた時、オイフェの力を知るスカアハはクー・フーリンを戦わせないため彼に眠り薬を盛ったが、
クー・フーリンはすぐに目を覚ますとオイフェを打ち負かし、この後オイフェとの間に息子コンラを成した。
(以上、Wikipediaなどより一部抜粋・改変)

『Fate/stay night』に登場したランサーことクー・フーリンの師として『Fate/hollow ataraxia』などにて何度か名前は言及されていたが、
『Fate/Grand Order』にて満を持して参戦した。
弟子と同じく、クラスはランサー。
CVは同作品でアルテラも演じている 能登麻美子 女史。
ある実況者の発言から「おっぱいタイツ師匠」の愛称で親しまれ、後にその呼び名が公式化した。
他にも、体形とタイツのせいで源頼光(史実では男性だが『FGO』では坂田金時の養母になっている)共々「対魔忍」呼ばわりされている。

+ オマエ天才!
イラストで色気がプッシュされているスカサハだが、その最大のエピソードとして、
2016年1月のニコ生「Fate/Grand Order カルデア放送局 ~お正月生放送~」にて、
ブルーバック撮影によってプレイ画面が背景に映し出されているのを見て閃いた声優の島﨑信長氏が、
スカサハのイラストを背景いっぱいに表示させて胸をエア揉みしたという出来事がある(マジで生放送です)。
先輩最低です。
以来、島﨑氏はユーザーから英雄として称えられる事になる。

伝承では優れた女性武芸者であり女王であるとしか描写されていない事がほとんどであるが、
型月では人の身で人と神と亡霊を斬り過ぎた事で神の領域に近付いてしまい、
領地ごと現世でも幽世でもない「世界の外側」へ弾き出された元人間という設定である。
クー・フーリンと出会った頃には既に完全に人外の存在となり自分で死ぬ事さえも出来なくなっていたという。
本来は死ぬ事も無く現代も自身の領地である影の国で生き続けていたのだが、作中の黒幕が引き起こした「人理焼却」によって影の国ごと消滅。
それによってようやくサーヴァントとして召喚される事が可能になり、主人公達に協力する事になる。

誇り高く、何者にも靡かない王者の気質を有しており、自己が才能に溢れ、凡人とは違う事を把握している。また他者の素質と気質を見抜く鑑識眼を有している。
サーヴァントとしての能力も規格外級であり、複数本の槍を巧みに操る技量の他、原初のルーンを用いた多種多様な魔術を行使でき、
劇中では、スケルトン1万体を1人で全滅させたり、聖杯でパワーアップしているクー・フーリン・オルタと渡り合うなど、
並のサーヴァントを遥かに上回る実力を披露している。
戦闘力もさる事ながら、大英雄クー・フーリンを育て上げた事からも分かるように、指導力も卓越している。
が、クー・フーリン曰く「見込みの無い戦士をふるい落とすつもりだろうが、遊びが無いにもほどがある」というほどの超絶スパルタぶりだったらしい。

宝具はクー・フーリンが使う槍のプロトタイプである「貫き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク・オルタナティブ)」。
また、奥の手として対象をあの世同然である影の国に引きずり込む「死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)」を持つが、
後者は『FGO』ゲーム中では使用不可。
効果範囲にいる相手を敵味方問わず吸い込んでしまう無差別技であり、
カルデアと契約する前のストーリー中や、『Fate/EXTELLA LINK』では明確に使用する場面がある。
自分の身を対象とする場合はある程度融通が効くらしく、損傷した臓器を機能を保たせたまま影の国に送り現界し続ける応用手段を見せている。
また、四次元ポケットのように影の国の生物や物体を現実に引っ張り出す事も理論上は可能なようで、
後記するキャスター版の宝具は影の国の城を召喚し、自分を含む味方の強化するものになっている。

コミカライズ版の『turas réalta』では展開が原作と異なっており、魔王となったクー・フーリンに単身で挑んだ際に「死溢るる魔境への門」を使用した。
引きずり込む事には成功したが、直後に門扉ごと貫かれ反撃も間に合わず敗北した。

