スペースコロニー(ガンダムシリーズ)

登録日:2024/09/11 Wed 15:09:28
更新日:2025/04/13 Sun 19:55:46
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人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって既に半世紀
地球の周りの巨大な人工都市は、人類の第2の故郷となり
人々はそこで子を産み、育て、
そして死んでいった……
~『機動戦士ガンダム』ナレーション~


わしらの世代はじいさん・ばあさんから昔の惨状を聞かされて育っとる。そりゃ酷いもんだったらしい
それをなんとかしたくて人は連邦政府を創り宇宙移民ってやつを始めた
「貧乏人だけが無理やり宇宙に捨てられた」って言う奴らもいるが望んで出ていった連中も大勢いた。地球の自然が元に戻るまでもう帰らないと覚悟してな。
全て善意から始まっていることだ
〜『機動戦士ガンダムUC』とあるダイナーの老主人の言葉〜


上の奴らは裕福な生活を送りながら、下らない思想をぶつけ合って戦闘に明け暮れている。
俺達はそのしわ寄せで、こんな生活を……
強いられているんだ!


金持ちなのは地球から赴任してくる一部の連中だけさ…
コロニーで生まれ育った俺達は使い捨ての道具みたいなもんでなぁ
クソみたいな賃金で働かされて、身体がダメになりゃお払い箱だ
病気や事故で死んだって保険金も出やしない
地球の奴等は遊んで暮らしながら稼ぎだけは吸い上げてる
俺達は何十年も耐えてきたんだ…
〜『鉄血のオルフェンズ』搾取されるコロニー労働者の訴え〜



本項目ではガンダムシリーズにおけるスペースコロニーについて記載し、合わせてその他宇宙居住区についても記載する。



【概要】

スペースコロニーはガンダムシリーズにおいて、宇宙移民した人々が暮らすのに必要不可欠な巨大建造物である。
コロニーとは「植民地」を意味している。

数百万から数千万人の人類が自給自足できるように作られており、その大きさのため、月と地球の重力均衡点「ラグランジュポイント」で疑似的な衛星として周回するように設置されることが多い。

一方その巨大質量を利用しコロニーごと地球にぶつける「コロニー落とし」コロニーそのものを巨大なレーザー砲台に改造、一個艦隊や地球の殲滅攻撃を行う「コロニーレーザー」のような戦略兵器として使われることも。

現実世界において1stガンダムが作られた1970年代は全世界で人口爆発がピークを迎えた時期であり、「何か対応をしないと増えすぎた人口に地球の資源が追いつかない」という設定のSF作品が多く作られた時期であった。
21世紀突入~2020年代になると様々な事情で世界概観的には依然人口増加、地域によっては逆に少子化の定着と、発展と人口のいびつで複雑な構造が目立つようになったため、ガンダム作品でコロニーが作られる理由も「増えすぎた人口を移すため」という理由ではないことが多い。


【シリーズに登場するスペースコロニーの種類】

オニール型、ベルナール球型、スタンフォード・トーラスは現実で提唱されているスペースコロニーの形状であり、ガンダムシリーズでもこのうちいずれかの形状が多い。
しかしシリーズによってはオリジナルな形状のコロニーが登場することもある。

  • オニール型(シリンダー型)
宇宙世紀(U.C.)シリーズを始め、最も多く登場する型で、スペースコロニー=シリンダー型とイメージされる要因でもある。
円筒を6つに区分して交互に人類が居住する陸地と巨大な窓とを配置し、窓の外には大きな鏡を浮かべて太陽光を取り込み、その調整で昼夜や季節を再現可能とされる。
シリーズ毎に差はあるが、基本的に3枚の採光ミラーを持つ「島3号型/開放型」となっている。但しジオン公国はミラーの無い「密閉型」(代わりに人工太陽灯を光源に用いるタイプ)を採用している。
コロニー内の交通機関としては主に電気自動車と地下鉄*1が用いられている。

  • ベルナール球型/バナール球型
中空の球体内部を居住区とするもの。
宇宙世紀シリーズでは「シリンダー型より以前の旧型コロニー」として認識されているが、コロニー開発が発展途上な『機動戦士ガンダム00』においてはこの型のコロニーが多数存在している。

  • スタンフォード・トーラス
トーラスはOZの新型MS「円環」の意味で、ドーナツ状の構造体を回転させ、トーラスの外側に遠心力で重力を発生させる。
日光は鏡を用いてトーラスの内側から取り入れられる。
新機動戦記ガンダムW』に登場するコロニーはこの型で、『AGE』の地球連邦総司令部「ビッグリング」や『水星の魔女』に登場するフロントも居住区部分はこのタイプに近い。

  • 日本列島型
特殊な作品で登場した色々な意味でブッ飛んだ形状のスペースコロニー。
文字通り日本列島の形をした構造物が宇宙に浮かんでいる
他作品のような遠心力ではなく重力制御システムによって人工重力を与えており大気もバリアによって維持されている。イメージとしては浮遊大陸が近いか。
この作品には世界各国のコロニーがあるが、どいつもこいつも他に類を見ないトンデモ形状となっていてそんなのがいくつも宇宙を漂っているという地獄絵図凄まじい光景となっている。
当然だが他作品でこんな形状のコロニーは存在せず*2、ある程度ならハチャメチャが許された当該作品だからこその設定ともいえる。というかしてたまるか!

  • 天秤型
コズミック・イラに登場するコロニーの形状。
L5に建造された新世代型コロニー「プラント」がこれにあたる。
天秤といっても皿部分を両側に広げたような形でありどちらかと言えば「砂時計型」に近く、実際作中でも砂時計に準えられる場面がある。
直径10kmの砂時計の底面が居住空間となり、それぞれの底面から30km地点にある中央部分が宇宙港として機能している。
中央部分には円盤型のミラーがあり、これが採光と昼夜の再現を行っている。これ全体が回転する事で疑似重力を発生させている。
プラント一基当たりの人口は約50万人とされている。これは日本で言えば宇都宮市とほぼ同規模。
農業コロニーだったユニウスセブンの人口は約25万人弱なので、この辺りは各プラントの機能によって増減するのだろう。
構造体の規模に対して居住区が小さく見えるが、その居住区の7割は水で満たされた「海」となっているので実際の居住空間は更に小さい。
「実質直径3kmの円形の空間二つ」に宇都宮市民が集まっていると思えば結構な人口密度と考えられる。

