サイバーボッツ

登録日:2011/05/13 Fri 22:51:02
更新日:2024/08/30 Fri 16:22:35
所要時間:約 30 分で読めます






サイバーボッツは、1995年にカプコンから発売されたロボット格闘ゲーム。後にセガサターンプレイステーションにも移植された。
1994年に同社から発売されたベルトスクロールアクションゲーム「パワードギア」に登場したV.A.を流用している。

◇ストーリー
時は、西暦20XX年。地球人類の多くはスペースコロニーに移住していた。コロニー連合政府は、地球に残った人類に制裁を加えようと、秘密兵器を開発する。
果たして、地球の運命は?9つのストーリーが、今始まる!



世界設定/ストーリー

時は2099年、人類が宇宙に進出した時代。
既に20基もの宇宙コロニーが軌道上を周回し、コロニー同士が結託して「コロニー連合国」を結成。
コロニー連合軍は地球連邦と反目しており、連合国軍を設立した上で大手VA(ヴァリアントアーマー)のメーカーを買収、軍備を強化しつつ地球を威圧し、経済的な操作を加えていった。
さらに連合軍は余計な軍事的優位を求めて「最終兵器」の開発にも着手し、連邦との差を決定的なものにしようとしていた。
この暴挙にレジスタンスが立ち上がり、やがて最終兵器を巡る戦いが始まる。

  • ヴァリアント・アーマー(VA)
作業宇宙船に腕をくっつけたものを起源とし、やがて人型になった有人ロボット兵器。
作業用から軍事用に進化しただけあって、ある程度自由な使い方と拡張性を備えている。

  • バリアブルメタル
超極小マイクロチップを仕込んだ形状記憶合金、もとい可変金属。
特定の信号を送る事によって瞬時に分子配列を変えるというすさまじい素体で、これを最大限活用したVA群は無茶な可変が可能となる。
タイヤや履帯の中にブレードを仕込むなんてのは序の口で、タンク脚が巨大ギアに変形したり、ターボジェット機が全身ドリルに変形などやりたい放題。
武装の内蔵も可能なので、ほとんどのVAが外見からは到底想像もつかない武装を隠し持っている。
なおこの金属の製造には無重力下での大規模なシステムを必要とするため、コロニー連合国は既に軍事的にも優位に立っている。

ソードマンのダッシュA2。
バリアブルメタルによる変形キャタピラで瞬時に全身を包んで突撃している。
こうした形態は大抵共通したレッグパーツを持つVAにいくつか共通した技を持つ。
トレッズであれば履帯から刃を出して踏みつける、ジャンプ🡻A2でドリルに変形させる、
🡻🡹+A2で背部から小型ギアを射出するなど(全てではない)。


システム

A1、A2、W(ウェポン)、B(ブースト)の4ボタン制。
ざっくり言うと弱攻撃・強攻撃・射撃・ダッシュに相当し、攻撃担当のボタン数は少なく覚えやすい。
Bはダッシュと説明したが、空中移動・多段ジャンプと、ダウン受け身にも使用するため使用頻度はかなり高い。

画面上に表示されるゲージは片方最大5つある。それぞれ耐久力、ウェポン、ブースト、アーム耐久値、パワー。
見ての通り、後述するVAのタイプごとにゲージの表示方法が異なる。
耐久力は普通の格ゲーのものと同じで、0になった側の負け。
ウェポン、ブーストの各ゲージはそれぞれ使用するごとに減少し、前者は時間・後者は着地/地上にいる間に回復する。
どちらも回復はかなり速く、短時間での連続使用を制限してだけのものと思えば良い。
アーム耐久値のゲージは特殊で、ダメージを受けると減少し、0になるとVAの固有アームパーツが外れて吹っ飛んでしまう(触れれば即座に再装備)。
こちらも時間で回復するが、ウェポンやブーストゲージと比べると回復速度は遅め。

パワーゲージは唯一画面下部に表示される、おなじみの必殺技ゲージに相当。
MAX状態の時のみゲージを全消費して「サイバーEX」(超必殺技相当)か「ギガクラッシュ」(緊急回避相当)を使用可能。
またMAXに溜まった直後の一定時間は攻撃力がアップする。

