ビームサーベル(ガンダムシリーズ)

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ビームサーベル(ガンダムシリーズ) - (2021/03/06 (土) 16:31:22) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/03/23 Fri 15:21:39
更新日:2024/04/16 Tue 08:27:49
所要時間:約 9 分で読めます




「ビームサーベル」とは『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する架空の武器の一種である。
いわゆる「光の剣」と言うものでサーベルとはいうものの、斬る・突くなど汎用白兵武装として用いられる。

通常時は長い棒状のグリップのみだが、使用時にビームの光刃が形成される。
この特長から収納スペースが少なく済み、機体によっては任意で刃の長さ等を調節出来る利点がある。


宇宙世紀(U.C.)

ミノフスキー粒子(ただしビームライフルのメガ粒子程ではないにせよ縮退によるエネルギー反応励起状態ではある)を
Iフィールドによって収束させて刀剣の刃部の形状に固定している。
またIフィールドの持つ斥力により、他のビームサーベルやヒート系白兵武装の刃部とぶつかると互いに反発しあうため、
あたかも実体剣の様に打ち合いや斬り結び、その結果による鍔迫り合いが可能である。


初めてビームサーベルを装備したのは地球連邦軍のMS「ガンダム」。
このビームサーベルは当時のジオン主力機「ザクⅡ」の近接兵器「ヒートホーク」が「玩具に等しい」と評されるほどの切断能力を有しており、
ガンダム伝説は当時革新的技術であったビーム兵器を装備していた為と言ってもいい。


その後ジオンも「ゲルググ」にてビームサーベル(ビームナギナタ)を完成。
しかしその頃には連邦軍も量産型ガンダム「ジム」を完成させ、ビームライフル共々ビーム関連技術の遅れが明暗を分けたのは明らかと言える。


1年戦争後はMSの基本装備として普及。
ビームの放出機構を改良しビーム砲の機能を持ったタイプや出力が調整可能なタイプ、
遂には可能な限り巨大化させたものなど様々なものが登場した。

MSが加速度的に進化した『グリプス戦役』『第一次ネオ・ジオン抗争
第二次ネオ・ジオン抗争』『ラプラス戦争』においてはサーベルも進化を強いられた

ビームライフル内にエミッターを内蔵しサーベル機能を付加刀型斧型などビーム部の形状変化、
複数装備など、より効果的な運用を目指し試行錯誤がなされた。

この時代を象徴するビームサーベルこそ、ΖΖガンダムの「ハイパービームサーベル」であろう。
これは巨大なグリップ部と通常の二倍もの長さのビーム刃部を持ったものであった。

その切断力は正に圧倒的で、機体以上の大きさのスペースデブリを軽々と断ち切ったとされる。
またバックパックにマウントしたまま大出力ビームキャノンとして運用可能であった。

U.C.0120頃には小型MSが主流となりビームサーベルなど武器も小型化。
しかし高い防御力を持った「ビームシールド」の登場により、その使用法も変化する。
それまでの「切り裂く」使い方から、シールドの隙間を「突き刺す」といった使用法に変化した。

宇宙世紀130年代には、殆どのモビルスーツで標準装備となったビームシールドを攻略するため、放出されるビームに一定方向の加速を付け切断力を強化したビームザンバーなどが生み出された。
宇宙世紀150年代にはザンスカール帝国がビームファン・ビームメイス・ビームトンファーなど様々なビーム切断装備を積極的に開発、運用していた。
副次的な物ではあるが、木星共和国が作り上げたファントムのフレイムソードは、機体の各所から放出されるIフィールドによって自身の刀身に敵のビームシールドを引きずり込んで、事実上ビームシールドを無効化できるようになっている。

ザンスカール戦争後の宇宙戦国時代が本格化した頃には技術衰退によってビーム兵器全般が希少化したが、天敵であるビームシールドもまた例外ではなかったため、ビームサーベルは再び大きなアドバンテージを得ることとなった。
例としては、アンカーが時間制限付きの切り札として装備しているものが挙げられる。
一応、技術や資材さえあれば新造も出来るので、ムラサメに持たせるために作られた、持ち手の部分だけで18mものサイズがある巨大ビームサーベルも作られている。

U.C.200年代には無事に復活したようで、様々なMSが装備している。
特にGセイバーのものは極めて出力が高く、遺棄された残骸とはいえセツルメントの外壁を容易く切断できる程。
しかし、この時代はエネルギーの消耗を抑えるために物理装備を選択するケースも多く、ブグはビームサーベルではなくジャイアント・ハチェットを白兵戦における基本装備としている。
通常のビームサーベルの他に、ビームライフル兼用のビームスピアも存在しており、主にセツルメント国家議会軍の機体が装備している。

また、224年にイルミナーティで運用されていたJセイバーやG3セイバーには、シールドとサーベルの両方を発振できるタイプの発振装置が装備されている。
このタイプは手が武器で塞がっていてもサーベルを使用できる反面、シールドとサーベルを同時に使用できない欠点がある。



未来世紀(F.C.)

