向坂環






「んふふふふ~、
 若い男が一人でノコノコと女の部屋に来るなんて、
 まるで押し倒してくれといわんばかりね」



アクアプラスの恋愛アドベンチャーゲーム『ToHeart2』シリーズに登場するヒロイン。「こうさか たまき」と読む。
同社製作、エクサム開発の2D格闘ゲーム『AQUAPAZZA -AQUAPLUS DREAM MATCH-』にもプレイアブルキャラとして登場する他、
『うたわれるもの 偽りの仮面』にもゲスト出演している。

『ToHeart2』の主人公・河野貴明の親友である向坂雄二の姉。年齢は貴明の一つ上。
同じくヒロインの柚原このみと共に貴明とは幼馴染の関係。
貴明の事は「タカ坊(主人公の名前を変更した場合は○○坊)」と呼ぶ。

主人公達が住んでいる土地の名士の娘なのだが、幼い頃からやんちゃで勝気な性格をしており、ガキ大将として貴明達を引っ張っていた。
その後、素行を見かねた両親にお嬢様学校である九条院に強制的に入れさせられて離れ離れになっていたのだが、
ゲーム序盤の終わりに突然実家に戻り、貴明達の学校に転校する。

学業、運動共に成績優秀であり、容姿端麗の上に家事作法まで完璧という、
一見すると非の打ち所の無いお嬢様のため、学内の男子からの人気は当然ながら高い。
しかしその本質は勝手気ままでイタズラ好き、唯我独尊の暴れん坊であり、
幼いころは上述のガキ大将の他、貴明と雄二に女装や後始末係をさせたりなど散々振り回していた。
今でも用事があると引っ張り出したり、調子に乗った雄二をアイアンクローで制裁するなどしており、二人の恐怖の対象となっている。
雄二が不憫に思えてくるまとめ

一方で面倒見が良く、人情に熱い姉御肌の一面もあるため彼女を知る者からの人望は厚い。
事実作中ではこのみから実の姉のように慕われていたり、九条院から三人娘が彼女を慕うあまり引き戻そうとしてくる。
続編の『Anotherdays』では学校の女生徒からも「環様」と呼ばれるほど慕われており、裏でファンクラブまで存在する事が判明した。

無敵のように見えるがプロフィールにあるようにが非常に苦手で、近付いただけでも悲鳴を上げてしまう程。
このみの飼い犬であるゲンジ丸は元々は川に流されていたのを彼女が助けたものだが、
犬嫌いが理由で飼う事が出来なかった(ゲンジ丸には非常に懐かれている)。
世間から離れて寮生活を送っていたせいか、やや浮世離れした所もあり、未だにゲームセンターを不良の集まる所と思っている。

+ 一応環ルートのネタバレにつき、閲覧注意
実は幼い頃から貴明の事が好き。そしてタカ坊をヘタレにした全ての元凶
一度は不器用ながらも想いを伝えたのだが、幼い貴明には理解出来ずに失敗。この出来事が原因で貴明は女の子が苦手になった。
本編で突然実家に戻ってきたのも、貴明への気持ちに決着を付けるためである。
ルート終盤で感極まって泣き叫びながら告白、遂に結ばれる。
EDでは貴明と一緒に花火大会を鑑賞するなど青春を満喫しているが、
男子は東大クラスの学力がないと入学出来ない女子大学に貴明を入れようとスパルタ教育する気満々であり、
傍若無人な所は相変わらずなのだった。