他、立ち・しゃがみ状態、必殺技系によるガード上からの削りあり、と基本的な格ゲーのシステム。
空中にいる間もガード可。



登場ヴァリアント・アーマー


ブロディアタイプ

ヒロイックな外見のブロディアは、タイトルを飾る代表的なVAと言える。
内部に600mmバーストガンを仕込んだ攻防一体のシールドであるシールドキャノンを持つ。
背中からにょきっと生えている突起はセンサーで、シールドキャノンと共にブロディアタイプに共通する装備である。
(ただしシールドキャノンの使用はゲーム中ではノーマルブロディアのみ)。
マニピュレーターは4本指。

BX-02A ブロディア

アーム パワーナックル 頭頂高 14.5m
レッグ コマンドウォーカー 総重量 43.2t
ウェポン アサルトサテライト センサー半径 9650m
▼武装
  • ガトリングロッド
腕部に装備されたパイルバンカー。液体炸薬を使用して敵を串刺しにする。
  • 600mmバーストガン
シールドの裏側に仕込まれた射撃武器。パイルバンカーを伸ばして敵を掴んだ際に撃ち込む。
  • アサルトサテライト
自機に浮遊追従するビット兵器。

コロニー連合国の正規軍が採用していた汎用VA。
戦闘能力のリサーチのため、コードナンバーをBPと変えて先行試作型を意図的に民間にも流出させている。難点は少し高価な所。
標準でガトリングロッドと呼ばれる液体炸薬を使用したパイルバンカー、上記のシールドキャノンを主力としている。
右腕部に見える2つの爪のような部分はパイルバンカーのガトリングロッドで、液体炸薬により猛烈な連射を行う。

ゲームでは初心者に最も扱い易いスタンダードな機体。
いわゆる昇竜拳コマンドによる優秀な対空技フルメタルチャージを持ち、空中ガードの強い本作では削り能力も充分ある。
さらに飛び込みからのコンボと、通常投げから派生できるコマンド投げによる高い火力も併せ持つ。
ウェポンはアサルトサテライト(ビット)で、上手く使えば遠距離の牽制にも対応できる。
難点は全体的に技のリーチが短い事。間合いが意外にシビアで、相手に有効射程を見切られると攻めあぐねる事も多い。


BX-07R B・ライアット

アーム ロケットアーム 頭頂高 12.5m
レッグ ターボジェッツ 総重量 70.5t
ウェポン バルカンキャノン センサー半径 9650m
▼武装
  • ロケットアーム
名前の通りブースターのついた巨大なアームパーツ。
手の部分は特殊なコーディングが施されており、エネルギーフィールドを発生させる。
通称シャイニングアーム。
  • バルカンキャノン
コストを抑える為に装備されている安価なウェポン。

ロケットアームとターボジェッツを取り付けたブロディア。
ロケットアームはどちらかというとロマン装備であり(というか何の目的でこんな腕を作った?)、VAの頭部以上の腕でパンチしたり掴んだりする。
どちらのパーツも最新装備のため価格はノーマルブロディアの倍もする。

ゲームではターボジェッツが滞空に向いた脚部で、これを装備したVAはドリル形態への変形やしゃがみA2・空中攻撃でバーナー攻撃を行う。
ダッシュ攻撃でなんか鉄球を取り出してぶつける。
だがライアット自身は挙動が鈍重なため扱いが難しく、玄人向けの機体と言わざるを得ない。
コマンド投げの威力は高いのだが、いかんせん攻めの起点になり得る攻撃が少なく、強引なぶっぱ削りか奇襲に頼りがちになる。
ウェポンのバルカンキャノンは設定上は非力で、実際火力は大した事ないのだが、判定はデカいので牽制用としては悪くない。


BX-04S B・ソードマン

アーム レーザーブレード 頭頂高 11.2m
レッグ トレッズ 総重量 53.1t
ウェポン 電磁ネットディスペンサー センサー半径 9650m
▼武装
  • レーザーブレード
ソードマンを象徴する武器。機体本体から出力を直接必要とする高出力ブレード。
  • マルチプルディスペンサー
電磁ネットを射出するウェポン。設置後、一定時間電磁波を発し、触れた相手を行動不能にする。
  • トレッズ
変形トレッズによりシャフトの突き出しやギア変形、履帯のドリル化などを行う。