厳密にはビームではなく、限りなくそれに近い「なにか」で構成されている。

そのため本来は熱量を持たないが、ガンダムファイト用にわざわざ熱量を持たせてある。
そのためドラゴンガンダムのフェイロンフラッグの旗部、ボルトガンダムのグラビトンハンマーのチェーン部、
ノーベルガンダムのビームリボン、マスターガンダムのマスタークロスなど、綿糸や布地のような使用法も可能である。



アフターコロニー(A.C.)

地球連合軍やOZなどのMSの基本装備として普及しているが、いわゆる『ガンダムタイプ』のそれは別格である。
これは発生デバイスが「ガンダニュウム合金」を多用した特殊品であるためで通常のサーベルとは段違いの出力を持ち、
通常ならば使用出来ないはずの水中でも溶断性能を発揮するどころか減衰しないという凄まじい代物。

またそれぞれ異なるコンセプトで開発されたためサーベルサイズグレイブ(トライデント)など機体によって異なる形状を持つ。



アフターウォー(A.W.)

MSの基本装備として極めて一般的なもので、差が殆ど存在しない。
しかしガンダムXガンダムDXのものは「ビームソード」と呼ばれ、
ハンドガード付きのグリップや太く高出力のビーム刃など他とは一線を画す装備となっている。
設定上、サテライトシステム搭載機はスーパーマイクロウェーブのエネルギーをビームソードに転用出来る。
レオパルドコルレルは発生するビーム刃の長さを短めに抑えたビームナイフを用いる。



正歴(C.C.)

詳しいことは不明。
そもそも発掘品なので原理が機体によって違うことも考えられる。
∀ガンダムのビームサーベルは「分子を加熱したプラズマを電磁場で刀状に固定し、高熱で溶断する」ことが分かっている。



コズミック・イラ(C.E.)

「ミラージュコロイド用の電磁場で荷電粒子を固定したもの」とされ、互いに干渉しないため打ち合い・斬り結びは不可能。
よって敵機のビームサーベルは耐ビームコーティングが施されたシールドなどで防ぐことが重要となる。
劇中では(スタッフ間のミスにより)一度だけ思いっきり切り結んだりしていたが、リマスター版ではしっかりと修正されている。
「ミラージュコロイドの禁止」が盛り込まれたユニウス条約発効後は仕様変更によって相互干渉するようになり、鍔迫り合いが可能となった。

なおビームライフルなどから発射されたビーム相手ならは出力にもよるがタイミングを合わせればビームサーベルで斬り払うことは可能である。

またビームブーメランや実体剣との複合型など珍しい武器が多数存在する。

ロウ・ギュールによると燃費はあまりよくない模様。



西暦(A.D.)

私設武装組織 ソレスタルビーイングのガンダムが初めて使用。
GN粒子により刃が構成されている為、質量があり鍔迫り合いも可能。現用のMSの武器を遥かに上回る切断力を誇る。
研究自体はユニオンでも行われており、その過程で開発されたプラズマソードなる武器もあるが、
性能はソレスタルビーイングのそれよりも劣る。

この世界ではGN粒子を表面にコーティングさせた実体剣が存在しており、主人公の刹那が乗る機体に必ず装備されていて、それで多数の敵を屠ってきたので実体剣>ビームサーベルという印象が強い。
しかし実際は取り回しや扱い易さの面はもちろん切断力においてもビームサーベルの方が勝っている。
ただしビームサーベルではGNフィールドを突破できないので、太陽炉搭載機との相手では実体剣の方が有利。

機体によっては出力を変更してダガーの様に形成して投げナイフ的に扱う事も出来る。

大抵はサーベルそのものに刀身を維持する為のコンデンサが内蔵されている為、
グラハム・エーカーが駆るカスタムフラッグガンダムスローネアインのサーベルを奪取し、
そのままスローネアインの右腕を切り落とした事もあった。
その後太陽炉の普及に伴い、ビームサーベルも普及した。

トランザムライザーの使用する「ライザーソード」は、最大出力で全長約1万kmにも及ぶ長大なビームサーベルである。

ダブルオークアンタも同様にライザーソードを使えるが、こちらはトランザムライザーのそれと比較しても段違いな極太のビームサーベルで、
数隻の戦艦(に擬態したELS)を纏めて消し飛ばす程。



アドバンスドジェネレーション(A.G.)