プラント市民にとっては寄るべき母国にして国土であり、また象徴とも言えるためか、ザフト・プラントのロゴマークもよく見るとこの形状のコロニーに似たものになっている。

『SEED』終了からの2年間にL4に新造の工廠プラントが建設されている様子があり、コーディネイターの能力によるものか天秤型の利点なのか、かなり短期間で建設できる模様。


【コロニー暮らしの利点と問題点】

建造物から空気、水、植物などコロニー内に存在するモノ全てが人工的に調整されて生み出されたもののため、地球上と比べて自然環境自体は非常に良く、地震や台風のような大規模な自然災害や環境汚染に巻き込まれることはない
現実の地上では昨今猛威を振るう熱中症や逆に凍傷と言った気温・湿度に起因する傷病も日常生活を送る上では無縁と思われる。

目的に特化したコロニーの作成・維持も容易。
たとえば暑い地域で育つ作物を作りたいときには コロニー一基を丸ごとその農産物向けに調整することで かなり効率的に農業が可能になる。地球側との取り決め上セーフ扱いされるかは別として。*3
同様にコロニー内を人工の海にすることで海洋生物の養殖管理も可能。
なお宇宙世紀の地球上では海の汚染のためにクジラは絶滅している設定もある*4がコロニーでは養殖技術が確立しているため、
人造世界であるコロニーの方が自然や生物に触れ合う環境を構築できていたりもする。
宇宙世紀では『Z』TVのオープニング映像の一番最後にコロニーが描かれているが、その周囲を円状に囲んでいる小さな球体が農業コアであり、作物や条件に応じて異なるコアで生産をしている。
変わったところでは『水星の魔女』前半クールでは「コロニーまるごと1つがすべて1個の『モビルスーツの専門学校』」というものが登場。ストーリーもこのころは基本的にコロニー内だけで展開しており、事実上放校されたグエルですら、途中まではコロニー内で野宿を選択していた。一種の全寮制学校と言えるか。
無論、後ろめたい物事に特化した環境を作ることもできなくはない…。

しかし人工物である為、どうしても利点を上回る多くの問題点が出てくる。ざっと挙げるだけでも以下のものがある。

  • 耐用年数がある
コロニーに限らず人工物には必ず付き纏う最大の問題で、もしも破損や老朽化などで修理不可能として放棄された場合、住民は全て難民になる。
他のコロニーに移れば良くね?と思われがちだが、そもそもコロニーは面積が限られていることから居住制限があるため、数千万〜1億人超えの難民の受け入れ先などそう簡単に見つかるものではない。
例としてジュドー・アーシタの故郷、シャングリラコロニーは戦火の影響もあって老朽化が進行していたが、コロニー住民の税金で本当に保守点検が行われていたかどうかハッキリしない。少なくともシャングリラ組の皆はあまりそうは思っていなかったようだ。
また『シルエットフォーミュラ91』では古すぎてそもそも人がいるかどうかすらよくわからないコロニーが存在してしまっているらしき描写があり、作中ではジオン残党の生活拠点になっている*5ことが(偶然主人公たちの艦が停泊することにしたため)はじめて発覚する展開があった。

  • 大気・土壌・水の自浄作用が地球より低い
地球そのものに比べたら遥かに小規模な環境である上、人が住んでいなく自然だけがある部分というのが殆どないため、コロニー内の環境清浄を行う機器や設備が必要不可欠であり、
特に大気汚染の原因となる二酸化炭素を発生させる内燃機関や焚火等の使用には地球上よりも遥かに神経質にならなければならない。
このためコロニーでは工場排気の出る煙突*6、ガソリンエンジン、石油ランプ、煙草と言った類の品物が存在しない世界になる。
『1st』『Ζ』とかでエレカー=電気自動車が当然みたいな発言が見られるのも、コロニー住みの場合はガソリン車を使うだけで致命的だからというのも一因なのだろう。
そもそも原理的に地球でしか精製できないガソリンをコロニーに持ち込む時点でコストがめっちゃかかる
『機動戦士ガンダムF90FF』では大気汚染の許容を杜撰にした結果、非常に汚染された空気の中で生活することとなった工業コロニーが登場している。
土壌・水に関しても同様で、自動(自然)循環がごく小規模に留まる都合上、常に人工物で浄化・栄養補給し続けなければならない。
太陽光発電由来の電力や、廃棄物からエネルギーを抽出するリサイクルの技術は当然進歩しているはずだが、人口密集地(数万人規模のコロニーは循環上で見れば十分に密集レベル)で消費する量と質を理想的に持続的循環可能なら資源不足には陥らないであろう。コロニーのそれらに蓄えられた広義のエネルギーは消耗品水準と思われる。

  • 宇宙放射線、有害微粒子の遮断
宇宙空間には多数の放射線が飛び交っている為、それらを遮断する技術が求められる。
地球はオゾン層および厚い大気によって自然と殆どが遮断されているが、スペースコロニーにはそのようなものは一切無い。
機動戦士ガンダムAGEの小説版では、ヴェイガン住民の短命の原因となっている死病「マーズレイ」はテラフォーミングの一環として行われた土壌改良プロジェクトの失敗により火星の地表面に発生した有害な超極小粒子が原因とされるが、この有害微粒子はフェムトやアト等ナノサイズよりも小さい為、磁気フィルターやプラズマフィルターを通しても完全には除去は出来ないものとなっており、少なくとも『AGE』世界観では実害が出てしまっている。
またこの世界観では解決法が「有害粒子が巻きあがりそうなたびに磁気調整ビームを撃ち込んで流れそのものを調整する」という悪く言えばいつものAGEシステムの発想と提案泥縄的・対症療法に過ぎないものであり、どうやらそもそも根っこから遮断するというのは(少なくとも月刊HJの短編における時系列では)諦めざるをえなかったようだ。