この他、このみルートでは選択によってはこのみと環のハーレムエンドとなる事があり、
『Anotherdays』ではこのエンドの続きが描かれている。

+ 環ルート及び彼女の評判について(ネガティブ要素あり)
実はこの環ルート、『ToHeart2』の中でも賛否両論であり、割と否定的な評価も目立つルートだったりする。
このようになってしまったのは主人公である貴明が能動的に動かない事による所が大きい。
と言うのもこのルート、全編通してほぼ環の独壇場と言っていい内容であり、
中盤の3人娘との対立からラストの告白まで大事な場面では全て彼女の決断で物語が動いている。
一方で貴明はと言えばはっきり言って何もしておらず、環や周りの人間に終始振り回された挙げ句流されるがままの犠牲者存在でしかない。
ルート単体で見た場合、貴明自身が何か致命的なやらかしをしたというわけではないのだが、ひたすら受け身で優柔不断な彼の在り方は、
前作『ToHeart』の主人公・藤田浩之が普段は気怠げながらも積極的にヒロイン達に関わり、
いざとなれば全力で彼女らの悩みを解決しようとする「やるときはやる人間」であったのとは色々と対照的に見えてしまうのも事実であり、
結果として前作のような作風を期待してプレイした層から不満の声が続出する事態となってしまった。
余談ではあるが、貴明はささらルートでも意図的ではないにしてもヒロインの精神状態を追い詰めてしまったり、
『Anotherdays』以降ではヘタレな一面が一段と強調された人格になってしまっており、
人によっては『School Days』の伊藤誠と並ぶダメ主人公として扱う向きもある
(貴明の擁護をすると、彼は全てのルートで優柔不断というわけではなく、ヒロインの願いを叶えるために全力で奔走するようなルートも存在する。
 これは誠においても言える事だが)。

また、環自身も貴明のこうした人格を作り上げてしまった元凶である点、
男相手に殴る蹴るなどの暴力を振るったり(度を超した雄二の振る舞いにお灸をすえる意図あっての事である事が多いが)、
他のヒロインのルートでもやたら絡んできたりする等の点から苦手に感じる人もおり、好き嫌いが分かれるヒロインでもある。
ただし、以上のような所も裏を返せば彼女の面倒見が良くて頼れる姉御肌、そして内に秘める貴明への想いの現れでもある。

全体的に『ToHeart2』という作品はヒロインをいかに魅力的に、可愛く見せるかという部分にひたすら力を入れた作品であり、
環ルートも彼女の魅力を最大限に表現しようとした結果とも言える。主人公はそのしわ寄せを受けてしまったとも言えるが
実際、本作はこのジャンルとしては非常に大きな売り上げを残しており根強い人気を誇る事、
向坂環というキャラの知名度・人気共に、数あるヒロインの中でもトップクラスである事から、
この方針があながち間違いであったとは言えない所も話を難しくしている。
2015年の大アクアプラス祭の人気投票では環は9位に輝いており、依然として彼女が一定の支持を得ている事を証明している。
また、環の人気を語る際に避けて通れないのは二次創作の充実っぷりだろう。
作品の発売から20年経った現在においても何がしかの形で作品が出されており、その人気の程が窺われる。
+ 二次創作における紳士的余談(閲覧注意)
これら二次創作には、当然ながら健全な種類の創作活動もたくさんあるのだが、
やはり目に付くのは大量の薄い本もといエロ同人の存在だろう。お前ら本当に下半身に正直だな!
内容も彼女の評価を反映するかのようにいわゆるノーマルなものから、エログロヴァイオレンスにまみれたハードなものまで幅が広く、
このキャラ1人で大半のジャンルは網羅する勢いである。誰が呼んだか「エロの女王」。
一部界隈では、「ヘタレな主人公の事をずっと好いているが好意がすれ違っている恵体の幼馴染」という設定のせいで、
「NTRれるためにいるような存在」呼ばわりされているとかいないとか。やめろ(迫真)

なお、当然の話ではあるが、これら二次創作ネタに関しては、
向坂環及び『ToHeart2』のファンにとっては不快なものである事が多いので、取り扱いには気を付けよう。

善きにせよ悪きにせよ、目が離せない何かを彼女が備えているのは確かなようだ。

外伝作品の『ダンジョントラベラーズ』では初期から加入出来る前衛キャラとして登場する。
『うたわれるもの』にはこの時の露出度の高い侍姿で、久寿川ささらと共にゲスト出演している。
隠し連撃(4:50から)


