バーンナックル


「バーンナッコォ!!」

テリー・ボガードが使う必殺技の一つにして、彼の代名詞とも言える技。
気を纏った拳を突き出し、相手に向けて突進、気と共に叩き付ける。
父、ジェフ・ボガード直伝の必殺技である。

突進系必殺技の元祖である竜巻旋風脚とは発生速度、移動速度共に違い、高速で移動し、ヒットしたら軽く吹っ飛ばす威力を持つ。
竜巻旋風脚よりもバーンナックルの方が、現在の突進技の形に近く突進技の代表格としてよく名が挙がる。

登場するゲームによって攻撃範囲が違う事が多く、
対空になるほどの広範囲であったり逆にしゃがまれていると全くヒットしないという事もあるが、
トータルとして連続技に組み込んだり奇襲としてのぶっぱなしとしても機能したりと、安定した性能を誇っている。
特に『THE KING OF FIGHTERS』シリーズでは先端をガードさせれば隙が無い事が多く、連係の締めにもよく使われる。

語意は「burn knuckle」。燃える拳というか、より正確に訳せば動詞+名詞なので「拳を燃やす」といった所だろうが、
自分のではなく相手の拳を燃やすのかと思われるのだろうか
(参考として『ソードワールド』に登場する魔法「ヒートメタル」は白熱した金属で攻撃するのではなく、敵の金属鎧を直接熱してダメージを与える)、
英語版では「Burning Knuckle」と変更されており、進行形にする事でそのニュアンスをより正確に伝えているようだ。
ともかく、まかり間違っても「barnacle」(フジツボ)の事ではない。バーンナコーでもない
共通して言えるこの技の特徴は、出す時に「バンザイ」のポーズをして突進する事だろう。
(正確に言うと完全に手の平を上に向けた「バンザイ」になっているのは『餓狼伝説SPECIAL』までで、
 『餓狼伝説3』からは手の平を左右に突き出す形になっており、『KOF』でも『'96』以降はこの形)。
これは、拳に気を溜めるための呼吸法みたいなもので、この呼吸から気を作り突進していくいわば「儀式」みたいなもの
…とも言われていたが、後にスタッフの小田泰之氏により「特に意味はないカッコつけ」と、要するにただのクセだった事が明かされた
(同時に「バーン!という感じをイメージしたポーズ」とも。若者の衝動と虚無感を見事に表現しておる…)。
これがゲームによっては隙が大きくなり、バーンナックルを出す予告を示す事もあったりする
だが、このバンザイポーズも悪い事ばかりではなく、SNK作品のボスキャラは超反応で切り返すAIを設定されがちであり、
「バンザイをし始めた時点で攻撃開始とみなす→切り返そうと出した攻撃が空振る→バーンナックルが当たる」というAI殺しになる事もある。
特にルガールはハマりやすく、バンザイでジェノサイドカッターを誘い、下降部分にバーンナックルを当てるというパターンでハメ殺す攻略法が存在する。


"Burning!!"

餓狼MOW』や『KOF』でのMOWテリーでは、弱Pで出すと「バンザイ」のモーション無しで繰り出すため、奇襲としての効果も強くなった。
ただし強Pで出すと、お約束の「バンザイ」をして突進していく。
威力を抑えて出す時には、呼吸無しで気を繰り出せる…もとい、クセも抑えて出せるようになったのだろう。
ある意味、年の功とも言える。
また、『MOW』でのテリーのフェイント動作は2種類どちらもバーンナックルに対応している。
スト6』では弱で出すと気を纏った拳の連撃「クイックバーン」(後述)となり、中でバンザイ無しの、強でバンザイ有りのバーンナックルがそれぞれ発動する。

バーンナックルの原型とも言えるのは、父・ジェフの師であるタン・フー・ルーの「箭疾歩」、『ストIII』のユンらも使う「絶招歩法」と思われ、
それをジェフなりにアレンジし、気を交えた必殺技に昇華したものと思われる。
格ゲーにおいてこの特徴的な必殺技の影響を受けているキャラも多く、
「拳を突き出して突進する必殺技」を持つキャラで正式な技名を言うより「○○のバーンナックル」という感じに使われる事もあったりする。
そういう意味では格闘ゲーム界における、突進系必殺技の代名詞とも言えるだろう。

なお、アンディは「斬影拳」、ジョーは「スラッシュキック」という突進系必殺技を持っているのだが、バーンナックルの影に隠れてしまっている節がある。
ただ斬影拳も少なからず影響は与えており、「高速移動からの肘打ちを繰り出す技」を持つキャラクターもそれなりにいたりするし、
そもそも本家からしてギース聞き間違えて「邪影拳」としてコピーしている(ロックの「ハードエッジ」も動作的にこの系譜)。
むしろスラッシュキックを真似するキャラがそこまでいないというのも…。むしろ突進技だった頃のタイガーキックの方が真似されている
ハリケーンアッパーといい、ジョーはどうもボガード兄弟にお株を奪われやすいようだ。

