獅子座のアイオリア


「思慮深いことは結構だ……
 しかし、目の前で同胞が殺されているのを見て
 何の行動も起こせないような奴は……

 もはや男として認めん!!

車田正美氏の漫画『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』の登場人物。「獅子座」は「レオ」と読む。
岡田芽武氏による、本編の過去を描いた外伝作品『聖闘士星矢EPISODE.G』では主役を務めている。
アニメ版の声優は、ジャンプ連載作品で言えばテリーマン初代ジョジョなどを演じている 田中秀幸 氏。
ちなみに氏は本作のナレーションも担当している。
劇場版『LEGENDofSANCTUARY』でのCVは 井上剛 氏。

女神アテナを守る「聖闘士(セイント)」の中でも最強を誇る12人の「黄金(ゴールド)聖闘士」の一人で、獅子宮を守護する戦士。
黄金聖闘士は全員、小宇宙(コスモ)の真髄「セブンセンシズ」(第七感、末那識)に目覚めており、光速で戦う事が可能。
(なお、エイトセンシズ(第八感、阿頼耶識)に目覚めると所謂生きたまま死ぬ仏教で言う解脱の境地となり、冥界の理に縛られず行動が出来る)。
つまり「光速の攻撃は目に見えた時点で(攻撃と目に届く光(映像)が同速度な為)既に命中している」と言うツッコミに対し、
「小宇宙(霊感ヤマカン第六感、第七感:極端な言い方をすれば予知能力)で感じているからOK」と言い訳が出来たりする。

黄金聖闘士の中でも一、二を争う強さを誇り、仁・智・勇を兼ね備えた聖闘士の鑑として尊敬を集める。*1
また、彼の実力を目の当たりにした敵軍である冥闘士(スペクター)からは「黄金の獅子」と恐れられた。
同じく黄金聖闘士の一人である「射手座(サジタリアス)アイオロス」の実弟。

ちなみに「アイオリア」は「アイオロス」の女性形、つまり本来は女性の名前。
ギリシャ神話においては風の神アネモイ達の主であるアイオロスが住む島が浮き島アイオリア島。
恐らく作者はこの神話から兄弟の名前を採ったと思われるが、アイオリアが女性名かどうかは気付かなかったのか、
それとも語感を取って気にしないことにしたのか……。
女性聖闘士に現在で言う所のBL雑誌の誌名から採って「ジュネ」って名前付けちゃう作者だし……

兄が聖域(サンクチュアリ)に対しての謀反を企んだという汚名を着せられて以来、彼自身も黄金聖闘士でありながら「逆賊の弟」として辛酸を舐めていた。
実績を作り上げる事で汚名を雪ごうと努めていたため、聖域やアテナへの忠誠心は人一倍厚い。
原作では第1話から登場しており、星矢VSカシオスの聖衣(クロス)争奪戦にも立ち会っている(アニメ版では未登場)。
ただ、この当時は「実は黄金聖闘士だ」という設定は無かったのか、聖衣は装着していなかった。ただし教皇の横に立って意見出来る立場ではあった。
ついでに、後に蛇使い座(オピュクス)白銀(シルバー)聖闘士(戦闘速度マッハ2~5)と判明したシャイナが、当時はマッハ1の拳を見切れなかったりもした。

星矢への刺客として日本へ赴いた際、城戸沙織が真のアテナである事、逆賊とされてきた兄アイオロスがその救命に殉じていた事を知る。
沙織に忠誠を誓い聖域に戻った後、偽教皇であるサガを討とうとするも逆にサガの「幻朧魔皇拳」に罹り、十二宮戦では星矢の前に恐るべき敵として立ち塞がる。
人一人が目の前で死ななければ洗脳が解けないという幻朧魔皇拳であったが、カシオスの自害によって正気を取り戻し、
十二宮戦により兄の汚名も晴らされ、その礼も込めて星矢の天馬星座の聖衣を自らの血で復活させた。
以後は本来の役である獅子宮の守護者として、ポセイドン編でのアテナ救出、ハーデス編での冥闘士討伐に活躍した。