死ねなくなったまま永い時を生き続けたためか、死に対して一種の憧れのようなものを持っており、
今回の一件は「正真正銘の死を得る千載一遇の機会を得た」とも語っている。
といっても死にたがりというわけではなく、望外の機会であるからこそ、死に方にはこだわりたい模様。
聖杯なるものが真に万能ならば、自分を殺してみせる何者かを寄越すがいい。
そして願わくば、その者が、かつてこの手で授けた槍を持つ者であれば──。

ちなみに、見た目は妙齢の女性だが、上記のように不死のため推定年齢は2000歳以上
本人も気にしているのか、クー・フーリンに年齢をネタにされる度に折檻している。まだ若いし、いけるし


『FGO』における性能

カード構成はクリティカル確率を高めやすいQuick型だが、回避効果を持つ「魔境の智慧」と、
当たれば確実にスタンが入る単体宝具「貫き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク・オルタナティブ)」によるボスへの対応力がずば抜けている。
このため、いかに手早くNPを溜めて宝具を打ち込むかが重要なサーヴァントである。
だが枚数の多い通常Quickがヒット数最低であり、逆にBusterのヒット数が多いと言う癖の強さから、
NPゲージやクリティカルスターの自給がブレイブチェインでしかできないという欠点があるため、その方面で礼装や他サーヴァントの支援を要していた。
こちらは、2020年に強化クエストでスキル「原初のルーン」にNPチャージ効果がついたため多少改善された。
なお、「魔境の智慧」には高確率でクリティカル補助(威力とスター集中率アップ)の効果もあるため、宝具ではなくクリティカルを狙わせてもそれなりに強い。
さらにスキル「神殺し」により死霊または神性の属性を持つ敵相手にはとてつもない火力を発揮する。
特に神性持ちはライダー・ランサー・アーチャーのクラスに多く、相性がいいアーチャーはもちろん他二つを相手にしても上手く立ち回れるだろう
(具体的にはAUOとか)。
死霊は該当するサーヴァントこそ居ないが、ゾンビ、ゴーストやグールなどの雑魚キャラを処理できるので、死霊系の敵が多い曜日ダンジョンの周回も可能。

また、スキルの育成に必要な素材がことごとく収集に難儀しやすいのも難点と言えば難点と言える。
  • 凶骨→序章のフリークエストでそれなりに高めのドロップ率があるが、低レアの初期鯖から高レアの新規鯖まで大量に消費され続けるため供給が追い付かない
  • 虚影の塵→凶骨以上に消費する鯖が多い上に、落とすエネミーの関係上安定してドロップで集められる場所に極端に乏しい
  • 鳳凰の羽根→ドロップしやすいフリクエが1.5部4ステージ目クリアまで解禁されない上に、羽根を使う鯖の多くが有能なため貯蔵が難しい
  • 蛮神の心臓→使う鯖が多すぎる上に、1.5部1ステージ目クリアまで入手できるフリクエが解禁されない。おまけに金色枠という事でドロップ率も低い
このため、スカサハと他のサーヴァントを育成する際には、
他の育成中のサーヴァントとの兼ね合いを考えてイベントクエストで素材を収集・計画的に消費する必要がある。

この他、素材を消費する事で別コスチュームである「刺し穿つバニー」に霊衣変換する事ができる。
性能は変化しないが衣装がバニーガールとなり、台詞も変化する。
なお、設定上はタマモキャットからイベント準備をしていたスカサハへのプレゼントらしい。
元の発端はエイプリルフールの時に、担当絵師のこやま氏がプライベートで描き下ろしたイラストだったが、
その後、アーケード版『FGO』にて総身霊衣「刺し穿つバニー」として公式に逆輸入され、その後アプリ版にも搭載された経緯を持つ。