キャタピラ(トレッズ)とレーザーブレードを取り付けたブロディア。
本作のキャタピラタイプは、現実の戦車のそれと違い地上でもギュンギュン機敏に動くので鈍重なイメージに反して爽快。
他の脚部と比べてもバリアブルメタルによる変形は実に変幻自在であり、もはや形態変化は常軌を逸している。
もう一つの特徴であるレーザーブレードは名前を象徴するだけあって絶大な威力を持っており、地上戦の制圧力は圧巻である。
その分エネルギーを食いまくるため本体から直接出力を割いている。
ウェポンは電磁ネットが収められたマルチプルディスペンサー。設置型で、触れたVAを一時的に行動不能にする。

ゲーム中では超高性能な立ちA1ビームエッジやA2系のキャタピラを使用した技で地上戦がメインとなる。
相手にしてみればビームエッジはもちろん溜め撃ちで射程が伸びるスレイソードのプレッシャーは半端ではなく、
かといって距離を置いても飛び道具技のフォトンスプラッシュで遠距離空中戦も対応してくる。
遠距離射撃ながらガードの上から削れるのが地味にいやらしい。
弱点は空対空の択の少なさ。ウェポンも対地専用な上にソードマン自身も空中機動力がいまいちなので、空中戦はフォトンスプラッシュ以外に有効打がない。
地面に脚をくっつけた状態に固執するとすぐ見破られて空中からちくちく撃たれるはめになるため、相手を地上に下ろすスキルが問われる。



レプトスタイプ

次期制式採用VAとしてはブロディアに譲ったものの、純正品のオプションが充実しているため汎用性では引けを取らない機体。
一つ目のカメラと自転車のチェーンのようなマニピュレーター(三本指)が目を引く。
軽量化を図った機体ゆえか武装はそれぞれのフレームに仕込んでいる事が多く、ブロディアと比べて共通装備がコックピットとカメラ程度と少なめ。

RF-004 レプトス

アーム パワーナックル 頭頂高 16.0m
レッグ コマンドウォーカー 総重量 31.6t
ウェポン レーザーキャノン センサー半径 11500m
▼武装
  • リスキーネイル
腕部に装備されたパイルバンカー。単発型で射程が長い。
  • レーザーキャノン
肩部に装着するレプトスの主力兵器で、溜め撃ちが可能。
  • レーザー兵器
腕部に内蔵したフラッシュサーベルの他、バイオレンスウィンドやサテライトフォースで使用する各種光学兵器。

隠密性能が高く、特殊工作用に作られた機体。メインフレームを軽量化しており、設定に違わぬ細い見た目が特長。
ただしコックピットブロックは重装甲なので、パイロットの安全性が犠牲になっている訳ではない。
ちなみに画像の股から下方向に伸びているのは放熱板。
フレームが細いためか内蔵武器もそれに倣っている他、簡易なレーザーブレードやシールドなど光学兵器を多数装備しており、
レーザーポインターからの衛星射撃など変わり種の武装も持っている。
主力武器はウェポンのレーザーキャノンで、溜め撃ちによる出力調整が可能。

対戦では全距離対応とも言える、ブロディアかそれ以上にスタンダードな機体。
高速突進技のバイオレンスウィンド、距離を問わず牽制と削りに使えるサテライトフォース、空中投げ等相手はいずれも常に警戒しなければならず、
ガード削り性能はもちろん空対地であれば一方的に投げる状況も作り出せる。
代償としてブロディアのような強力な対空技は持っていないが、特筆するほどの致命的弱点は無いと言ってもよく、初心者にも扱いやすい機体。


RF-027 R・ジャッカル

アーム ヒートロッド 頭頂高 11.8m
レッグ インセクトロイド 総重量 39.6t
ウェポン アサルトサテライト センサー半径 11500m
▼武装
  • ヒートロッドアーム
ジャッカルを象徴する中距離格闘兵装。触れた相手は炎上する。最大射程約300m。
  • アサルトサテライト
ブロディアと同じビット兵装。
  • インセクトロイド
四本足のレッグパーツで、内部に杭を撃ち出す機構を持つ他、打撃、放電攻撃などを行える。