実力・存在感共に申し分のない強豪キャラだが、実はアイオリアが倒した固有名詞付きの敵キャラは冥闘士の地伏星ワームのライミだけ。
他は海闘士(マリーナ)の雑魚が一人と、数人の冥闘士をまとめて一撃で粉砕したぐらいである。
これは黄金聖闘士が目立つとただでさえ影が薄い主人公哀しみを背負う羽目に陥るため、
海皇編では「真の敵(冥王ハーデス)と戦うため黄金聖闘士は温存する」という指示を受けて出撃停止、*2
冥王編では前述のように多数の敵を蹴散らした後、能力が1/10以下に低下するというハンデを負わされて為す術もなく倒された。

しかし空気とか噛ませキャラという訳ではなく、そこまでして活躍の場を減らさなければ容易に主人公を食ってしまう事が余りにも明白。
黄金聖闘士という存在は強すぎるが故に扱いにくいキャラの典型なのである…。
また、最強と言う設定、馴染みの深い12星座をモチーフとした美しい聖衣から、人気でも主人公を上回っていた。人気過ぎて こんな問題 もあったが…
(余談だが、かのマイケル・ジャクソンも当時の玩具(聖闘士聖衣大系)に一目惚れしたらしい。まぁ元から日本のアニメやゲームが好きな御仁ではあったが)。

その後、同じく倒されたミロ・ムウと共に生きたまま冥界に叩き落され、死なずに氷結地獄(コキュートス)に封印された。*3
しかし、アテナの小宇宙によって封印から復活。黄金聖闘士全員の命と力を結集して最終決戦への道を切り開き、獅子座の黄金聖衣を遺して消滅していった。
黄金聖闘士達全員結集の場面はこの一撃が最初で最後であり、作中最高の人気キャラ達の花道を見事に飾る形で出番を終えた。
あと、最終決戦まで黄金聖闘士を同行させる訳にいかなかった

多くの黄金聖闘士は小宇宙による特殊攻撃を行うが、アイオリアの持ち技は拳による光速の打撃のみであり、聖闘士の王道の闘法の使い手とされる。
必殺技は光速のブローを放つ「ライトニングボルト」と、広範囲に放つ「ライトニングプラズマ」。*4
ライトニングボルトは「ペガサス彗星拳」、ライトニングプラズマは「ペガサス流星拳」へ置き換えてみると分かりやすいだろう。
ただし一点に百数十発を集約するペガサス彗星拳と違い、ライトニングボルトは本当にパンチ一発である。
ちなみにライトニングプラズマの射程は半径5mくらいと余り広くない。速度やHIT数を落とせば射程が延びそうな感じではあるが。
また、戦闘時ではないが3階の病室から星矢とシャイナを引き摺り出すなど、サイコキネシスのような技を見せた事もある。

主役に抜擢された外伝作品『聖闘士星矢EPISODE.G』においては、本編の7年前が舞台とあって、
13~14才とまだ幼さを残してはいるものの、既に強さは黄金聖闘士そのもの。
兄を逆賊として討ち取った聖域と黄金聖闘士に怒りを抱いており、また逆賊の弟として扱われていた所為で普段は斜に構えている。
会議の場で礼装でもある黄金聖衣を纏わない事を咎められても従わないなど、反抗期的な行動を取るが、正式な命令には渋々ながら一応は従う。
(この点は忠誠心を見せて汚名を雪ごうとしている原作とは違うが、この後のティターン神族との戦いを経て聖域への確執が消え心情が変化したのだろう)。
実際には情の厚い人間であり、守るべき人達の為に幾度傷付いても立ち上がるその姿は、まさしく黄金聖闘士である。

作中ではオリンポスの神々の前の支配者であるティターン十二神がとの戦いがメインとなっている。
ティターン十二神はゼウスの封印や黒幕の暗躍により弱体化しているものの、それでも桁外れの強さを誇り、黄金聖闘士が瀕死になるほど激闘を繰り広げている。
上記の通り、アイオリアのみでなく他の黄金聖闘士もかなり出番があるのも特徴。特に山羊座と水瓶座のファンは必見である。
……さそり・蟹・魚は出番少なめで泣いていい…かっこ悪い訳ではないが。