  • 防災・防衛
人工物である以上、事故やテロの被害には極端に弱い。
万が一外壁に穴が開けば空気が宇宙へ吸い出され、住民の命に関わる事態に直結してしまう。
例として機動戦士ガンダムAGE最序盤のヴェイガンによるコロニー「ノーラ」襲撃時には崩壊するコロニーから住民を救出するために戦艦で住民を収容したコロニーのセンターコアを引き抜き脱出するという方法が取られているが、毎回このようなリスクの高い方法が取れるわけもないため*7、どのシリーズでも戦闘によって穴が開く等の被害とそれを防ぐ為の駆け引きはお約束の展開である。
また、コロニー内でビームライフル等の使用も厳禁であり、扱うとしても出力を抑えられるモデルや実弾兵器を主体の機体を配備せざるを得ないことも多い。
なのだが味方側のガンダムがこれをやらかしちゃう事もあるし、それを敵側に説教されることもある。逆に知ってて発砲し敵味方を驚愕させた人もいた。
あれだけドンパチしたり開発しているのだから、完全な検知や予測が難しい(しかもミノフスキー粒子などで更に困難)上に超高速でぶつかってくる宇宙ゴミ問題もさぞや深刻だと思われるがあまりにも頑丈なのか話題になることはほとんどない*8。ただし宇宙ゴミが描かれた作品はちょくちょくあるので、実際は描写されていないだけだと思われる。
他にも毒ガスや武装集団、MSや大量殺戮兵器の襲撃がなされた場合、住民の逃げ場所が宇宙しか無いために、住んでいる人達の壊滅は必至となってしまう。
彼らをできるだけ戦艦に詰め込んで脱出するというのもガンダムシリーズでは度々描かれるが、人情的な事以外では苦労するだけというものもまた多い。

  • 廃墟化・デブリ化
…で上記のように事故が起きた場合、その後の処理も大変である。口さがない言い方をするとコロニーは廃棄されると宇宙の粗大ごみになるからだ。
宇宙を漂うだけならまだしも下手すれば地球や周りの星の重力に引っ張られて落っこちたり、テロリストなどの隠れ蓑になったり、最悪の場合は質量兵器として「再利用」されてしまう。
果ては悪人ではない人物がこういった廃コロニーにこっそり暮らしていた作品すらある*9
とはいえそれは特殊ケース。基本的には大きな建造物の為、事故や事件などで住む人間がいなくなった場合は大抵の場合は放置される。中にある遺体と共に
処理や解体にも時間や金が掛かる上に人の遺体がある場所なんか行きたくないだろうし、こうして機能停止したコロニーはずっと宇宙を彷徨い続けるのだろう。
ユニウスセブンは廃墟兼墓標として『機動戦士ガンダムSEED』では水の補給場として利用できたが、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』にてテロリストらにコロニー落としに使われてしまった

  • 居住者の地球環境への適応
コロニーは高温多湿だったり雷雨等の自然現象が殆どなく快適に保たれているため、コロニー居住者が地球を訪れた場合、地球独自の自然環境に上手く対応できないことが多い。
他にも害虫、害獣の類にも頭を悩ませてる事が多く、初代では「時間よ、止まれ」で「虫のいない、清潔なジオンの本国」なんて言われたり、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』等では「夜に飛び回る虫はナチュラルの次に厄介な敵」とまで言い放たれている。
逆にこの作品では仲良くなったアースノイドからの話で地球に憧れを持ち、リゾートで楽しむために海で泳ぐ格好で行ったら四季を理解しておらず冬だったせいで寒さに見舞われた…という者もいる。曰く「やっぱりコロニーがいい」との事。
これに限らず「四季をよくわかっていない」コロニー産まれは少なくとも宇宙世紀ではまあまあ珍しくないようで、映像作品でも『ポケ戦』バーニィの失言(12月のシドニーを「雪景色」と表現する。北半球・南半球の知識、つまり「赤道より南は以北と春夏秋冬が半年ズレている」知識が当然ある地上生まれの軍人の雑談としては明らかに矛盾*10)あたりが著名か。
ただ、アルにこの件を煽られるのは『ハイブリッド4コマ大戦線』の派生ネタ。確かにアルの中の人は後で連邦軍側の軍人やったけど。


【コロニー建造・管理を行う組織】

  • 宇宙世紀シリーズ
コロニー建造を行う組織は主に地球連邦政府の一機関にあたる「コロニー公社」か民間企業の2種類が存在する。

コロニー公社はその名の通りスペースコロニーの建造・移転・維持管理などを行う組織で、「公社」と言う通り、地球連邦の管轄下にある。
というか、戦前までは「コロニー管理省」という名前で、連邦の組織機構の一部だった。官僚と技術者が協力する半官半民の組織。
スペースノイドの生活はこの組織に掛かっている。そしてこの組織を連邦が管理しているため、連邦がスペースノイドの生活、引いてはコロニー内の全生命を維持していると言っても過言ではない。
なお、コロニー住人にコロニーの簡易メンテナンスを義務付けていたり、各種税金等から住人の多くからは嫌悪されていた模様。
コロニーをカネも労力も費やさずに維持可能なわけはないので徴収概念の必要性は想像できるし、各作品内でもカッコイイ公社の姿はろくに見られないので悪い目ばかりで少し可哀想なものだが、なにぶん参考になる数字が存在せず、その必要相応水準の想像が困難な分野。
宇宙世紀は公の腐敗と民衆の無力が強調される世界観なので、それに連なる公社も、軍相手と住民相手で別物のように態度を変える種の組織なのかもしれない。
宇宙世紀0200年代時点でも存在が確認されているが、エアロックのセキュリティ管理が非常に緩いなど意識の低い管理体制となっている様子が見られる。
反面、連邦もこの責務を重視しているようで、地球圏最大の企業・アナハイム・エレクトロニクス社ですら、コロニー公社のシェアを奪いコロニーの維持管理を行うことはできなかった(部品の提供などでは関わっているが、それでもシェアは低いらしい)。

また民間企業が建造・所有するコロニーの場合、そのコロニーの支配者層が企業の上役ばかりとなり、住民は労働者として使い潰されることもある。

  • 未来世紀
各国が宇宙移民の気運の高まりを受けて自国主導でコロニーを建造・管理をしている。
日本列島型などただでさえぶっ飛んだ形状が多いが、大きな特徴として宇宙で組み上げるのではなく地上で建造して打ち上げるというトンデモ手法で建造されたという点。
これは無茶苦茶やってる未来世紀でもさすがに無理があったようで打ち上げによる電力不足により人命が失われている。

  • コズミック・イラ
プラントが大西洋連邦・ユーラシア連邦・東アジア共和国の3国の出資により建造された。
建造後の管理はプラント側で行われているが、「理事国」となった上記3国がプラント運営に対し強い政治的発言力を持っている。
特に地球側への「生産ノルマ」はプラント側にとって重い負担となっており、プラント、ひいてはコーディネイターの反発を招くこととなった。