白兵戦用の試験装備ヒートロッドを取り付けたレプトス。
ヒートロッドは伸縮する鞭で、名前の通り敵を燃やす……のだが、設定上では火力ではなく敵VAの動力部を機能停止に追い込む武器。先端から放電も行う。
また、これ自体は一見すると手持ちに見えるのだが、保持するマニピュレーターはレプトスタイプではなく固有のもの。このためアームパーツそのものと言える。
ウェポンはブロディアと同じくアサルトサテライトを装備しており、接近戦でのサポートに用いられる。

ゲームではリーチの長いヒートロッドを始めとした中距離での戦闘に向いた機体。
ヒートロッド以外は隙の大きい技が多く、敵の通常技をスカせるギリギリの距離の見極めつつ距離を詰めるのが重要になる。
しかし、いずれも比較的素直な性能をしているため初心者でも扱いやすい部類。空対地技も優秀で、攻め手もそれほど困らない。
空中の差し合いできっちりガードされるとやや苦しいが、対空ヒートロッド・レーザースクリーンなどガード上から削れる技でカバーしたいところ。
ちなみにサイバーEXのアソールトビッツは全VA中でも屈指の高い威力を持つ。


RF-009 R・ライトニング

アーム チェーンスパーク 頭頂高 11.2m
レッグ トレッズ 総重量 31.6t
ウェポン ワイルドレンジミサイル センサー半径 11500m
▼武装
  • スパークアーム
放電攻撃を可能とした新開発のアーム。肩部に蓄電カートリッジを持つ。
電撃は強力なため、本体に影響しないようアーム各所に処理が施されている。
  • マルチミサイルシューター
ミサイル射出装置。ライトニングは追尾型ではなく必ず弧を描いて着弾するミサイルを採用。

キャタピラと電撃アームを取り付けたレプトス。
特徴的なアームから繰り出される数々の電撃攻撃が特徴で、飛び道具に近いリーチを持つスパークルレーザーは相手を一時的に行動不能にする。
アームの先端の爪部分は出力調整用でありマニピュレーターとしては使用できない(ゲーム中では投げに使っているが)。
また、トレッズを使用するVAはいずれも全身を包んで巨大なギアに変形する攻撃形態を持つが、ライトニングのみこの形態で跳ね回る技を持つ。

対戦では弱キャラに分類される事が多い。
理由は自慢の電撃攻撃がいずれも出がやや遅く、隙もあるため気軽に振れない事と、トレッズのため空中機動力が平凡な割には攻め手に欠ける事。
名前とは裏腹に頼れる技は突撃技のローリングギアしかない。一応ローリングギア自体の火力は高い方なので、深めに通常技を当てた時は高いダメージを狙える。



ガルディンタイプ

頑丈なボディーを持つ機体。
3つの爪の特徴的な腕部は完全なパワー型。2個のモーターと6つのシリンダーで駆動する捻り潰し専門のアームである。
またガルディンタイプはギガクラッシュの威力が高く設定されており、
緊急回避だけでなく純粋なアタックの択としてもよく用いられる。
タイプに共通しているが、カメラパーツが旧世代のものであるため、汎用VAで最も視界半径が狭い。

GP-N1 ガルディン

アーム パワーナックル 頭頂高 13.6m
レッグ コマンドウォーカー 総重量 41.6t
ウェポン フレイムスローワー センサー半径 5700m
▼武装
  • メインアーム
捻り潰し専門のパワー特化アーム。その力はエマージェンシーポッド(脱出艇)すら砕く。
  • パイルバンカー
後付けで装備された太い杭。刺すというよりどつくタイプの武器。立ちA2で使用。
  • フレイムスローワー
いわゆる火炎放射器。今時炎で溶ける装甲などないが、ケーブル等を狙えば効果はある。射程は短い。

ゲイツに次いで歴史の古いVA。設計思想が古いとはいえメンテナンス性は良好で、幾度となく改修をされ続けてきた「生きた化石」。古兵の間で人気が高い。
見た目からわかる重厚さが頼もしく、ミリタリーかつ作業用の雰囲気を纏った外見もシブい。
射撃武器がほとんどなく、格闘戦それもラリアットや体当たりを主力攻撃としており、戦い方も泥臭いとロマンが極まっている。
立ちA2もぶっとい杭を撃つパイルバンカー
飛び道具と言えるのはウェポンの火炎放射器とジャンプA2で撃つバルカンのみ。またガード時にはバリアブルメタルの一枚板を繰り出す。

