Don't think, feel.
~考えるな、感じるんだ~
香港人の映画俳優であり、格闘家としても一流の名を為した人物。中国名は「李・小龍」(リー・シャオロン)。
道士の一門ではない。
あとよく間違われるが「ブルー・スリー」ではない。したがって
ワンも
ツーも存在しない。
映画のアクションスターとしては『ドラゴン怒りの鉄拳』など世界的ヒット作を生み出し、
主演だけでなく脚本・監督・演出までも担当。
俳優の
ブランドン・リー氏は実子。
武術家としては
葉問(イップ・マン/ようもん)から
詠春拳を学び、その後は
モハメド・アリのフットワークをはじめ型に囚われる事無く他の武術や格闘技の要素も取り入れ、
「シンプル・ダイレクト・ノンクラシカル」を主眼とした武術、
截拳道を創始する。
「実戦は6秒以内に終わらせる」という思想から、とにかくスピード重視の立ち回りをするのが特徴で、
主演映画においてもその目にも止まらぬ速攻殺法が高い人気を呼んだ。
また、アクション映画でヌンチャクを武器として一番最初に使用した人物
*1でもある。
渡米などで経験を積んだ後、故郷香港でスターとしてキャリアを重ねていったが、1973年、32歳の若さで急死する。
その直後、『燃えよドラゴン』がアメリカや日本など世界各国で封切られ、世界的に大ヒットすると共にカンフーブームが到来。
それを受けて過去の主演作も公開され、そちらも大ヒット。没後にして世界的アクションスターとして不動の地位を築く事となった。
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死因について |
死因は、公式には「脳浮腫」という水分過多で脳が膨張する症状が原因と発表されている。
一方でその影響力の大きさから、今なお脳腫瘍や熱中症、果ては陰謀論や呪いといった数々の異説が唱えられており、
当時の香港当局が裁判を開くほどに紛糾したが、その裁判では脳浮腫説を支持しつつも、断定を避けて「死因不明」と結論づけている。
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その知名度と人気の高さから、当時の格闘界では「映画スターである彼の実力は本物なのか」が議論の的となっており、
「ブルース・リーは本当に強い」「彼の強さは映画の中の作られた筋書きとスタントシーンによるもので実戦で通用する武術では無い」
「多くの映画俳優はそうだろうがブルース・リーは本物」「本物の中国拳法家はブルース・リー程度のものとは比べものにならないほど強い」
等々、
なにせ言ったもん勝ちの様相を呈していた時代でもあったので様々な説が飛び交った。
当時の格闘漫画でも、
- 主人公が世間からもてはやされている拳法家気取りの映画スターを一撃でぶっ倒して度肝を抜くシーン
- 武術家が本気で強い映画スターの実力に感服させられる展開
など、作品によって設定が全然違う役所が与えられており、評価の混乱ぶりを現代に伝えている。
当時のハリウッドを舞台にした2019年の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では、
主人公の一人クリフとブルース・リーが撮影現場で喧嘩になり、クリフにブルース・リーがあっさり投げ飛ばされてしまうシーンが描かれ、
これにブルース・リーファンが抗議するなど物議を醸した。
*2
しかし、現代においてなお全く衰えぬことの無い彼の人気は、彼の発した哲学的な名言の数々にあるだろう。
彼は一般的なイメージとは違い、大学の単位で「哲学」を専攻していたり、大変な読書家で自宅の書斎には大量の本が置いてあったりと知的な一面もあり、
その関係で様々な哲学的な言葉を残している(冒頭の文章もその内の一つ)。
アメリカではこのブルース・リーの残した哲学が大いに研究されており、現地での人気の秘訣はそこにあるとされる。
なお、発展途上のまま創始者が亡くなった截拳道だが、「型に囚われず、あらゆる状況に対処出来る事を目指す思想的実戦武術」派と、
「フェンシングやボクシング等を参考に、スピーディな立ち回りに特化した速攻武術」派に大まかに分派しながら現在も継承と研鑽が続いている。