ガンダムGエグゼスが装備。
後に量産されたらしく、ジェノアスⅡやアデルも装備しているが、劇中で原理は明言されていない。
だがビームリング(後述)始動時に『磁気旋光システム』なる単語が出ているため、「何らかのビームを電磁気で固定したもの」と考えられる。
小説では「電磁束帯された荷電粒子」と解説されている。

サーベルの他にビームを円盤状に固定した「ビームリング」や無数の棘状にした「ビームスパイク」が見られる。
サーベル同士の打ち合いや斬り結びが行われるが、小説においても詳しい原理は分かっていない。

ヴェイガンのMSも掌にビーム発生器を内蔵しており、これをビームサーベルとして使用している。

どちらにせよ、どのビームサーベルも粒子を固めたもの(要は小麦粉や塩を固めた塊と同じ)なので、ビームサーベルの真ん中でぶった切って両断されたり、ビーム部分が一時的に地面に突き刺さるなど、他のシリーズでは見ない演出がなされる。



リギルド・センチュリー(R.C.)

宇宙世紀から未来に当たる作品なので。おそらくミノフスキー粒子を使用していると思われる。
G-セルフのものは刀身を大きく伸ばすことが可能で、マスクの反応からするとこの時代には珍しい機能のようだ。
基本的な扱いは宇宙世紀とさほど変わらないが、派生形としてムチのようにしなるビームワイヤーやビームウィップ、チャクラムに紐をつけたようなビームリングといった一風変わったものも多く見られる。
また、キャピタル・アーミィにはカットシーエルフ・ブルックをはじめとして腕ではなく脚に装備している機体も多く、蹴り技の要領で繰り出される斬撃はとても印象的。



ポスト・ディザスター(P.D.)


無い。

というのも、P.D.のMSが備えるナノラミネートアーマーはビームを表面で拡散してしまうため、対MS戦におけるビーム兵器の有用性は極めて薄いのだ。
仮にビームサーベルがあったとしても、装甲の隙間を狙わねば有効打が与えられない。

SDガンダム

『SDガンダム外伝』では聖機兵ガンレックスをはじめ『聖機兵物語編』のボスクラスの機兵が使用。
ファンタジー(?)のため原理は不明。

また、『武者○伝』では主人公である武者丸の必殺技「道頓堀断裂灼熱斬」が「大地との摩擦で高熱体(ビーム)と化した刀身を敵に叩き込む」と説明されている他、
最終作「武者○伝3」では武者○秘将軍が刀身の無い剣に武者魂を込めてビームの刃を形成する「頑駄無流秘奥義 ○秘無刀斬」を使用している。
どっちも武ちゃ丸じゃねーかとか言うな

ノーマルワールドでは勿論元ネタ通り普通に使用されるが、特異な描写があったのは『SDガンダムフォース』。
武器を失ったキャプテンガンダムがエネルギーを纏った素手でコマンダーサザビーのビームサーベルを掴み、ビームを握りつぶし、逆流させて柄を爆発させてしまった。
コマンダーサザビーも原理は理解しつつも受け入れ難い事態であり、この作品のみの設定なのか、他の世界のビームサーベルもビームを握りつぶされると爆発するのかは*1不明である。


●ゲームでの扱い

ビームライフル、バルカンなどと共に多くのMSの基本装備扱い。
命中率が高くEN消費も少ないが、基本的に射程は1であり威力も高くないため、格闘よりも射撃の能力値が高いパイロットの方が活躍しやすい。
とはいえ、ビームライフルが基本射程2~4なので相手の懐に飛び込む、逆に飛び込まれた時には重要な装備。
またパイロットのテンションが上がると命中率やクリティカル率に加えて格闘武器の威力も上がるため、潜在的な攻撃力は並大抵の射撃武器を上回る。
稀に射程2まで届くビームサーベルを持つ機体や格闘武器の射程を伸ばす「ファイター」のアビリティを持つパイロットも存在し、これらが接近戦の主力になる。

…のだが、『ジェネシス』では参戦作品の都合上接近戦向きの機体が激減、さらに射撃武器にもテンションによる火力強化が適用されるようになったため、EN節約以外の目的で使われる機会が激減した。
一応、『クロスレイズ』ではそれなりに接近戦主体で活躍できる機体も増えている。

移動後に使えるP武器であり、命中率・CT補正も高い。
とはいえ一般的なモビルスーツやそのパイロットでは大した威力を見込めないので節約目的以外での出番は少ない。
例外的にハイパー・ビーム・サーベルなど高い火力を持つ機体やそのパイロットならば接近戦での活躍が見込める。
というか最近の作品では主役級は普通に格闘能力が高め。



●余談

  • かつて秋葉原や日本橋などではリュックサックに販促品のポスターを差したヲタクの姿が良く見られ、この二本差しポスターを初代ガンダムのバックパックに見立てて、ビームサーベルと呼ぶことがあった。基本的には片側だけなのでガンダムではなくジムなのだが




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