+ 他の創作でのスカサハ
そんな彼女だが、19世紀のスコットランドの小説家「フィオナ・マクラウド」(ウィリアム・シャープの女性名のペンネーム)による、
「女王スカァアの笑い」と「かなしき女王」ではクー・フーリンに強烈な愛情を向けるヤンデレだったと言い伝えられている。曰く、
  • クー・フーリンが小言を言った侍女を即座に処刑
  • クー・フーリンが気に入りそうな女捕虜を処刑
  • クー・フーリンが愛する女性の暗殺を企てる(無駄だと判断して諦める)
  • クー・フーリンがアルスターに帰った時は影の国の民が誰一人として目を合わせられないくらい落ち込む
なにこれ怖い。
もしも「Fate」のスカサハがこれをやっていたら「能登怖いよ能登」と言われていた事だろう。
ただしこれはあくまでもフィオナ・マクラウドの創作によるもので、原典のケルト神話ではスカサハにはこういった描写は無い。
クー・フーリンの恋人になった説があるのはスカサハの娘、ウアタハの方である。

『FGO』ではこのような態度は流石に取っていないものの、
クー・フーリンは「別の女を抱いた事を知られた際にキレて石をゲイ・ボルク風に投げてきた」と語っている他、
劇中ではクー・フーリンをオルタ化させた女王メイヴに「今なら最高の一撃が打てる」と言うほどに殺意を向けており、
上述の作品ほど極端ではないとはいえ、言動の節々からクー・フーリンに異性としての好意を向けている事が分かる。
顔が明らかにTYPE-MOONのツンデレキャラの系譜だし
だけどクー・フーリンの事を幼名の「セタンタ」呼びしてるので、異性というかむしろオカンじゃ…
…なんて言ってたらガチで母性溢れるスカサハ・スカディが実装された。

+ 他のゲームのスカサハ
著名神話の大物キャラではあるが、日本での知名度はやはり低く、登場作品は少ない。
それでも、『女神転生』シリーズに登場する彼女(こちらでは「スカアハ」表記である)を覚えている人は多いのではないだろうか。
主にその特徴的なポーズを。*1
このポーズは初出となった『真・女神転生 デビルサマナー』以降ほとんどの登場作品で引き継がれており、
真・女神転生III』以降は3Dモデルで堪能できるようにもなった。
MUGEN的にはハム子の使用ペルソナとして認知されている。

なお、『女神転生』シリーズにおける正座ポーズが特徴的すぎるせいか「Fate/ぐだぐだオーダー」でも、
「正座しないんですか正座!!」という台詞が出た挙句、
この項目の方のスカサハ(と2名)が正座で浮いた。
というか伏字なしで思いっきり「それメガテンんんんーっ!!」なんて台詞も出る始末。

奇特な例として、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』では「ゲイボルグ」という槍が登場して使い手が女性なのにもかかわらず、
彼女と無関係の剣士(ソードファイター)としてスカサハが出てくる(しかも男女の双子キャラなのにの方がスカサハ)。
このせいで「スカサハって本当は女性名だったの!?」と困惑した人もそれなりにいるかもしれない。
この作品には同様の例が複数名おり、主人公のセリスからして男なのに女性名である。
……まぁこの作品は他の伝説級武器の名前が、ティルフィングやらグングニルやらミストルティン(北欧神話由来)があったかと思えば、
バルムンク(ドイツ叙事詩が由来)だのナーガ(インド神話由来)だのもあったりと、意図的に無節操な海外神話ネタのごった煮にされているので、
元ネタとの辻褄合わせがどうたらこうたら……などと深く考えない方が良い。
元ネタではスカサハの姉妹だったオイフェはこのゲームではスカサハの師か父か兄のような存在、クー・フーリン(ホリン)はプレイヤー次第で実の父になる
(FEシリーズ全体がこんな感じで、別作品にはエクスカリバーも存在する……風の攻撃魔法として)。


ランサー以外のスカサハ

  • スカサハ(殺)