機体性能、得意レンジはそのまま近距離戦のみ。遠距離では何もできない。
瞬時に繰り出せるラリアットのリーチが異常に長く、地対空技も持ち、地上戦で変幻自在に距離を変えて戦うスタイルが基本。
ウェポンも出が早いためガードからの反撃に使いやすい。しつこく追い縋って攻められると相手にもプレッシャーが大きい。
弱点は空中戦の弱さ。安易に空中から寄ってくる相手はともかく、遠距離や上空を取られるとやはり苦しいものがある。


GP-V4 G・ヴァイス

アーム フォースクロー 頭頂高 12.3m
レッグ トレッズ 総重量 46.1t
ウェポン ホーミングミサイル センサー半径 5700m
▼武装
  • クラッシャーアーム
ガルディンタイプのメインアームを伸縮式にし、さらに加熱ユニットも装備したアーム。
爪部分はキャプチャークローと呼ばれる吸着式で、敵を掴むことができる。
  • ホーミングミサイル
自動追尾ミサイルを搭載したウェポン。

キャタピラ出力をアップさせ、死角を減らしたガルディン。
クラッシャーアームと呼ばれる伸縮式のアームを採用しており、これで敵を掴んで投げ飛ばしたり、叩き付けるのが得意技。
ウェポンはホーミングミサイル。強すぎず弱すぎず絶妙な誘導性能を持つ。
性能的には上記のクラッシャーアームによる投げ技キャプチュードヴァイスと、そこから派生する追加コマンド技E.タイフーン、
単一のコマンド投げボディスクラップ、もちろんサイバーEXも投げ、といわゆる投げキャラに相当する。
トレッズ脚なのでジャンプA2の長いリーチによる飛び込みも強い。
ちなみにクラッシャーアームは打撃兼用の掴み技という特殊な属性で、ガードが可能なほか、間合いが合わないと打撃扱いになる。
ブロディアのブレイクシャフトやフォーディのスパイラルアンカー等、いくつかのVAの必殺技に共通する。

対戦では、特筆すべきはクラッシャーアームによる投げ技…ではなく、コマンド投げのボディスクラップ。
威力自体は普通だが、範囲が広い上に数少ない空中に対応した投げ技のため、空中ガードの強い本作では恐ろしい勢いで掴む事ができる。
その姿はサイバーボッツ界のザンギエフとも。このためダイヤグラム上位の高い評価を付けているプレイヤーも多い。
なおボディスクラップ後にブースト受け身に失敗した場合E.プレッシャーの追い打ちも決まる。こうなるとダメージもかなりのものに。


GP-D2 G・サイクロン

アーム デスドリル 頭頂高 13.2m
レッグ インセクトロイド 総重量 43.1t
ウェポン マインシューター センサー半径 5700m
▼武装
  • デスドリル
かつて歴史と共に姿を消したドリルガンを最新技術で蘇らせ、アームパーツに採用したもの。
刃部分はアーム内ではディスク状にして収納されており、射出時は円錐状に戻して使用する。
  • マインシューター
地雷を放つウェポン。地雷は一定距離転がって敷設され、さらに指向性の強い爆発により確実に自分以外の相手を狙う。

四本脚に梅村重工製VAP-03D1-1ドリームアームことドリルアームを取り付けたガルディン。
これはハイパーバリアブルメタルを使用した最新ドリルで、そのメカニズムの詳細は明らかにされていないが、
これ一つでドリルキャノンによる射撃、ドリルリーチが伸縮する脅威のハイパーD・Dといった遠近共に対応する。
レッグはジャッカルと同じ四脚のインセクトロイド、ウェポンは地雷を敷設するマインシューター。
ウェポンはキラービーのものと同じだが、こちらは標準の使用で2発撃つ。