  • 西暦
当初は三大国家群のうち、ユニオン人類革新連盟(人革連)にてコロニー開発が行われていた(AEUは合議制に伴う意見の不一致が多いため宇宙開発で遅れを取っていた)。
しかしユニオンは過酷な労働環境故に労働者間に犠牲者が続出し、その不満が蓄積し労働階級を中心としたテロが誘発しており、人革連はコロニー内での戦闘禁止条約を逆手に取り、戦災孤児を拉致して人体実験・人体改造を行う「超人機関」を秘密裏に設置するなどかなり後ろ暗い状態となっている。
劇場版』ではコロニー公社が開発を進めているが、労働者は2ndでの旧連邦政権時に強制移民させられた者達が多く、裏で不正も行われている疑惑も出ている。

  • ポスト・ディザスター
コロニーは各経済圏の統治下にあり、コロニー自体も経済圏傘下の企業の所有物となっているが、スマホアプリ「ウルズハント」にて四大経済圏全部でコロニーの管理・改修・建造業を展開する巨大企業「オムデン・コロニー・カンパニー」が登場。
1000億メリアというコロニー一つが建設できるレベルの金額すら「たかだか」とあしらうレベルの超巨大企業で、コロニー警備事業を建前に多数のMSを所有しているが、警備以外の目的や荒事専門の傘下企業の存在など黒い噂は絶えない。


【各シリーズにおけるスペースコロニー】

宇宙世紀(U.C.)シリーズ

宇宙世紀のスペースコロニーのほとんどは上記の通りシリンダー型(島3号)で3枚の採光ミラーを持つ「開放型」だが、サイド3だけはミラーのない「密閉型」(採光ミラーの代わりに人工太陽灯を光源に用いるタイプ)が主流である。
ちなみに開放型コロニーの採光部は「河」と呼ばれている。『戦場の絆(無印)』あたりの経験者であれば、リボー・コロニーのこの「河」…下がガラス張りのお堀でドンパチした記憶がある人も多いであろうか。
小説版などで詳しく触れられているが宇宙進出初期の頃は1万人程度の住民を賄う小型の「島1号」コロニーから始まり、
それを足がかりに数百万人を住まわせられる島3号コロニーを開発して1年戦争の時点でそれらがコロニーの主流なっている。
ただし旧式の島1号タイプのコロニーも辺境に追いやられたり長距離航行時の中継拠点としてわずかに残っている。
ジオン残党…どころか『Z』のエゥーゴや『逆シャア』のネオジオン艦隊も連邦にバレずに戦力を整える隠れ蓑としてそういう辺境の小型コロニーに隠れていたとされている。

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、一年戦争後のコロニー再建計画でのコロニー移送シーンが描かれているが、シリンダー型コロニーを2基1組にして、互いに逆回転させることでトルクを相殺している。
他作品ではそのような描写は見られないが、これは実在する「オニール・シリンダー」の設計と同様の構造である。
機動戦士ガンダムUC』ではコロニービルダーと呼ばれる密閉型コロニーを建造する円盤型の巨大プラント「メガラニカ」が登場しており、建設途上のコロニーの一端に蓋をするように取り付いたコロニービルダーが地下鉄の掘削工事の要領でパネルを次々とレールで送り出して繋ぎ合わせていく多層構造のコロニー外壁の構築と、それを追って内装工事と住民入居が並行的に進められていく過程が描かれている他、『機動戦士ガンダムF91』では直径数km隕石に直接コロニーを接合することで資源採掘と居住区建設を並行して進める「フロンティアI」が登場している*11

なお、宇宙世紀において最も後年代が舞台となっている『G-SAVIOUR』では物語開始以前の地球連邦崩壊に伴ってコロニーは「スペース・セツルメント」という呼称に改められており、旧連邦派は地球寄りだったサイド2、3、5、7とまとまったセツルメント国家議会、サイド1、4が月と共にセツルメント自由同盟を形成している
そのさらに未来の時代を描いた作品『ガンダム Gのレコンギスタ』では再びスペースコロニーの呼称が使われている。

サイドとバンチ

宇宙世紀シリーズでは各コロニー群は建造宙域を「サイド」と呼称しており、スペース・コロニー1基を「1バンチ」とし、1サイドは36〜40バンチ、合計13億人が居住するとしている。各サイドの愛称は初期設定からすでに使用されており、サイド7のみ「トア」から「ノア」に変更されている。

初期設定では各サイドは建造順に番号が振られており、最も遠いL(ラグランジュ)3点付近のルナツーを含めて6つのサイドが配置されていたが、派生作品の増加により設定が盛られまくった現在ではルナツーは7つ目のサイドにあたるサイド7と共にL3点付近に配置され、それ以外のサイドも月とのラグランジュポイントに存在する設定となっている。

ちなみに『機動戦士ガンダム』とそれ以降作品では一部のサイドの場所と番号が変更されているが、これは一年戦争後のコロニー再生計画の結果によるものとされている。

作品によって異なるが、1つのサイドで1億〜20億人程度の人口を持つとされ*12
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では1つのサイドで1億2000万人前後の人口とされているが、その影響で地球環境の悪化に歯止めが掛からず、地球上に大量の難民が発生しており、莫大な巨費を投じてまでスペース・コロニーを建造するよりも砂漠地帯やツンドラ地帯を開発し、人が住める環境を作る方が良いのではないのかという意見も一部に出ている。

ちなみにバンチの語源は「まとまって固まる」などを意味するBunchから取った説とそのまま番地から取った説がある。
富野由悠季が書いている小説版では「基」という字に「バンチ」とルビを振っており、語源は不明だが建物などをイメージして1基、2基と数えるもののようだ。

各サイド

  • サイド1(ザーン)
月と同軌道で月より後方のL5点付近に存在する人類が最初にスペース・コロニーを建設して宇宙移民が開始された宙域。
一年戦争の緒戦で大きな被害を受け、またジオン軍の宇宙要塞ソロモンが置かれている。戦争終盤の連邦軍によるソロモン攻略戦では主力であるティアンム艦隊が、コロニーの残骸に隠れてソーラシステムを設置し、ソロモンめがけて照射している。

『機動戦士ガンダムΖΖ』の序盤の舞台となった他、『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』ではザンスカール戦争後は住人のほとんどが政治に参加するほどの余裕がなく生存していくのに精一杯となり、仮に選挙をしても票がまとまらずに誰が当選したとしても文句が出る状況なため、全権限を委任した「行政執行機関代行官」によって統治されている。