俺はお前のために生きているのではない。お前も俺のために生きているのではない。
私が武道を学ぶ前、パンチはただのパンチにすぎなかった。
私が武道を学ぶと、パンチは最早ただのパンチではなくなり、
私が武道とは何かを知った時、やはりパンチはただのパンチでしかなかった。
ゲームや漫画作品等におけるブルース・リー(をモデルにしたキャラクター達)
ブルース・リーから影響を受けたキャラ達が戦う参考動画
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『
破裏拳ポリマー』は当時のカンフーブームに乗った作品の一つであり、
漫画作品では、何と言っても『
北斗の拳』の
ケンシロウである。
ブルース・リーが叫ぶ「怪鳥音」と呼ばれる独特のかけ声は強烈なインパクトがあり、
もはや「アチョー」と言えば中国拳法と一般的に通じる位の知名度になっており、
これがケンシロウの「
あたたたたーっ」を生み出している。
また、SFアニメ『カウボーイビバップ』の主人公・
スパイクは截拳道使いの賞金稼ぎで、
何者にも囚われないブルース・リーの精神をリスペクトした飄々とした性格の好漢である。
アクションに重きを置いた作品でもあるので、彼の変幻自在のカンフーアクションを披露する機会も多かった。
特撮でも『
仮面ライダーフォーゼ』に登場する仮面ライダーメテオが多大な影響を受けている。
宇宙と拳法の組み合わせ自体は『仮面ライダースーパー1』をオマージュしたものであるが、
スーパー1の使う赤心少林拳が現実の少林拳をイメージした拳法だったのに対して、
メテオの使う星心大輪拳は怪鳥音を叫びながらのカンフーというブルース・リーをイメージしたものになっていた。
でも「ホワチャッ!ホワチャッ!みんな逃げろホーイ!」は最後のホーイは言ってないです
MUGENにおけるブルース・リー
chuchoryu氏による、フェイロンを素体に
スプライト改造したと思しきキャラが存在する。当然ながらイメージはぴったり。
技はやはりフェイロンをベースにした打撃
必殺技の他、
ホンフゥをベースにしたヌンチャクによる技が搭載されている。
AIもデフォルトで搭載されているが、動きは結構適当。
この他、上記chuchoryu氏製のものが作られる以前にも存在が確認されており、
狂-1 グランプリに出場している。
…が、試合内容は
ライユーに一方的にやられるだけで、動画からはAIが入っているのかどうかも良く分からない。
更に、何故か
無関係な人物の
即死攻撃として出張していたりもする。
また、Regisc氏によってスプライトを
マーベルヒーロー「シャン・チー」に差し替えたガワ替えキャラも公開されている。
出場大会
最後に、当然の話だがブルース・リー氏は実在した人物である。
MUGENを含む二次創作を他所に持ち出し、当人の関係各所に迷惑を掛ける事は絶対に許されない行為である事を忘れてはならない。
使用する場合はネタをネタとして楽しみつつ失礼の無いよう節度を持った振る舞いを心がけよう。
*1
よくブルース・リーのヌンチャクの師匠は日本人と言われているが、実際は間違いであり、
正しくはダン・イノサントというフィリピン人(「死亡遊戯」で共演している)。
「和製ドラゴン」の異名を持つ俳優・倉田保昭氏からプレゼントされたことから混合されてしまったものと思われる。
*2
尤もこのシーン自体、まだブルース・リーが『グリーン・ホーネット』でカトー役として人気になりつつも未だ映画主演の機会に恵まれない時期の話で、
それにも拘らずブルース・リーが大物のような口ぶりをするためクリフにバカにされ喧嘩になるという、
未来を知っている視聴者目線ではクリフが滑稽な場面である。
おまけにこの喧嘩が原因でクリフは撮影から干されてしまうため、決してブルース・リーを軽んじているわけではない。
また、映画のクライマックスにて、クリフとその相棒のリックは史実で発生した凶悪犯罪に巻き込まれてしまうのだが、
「あのブルース・リーを投げ飛ばせる男なんだからこのくらいのことはできる」という説得力にも繋がっている。
最終更新:2025年04月04日 21:51