対戦では火力が低く、出の早い技も少なく、大したコンボもない、ダメージも明らかにしょっぱいという扱いにくいキャラ。
だが環境が成熟すると、上級者の間では遠近問わずガード上から削れる強みが表面化、徐々に評価が好転していく。
あまり飛ばず使いづらかったはずのウェポンが逆に相手を寄せ付けない厄介な地雷と化し、空中A1+A2の強烈なリーチで空対地を制し、
空対空ではガードしたくないドリルキャノンがポンポン飛んでくる、と恐ろしい削り能力を持った職人機体に。その姿は隠れた名機を思わせる。



フォーディタイプ

他のVAと比べ一回りコンパクトなボディが特徴。
それでいてセンサー有効半径は汎用VA最長であり、サブセンサーも含めて潤沢に積まれている。
画像では頭部正面のカメラと、その横にあるスリットのついた「イメージシーカー」、側面両側、腹部すべてがセンサーである。頭部自体も戦闘中にくるくる回る。
ちなみに頭部は衝撃吸収力も高く、バリアブルメタルを使用したガードにも用いられる。

FZ-100 フォーディ

アーム パワーナックル 頭頂高 11.0m
レッグ コマンドウォーカー 総重量 29.3t
ウェポン ホーミングミサイル センサー半径 14000m
▼武装
  • アイアンネイル
腕部に装備されたパイルバンカー。小型のためか威力は控え目。
  • スパイラルチェーン
腿部に装備された射出型のチェーンで、捉えた相手に電撃を加える等が可能。
  • ホーミングミサイル
自動追尾型のミサイルウェポン。頭部イメージシーカーと連動した武装。

偵察、哨戒用に作られた機体に改良を加えたVA。
機動性やカメラ性能に優れ、コックピットブロックのカスタマイズが容易、さらに小型かつ価格も手頃と良いことづくめで、ゲリラやテロリスト、女性パイロットに人気がある。
見た目からではこれといって目立つ武装がないが、バリアブルメタルを使用した脚部の特殊タイヤには回転式ブレードが仕込まれている他、
腕部には細身のパイルバンカーが、また腕部そのものにも火力武器や電撃兵器が存在する。鳥脚の軸に当たる部位にもチェーン式リールとブレードを隠し持つ。
正面カメラ横の「イメージシーカー」はホーミングミサイルと連携しており、設定変更によりビーム兵器としても利用できる(派生型のキラービーで採用)。
本作では珍しい、方向キーを使わないコマンド必殺技も持っている。

ゲーム中では小型軽量級を体現した性能を持ち、一部の攻撃を避けやすく、代わりに単発系必殺技のダメージが低め。リーチも短い。
一方で通常技は意外なほど火力が高い。各種コンボコマンド技や飛び込みからのコンボで侮れないダメージを叩き出す一面もある。
すばしっこく動き回り、いわゆる昇竜拳系の対空技サンライズブレードとウェポンを織り交ぜながら相手を翻弄する戦い方が得意と言える。
空中戦は不得意。火力を出せるのは地上戦か空対地であり、敵が空中にいる間、こちらのサンライズブレードを読まれないように立ち回る必要がある。


FZ-900 F・キラービー

アーム レーザーブレード 頭頂高 13.8m
レッグ ターボジェッツ 総重量 43.4t
ウェポン マインシューター センサー半径 14000m
▼武装
  • レーザーブレード
ソードマンと同じ絶大な威力を持つ高出力レーザーブレード。
  • マインシューター
サイクロンと同じ敷設型の地雷を射出する。爆発の指向性が強いのも同様。
  • イメージシーカー
フォーディではミサイルに使用しているが、ウェポンの誘導の必要がなくなったキラービーではビーム兵器に換装している。

ターボジェッツにレーザーソードを取り付けたフォーディ。
小隊単位での運用を前提に設計され、稼働時間を犠牲に高出力レーザーブレードやビーム兵器など強力な武器を盛り込んだヒットアンドアウェイ戦法が得意。
ターボジェッツを駆使したドリル形態への変形と、それによる高速体当たりは目で追うのも困難なほどの速度を持つ。
代わりに同じ装備を持つ他のVAと比べ「若干」劣り、例えば立ちA1のレーザーブレードはソードマンより僅かに遅く、ウェポンの指向性地雷発射数はサイクロンと違い1発。