  • サイド2(ハッテ)
月と同軌道で月より前方のL4点付近にある。
一年戦争開戦時の一週間戦争にてジオン軍が容赦なく行った核攻撃や毒ガス注入により壊滅状態となるが、宇宙世紀0087年頃には50バンチ程に再建され、建造途中のコロニーもある。
グリプス戦役中はサイド2全体が中立を表明しているが、裏では普通にエゥーゴと手を結んでおり、コロニー内にエゥーゴの補給基地を建設したり武装供与を受けていたので、それを見抜いていたティターンズから毒ガス攻撃の標的にされた際はティターンズに寝返ろうとする風見鶏のような態度を見せたため、攻撃を事前に防ぎ救出したエゥーゴからも釘を刺されている。
最終的にはティターンズから見せしめとしてコロニーレーザーによる攻撃を受けるハメになった。
後の0149年にザンスカール帝国が建国されている。

また『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』や『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』の登場キャラクターの出身地でもあり、日系が多いのも特徴。

  • サイド3(ムンゾ)
ジオン公国発祥の地。
月を隔てた反対側で、地球からは最も遠いL2点付近にあり、L2点付近にはジオン軍の宇宙要塞ア・バオア・クーが置かれていた。
地球から最も遠いだけでなく、地球は月の向こうにあるため 基本的には見えない という性質上「見えもしない地球には畏怖も敬意も持ちようがない」というのが住民の独立意識の高さに繋がったらしい。
また地球から遠い関係で地球からでないと得られない物資の調達は難しいものの、太陽光発電を阻害するものもなかったため自活どころか他所のサイドに売れるほどのエネルギーがあったらしい。
連邦からの経済制裁に耐えられる「外貨」を得たのがこの太陽光発電エネルギーによるもの。
これらを見込んだジオン・ズム・ダイクンによってサイド3にジオン共和国が建国された後、サイドに存在する開放型コロニーを密閉型コロニーに改造し、工業生産能力と人口の収容能力等を他のサイドよりも増強させられている。

ア・バオア・クー陥落によりジオン公国改めジオン共和国と連邦政府と終戦協定締結後は最も工業生産能力を温存していたサイドとしてコロニー再建計画等に関わることとなる。
宇宙世紀0100年に自治権を放棄して消滅したが、『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』では、0169年にジオンの後継を名乗るザビ・ジオンやハイ・ジオンなど4つの勢力が覇権争いを繰り返している様子が描かれている。

ちなみにミネバ・ラオ・ザビ曰くここのたこ焼きは絶品らしい。…があくまでスパロボ設定…どころか初出はこの作品で元ネタはこれなので原作には無関係と見てよい。
前述の通りコロニーの方が地球よりも新鮮なタコや良質な小麦粉を作れる可能性自体はあるのだが…

  • サイド4(ムーア)→新サイド6
L5点付近にあり、一年戦争緒戦で壊滅的被害を受けたため、コロニー再生計画により名称がサイド6に改められている。
ソロモン攻略戦では連邦軍ワッケイン艦隊がこのコロニーの残骸に紛れつつ前進、陽動作戦を行った。

機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、首長を務めるフレミング家と同家が経営する企業体「フレミング・インダストリー」によって運営・統治されている企業国家といえる形態とされる。
周辺宙域は一年戦争時はコロニーや艦船の残骸が密集して絶えず放電を起こしていることから、「サンダーボルト宙域」と呼ばれており、ア・バオア・クーへの補給路として制宙権を握るジオン公国軍スナイパー部隊と宙域奪還を目指す元ムーア居住者たちで編成された連邦軍のムーア同胞団による戦闘が行われている。

機動戦士ガンダムNT』では、宇宙世紀0097年時には周辺宙域で不死鳥狩り作戦及び袖付きとの戦闘が展開され、宙域内のヘリウム3備蓄基地がIIネオ・ジオングによって大規模な臨界爆発が生じかけるも、ユニコーンガンダム3号機"フェネクス"らによって未然に防がれている。

なお、ゾルタンは新サイド6を「一貫して中立を保ってきたサイド」と劇中で称しており、旧サイド6と混同して覚えていた様子。
公式からのフォローとして「メーティスの所在地は不明」と説明されたこともあるが、劇中のモニター表示ではキッチリ表示されており、実際には描写ミスである。


  • サイド5(ルウム)→新サイド4(フロンティア)
L1点付近にあり、一年戦争の緒戦で行われた艦隊戦「ルウム戦役」によりほとんどのコロニーが壊滅している。
一年戦争後はコロニー再生計画によって名称がサイド4に改められているが、旧サイド5付近の暗礁宙域にデラーズ・フリートが本拠地を築いている。

機動戦士ガンダムF91』では宇宙世紀0110年代から「フロンティア・サイド」と呼ばれ、新技術のコロニーが建造されて開拓者の入植も激しい宙域となる。
0123年には貴族主義に基づいた国家コスモ・バビロニアが建国され、一時的に連邦の管理下から離れたが、その後復帰した模様。
しかし、後の宇宙戦国時代ではどうやら存続したようである貴族主義に基づいてネオ・コスモバビロニアが建国され、国王を中心とした体制や領主といった概念が存在している。


  • サイド6(リーア)→新サイド5
L4点付近にあり、一年戦争序盤に中立宣言を行ったサイドで、戦後のコロニー再生計画により、名称がサイド5に改められている。

陣営を問わず各地の政財界や軍部など各界の首脳とその子供が多く住んでおり、下手に攻めれば自陣営の内部崩壊をもたらしかねず、商工業が盛んであるため両陣営に武器の部品類などを輸出し、連邦に対しては農作物も輸出しているなど政治・工業力に秀でていたことから中立を貫き通せたとされる。

  • サイド7(ノア→グリーンオアシス)
月と同軌道で地球から見て月とは正反対のL3点付近にある。
小説版によればラグランジュポイントとしての重力の均衡が最も不安定だったため、工業用などの特殊なコロニーのみ建造し大量の人間が恒常的に住むコロニーは作らない予定だった。
一年戦争勃発の2年前から建設が開始され、L3点付近には地球連邦軍の宇宙要塞ルナツーが配置かれている。
最初から工業特化コロニーとして作られた上にジオンのサイド3から遠いという地理的(宙理的?)関係からV作戦の実行場所に認定された。
一年戦争終了後に再建され、グリーン・オアシスと改称されるがティターンズの拠点が置かれ、『機動戦士Ζガンダム』においても物語の発端の場所となっている。