「私とて洒落は解る。華麗に踊ってみせろよ?」

期間限定イベント『FGO 2016 Summer』の際、主人公達と一緒に無人島で遭難してしまった事で、
「海辺に適応する」と称して本人含む周囲の女性サーヴァント複数人の霊基を調整し、水着姿にした結果の姿。
海辺に適応するため、腕輪に仕込んでいるルーンは海、水に関するものに特化されている。
霊基調整の副作用でクラスがアサシンに変化しているがそのけしからんおっぱいのせいで気配遮断がEランクと低い。
イベントの第一部で一時的に仲間になるが、「帰還する際に霊基の戻し方を忘れてしまい、他のサーヴァント共々水着姿のままで戦う事を余儀なくされた」
という事で第二部のシナリオ完走後に正式加入。
霊基再臨(他のゲームで言う所の)させるためにはイベントで入手する資材を300個ほど集めて専用のアイテム「鈴鳴りの枝」と交換する必要がある。
水着姿で悪目立ちしてしまうのか、マイルームでは男性陣からの視線に悩まされている。
これ以降、主にスカサハの力によって通常状態からクラスを変更した水着バージョンのサーヴァントが登場することが、毎年の夏イベントの恒例となっている。
現在はイベントの復刻をしない代わりに、後記する「巡礼の葉」というアイテムと交換する事で彼女の加入及び育成が可能となった。

  • スカサハ=スカディ
第2部の2章『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』に登場。クラスはキャスター
北欧神話の女神スカディ*2が影の国の女王スカサハの性質をコピーした存在である。
創作物においては同一視される事もある*3スカサハとスカディだが、本作では完全な別人とされている。
外見こそスカサハそっくりだが、人格は女神スカディの方がメインとなっている。
そのため、別の世界の自分を「嘘。向こうの私、凛々しすぎ!?」、水着姿の方には「肌を出し過ぎだ!」と驚いている。
部下のワルキューレ達に自分を「女王」ではなく「」と呼ばせようとしたり、敵である主人公達さえ平等に愛そうとするなど一見穏やかに接するが…。

+ 第2部ネタバレ注意
「我が愛では……足りぬ…… 春は来ず……」
「命は増えることがない…… だが……諦めぬ、諦められぬ! 絶対に!!」

その正体は、「異聞帯」(ロストベルト)と呼ばれる、世界そのものから淘汰された禁断のパラレルワールドの統治者。
型月の世界設定として、世界の存続が不可能になるなどの都合の悪い並行世界の分岐は、腐った枝を間引きするように切り捨て、
存在は愚か可能性すら無かったものとして忘れ去ってしまう「剪定事象」というシステムが存在している。
彼女の世界は、北欧神話における神殺しの巨人スルトの暴走で地上から多くの生命が失われ、それ以上の発展が不可能になり、世界から切り捨てられた……。
はずだったのだが、地球降臨を目論む異星の神の干渉によって2018年において、淘汰されたはずの世界7つが顕現し、『FGO』の世界を塗り潰し浸食を始める。
スカサハ=スカディが統治していた世界もその1つであり、本編に登場する彼女はサーヴァントでは無く、存続している女神である。
いわば、無理矢理にでも敗者復活戦を引き起こした侵略者の片棒をかつがされた者達の一人という見方もできるのだが、
スカサハ=スカディは自分の世界が未来が無いと分かっていてもそこに生きる民を見捨てる決断は考えられず、
結果的に、たとえ敵対する意思は無くても、FGO主人公達との激突を強いる事になった。

「己が人理を救わんとするならば、殺せ!
 我らを踏み荒らしてゆけ──汎人類史のモノども!」

マイルームでの会話からは異聞帯での記憶を引き継いでいるものの、主人公を恨んでいるような素振りは無いが、
立場上は自分が上だと思っていたり、アイスクリームを持って来るように命じたり、
別世界の自分と同一視されたくないために「様」付けで呼ばせるなど女王様な面が目立つ。
また、別世界の自分を知るケルトの英霊達からは余りの別人ぶりに驚かれ、
彼女を「姐御」と呼び恐れていたフェルグス(クー・フーリンの叔父)はギャップ萌えで悶え、
スカサハと殺しあう程いがみ合っていたメイヴですら「スカサハのクセにカワイイ(意訳)」と戸惑い、
スカサハ=スカディ側も、メイヴの「自分とは異なるタイプの女王としての在り方」に関心を持っている描写もあった。
その後、正月イベントでは一緒に温泉旅行に行ったり、水着回ではデートの約束をするなど親しくなっており、ケルト勢を通じて汎人類史での生活に馴染んでいた。
しかし一方で、クー・フーリン(特にキャスター)に対しては苦手意識を持っている描写もある。