対戦では強力なVAながら、サイクロンと同じく強みを引き出すのに修練が必要なVA。
突撃技のキラースクリュー、溜めで叩き切るキラーソード、ウェポンによる前ダッシュ妨害などを駆使しつつ、ターボジェッツで空中からまとわりつき、
時にはバーナーで燃やしたりしながら敵を翻弄できる強力な戦術の幅が長所だが、逆に言えばプレイヤーも適切な攻撃を瞬時に選択しなければならない。
特に空中戦への対応の仕方において戦術組み立ての手腕が問われるテクニカルな機体である。


FZ-200 F・タランテラ

アーム フォースクロー 頭頂高 12.8m
レッグ インセクトロイド 総重量 33.9t
ウェポン ワイルドレンジミサイル センサー半径 14000m
▼武装
  • クラッシャーアーム
ヴァイスと同じ伸縮式のアーム。フォースクロー。やはり相手を掴んでダメージを与える。
出力はタランテラ用に調整されており、使用しながらの移動や空中での伸縮など取り回しが良い。
  • マルチミサイルシューター
ライトニングと同じ、弧を描いて着弾する特殊ミサイルを撃つ。

四本脚インセクトロイドとクラッシャーアームを取り付けたフォーディ。名前のタランテラは音楽ではなく「タランチュラ」が由来。
目を引くのはやはりヴァイスと同じクラッシャーアームで、こちらは伸ばした後にブーストで突撃できたり、また空中でも出すことができる。
ウェポンはライトニングと同じマルチミサイルシューター。ある意味でここまでの汎用VAの様々なパーツの組み合わせた機体と言える。
ミサイルは対象に誘導はせず、地上・無重力を問わず一定距離を飛翔し、弧を描いて着弾するよう設計されている。
頭部には隠し武器として新開発のサウザンドミサイルが仕込まれており、アームで掴んで追加コマンドにより発動、高いダメージを与えられる。

ゲーム中での目玉はクラッシャーアームによる投げ技…ではなく(二度目)、脚を使った地対空技ライジングトルネード(1)。
この技、必殺技としては設定ミスを疑うレベルの異常な威力があり、ダッシュ攻撃などの適当な通常技からつなぐだけでサイバーEXを超えるダメージを叩き出す。
ヴァイスと違い空中投げを持っていないのが欠点だが、ウェポンで空中戦を牽制しつつ時折アームを織り交ぜていくだけでも十分戦えるので、
フォーディタイプの中では初心者でも扱いやすい機体である。



特殊機

  • ヘリオン
コロニー連合軍が密かに開発していた機体。高い性能を誇っている反面、パイロットの保護性が犠牲になっている。
この様な危険システムを取り入れたのは、最終的には無人機体として完成させる予定だった為。

  • ゲイツ
レジスタンス軍が使用している機体。二足歩行のベストセラーで、レジスタンス軍はこれに独自のチューンやカスタマイズを行なっている。

  • スーパー8
デビロット姫専用の機体。タコの型をしている。尚、前作「パワードギア」では、「アグミス」という名前だった。
8本あるアームを使って攻撃する。

  • ワーロック
連合軍が最終兵器「G.O.D.」の格納用に開発した機体。相手の体力を吸収したり分身したりと、最凶の性能を誇る…!

  • 零豪鬼
CS版にのみ登場する機体。言うまでもなく、豪鬼の型をしている。これは開発者が豪鬼を尊敬していた為。
殺意の波動が動力源と言われている。今の所、一体のみが確認されている。


なお、前作「パワードギア」に登場していた機体のうち、型V.A.のスカルドや、ゲイツと同じく雑魚敵として登場していたワーカー等は未登場。


キャラクター/パイロット

パイロットはストーリーに関係するだけで、ゲーム上での性能差はない。
括弧内のCVはドラマCD版、移植版の順に掲載する。

主人公。父の死の真相を確かめるべく、闘いに身を投じる。後に彼は、VSシリーズやキカイオーにも外部出張する。モデルは漫画覚悟のススメ葉隠覚悟

  • サンタナ・ローレンス(岸野幸正、梁田清之
陽気な性格をした青年。ジャンクショップを経営している。モデルはJOJOのモハメド・アヴドゥル

かつては連合軍のVA隊隊長だった老戦士。騎士のような恰好をしている。
二年前の模擬戦にて起こった事故の責任を感じ、退役している。

連合軍に捕らえられ、実験の日々に怯える少女。VAに乗り、脱出する。
実験で衰弱しているため、モビルクレイドルというカプセル状の強化服的なものに乗り込んでいる。彼女本人は全裸。