ちなみに、幼さを残しているといっても原作で偽教皇に従った3人以外は同い年だったりする。
年齢順に言うと、暗殺された教皇(先代羊)=天秤>>(200歳以上の壁)>>双子(偽教皇)>射手>蟹=山羊>魚>他6人。
アイオリアやミロは歳相応の見た目(と中身)と言えるが、アルデバランやシャカあたりはどう見ても13歳に見えない。
『LEGENDofSANCTUARY』では各キャラの年齢が変動しており、アイオリアは黄金聖闘士の中では最年少に変更されている。
(以上、wikipediaより一部抜粋、改稿)
ドラマCD

+ 冥王神話の獅子座の黄金聖闘士
レグルス:
手代木史織氏の描く『ロストキャンバス』(以下LC)に登場する獅子座の黄金聖闘士。
作中の黄金聖闘士の中で最も若く、テンマや耶人と同年代で黄金聖闘士に上り詰める程の天才だが、一方で精神的には青銅(ブロンズ)聖闘士に諭されるほど未熟。
先代の獅子座の黄金聖闘士であるイリアスは父親、射手座のシジフォスは叔父である。
使用技はアイオリア同様のライトニングボルト、ライトニングプラズマの他、
独自の必殺技である「ライトニングクラウン」(獅子の大鎌を意味し獅子座の頭部の7つの星の連なりを指す)を扱う。
更に本来は三人の黄金聖闘士の合体技である「アテナエクスクラメーション」を一人で繰り出し、
人の技の極致とも言える、十二人の黄金聖闘士の技を一度に放つ「ゾディアッククラメーション」を操る。あと風の拳
加えて人並み外れた観察力の持ち主で、冥闘士である天猛星ワイバーンのラダマンティスの「グリーディングロア」や、
天孤星ベヒーモスのバイオレートの影縫いを初見で真似て扱ってみせた。
上記のアテナ~やゾディアック~も、仲間達の技をも見続けた彼だからこそ放てた技であったが、しかしその代償として…。

イリアス:
『LC』本編の十年前の時点での獅子座の黄金聖闘士にしてレグルスの実父、射手座のシジフォスの実兄。
妻の死とある理由から息子を連れて聖域から離れていた。
彼を軸としてレグルスとラダマンティスには大きな因縁が生まれる事となる。
こちらは見せた技はライトニングボルト・ライトニングプラズマのみ。
『LC』外伝ではライトニングクラウンも扱い、更にエイトセンシズにも目覚めているような描写がされている。
あと妻も登場した。

カイザー:
車田正美氏の描く『ネクストディメンジョン』(以下ND)に登場する獅子座の黄金聖闘士。巨大な獅子のゴールディを従える。
性格はアイオリアに近いが、彼よりも融通が利かない面を持つ。
なお、彼が従えるゴールディも雑魚冥闘士数人程度なら蹴散らすほどの強さを持つ。

補足として、本来『ND』と『LC』は前聖戦を別々の視点から描く…筈だったのだが、天貴星グリフォンの冥闘士が登場した辺りから、
作品間でのキャラ名の不一致・原則過去編のLCと現代組(沙織(アテナ)&瞬)の過去への介入・現代サイドでの天闘士の登場などで、
ストーリーラインが大きく離れる事となり、本編及び『LC』以外の作品が未完の2022年現在では、
『LC』は『EPISODE.G』同様にパラレル要素を含んだシェアードワールド作品化している。