しかし、その後も戦乱で既存のサイド再建に人手を取られて新規のコロニー建造が出来ず、(というか前述の通り本来は居住用途を考慮していない)
コロニー1基だけでは生活物資の自給自足もままならないため、ザンスカール戦争以降の時代にはルナツー近辺に移設されている。

なお、問題作として有名な冒険王版ガンダムにおいては大量虐殺を喜ぶガチの悪役と化したシャアによって大量のミサイルを打ち込まれて全滅してしまっている。

  • サイド8(ガイア)
『G-SAVIOUR』後半の舞台となったサイド。
新サイド4と同じL1点に位置する。
当初はただの自治区扱いだったが、ガイアの光事件を受けて正式にサイド8として認可された。

  • 木星圏のコロニー
アニメでは木星圏で採掘された資源を地球圏まで運搬する木星船団の名前が語られる程度だったが、漫画機動戦士クロスボーン・ガンダムシリーズで主要な舞台となる。
規模は地球圏でのサイド一つ分にも満たないが、70年以上に渡る努力と労力の結果、小国レベルの自治体が構築されるようになる。
木星圏の事情が詳細に語られるのは宇宙世紀0130~0170年頃に限られているが、コロニーの自力建造は国力不足により常に困難なため、木星船団の残置資材をかき集めて小規模な居住エリアを造ったり、標準規格より小さい地球圏製コロニーを買い入れて遠路輸入している。

何時頃からかははっきりしていないものの、やがて木星開拓とコロニー建設に携わってきた指導者であるクラックス・ドゥガチを頂点に、住みやすい環境である地球への羨望意識と彼の命令を絶対のものとする独裁体制が成立、木星帝国を建国し、自分たちを辺境の地に追いやった地球圏の人々から地球を取り戻すという目的の下、軍事国家となっていった

生活スタイルは無重力状態を基本としており、重力の存在する時間は長くない
そのため、地球の重力について本質的に理解していない人物が多く、地上用として製作されていながら重力下での運用において欠点がある機体も見受けられる。
帝国内では厳しい階級制がとられており、軍人・工作員は手の甲にナンバーが刻印され、その階級差・権限は絶対である。
一般市民であっても水や空気の割り当てが決まっており、たとえ瀕死の病人であったとしても割り当てを超えた消費は許されず、他者への譲渡も禁止されていた
上記のコロニー事情からも生活圏…というより生存可能な空間が長年に渡り不足し、人口(生産)調整も厳しい節がある。

U.C.136年には木星タカ派残党がコロニーレーザーで地球を「狙撃」する「(ゼウス)の雷作戦」を実行に移すが、作戦決行の約3週間を前にレジスタンスの手によって逃がされたエウロぺ・ドゥガチが宇宙海賊クロスボーン・バンガードに拾われたことでクロスボーンに作戦の全容が知れ渡ったのを機に7機のMSによる総攻撃を受けコロニーレーザーごと破壊された。
作戦を主導した首脳の戦死と反帝国レジスタンスの蜂起により体制は木星共和国に革まるが、その後もタカ派の反地球連邦意識は根強く、数十年にわたり不安定な政情が続いた。


未来世紀(F.C.)

従来のガンダムシリーズとは違い、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』放送までは全シリーズで唯一「地球<コロニー」の構図で地球の主権はコロニーが握っていた。
これは地球の環境汚染の進行によって各国家群が地上を離れ、国家の中枢をコロニーに移しているためで、各コロニー国家は「コロニー国家連合」を結成し地球の管理権を争い、四年に一度ガンダムファイトを行っている。

コロニーを宇宙へと浮上させる際には地球全土の膨大な電力エネルギーを消費したことで当時の地球では電力不足の発生に伴い多くの人命が失われ、コロニー側も全国民を受け入れることは不可能と見做したため政府高官を中心に移住者の選定を行った結果、全人類の6割が宇宙に居住し、残りの4割が地球に残された。
作中でガンダムファイト開催そのものに賛否があったのも、そもそもの原因のひとつはこの選民政策・それによる格差意識の高まりでもある(それだけではないが)*16

各国家は「ネオ◯◯(それぞれの国家名)」という名称となっており、宇宙に新造されたコロニーと地球上に実在する領土全体を総括して呼称される場合もある。
重力制御システムによって遠心重力の制約から開放されている為、形状は各コロニーで大きく異なり、それぞれの国の(ステレオタイプな)イメージが反映された物になっている。


アフターコロニー(A.C.)

スタンフォード・トーラス」と呼ばれるドーナツ状コロニーが主流。
最初のコロニーが建造されるまでに100年近い年月を要しているが、これは未知の疾病やコロニー関連計画の失敗、紛争による遅れであるとされる。
更にスポンサーである各地上国家間の争いがコロニー間へと波及し、結果一時は宇宙移民事業が衰退しかけた。
しかし石油産業を見限りコロニー開発に注力し始めた中東諸国の仲介で調停が進められ活気を取り戻し、AC100年頃からコロニー建造ラッシュを経て多くのスペースコロニーが建造された。
AC195年頃には安定期となり、各コロニーは協力し膨大な人口を有する一大国家の様相となっているが、連合からの武力制圧を受けていることもあり大きな武力は持っていなかったが、連合やOZに対する一部の反抗勢力がオペレーション・メテオを実行したことで再び戦乱の時代に突入していく。

L1~5でコロニーが建造されているが、地球圏統一連合の設置した宇宙機雷による航路封鎖によって各コロニー間の移動に制限があり、連合による軍事的圧力が長期間加えられてきたこともあり、地球への反抗を企図する者も多い。
またトーラス型の他、MO-Ⅴなど小惑星を利用した工業コロニーも存在する。

ウイングガンダムゼロのツインバスターライフルは「最大出力ではスペースコロニーを一撃で破壊可能なほどの威力を持つ」という設定が存在するが、先述の通りアフターコロニーにおいては全長18キロメートルほどのスタンフォード・トーラスが採用されており、全長42キロメートルを誇る宇宙世紀のシリンダー型コロニーを一撃で破壊可能というのは誤解である。
コロニーよりも巨大な鉱物系の資源衛星を消滅させている描写もある上、全長18キロの構造体を一撃で爆破できる時点でツインバスターライフル…というかそれを曲がりなりにも簡単に移動および運用可能なウイングゼロという機体が危険なことには変わりないが。



アフターウォー(A.W.)