  • サベッジクイーン
期間限定イベント『セイバーウォーズ』に登場した、未来もしくは別次元「サーヴァントユニヴァース」のスカサハ。
惑星ケルトで求婚者たち相手に無双している。ってきのこが言ってた。

  • スカサハ=スカディ(裁)
2022年夏イベント「アークティック・サマーワールド!」で実装された上記のスカサハ=スカディの水着版。
単独で擬似的な虚数潜航を行い辿り着いた北極圏で、ワルキューレ達の反対を振り切り聖杯を使い、
微小特異点を発生させて永遠の夏を築こうとする騒動を起こしたが…。
なお、これ以前に開催されたイベントではスカサハの使いまわし水着を借りていた事もある。

宝具「命溢るる大海への門(ゲート・オブ・エーギル)」は、原初のルーンを用いて門を空中に形成し、
門を通じて溢れ出す大量の海水と無数の魚で空間を埋め尽くし、対象を取り込む。
原初のルーンを用いた宝具であるのと同時に海神にして巨人エーギルの加護の下に発動する宝具でもあるが、
スカサハ=スカディがこれを使用できるのは、サーヴァントとして現界する彼女が本人の自覚の有無にかかわらず、
本編時点もなお北欧異聞帯に消えた神々の加護を受けているためである。

+ 各クラス版の性能
  • アサシン
カード構成がQuick主体である事はランサーと同じだが、
高レアアサシンのなかでは珍しい全体攻撃宝具「蹴り穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク・オルタナティブ)」を持つ。
即死効果もあるため、ランサーとは対照的に集団雑魚エネミーの殲滅に向いている。
他には、ターゲット集中効果を持つ「ビーチクライシス」で囮として使う事も可能で、再臨させると回復スキルも覚える。

清姫のように水着の色が変わったり、マルタのようにパレオ(腰布)が取れる事を期待していたマスターも居たが、
配布キャラであったため、残念ながら霊基再臨(進化)しても外見の変化は無い。
しかし、長尾景虎の頭巾のように、正式加入後にイベントアイテムと交換する事で外見を変えられる配布キャラも実装された事から、
スカサハの差分を期待する声も少なくない。

おすすめの編成はランサー、アサシン、キャスター共にQuickチェインを繋ぎやすい沖田さんやジャック・ザ・リッパーだが、
どちらもレア度が最高の星5で入手が難しく、恒常のジャックならともかく沖田は福袋やぐだぐだシリーズのイベント限定なので、
持ってない場合はフレンドから借りるのも一つの手だろう。
ライダーの坂田金時と水着イシュタルもQuickの性能を向上させるスキルを持っているのだが、スカサハと同じくイベント配布な上、
復刻が一度しかされていない等、こちらも強化以前に入手が難しいという弊害があった
(金時は2023年の4月から実施された「巡霊の祝祭」の第一弾として配布された為、新規ユーザーでも入手する機会を得た)。
そこで、序盤から比較的簡単に手に入る星3で宝具がQuickのメドゥーサクー・フーリン(槍)と組ませるのも悪くない。
アサシンの方は「ビーチクライシス」使用後の生存率を上げるためにマシュで守りを固めてあげるといいだろう。
加えてマシュは無敵の付与とNP増加の効果を持つスキルを覚えるため、ランサーのNP補給役にも使える。
礼装はQuickの性能がアップ、防御力アップ、即死させる確率アップのどれかで選ぶといい。
スカサハ=スカディが実装された事でスカサハだらけの編成が可能になり、全員がQuick主体のため相性も良い。
もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。

