『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』
電撃文庫20周年記念企画の一つとして2014年3月に稼働開始した格闘ゲーム「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」に プレイヤーキャラとして参戦。
原作でいうところの最終決戦直前の設定で登場。乱舞型クライマックスアーツ「決戦奥義」は原作最後のシーンの再現である。
贄殿遮那という、自身の名前にもなっている太刀をブン回す各種通常攻撃は発生も早くリーチに優れている。というか 長いリーチが売りのはずのキャラ達よりも長い。またやや隙が大きいものの空中でも出せる「飛焔」という飛び道具も持っているので地上、空中問わず牽制に強い。
それぞれ真横、自分より下方、上方に対し本作最強クラスの判定の強さを誇るJA、JB、JCの存在により空中戦も大得意。
本作では空中ダッシュは「技」扱いであり、所持キャラは限られるのだが、シャナは勿論持っている。
のみならず、素直に横に真っ直ぐ飛ぶ全キャラ中最も素直な性能をしており使いやすい。
立ち回り性能が高い一方でコンボ力も高く、空中回転しながらかなりの範囲をカバーする突進技「紅蓮の大太刀」をヒットさせた場合必ず繋がる火力重視のクライマックスアーツ「紅蓮の双翼」によりどんなコンボも一々高火力である。
EX版「紅蓮の大太刀」はそれで締めればダウンを奪える上に、エリアルに行った場合もコレを中継すれば地上で拾い直して「紅蓮の双翼」につなげるという至れり尽くせりの性能。
攻撃性能はトップクラスであることがわかってもらえたと思うが、シャナは防御性能も一級品である。
本作は1キャラを除いて体力や防御力に変化は無く、立ち回り性能に防御行動を仕込むのがふつうの防御方法だが、シャナの2Aは勿論最速タイの5F発生で暴れにもってこい。
「紅蓮の大太刀」も実は1F空中判定なので、相打ち狙いならリスクは低い。さすがにガードされたら反確ではあるが。
本作独自のシステム「切り札」には中段型と覚醒型の2種類があり、使い勝手が良いのは覚醒型とされるがシャナの切り札「審判」は当然覚醒型。
これは発動時に打撃無敵を伴う暗転を発生させる、本作最強の切り返し手段だが、シャナのものは硬直差もわずか-1Fと非常に良好で使いやすい。
他の覚醒型切り札が大なり小なり立ち回りを強化するものである一方で「審判」は特にそのような効果は無いが、言い換えれば
そもそも立ち回りが最強
なので強化されても困るというもの。
全キャラ共通のキャンセルルート全開放だけで、相手に触りやすいシャナにとって固めの選択肢が増える十分な強化である。
一方で切り札発動時にゲージを回収+切り札効果時間中ゲージ回収速度UPというのは全キャラ中シャナのみの特別効果である。ゲージが火力に直結する今作で、シャナの火力が他キャラより一段高い原因の一つがこれ。
ただでさえ高い攻防両方の性能を一段引き上げる切り札である。
このように強みばかりがあるシャナだが実は製作者にも愛されている。食らい判定が最小なのだ。これは
原作再現
。
参戦キャラにはリアル小学生も居るのだが、あちらよりも公式設定で背が
1cm
低い。(シャナは141cm、智花は142cm)
たかが1cmの差を律儀に判定に反映させるんじゃねーよ
というのはごもっともな意見だがこれが現実、このせいで 数キャラに
シャナ以外限定コンボ
があったり、
シャナのしゃがみに対応していない連携や
コマ投げ
があったりしてしまうのだ。コマ投げはアプデで修正された(当然である)が。なお、智花には当然しっかり入るものばかりである。
中央投げからは通常はかなり安いパーツしかないことと、乱舞型クライマックスアーツ「決戦奥義」が演出中にエスケープブラストされると反確という低性能であり、この2点がかろうじて弱点と呼べる部分。
しかし前者はサポートや切り札「審判」で十分フォロー可能、後者はそもそもゲージ回収率が高いシャナにとってルートの多い「紅蓮の双翼」の利便性が高すぎるため殆ど使われない。
他のキャラは「乱舞は低威力+近距離ダウンで起き攻め可能」「もう一方は高威力+起き攻め不可」という組み合わせで使い分けするがシャナは「紅蓮の双翼」で近距離ダウンも取れるためほぼ「紅蓮の双翼」一択という有様なのだ。