+ 唯一(?)の外部作品への出演
『ファミコンジャンプ』『ジャンプスーパースターズ』『ジャンプアルティメットスターズ』など、ジャンプのキャラクターが一堂に会するゲームでは、
星矢達主人公勢はもちろん、サガやシュラなど他の黄金聖闘士にも外部作品への出番を奪われがちな彼だったが、
劇場版『LEGENDofSANCTUARY』の公開を記念して、ソーシャルゲーム『パズル&ドラゴンズ』とのコラボにて参戦。
コラボ用ダンジョン十二宮の二番手として立ちはだかるのだが、乙女座のシャカとどちらが出るかランダムなので、運が悪いと一度も遭遇出来ない。
進化前の黄金聖闘士・アイオリアをリーダーにすると、攻撃タイプのモンスターの攻撃力が二倍に、
黄金聖闘士・獅子座のアイオリアに進化すると光属性の攻撃力も二倍の対象となり、
更に光属性のドロップを強化するスキル「ドロップ強化・光」を覚えるのだが、
先にコラボしていた『HUNTER×HUNTER』コラボのプフ同様、本品に登場するユニコーンのスキルを強化するための餌という扱いで、
ラスボスのサガを除く他の黄金聖闘士達も似たような扱いだった。
レア度やコストに制限のかかる特殊なダンジョンではサブメンバーとして運用されていたが、
現在はコスト制限が解除され、その需要も無くなった。


MUGENにおける獅子座のアイオリア

クラウドなどの製作者であるやまきち氏による、手描きのアイオリアが存在。
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴うサイト消滅以降は、hamer氏によって代理公開されている。

原作通り肉弾戦主体で、「ライトニングプラズマ」や「ライトニングボルト」など、原作の技を再現している。
また、「聖闘士には一度見た技は二度とは通用しない」という原作のエピソードを元に、カウンター技なども搭載されている。
1Pカラーはアニメ版準拠だが、原作カラーや冥闘士カラーも搭載されている。
原作でアテナに対峙した場面の再現として特殊イントロもバッチリ搭載……それ人違いですから!またアイオロスの霊に叱られるぞ
AIもデフォルトで搭載済み。

ちなみに、新MUGEN用専用だが、彼のホームグラウンドである獅子宮ステージも海外で公開されており、BGMも同梱されている。

出場大会



*1
ただし「智」の面に関してはかなり疑問が残る。
彼は拳で語るタイプの人物で、会話で解決出来るであろう場面で実力行使に及ぶ事も多い。
しかもその相手が他ならぬアテナでアイオロスの霊に叱責されたり、同じ黄金聖闘士の同僚・乙女座のシャカであったりと、シャレにならん事態も頻発。
敵軍の中にかつての仲間が隠れていたのに気付きかけ、違和感を感じたもののまとめてぶっとばそうとしたり
冒頭の名台詞も仲間との戦いを躊躇する牡羊座のムウに対しての言葉。
漢らしい台詞ではあるが、見方によっては脳筋宣言みたいなもんである。
なお、聖域はアイオリアだけでなく基本的に全員脳筋(一部電波)という武闘派揃いの組織であり、「智」の項目については基準が相当低いものと思われる。
もっとも、仁智勇で求められる智徳とは「本質を知る能力」であり、「状況と自身の能力で出来うる最適解を選ぶ能力」である。
中途半端に賢いものは却って智徳から遠ざかるともされる。
アテナに拳を向けようとした時も、「兄の負い目があり、聖域の命令に確証無く逆らえない」という同情出来る理由もある上、
最初から教皇を疑っていた天秤座でさえ「教皇如きに倒されるようなら偽物と変わらん」と言い放っている。
冥闘士の中にかつての仲間が紛れていた時も、目的を語らない以上本当に裏切り者かもしれず、
また、目的を知っていたとしても、監視者の目を欺くためには本気で戦おうとする者が一人ぐらいはいないとまずかった状況でもあり、
「取り敢えず殴ってから」と言うのはシンプルだが理に叶ってもいた。
冥王に寝返ったという演技が上手すぎて完全に信じ込まれた結果、ムウに本気で攻撃された蟹と魚は泣いていい


ちなみに、240年前の獅子座の聖闘士もやっぱり脳筋だった。
手代木版の獅子座レグルスは脳筋とは言え、素直な性格で柔軟さを持ち合わせている。
御大版の獅子座のカイザーはアイオリア以上に人の話を聞かない。むしろ優れている項目から智が抜け、入れ替わりに力が入っている。
つまり仁・力・勇に優れた男となっている。力と勇敢さはもちろん、頑固な態度の内に秘めた仁愛の心も確かなものだが、味方との会話にすら応じようとしない。
デストールの兄貴はよくこいつと会話が出来たものである

