概要
ニトロプラスが2007年に発売した、PC用2D対戦格闘ゲーム。
元は即売イベントにおけるファングッズセットの中の一品として製作、後に単品で発売された、公式のニトロファンディスクである。
サブタイトルが「ヒロインズデュエル」とあり、その名の通り
使用キャラクターが全て女性である。
しかし、
瑞麗だけは
直接戦わず、戦闘は兄に任せている(後記のアーケード版では自身が戦うようになった)。
ニトロプラスは主にアドベンチャーゲームの製作を行っているメーカーで、ドットを用いたアクションは門外漢。
しかし、当時社内で流行っていたという
某ストIIIの影響を受けて「自分達で作ってみたい」とやってみた所、
ある意味実にニトロらしい
核戦争後の『ストIII』となった。
ループ・即死
コンボは当たり前、通常
必殺技を出すだけでハメ殺し、
ぶっぱ命中で7割以上、こんな感じでイカレた性能のキャラ多数。
数度のバージョンアップで改善された所もあるが、一部キャラやコマンドの受付などまだまだアレな点も多い。
ドットは社員が製作している。コンシューマや
ドットゲーの野生のプロ製作と比べると流石に見劣りするが、
少ない画素数にしては各キャラの特徴がよく出ているし、コマ数も多くは無いものの最低限の動作は抑えてあり、
MUGENオリジナルキャラに偶にある「コマ飛びすぎて技が見えない」ということは無い。
上手い具合に力の抜けた作りである。もとは単品で売るものではなかったしね。
ステージ間デモや開始演出等、シナリオ面ではさすがニトロ的な、お祭り感のあるものになっている。
調整さえ出来ていればそれなりに遊べたであろう、惜しいゲームであるといえる。
下記の動画は初期のものである。今はもう少し有情(本来の意味)ですよ、いやホント。
まぁ一部キャラクターや一部必殺技限定とは言え、こんな感じのがゴロゴロしていた辺り初期はまさしく世紀末だったが。
システム面ではオーソドックスなもので、防御&反撃の
チャンスメイクと、各キャラごとの強烈な個性が特徴。
ゲージを消費する攻撃は強力なものがそろっているが、ゲージがものすごく溜まりづらい。
コンボを補助するためのキャラ共通でのシステム(チェーンコンボ、エリアルレイヴ、ロマンキャンセルなど)はなく、
牽制や差し合いがメインの戦いを想定していたようである。
一応擁護しておくと、初期はADVすら手探りで始めたというニトロが作ったこのゲームを、
格ゲーの歴史を築いてきた老舗企業の格ゲーと比べる方がおかしい。
元々ニトロファンへのサービスという形で、生粋の格ゲーマー向けに作ったゲームではないのでシステムを難しくしても仕方ない。
ようはニトロキャラを格ゲーキャラとして動かしてみたいというちょっとした夢を叶える企画だったわけで、
それっぽければよかったのである。
そのためコマンドも易しめである。本当は刺し合い重視とかも考えていないのだろう。
ドットを打ったこともない、実質素人がここまで動かせているのだから一応企業の作品としての体面は取れていると言えよう。
このゲームに労力を費やしすぎてもニトロ社員は「仕事しろ」と言われてしまうし、
全キャラフルボイスで掛け合いもあるなどファンが喜ぶ商品にはちゃんとなっている。
原作ではボイスの無い作品の方が多いくらいなのだが、それらのキャラにもきちんとボイスを付けているのだから偉い。
勿論ドラマCDが発売されいるものやボイスつきの作品でのキャストは変更されていない。
実際単品発売された理由はこのゲームが好評だったからである。
最新バージョンは1.03a。ドラマCDのオマケである
ドラゴン追加パッチをあてるとバージョン1.10となる
(ドラゴンの有無を除いた仕様はどちらも同じ)。
アーケード版関連は後述。
登場キャラクター
最初から使用可
条件次第で使用解禁
システム
A(弱攻撃)、B(中攻撃)、C(強攻撃)、D(特殊)の4つを使う。
地上下方向>上方向で通常より高く跳ぶハイジャンプ。
ジャンプ通常技は強弱問わず着地まで何度も出すことが出来る。
44でバックステップ、66でフロントステップ。
キャラごとにタイプが異なり、一定距離進むショートステップ型、レバー入れっぱなしで走り続けるラン型、
斜め上方向に飛行するホバー型など。バックステップには無敵時間があるキャラとないキャラがいる。
フロントステップから硬直なしで攻撃動作が行えるのは
奈都美(ラン)、
イグニス(ショートステップ)、
アンリ(ホバー)のみで、
それ以外はステップ動作が終了するまで他の行動が出来ない。
A+Bで投げ技、投げ技を喰らった時にこちらもA+Bで投げ抜け。
ガード硬直中の相手や、相手の伸ばした
喰らい判定も投げる事ができる。
Dで緊急回避、攻撃を喰らいダウンする時にDで受身。どちらも終わり際に隙がある。
C+Dで挑発。相手のゲージを少し下げることが出来る。
6+Bで下段ガード不能の中段攻撃。
アンリのみ下段ガード可能の攻撃が出る。
パワーゲージ、最大3本まで溜められる。
攻撃を当てたり、空振りで溜めれるがAボタン関連の基本技は空振りでは増えない。
1ラウンドで一本溜まるか溜まらないか位の溜まりにくさ。
通称
「旦那アタック」。
某ゲームの中段攻撃ではない(あっちはリー
プ
、こちらはリー
ブ
)。
各ヒロインの登場作品の主人公が
ストライカーとして援護に入る超必殺技である。
*1
ガード不能なものも多く、ここぞという時に使える技である。18禁ゲーム会社のニトロプラスならではの技と言えるだろう。