『AQUAPAZZA』における性能

『うたわれるもの』のキャラでアーケードモードを進めると、
ラスボスのまーりゃん先輩の下僕として全身黒ずくめのカラーで登場する。
このキャラに泣かされたプレイヤーも多かったとか。

プレイアブルキャラとしての彼女は所謂投げキャラであり、
他の格ゲーの同ポジションのキャラに比べると機動力が高い反面、間合いが狭い。
アイアンクローを始めとした、対空やコンボに有利な各種必殺技を持っているが、削りが存在しない。
通常技のリーチが短く密着しなければ戦えないものの、近付いてさえしまえば接近戦は環の独壇場。
通常技はリーチが短い反面判定が強く持続も長めのものが揃っており、
一方的に相手を押し込みつつ2種類のコマ投げ、対空投げなどでを迫る事が出来る。
そして投げキャラ必須とも言える1回転投げ&2回転超投げも完備。

2回転の方は1ゲージ消費技でありながら他キャラのスプラッシュアーツ(体力半分以下、3ゲージ必要)並の威力を誇る。
とにかく接近しない事にはお話にならないので、いかにして近付くかが鍵となるキャラクターとなっている。
ちなみに対戦では男だろうがメカだろうが構わずブン投げまくるその姿から、プレイヤーの間でゴリラという有り難くないあだ名を頂戴してしまった。


MUGENにおける向坂環

『AQUAPAZZA』版及びtgrani氏による恐らく手描きと思われるスプライトを使用したものが、3体ほど確認されている。

+ 亜種ちゅ氏(simon99514氏)製作
  • 亜種ちゅ氏(simon99514氏)製作
氏のOnedriveにて公開中。
上記の通りtgrani氏によるスプライトが使用されており、顔付きは違うものの、『AQUAPAZZA』のスプライトに上手く似せて作られている。
ボイスも『AQUAPAZZA』時のものを使用しているため、原作をよく知らない人間から見ると割と間違えやすいかもしれない。
まだキャラとして一先ず完成したという段階であるがぬるぬると動き、クオリティは高い。
基本的な動きや性能は原作準拠だが、ストライカーに出典不明の少女とゲンジマル(何故か原作のスプライトが使用されている)を召喚する。
飛び道具の無い環にとって重要な攻撃手段であり、特にゲンジマルは威力が高いが、原作の犬嫌いの反映なのか攻撃が発動している間は硬直する。
デフォルトでAIが搭載されている。

+ Romanov氏製作
  • Romanov氏製作
同じくtgarani氏のスプライトを使用している。
AIはデフォルトで搭載されているが、技が少ないため動きが単調になりがち。
ただし、相手の超必殺技に超反応して返り討ちにする事もあるので油断は禁物。
海外製のためか、ニコニコMUGEN動画よりYoutubeの方で見かける事が多い。
説明書が文字化けしているせいで、改変の是非に関しては不明。
参考動画

+ jade_midori氏製作
  • jade_midori氏製作
2021年に公開。MUGEN1.0以降専用。
こちらは正真正銘『AQUAPAZZA』のスプライトが用いられている。
海外製だがボイスは日本語。
KOFやアルカナハートの要素が加わった氏独自のオリジナルシステムになっている。
ゲージを使ったパワフルな投げ技は健在であるが、その分通常攻撃は単調であり、ゲージの残りが戦局を大きく左右する。

AIは未搭載だが、ホルン氏による外部AIが公開されている。
恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルを設定可能で、想定ランクは強との事。
DLは下記の動画から
プレイヤー操作(9:57~)


この他に、環を始めとする『AQUAPAZZA』のキャラのスプライトも海外で公開されている他、
新ver.MUGEN専用だが、ステージがExcahm氏、Trav510氏によって製作されている。
ただし、前者は本来配置されている人物がいないなど不完全なものなので注意。


「ん~、我が青春、順風満帆」

出場大会

プレイヤー操作

MUGENキャラをさっくり触ろお!!(さまざま42他、jade_midori氏製)


最終更新:2025年04月21日 23:02