ユリ・サカザキは『KOF'96』より、これのパロディ技「ユリちょうナックル」を使用する。
'98』まではほぼオリジナルのバーンナックルと同様の性能だったが、
'99』からは発動後にボタン押しっぱなしにすると腕をぐるぐる回す溜めモーションへと移行。
そのモーションには攻撃判定があるので、多段ヒットで削る事が出来る。


派生・類似・関連技

サニーパンチ
ボンボンで連載された漫画『餓狼伝説』で多用される謎の技。
気を込めた拳で殴る技なのでバーンナックルの名称誤認かと思いきや、バーンナックルは別に登場する。
「『餓狼1』にはそういう技が存在したのではないか?」「遠距離立ち強パンチの名前?」など様々な推測があるが、
調べてみるとそうした仮説は正しくない事が判明している。
ボンボン餓狼を象徴する技となっており、MUGENのボンガロテリーにはもちろん搭載されている。

クイックバーン
REAL BOUT 餓狼伝説SPECIAL』のプレステ版移植『~DOMINATED MIND』では新しい絵を一切使わずに粗製濫造された新技が多数搭載され、
その一つとしてテリーには近距離で気を込めた拳を振り回すトリプルゲイザーのモーションの使い回し「クイックバーン」が搭載された。
ゲイザーの使い回しのため拳を上から下へ打ち下ろす二発目は中段判定となる。ぶっちゃけテリー版ダブルコング

『餓狼』シリーズ以外では『KOF2002UM』にて実装。
『スト6』でもバーンナックルを出す時に弱Pボタンでこれが出るようになっており、
さらに弱P+中Pでオーバードライブ(同作で言う所謂EX必殺技)版も出せ、トドメに背中からぶち当たる鉄山靠チックなタックルまで追加されている。

パワードライブ
『KOF'99』と『KOFMI』にだけ登場する超マイナー技。
名前はパワーウェイブ系統っぽいが別の技。エルボーから、バーンナックルのように気を込めたパンチを繰り出す。
このパワードライブの気を纏ったパンチを独立させてサニーパンチだと言い張れば通用しそうな気がする
相方にエルボーから蹴り上げを繰り出す「パワーシュート」があり、連続技に使えるのでパワードライブの出番は無い。
さらにパワーシュートよりもパワーチャージ→パワーダンクの方がリターンが大きいので、どっちみち全く利用価値が無い
……なんでわざわざこんな技作ったんだろうと思われる方も多いだろうが、
よく見ると初段は『RB餓狼』シリーズで使っていた「パッシングスウェー」と同じものだったりする。
どうやらパッシングスウェーを実装しようとしたのだが、上手く作れずにお茶を濁したものだったようだ。
そんなわけであっさり姿を消したパワードライブ&シュートであったが、なんと『スト6』にて立ち中P始動のターゲットコンボとして復活
まさかこんな所で日の目を見ようとは……。
ただし、パッシングスウェーも同時にターゲットコンボとして実装されている(しかもスウェー後の二択攻撃もできる)ので、
そのついでのオマケみたいな印象であるが。
まぁモダンタイプの存在のようなゲームデザイン的に見るに、キャンセルコンボができない人向けの手軽な連続技としての位置付けなのだろう。
ちなみに、パワーシュートからはパワーダンクが専用追加技になっている。まさか上記のツッコミを気にされたのだろうか…

バスターウルフ
『餓狼MOW』でテリーが使う超必殺技。
バーンナックルのようにパンチで突撃し、命中するとパワーゲイザーを前方に向けて繰り出すような衝撃波で追撃する。
この衝撃波のエフェクトの美麗さには定評がある(が、他作品ではイマイチ再現しきれてない…)。
『MOW』では浮いた相手に当てるともう一度バスターウルフで追撃できるかなりカッコイイ浮かせコンボが可能で、
これを受けてか、『CVS』ではデフォで追撃可能な浮かせ技になっている。
『スト6』ではスーパーアーツ1扱いのためか他作品よりも比較的アッサリとした演出となっている。

シャインナックル
ロックの超必殺技。バーンナックルと同様に勢い良く突進するパンチ。
潜在能力版はさらにエルボースパイク(上段避け攻撃)からのライジングタックルで追撃する。
こちらも若干浮かせてから当てるとさらに手動で追撃でき(ライジングタックルなら絵的にも映える)、『MOW』下位キャラであるロックの切り札の一つ。
『XIV』ではMAX版は追撃が錐もみ回転タックルからのパワーダンクになった…が、
コレジャナイという声があったのか、『XV』で従来の潜在版仕様に戻されている。
技名は天獅子龍虎でジェフ・ボガードが使った時の名称「閃光拳」と類似しており、彼の技がギースの子に継承されたと考えると感慨深い。

ライジング・フォース
テリーが『KOF2002』『KOFNW』で使う。
ロックの潜在シャインナックルをテリーが模したような技(エルボースパイクに当たる部分はハイアングルゲイザーのタックルを流用)。
どちらが先に開発したのか時系列が無茶苦茶になるが、お祭り作品でしか使ってない以上は何、気にすることはない
なお、メイ・リーに食らわした時だけ追撃可能


関連項目



最終更新:2025年05月25日 01:05