  • マリー・ミヤビ(冬馬由美、高乃麗)
女性軍人。脱走したアリエータを追ってるが、(自身のストーリーでは)連合軍の本性を知り、レジスタンス軍に寝返る。

本名:アイヒマン。連合軍により改造されたサイボーグ戦士。実はジンの父親を殺害してしまった人物だった。ジンのEDでは罪を償う為に自爆、CSで追加された自身のEDでは結局は自爆、
そしてデビロットのEDでは蛸怪人に改造されてしまう等、この作品で最も可哀想な人。

  • バオ&マオ(山口勝平(バオ)、荒木香恵(マオ))
兄がバオで妹がマオ。戦乱の世を生きて来た、野生児の兄妹。偶然見つけた機体に乗った瞬間、物語が始まる。

レジスタンス軍の若きリーダー・神楽千代丸と、彼の軍師・鋼鉄山。和風な外見が特徴。モデルは牛若丸と弁慶。

ジン以上に知名度が高い三悪。違法国家ヘルドラドの統治者・デスサタン国王の一人娘・デビロットとその連れ。
老人が地獄大師、フランケンシュタインの様な科学者がドクターシュタイン。
デビロットは悪役でありながら、正義の戦士ガウェインに惚れており、彼と結婚しようと考えている。
モデルはドラクエのアリーナ姫一行+「不思議の国のアリス」のアリス+タイムボカンシリーズの三悪。
自身のストーリーでは、ジンを悪の戦士に早変わりさせ、バオ&マオを合体獣に改造、更にアリエータをアンドロイドに改造し、シェイドを蛸怪人に改造。
マリーを幹部待遇でスカウト。そして遂にガウェインと結婚し、凶魔天帝ラブリーデビロットを名乗る。
サイバーボッツの世界観が見事に崩壊しているとの意見も多い。
遂にタツノコ VS.CAPCOMにて本家三悪との共演を果たす。
また、スーパーパズルファイター2Xにて隠しキャラクターとして参戦、ポケットファイターのランニングバトルステージの背景にカメオ出演、MARVEL.VS.CAPCOMにてアシストキャラクターとして参戦する等、ジン以上に外部出演が多い。

  • G.O.D.(Ganglious of Ommi Scient Disrupter)
連合軍が開発した秘密兵器の頭脳。有機的デザインでグロい。




◆余談
元々はACのみの作品にする予定であったが、思った以上に人気が出てきた為、セガサターンプレイステーションに移植する事が決定したという経緯がある。
一方で前作『パワードギア』は本作よりもかなり遅れた2018年になってようやくCSへ移植される事となった。
ちなみにパワードギアと本作ではV.A.のサイズが違う事に加え、時代設定はパワードギアの方が本作よりも未来の物語になっているという点があり、この事からこの二作は別次元の物語と言えよう。

また、ジンとデビロット以外のパイロット達のドットが存在していない事に加え、対戦のメインはあくまでV.A.であるという理由からか、同社の2D格闘ゲーム同士の共演をコンセプトにしたカプコンファイティングジャムへの参戦権は得られなかった。

2022年にブロディアとライオットがグッドスマイルカンパニーによってプラモ化。
素組でもよく色分け出来ており、特に複数の関節を用いて細かい指の動きを可能にし、支えなしでロケットアームを維持できるライオットは中々のモノ。
肩部分の関節がやや固めだが、軽くヤスリがけすれば滑らかに動くようになる。

宇宙の何処かで、追記・修正しよう!




画像出典:
●スクリーンショット(記事冒頭、世界設定項)、2点の画像
サイバーボッツ/CAPCOM、カプコンアーケードスタジアム・DLCサイバーボッツ 配信日2021/02/18

●ヴァリアントアーマー紹介項、12点の画像
閲覧日/アップロード日:2024/07/28~2024/07/30 CAPCOM公式サイト・https://www.capcom-games.com/cfc/ja-jp/title/cyberbots.html




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最終更新:2024年08月30日 16:22