  • スカサハ=スカディ
「不夜城のアサシン」「刑部姫」「ヴァン=ゴッホ」などを筆頭とするQuickサポーターの中でトップに立つ存在。
1属性の特化サポーターとしては玉藻の前やマーリンと同格の位置付けと思しい☆5のキャスター。
自分も含めた味方1人に最大でNPゲージ50%を与える「大神の叡智」やQuickとクリテイカルの威力を上げる「原初のルーン」が強力。
宝具「死溢るる魔境への門」は5ターン中3回クリティカル威力アップ、回避1回、即死1回防止、
3ターン中ダメージカットを一度に味方全体に与える優れモノになっており、長期戦にもつれ込んだ時のカバーが可能となっている。

ただ何より「原初のルーン」はQuickの威力だけでなくゲージ効率にも絶大な影響力があるため、Quick宝具を持つ中でもワルキューレ達はもちろん、
ランスロット(バーサーカー)、パールヴァティーやアタランテ、マリー、巌窟王など、
Quick全体攻撃宝具を持つ一部のキャラにとっては飛躍的な強化が見込める。
というのもこういったキャラではフレンドの個体と合わせて「原初のルーン」を2重がけした上で、
Quick全体攻撃宝具で敵3体に当てればNPゲージの半分が戻ってくるようになり、
NPを与えるスキルと合わせて最大3ターン連続で超強化された全体攻撃が打てるという素敵性能になる。
この速攻力から、一躍クエストの周回に駆り出され、アルトリア・キャスターが実装されるまで長らくトップサポーターとして君臨した。
ニコニコ静画でも汗を流して過労死しかけたり、アイスクリームを所望するイラストが多数投稿されている。
先に登場したQuickバフ巻きのサポーター…の筈だった刑部姫は、研究の末に要塞型アタッカーとして活路を見出している

  • スカサハ=スカディ(裁)
クラスはルーラーとなっており、宝具も攻撃系になっているが、
ただでさえ打たれ強い裁定者のクラス耐性に加えて、通常版と同じく最大でNPゲージ50%増加に加えてスターを獲得する「夏の夜更けに我想う」や、
QuickだけでなくBusterを強化するスキルを備えており、サポーターとしては非常に優秀。
一方で、回避や無敵は持っておらず、宝具への対応はゲージ減少しかないため、長期戦では通常版に劣る。


MUGENにおけるスカサハ

レッドスカート氏とアカメ夜刀神十香の製作者であるAnT★R_M氏の共同製作によるものが公開されている。
氏の他のキャラと同じく手描きであり、ヌルヌルと動く。

魔槍ゲイ・ボルク(プロト)を振り回すリーチの長い攻撃に加えて、ゲイ・ボルク(プロト)を設置して次々に射出する時間差飛び道具など、
多彩かつ幅広い攻撃範囲が特徴。
また、
  • 全ての打撃・投げを返す1F発生の当身
  • ダメージを伴う(しかもこの攻撃で相手をKOできる)喰らい抜け
  • 一瞬で端まで届く電撃を放つガーキャン(拘束が長く、この攻撃を基点にコンボに繋げる事もできる)
  • ガード抜け無敵移動
など、様々な超性能の切り返し手段を持つ。
特殊ゲージがMAXになると、弱・中攻撃キャンセルからのみ発動可能な一撃必殺技「貫き穿つ死翔の槍」も使える。

カラーによってAIの挙動、キャラ性能が異なり、凶上位~狂上位あたりを広くカバーしている。
無断改変、無断転載は禁止。また即死親捏造・隔離・直死などの存在する大会や、エロ、グロ、虐め要素のある動画での使用禁止など、
動画使用における禁止事項があるので注意しよう。
+ 各カラーごとの性能
  • 1P~6P
凶上位~狂下位。4P~はゲージ自動回復など性能が若干向上するが、7P以降に比べるとさほど大きな差ではない。
このカラーの強さは主に、AIは自重しているループコンボと、弱パン入れば5割6割当たり前な高い火力に支えられている。
そのため対戦相手のLifeやDefence値を調整すれば、もう少し下位の相手も可能と思われる。