一方、レグルスの父であるイリアスは逆に血気の全てを捨て、日々自然と対話して過ごし万物の流れを悟るにまで至っている。
珍しく脳筋じゃないと思ったら電波だった
ちなみにエイトセンシズにも目覚めている上に戦闘力が異様に高く、歴代獅子座最強レベルだろう。

20年ほど未来である『Ω』の獅子座のミケーネは裏切り者…と言うか最初から敵側の人間だった
(もっとも『Ω』第一部における黄金聖闘士はほとんどそうだが。純粋に裏切り者と言えるのは山羊と双子だけである(射手、天秤、牡羊は味方))。
しかも最後は自らの王、及び王子に対する忠誠心から(つまり最後までアテナの敵として)黒幕王妃を誅殺しようとしたが、
逆に王妃の弟である魚座に(技を喰らうシーンさえなく、漫画的に言えば0コマで)瞬殺されて星座カーストを転げ落ちる事に。

近年の主役組が黄金聖衣を継承する、もしくは継承する事が示唆される展開では、不死鳥座の一輝が次代の獅子座の黄金聖闘士になるとの事。
と言うか、ファンにとっては誕生日の設定から予想済みである。

*2
これは海皇ポセイドンを馬鹿にしているのでは無く、黒幕のカノンが封印を解いてイレギュラー的に発生した海皇との戦いは聖戦に数えられない為
(一応、聖戦は冥王限定ではない。本編では語られていないが、
 過去には戦神アレス及び配下の狂闘士(バーサーカー)との聖戦があったとの設定もある。後付っぽいが)。
海皇曰く、元来ならもう数百年眠る予定であり、起きる時には自分で起きるとの事。
あくまでも面白半分でカノンの悪巧みに付き合っただけであり、負けた所で「遊んでやっただけで本気ではなかった」と言った所だろう。
ポセイドンはゼウスやハーデスの弟であり、アテナにとっても叔父に当たるので、本来は途方も無い強さである。
なおこの時、同じ黄金聖闘士、蠍座のミロは「俺とアイオリアの二人で行けば物の数ではない」と豪語している。

だが海闘士も言われるほど弱いわけでは無く、不意打ちされたとは言え、牡牛座のアルデバラン海魔女のソレントにタイマンで負けており、
アイオリアは直接攻撃主体なのでアルデバラン同様にソレントには相性が悪い。
ミロに関してはミロの技は大体がパワーによる攻撃ではないのでそうでもないが。
さらにこの二人にとっては相性最悪と言える「拳を向けられない親しい知人に化けて不意打ち」を繰り出すリュムナディスのカーサに対しては、
アイオリアはアイオロスに、ミロはカミュに化けられたらまずやられてしまうだろう。
さらに、黄金聖闘士最強であるサガに少し劣るが、それに追随する強さの弟・カノンは実力的にもアイオリアと同等以上であり、
これらの海将軍を全員撃破した後に、神であるポセイドンと戦わねばならない(アテナを救出すれば勝ちなので実力で神を倒さなくてもいい)ので、
二人で叩き潰すというのはかなり至難だったであろう。
シャカとムウが来てくれれば勝算は高まるが、
その場合、クリシュナ、カーサ、ソレント、カノンと言った強敵を撃破する手柄は大体シャカが持っていきそうである。

*3
氷結地獄から脱出した後に冥界で自由に行動している事から見て、ムウ・ミロ共々エイトセンシズにも目覚める事が出来たと思われる。
つまり、能力を1/10にして早期に戦列から消しておかなかったら冥界でもフルパワーで大活躍してしまい、主人公の出番がますます減ったのは間違いない。
なにしろ主人公もしばらく氷結地獄で寝ており、その間(約半年)他のキャラ(主に黄金聖闘士)に出番を食われ続けたという悲劇があったのだから。
この上アイオリア達まで加わってはたまったものではない。
そして、この危惧は『LC』においてハーデス城の結界が早々に破壊された事により現実のものとなる。