第7次宇宙戦争以前は数多くのスペースコロニー及びコロニー国家が存在していたが、宇宙革命軍が発足した事で、人類史上最悪とも言える戦争に巻き込まれてしまう。

月の裏側にある「クラウド9」を中心に発足した宇宙革命軍は自分達に従わないコロニー国家の住民を悉く虐殺か強制退去させ、第7次宇宙戦争終盤でそれら無人化したコロニーをコロニー落としに利用した(確認できるだけでも数十ものコロニーが落とされている)。
地上はコロニー落としの影響で殆どの国家が機能不全に陥り無法地帯に。地球連邦も大きくダメージを受け新体制の樹立には15年かかっている。

一方で宇宙革命軍の本拠地であるクラウド9周辺の被害は地上に比べれば軽微であり、技術レベルや生活水準は戦中から維持ないしは発展させていた。
しかしながら国力の問題か戦後は表立った行動は起こさずに沈黙。余りに動きがないこととインフラの断絶から地上の人々*19からは、コロニー住人が生きているのかも分からない有様だった。
実際は内密のうちにコロニーレーザーを建造したり地球の機関に諜報員を送り込む等、見えないところでの暗躍は続けていた。
そして戦後15年目にしてコロニーレーザーが完成し、地球をコロニーレーザーで砲撃する「ダリア作戦」が発動されるが、ちょうど宇宙に居た&半ば偶然その計画を知ったガンダムDXのツインサテライトキャノンによる砲撃を受け発射前に破壊された。
革命軍のこの時点での支配者層も最終的にフロスト兄弟が地球軍側の主流派とセットで誅殺、結果的に多数派意見がランスローやジャミル艦長のような穏健派・停戦派に交代することになったため、ダリア作戦を鏑矢とする地球侵攻作戦は頓挫した。


コズミックイラ(C.E.)

毎度おなじみシリンダー(島3号)型コロニーがやはり目立つが、コーディネイターが中心となってL5に新世代型コロニー「プラント」が建造された。
初期に建造されたプラントの都市は全部で12個あり、各都市のコロニーは10基。なお、それぞれの都市名は月の名前が採用されている。
例えば、首都であるアプリリウス市は4月、ユニウス市は6月のこと。
『SEED DESTINY』で新しく建造された工業コロニー「アーモリーワン」はL4に位置している。

プラントはコーディネイターの拠り所としてだけでなく、様々な先端技術を生み出す重要な工業地帯としての側面も持つが、プラントの運営に関してはコロニー建設等に出資した地球の理事国が手綱を握っており、彼らから大きな縛りを受けることになった。
特に生存に欠かせない食料に関しては、プラントでの独自生産に大幅な規制、穀物に至っては生産禁止が徹底され理事国からの輸入に100%頼らざるを得ないという状態にされてしまった。
また、この頃からブルーコスモスを筆頭に先鋭化した一部の者たちが、単なる排斥運動に留まらず、
コーディネイターに関連する個人・組織・施設に対する暗殺やテロなどの凶行を巻き起こすようになっていた。
当然プラントも格好の標的となったが、理事国に非武装を義務付けられていたために対抗手段を持てず、その脅威に曝され続ける事態に。

これらの状況への不満は長らくあったコーディネイター排斥に対する反発と合わせ、コーディネイターたちの理事国への反発や反ナチュラル思想を生む源泉となり、
C.E.50にプラントの自治権と貿易自主権獲得を目指す政治結社黄道同盟が誕生。
当然のように理事国はこれらの運動を弾圧したが、黄道同盟は密かに存続し、その勢力を増していった。

更に最初のコーディネイターでもあるジョージ・グレン暗殺事件やS2型インフルエンザ流行等で複数の要因が重なったことでプラントと理事国(地球)の溝は益々深まり、プラント地球」≒「コーディネイター対ナチュラル」という地球圏を二分した対立の図式が出来上がり、プラントは軍事組織「ザフト(Z.A.F.T.)」、地球サイドはテロで首脳陣が壊滅した国連に代わり「地球連合」を組織して泥沼の戦争を繰り広げることとなる。

歴代シリーズでもコロニー(特にプラント)への被害規模が大きく、C.E.70年に農業コロニー「ユニウスセブン」核攻撃で破壊される「血のバレンタインが発生。
更にその残骸もC.E.73年にザフト過激派によって地球にユニウスセブンの残骸を投下する「ブレイク・ザ・ワールドに使われ、数多くの死者を出すこととなった。
またC.E.74年にもプラントを構成するディセンベル市とヤヌアリウス市のコロニーがレクイエムの直撃を受け多数の犠牲者を出している
劇中以前にも過激派テロによるバイオハザードでコロニーが廃棄されるといった事件も起きている。

このようにこの世界でのスペースコロニーは普通の人間であるナチュラルとコーディネイターの住み分けとして機能しているが、中立国であるオーブの「ヘリオポリス」など、ナチュラルとコーディネイターが共存しているケースもある。



西暦(A.D.)

コロニー開発は発展途上で本格的な宇宙移民は行われておらず、小型のバナール球型コロニーが十数機ほど建設されたぐらいである。この理由から刹那たちメイン格のガンダムマイスター、あるいは彼らと直接接しながらCBのミッションに携わるスタッフたちの(宇宙における)拠点もあくまでも航宙機能があるMS母艦、プトレマイオス/同Ⅱとなっている*23
コロニーも居住地というよりは実験施設や生産工場的な扱いが強く、無重力空間や高重力環境で精製可能な材質の生産を行っている。
ソレスタルビーイングも比較的監視の薄いL3のコロニー「クルンテープ」に秘密工廠を所有しており、第2、第3世代のガンダムはここで建造された。

一方宇宙開発で他国にリードを取ろうとしていたユニオンは積極的にコロニーの材料となる資源衛星確保のため火星付近のアステロイドベルトで宇宙労働者を作業させていたが過酷な労働環境故に犠牲者が続出、その不満が蓄積し労働階級を中心としたテロが誘発。
中でも犠牲者の1人「ロバーク・スタッド」の息子はテロリストに転向。やり手の傭兵でも手を焼くほど腕の立つ少年テロリストだったという。

コロニー内の戦闘は厳禁となっているが、人革連はこの条約を悪用して「超人機関技術研究所」をL3のコロニー「全球」に設置していたが、1stにてガンダムキュリオスの介入を受け施設は破壊された。

地球連邦発足後は民間人の移住も始まっているが、その実態は紛争が根絶されない中東地域の住民を中心に強制的にコロニーに移住させて不穏分子を一掃というとんでもないダストシュート政策となっており、ヴェーダを利用した情報統制により実情を知らない先進国の一般市民が完全にスルーしている情勢も暴挙同然の弾圧に拍車を掛けていた。

西暦2314年の新政権発足後はそれなりに改善がされており宇宙労働者の数も増えているが、コロニー公社は中東政策で無理矢理コロニーに隔離された人々を重要な労働力として確保したい思惑があり、帰還希望者が多数存在するにも関わらず高額な給与で拘束する問題が起こっていた。


アドバンスドジェネレーション(A.G.)

