『旧約聖書』に登場する
天使。その名はヘブライ語で「燃える蛇」を意味し、単数形で
「セラフ」とも呼ばれる。
偽ディオニュシオスの位階表やユダヤの伝承において最高位の天使とされる「
熾天使」。
また、イギリスの詩人・劇作家であるトマス・ヘイウッドの詩『聖なる天使の階級』では、地水風火の内、
火の元素を支配する天使の一人にも任命された。
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天使の位階について |
天使の階級は偽ディオニシウス・アレオパギタによって定義されたものであり、以下の九階級である。
- 熾天使(セラフィム、セラフ)
- 智天使(ケルビム、ケルプ)
- 座天使(トロノス、ソロネ)
- 主天使(キュリオーテス、ドミニオン)
- 力天使(デュナミス、ヴァーチャー)
- 能天使(エクスーシス、パワー)
- 権天使(アルコーン、プリンシパリティ)
- 大天使(アルカンゲロス、エークエンジェル)
- 天使(アンゲロス、エンジェル)
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伝承によれば三対六枚の翼を持ち、2つで頭を、2つで体を隠し、残り2つの翼ではばたく
(『イザヤ書』6章や『第2エノク書』では4つの頭と6つの翼を持つとも)。
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神への愛と情熱で体が燃えているため、「熾(燃える、などの意)天使」と呼ばれる。
神の周囲を飛び回りながら絶えず三聖誦(
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。
アダルトゲームとは無関係)を吟唱し、
その威光は低俗な者が浴びると一瞬で焼き尽くされてしまうという。
『第3エノク書』では4人いるとされ、「世界の4つの風に対応する」とある。
ラビ文献では、栄光の玉座を守る天使であるハリエルと同等視される。
『イザヤ書』ではイザヤの唇に燃える炭を触れさせている。『新約聖書』では暗示に留まっており、言及はされていない。
この位を統べているのは、堕天前の
サタン同様に、「セラフィエル」「イェホエル」「メタトロン」「ミカエル」等、様々な名が与えられている。
この位の幾人かは大乱の際に離反した。
『モーセの黙示』ではアケルシアン湖へアダムを急がせ、神の御前で彼を洗った天使の一人と書かれている他、
獅子のように吠えるとされる。
イングランドの17世紀の詩人ジョン・ミルトンは『キリスト生誕の朝に』で剣を持つ熾天使について書いている。
(参考資料:Wikipedia、グスタフ・デイヴィッドスン『天使辞典』)
日本の創作では『
機動戦士ガンダム00』のセラフィムガンダムや、『アーマード・コア』シリーズの
ナインボール=セラフ、
『
ストリートファイター』シリーズの
ギルが使用する「セラフィックウィング」の元ネタとなっている。
また、2022年にはドイツの3Dアーティスト兼モーションデザイナーJonas Pfeiffer氏によって製作された、
聖書に忠実な姿を描いた3D映像がバズった。
MUGENにおけるセラフィム
PinoCrostaceo氏による
MUGEN1.0以降専用キャラが存在。
キャラ名は「Biblically Accurate Angel(聖書に忠実な天使)」で、上記Pfeiffer氏による3D映像の姿を元にしている。
各種
コマンドは公開先に書かれている。
操作方法は6ボタン方式。
通常技は落雷を起こしたり、翼で殴ったりする。
必殺技は以下の8種で、いずれも1
ゲージ消費。
- 孤を描く様に飛ぶ突進技「Charge」
- 巨大な手でチョップし、相手を気絶させる「Holy Slap」
- 両脇に衝撃波を出して相手を吹き飛ばす「Repell」
- 海外のミーム「HEHE BOI」の音声と顔を出して地面から殴る「hehea boi」
- 車輪の様に転がるオファニムを呼ぶ「Ophanim」
- 上にテレポートして真下にレーザーを放つ「Sneaky laser」
- オファニムを上段へ投げる「Ophanim throw」
- 地面から斜め上へレーザーを撃つ対空技「Divine Laser」
- レーザーを前方へ連射する「Angelic Fury」
- 神の腕を召喚し、当たった相手をスタンさせる「God」
- 10秒間、相手のゲージを0にする「Castration」
- 海外のミーム「Christian Lore」を流す「Christian Lore」
中でもAngelic FuryとChristian Loreは9割近くの威力を誇り、非常に強力。
AIは
強相当のものがデフォルトで搭載されている。
出場大会
中々恐ろしげな容姿だが、実は上級の天使ほど人間からかけ離れた、はっきり言って化け物とも言える姿をしている。
前述の熾天使の姿は人間と相対する時のための仮の姿であり、本来の姿は
炎や光そのもの、あるいは
空を飛ぶ蛇とか言われている。
ちなみに智天使ともなると人の顔と四枚の羽は良いとして、更に牛・獅子・鷲の頭を持ち体は車輪という、正に
キメラとでも言うべき異形の姿をしている。
『
女神転生』シリーズにおいては3通りの姿で描かれており、中には
メカ天使というぶっ飛んだものもあるが、
デザイン的には割と原典の記述に忠実だったりするのである。
最終更新:2024年07月06日 09:05