*4
ここで言う「ライトニング」とは所謂「雷光、光速」という意味で、別に電撃系の技という訳ではない……はずなのだが、
『エピソードG』では本当に雷属性の技という設定になり、
  • ライトニングボルト(雷光電撃):光速のブローで空気を引き裂き、小宇宙で作り出した電撃をそこに流し込み真空放電現象を敵に叩き付ける
  • ライトニングプラズマ(雷光放電):光速の乱撃と雷撃の過電圧で相手のガードをも打ち壊し、フルボッコに殴りまくる
という形になっている。
普通の光速拳としてのライトニングボルトも放つ事は可能。
「ライトニングファング(雷光電牙)」「フォトンバースト(光子破裂)」などのオリジナル技も披露している。

漢字表記に苦言を示す旧ファンもいるが、原作の時点で(山羊座の技だが)「聖剣(エクスカリバー)」があったし…。
それ以前に最初から「聖闘士(セイント)」とか「聖衣(クロス)」とか「小宇宙(コスモ)」とか言う世界である
(なお『エピソードG』作者の岡田氏の作風全開(出世作)だと「裂破レイピア)」とか「吼狼襲(クロス:十文字斬)」とか言うノリだぜ、夜露死苦!)。
また原作では「女神」と書いてアテナと読ませるが、月の女神アルテミスや不和の女神エリス(ただしエリスは映画オリジナル)などが漢字表記された事は無い。

敵対しているティターン神族の一柱が曰く、「無様な力技でしかない」との事。雷撃を使っても結局は力で押し通すのがアイオリアなのかもしれない。
ただし、かつてティターン神族を封印した大神ゼウス(アテナの父でオリンポス神族の長)の武器が雷だった事もあり、危険視もされている。
そして本作での厳つ霊(いかづち)=雷は神滅の力を持つ唯一の存在である。
しかしアイオリアの技が雷属性である事が、逆にゼウスの雷の封印を解くのに利用されもした。
これは兄の死後にアイオリアが受けた境遇が原因で、親子の三代の間で憎みあい殺し合いをしたゼウスの宿業が篭った雷に共鳴反発するため。

……とか言っていたら、『Ω』において、雷は聖闘士が使える7属性の一つに過ぎず、
5人に1人が使えるほど普通(1/7ではないのは光と闇がレア属性だから。敵の火星士(マーシアン)なら闇も普通だが)になってしまった。
絶対データカードダス用の設定だろ
まぁ神々の中ではゼウスしか使えないとは言ったが、人が使えないとは言ってないし、
7属性自体が無印と『Ω』との間の時代に生み出されたものと設定されているからOKなのかもしれない。
(もっとも、原作者の車田氏以外が書いた所謂スピンオフ作品は、全てパラレルワールド設定とされたので、設定に食い違いがあってもツッコむだけ無駄である。
 例えば車田版『ND』と同時代の筈の手代木版『LC』の設定が違うのは「神の介入により生まれた平行世界だから」とされている)。
ちなみに旧世代から現役を続けている海蛇座の市は、『Ω』でも属性を使えない。

とは言え、雷属性であろうとも大神の策謀と倒される神の記憶を封印し、弱体化させた上で瀕死になった神に対し、
アイオリアが最大限まで小宇宙を燃やしてようやく神滅に到達するレベルである。
並の聖闘士が雷属性を得た所で、神滅に到達し得る事は到底無いだろう。
『エピソードG』ではそれを行えるゼウスが如何に強大であり、それに匹敵したクロノスの力が生半可な物ではなかった事を暗に示している。

ちなみに『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』でも雷の技へと変化している。
ライトニングボルトは標的の周囲から光速の雷を叩き込み、ライトニングプラズマはライトニングボルト以上に集約した雷を標的に叩き込む。
なんかボルトとプラズマが逆転している感じがするが問題は無い。黄金期のジャンプ漫画にとっては設定は投げ捨てるものである
最近の流れを見ると、アイオリアが完全に雷撃使いとなった感がある。


最終更新:2023年02月01日 15:57
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