1ゲージ消費と3ゲージ消費のものがある。
3ゲージ版は威力が高く
紙装甲には9.5割程奪うのもある。
しかし、ゲージが溜めにくいので使いにくい。
というより被ダメ時のゲージ回収も合わせてお互いが3ラウンド接戦を行ってようやく3ゲージ溜まるので、
真面目にプレイしていたらまず使えない。
実戦でお目にかかることができないという意味で
ロマン技と言える。
他にも特徴的な仕様(?)や未確認要素がある。
- 連続ガード
連続ガードになる攻撃を受けている最中にはガード方向を切り替えることが出来ない。
隙の少ない技を上段(下段)ガードすると下段(中段)攻撃が確定してしまうことになるが、意外と「ハマリ」になる状況は少ない。
- 立てない
しゃがみ状態になる攻撃を出した後一定の間、ニュートラル状態(立ち状態の絵)を経由しないと立ち通常技が出すことが出来ず、
しゃがみ技→レバーニュートラルでボタンを連打するとずっとしゃがみ通常技が出てしまう。
チェーンコンボを持っているアンリもこれのせいで実際のチェーンルートは少ない。
- 画面端
全キャラについて、相手が画面端を背負っていても、ジャンプで相手を飛び越え背後に回ることが出来る。
また、画面端の相手を打ち上げ等した場合の自分への反動が比較的大きく、攻撃側が後方にすべって
画面中央と変わらないくらい間合いが離れることがある。
- 空中喰らい、空中受け身(未確定要素を含む)
コマンド入力による能動的な空中受け身の無い本作だが、ある条件下で自動で受け身を行うようになっている。
直前の攻撃から受け身発動まで時間があるが、受け身動作後は着地まで操作不可だが、完全無敵で着地時の隙が無い。
特に空中喰らい状態の相手に通常技を当てるとほぼ一発で受け身を取るようになっている。
受け身をとれない場合でも、空中喰らい時は攻撃によって喰らい判定が無くなっていくため、そのうちコンボが繋がらなくなる。
ただし、どちらについても特殊喰らい(吹き飛ばし、叩きつけ、打ち上げなど)については条件が緩いようなので、
それらを利用したコンボはかなり強力。完全な空中ループになるのは沙耶のみ。
アーケードへの展開
2008年末にまさかの
アーケードへの移植
が判明し、
『ニトロプラス 格闘ゲーム(仮)』が2009年にリリース予定であることが発表された。
……のだが、
その後いつまでたっても音沙汰が無く、
延期の告知すら無い上、どこを探しても関連の記事すら見つからなかった。
辛うじて10周年記念ページには継続中と書いてあるが、無かったことにしようとしている節すらあった。
その上製作予定だったマイルストーンが
別会社のエロゲを元にした格ゲーを同年8月にリリースした後、
社長が逮捕され会社自体が無くなってしまい、
幻のゲームと化してしまった。
…と思ったら、2014年12月に
改めて仕切り直した状態で『
アルカナハート』でお馴染みのエクサム製作によるアーケード新作、
『ニトロプラス ブラスターズ -ヒロインズ インフィニット デュエル-』が発表された。
2015年4月28日より全国のゲームセンターにて稼働している。
『ニトロ+ロワイヤル』の続編というよりは完全新作の扱いであり、公式サイトでも『ニトロワ』については特に触れていない。
『ニトロワ』でプレイアブルだったキャラは本作でも全て参戦しているが、一部はサポートキャラに回っている。
また『ニトロワ』にいなかったキャラでは『装甲悪鬼村正』の三世村正などが参戦している。
『楽園追放』『がっこうぐらし!』『PSYCHO-PASS』など2010年代の作品からの登場も多い。
さらにはゲストキャラとして開発元であるエクサムから『アルカナハート』の主人公
愛乃はぁと、
コンシューマ版では発売元のマーベラスから『閃乱カグラ』の
焔が参戦。
そこは飛鳥じゃないのか
ちなみにはぁとに関しては、以前エイプリルフールネタで一度そに子と共演している。
MUGENにおける『ニトロ+ロワイヤル』
全キャラがMUGEN入りしており、いずれも強
AIが(外部・内部共に)用意されているため、ニコMUGENでの人気は高い。
特にドラゴンはそれが顕著であり、
ゲージMAXタッグトーナメント以降、大会でもストーリー動画でも引っ張りだこの状態である。
また、味方殺しに定評のあるドラゴンの『鏖殺の吐息』や、原作を知らない人が勘違いしてしまう
石馬戒厳の『召喚大義・石馬戒厳BB』といった必殺技は、ニコMUGENを代表する必殺技の一つと言ってもいいかもしれない。
ちなみに、ニトロワキャラは
調整が加えられていたり、有情な仕様だったりすることが多い。
…のだが、仕様の違いなどで原作より強烈な動きをしてしまうことも。
まあその辺は
MUGENだからしょうがない。
あと、MUGEN-Skill Wikiではなぜか同人にカテゴライズされているが
なに、気にすることはない。
ニトロワ参戦キャラ以外にも、Nitro+由来のキャラでは
うんこマン(仮)がMUGENキャラとして製作されている。
*1
そもそも主人公が戦っている
瑞麗の他、
戒厳、
セイバーは例外。この2人はそれぞれ違う立ち位置のキャラが登場する。
セイバーは出典元が『Fate』ではなく『ZERO』の方であるから。
戒厳は『刃鳴散らす』にて主人公を務め、『戒厳聖都』にて戒厳自ら「我が夫君(ふくん)」と呼んだ人物が別にいるものの、
登場するのは倉田畢竟という不死。理由は原作を知っている人なら分かるので割合。
最終更新:2023年07月20日 05:30