  • 7P~9P
狂中位前後。上と下のカラーから調整おすすめとの事。
まったく隙の無い高速移動技が追加され、6P以前で苦手としていた遠距離射撃キャラへの対応力が向上する。
もはや「飛び道具?牽制技?なにそれおいしいの」状態であり、狂未満のキャラでは基本相手にもならないレベル。
また、ゲージ技に「刺し穿つ死棘の槍」が追加。スカサハは使えないはず?聞こえんなぁ
性能は所謂瞬獄殺系の、ロック範囲の広いガード不能移動打撃投げ。
なおこの技、ReadMeでは「10P以降解禁」となっており、逆に本来7Pから使えるはずのゲージ技が10P以降でないと使えなくなっている。

  • 10P・11P
狂中位上方
ゲージ自動回復の速度が向上、ガードの固い相手も「刺し穿つ死棘の槍」で容赦無く刺していく。
AIの挙動がガードより無敵回避を重視するようになるのも特徴。

  • 12P
狂上位
全画面判定の超即死5ゲージ技(恐らく「死溢るる魔境への門」)が追加される、特殊な即死に耐性が付く等さらなる強化が施される。
また「貫き穿つ死翔の槍」も超即死に強化される。


出場大会

出演ストーリー



*1
正座したまま浮かぶという独特の姿勢は、デザインの金子一馬氏曰く「武道の達人って、正座した状態で背後から襲撃されてもナベの蓋とかで防いでそう」
だからとの事。

*2
+ 原典:北欧神話神話のスカディ
スカディ(スカジ、「スキーの女神」を意味する「オンドゥル・ディース」または「アンドルディース」、「神々の麗しい花嫁」とも)は,
北欧神話に登場する女の巨人、本来は山の女神と考えられる。
巨人スィアチの娘で、アルヴァルディの孫。ニョルズの妻。ある伝承では、フレイとフレイヤの母といわれている
(別の伝承では、ニョルズの妻ではあるがフレイとフレイヤの母ではなく、2人はニョルズとその妹との間の子だとされている)。
弓矢を得意とする狩猟の女神ともされ、山で暮らしている。
父の死の復讐のためアースガルズに乗り込んだ時に和解のために結婚を持ち掛けられ、
美男子のバルドルと結婚できるならと了承したが儀式でニョルズとの結婚が決まってしまう。
山の守り神の彼女と海の守り神であるニョルズとの結婚生活は上手くいかず亡き父の家に戻っている。
(以上、Wikipediaなどより一部抜粋・改変)
また、これに則っての設定なのか、『FGO』作中ではフレイヤの神性を持つアルターエゴのシトナイをまるで娘のように接する描写がある。
直後にシトナイから嫌がられていたが…

*3
スカサハとスカディを同一視する説の初出は、アメリカ人の作家でありフェミニストであるバーバラ・ウォーカーが1983年に著した、
『神話・伝承事典 失われた女神たちの復権』(原題:The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets)である。
ただしバーバラ・ウォーカーはケルト神話の研究者ではなく、それどころか神話の研究者ですらない。
『神話・伝承事典』の内容にしても、「かつて女性が持っていた権力は男性によって奪われた」という主張を正当化するため、
世界各地の神話にでたらめな改竄が加えられていた。
いわゆる「トンデモ本」であり、本業の研究者に喧嘩を売っているような代物である。
スカサハとスカディの同一視にしても『神話・伝承事典』には根拠も出典も記載されておらず、名前が似ているからという以上の理由は無いのだろう。

『神話・伝承事典』のトンデモの一例を挙げると、
天照大神」の項目(日本神話にも触れているのである)では天照大神の名前の意味は「母なる創造の霊」であり、
「天皇家は最初女王の系統であったが、後に14世紀頃、父権制社会の習慣が確立してから男系になった」などと書いてある。どこの日本の話だ。
また伊耶那美命の項目では「初期の神話では伊邪那美が万物を産んだ事になっていたが後世の編纂者によって創造の主権を奪われた」、
「伊邪那美は死後海の怪物になった」などとも書いてある。だからどこの日本の話だ。

もちろん、学術的な分野から離れ、娯楽としてバーバラ・ウォーカーの説を用いる事には何の問題も無い
(『真・女神転生III』におけるスカアハ→スカディの進化など)。
創作は面白ければ勝ちである。


最終更新:2023年10月15日 18:49