以上のように本体立ち回りは最強のキャラであるため、アシストの選択肢が多いのも魅力。
ただでさえ性能の高い立ち回りを更に強化するキノやドクロちゃん、5C先端や波動、中央投げなど通常リターンの低い行動からフルコン余裕の延珠や加賀、
起き攻めのセットプレイでハメ倒したいなら各種当身サポや時間差攻撃系サポ、遠距離キャラ対策に高須竜二を被せるなど、
立ち回りで劣るキャラのサポートが実質キノ一択であるような現状に対し、自身の採りたい戦略にあったサポートを用いていくらでも動きに幅を利かせられるというのは殊更に強力な利点である。
唯一信頼できる通常技対空を持ちシャナのJBを落とせる アスナに対し、それ以外の強みを勘案して五分、そして他の全キャラに有利という苛烈なダイヤグラムを備える満場一致の最強キャラ。
ただしダイヤグラムの合計数値自体は「シャナにのみ不利、かつシャナより下位キャラ狩り性能が高い」高坂桐乃に劣るとされ、だいたいこの2人がSキャラという扱いである。
何にしろ、
他キャラのトッププレイヤーだった人達が軒並みシャナにキャラ替えした
という過去を持つぐらいには抜けた強さを持つキャラ。
ただし本作はダイヤ上最大の差でも6:4という、近年でも有数のバランスの良さを誇るゲームであり、シャナを使えば勝てる、相手がシャナだったら負ける、というような事態にはならないという事も付記しておく。
とは言っても
本作最大のキャラ差があるのもシャナ
なんだけどな!(シャナ:静雄が6:4シャナ有利)
その特性から荒れにくく安定した試合運びが期待できるため特に長期戦で強く、1本先取制の公式大会こそ優勝経験は無いものの
2本先取かつダブルエリミネーションで行われた最大規模の海外大会「EVO」で優勝、
更に同ルールで行われた国内最大規模大会では
ベスト8中5人がシャナ
で
トップ3は全員シャナ
であった。
評価自体は桐乃と二分する部分がありながらも、戦績ではハッキリと明暗分かれた形である。
繰り返すが本作は
とってもキャラ差のない良ゲー
ですからね!
続編『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』でも扱いは変わらず。
家庭用のパッケージこそ新キャラ(と新規カットインが書き下ろされたアスナ)に譲ったものの、OPでは相変わらず最初に紹介されている。
続投キャラが大なり小なり立ち回り性能が向上するアッパー修正を受ける中、シャナだけは2ABがコンボに組み込める、
という火力が若干増す程度の調整であった。
ならばランクは落ちたかというと
勿論最上位のまま
である。うん知ってたよ・・・
元々基本性能が高レベルで纏まっていたため修正の余地が無くとも強かった事に加えて、前作ではキャラバランスに比べて非常に悪かったサポートキャラのバランスを調整したのが大きい。
FCIではマイナーだったサポートもかなりのアッパー強化を受けており、そのサポートを一番うまく使えるのは当然立ち回りに隙のないシャナということになるのであった。
どのサポートを使っても平均以上だが、特に 司波達也との相性が良い。
「次のCAの火力を1度強化(切り札消費などで強化したのと同じ効果)」という非常に効果の高い6Sを手に入れ、更に先ほどの2AB>追加攻撃という火力の高いコンボパーツを組み込むことにより
地上でも空中でも始動技から安定して3ゲージ5割、更に切り札を併用することによりゲージ回収しつつ6Sをノーゲージで撃てるため驚異の
1ゲージ始動から5割
奪い起き攻めに移行、次刺さったらコンボブラストでゲージ回収して死亡という
他キャラを突き放す実戦火力とゲージ効率を得たのである。ちなみにこのゲーム開始時点で1ゲージ持ってる。
公式でも「密接にかかわり合う各種ゲージの管理がやり込みとして面白いポイント」という見解なのだがどうみてもガバガバです。本当にありがとうございました。
ちなみに今作のヴィルヘルミナもかなり強化されている。前作でもそこそこ相性は良かったがFCIでのシャナヴィルフェルミナは鉄板構成の一つであり、
原作再現タッグも単なる原作愛に留まらず、広くおすすめできる構成だ。
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