宇宙世紀と同じくシリンダー型のコロニーが登場。
大きさは全長約25キロ、直径約6キロで、回転速度は0.50rpmとされ、時刻の基準にはグリニッジ標準時が使用される。

土壌はナノマシンにより改良されており植物には遺伝子改良が施されているものの、居住可能な人数には限界があり人口密度は低く保たれている為、他のコロニーからの難民は歓迎されない傾向が強い。
コロニー住民は他のコロニーの出来事に無関心であることが多く、天使の落日でコロニー「エンジェル」がUEに破壊されても危機感を持つ住民はほとんどいなかった。

本編より100年以上前にはコロニー数の増加が切っ掛けとなり、コロニー間で地球の覇権を賭けた戦争「コロニー国家間戦争」が発生している。

リギルド・センチュリー(R.C.)

宇宙世紀の遙か未来ではあるが、絶滅戦争の果てに人口そのものが激減しており、勿論スペース・コロニーの数も激減している。

キャピタル・タワーという軌道エレベータの駅としてナットが登場。直径1.3kmの輪っかで中央をキャピタル・タワーが通過する。設定上は144基もある。劇場版ではナット一つ一つに絵が書かれて差別化されている。
宇宙世紀末期に絶滅戦争まで起こしてしまった戒めと地球環境の保全として、R.C.では地球上での工業活動は禁止とされており工業製品はこのナットで生産しクラウンに載せてキャピタル・タワーで輸送している。
ナットの中には居住区としての街や農園なども存在する。

そのキャピタル・タワーの終点がザンクト・ポルトであり、ここでフォトン・バッテリーの積み下ろしを行う。ザンクト・ポルトはスコード教にとっては最大の聖域とされている厳かな場所である。


ポスト・ディザスター(P.D.)

コロニーは各経済圏の統治下にあり、コロニー自体も経済圏傘下の企業の所有物となっている。
労働環境の問題から現地労働者と経済圏との間で軋轢が生まれており、貧富の差も激しく労働者居住区にはスラムも存在している。

コロニーの形状はシリンダー型が主流だが、スマホアプリ『ウルズハント』に登場する金星圏内のコロニーはフローティング・コロニーと呼ばれる独自の構造となっている。

なお、劇中では外伝、スピンオフ作品も含めて金星〜地球〜木星で開拓が行われて人類の生活圏が広がっており、『ウルズハント』では土星方面の開拓作業も行われていることが語られているが、地球圏より外は辺境扱いされているため、コロニーは地球圏に集中している。


アド・ステラ(A.S.)

フロント」の名称で登場。
企業が宇宙進出した結果、地球と宇宙での貧富の差が深刻化している世界である。
地球は各フロントに属する企業達の代理戦争の場として扱われ、絶えない紛争の中で宇宙からMSなどを買わざるを得ない状況になっている。

フロントは他作品のような巨大な人工物ではなく、小惑星を基部として建造されている。
アスティカシア高等専門学園はフロントそのものを巨大な教育施設として用いている。
電力はパーメットを利用した発電システムが使われており、全電源喪失を防ぐために発電系統と蓄電系統が複数存在する。
内部に植生している植物も防虫・防腐対策のための遺伝子操作が施されている他、人工重力の大きさは地球と同じ1Gで、各フロント居住者は宇宙生まれが大半でありながら無重力や弱重力による筋萎縮や骨量減少に苦しむ事なく、生涯にわたって宇宙で生活が可能になった。

フロントの管理はAIによって行われ、インフラロボットとしてハロが導入されている。

◆ガンダムブレイカーシリーズ

3』DLCにて実用化されていることが明示された。また同作本編での宇宙ステーションも「MSが最初から実在する作品」のに比べるとかなり簡易的なものではあるが、ガンダム世界観におけるスペースコロニーと呼んで差し支えないであろう。
こちらではさすがにというか戦乱とは無縁の施設で、少なくとも『3』から30年後となる同作DLC最終話では実物のモビルスーツのチャーターが行えるなど「ガンダムシリーズの設定を再現する」というニュアンスもある程度持たされているようだ。

『3』は後の『バトローグ』『モバイル』『4』とも世界観を共有*27しているが、『4』時点ではスペースコロニーについては特に言及されていない。
『3』開始時点で軌道エレベーターが実用化されているほどに発達した世界観だが、『4』から数えても『3』DLCラストはあと24年くらい未来のため、4時点ではまだ完成していないとも考えられる。


【コロニー以外の宇宙居住区】

月(月面)

  • 宇宙世紀(U.C.)

  • アフターコロニー(A.C.)
月面のクレーター群を中心に建設されている軍事拠点。
月面に表出している設備は港湾の出入口と採光窓・プラント上層のみであり、MS工場や居住区画などの施設の大部分は宇宙世紀におけるフォン・ブラウン市のように地下に深く広く存在し、月に埋蔵された豊富な資源と巨大な技術力と生産力を利して、新型MSやMDの開発や量産が行われた。
ガンダム開発者はこの基地に幽閉されていたが、ヴァイエイトとメリクリウスを開発したほか、監視を逃れながら下層部エリアで大破状態のデスサイズとシェンロンを周囲の強化改修していた。

  • アフターウォー(A.W.)
第7次宇宙戦争期に旧連邦軍が月面に建設した最重要施設。
サテライトシステム」認証及び登録した機体の位置確認・追尾システム、マイクロウェーブ送信施設とそれを囲む多数の太陽光電池パネル、D.O.M.E.で構成されており、自動迎撃システムとして多数のマイクロウェーブGビットが配備されている。
施設周辺にはこれまで当施設を占拠しようとして撃退された者たちが運用していたと思しき兵器の残骸が散乱している。

ディアナ・ソレルたちムーンレィスの住む月面国家群の首都である月面都市「ゲンガナム」が登場。人口は2千万人ほど。
場所は月の裏側だが実はかつての月面都市グラナダとほぼ同じ場所であり、都市そのものはグラナダを改造したものだとか…。
月面都市と言っても都市は月の地下に作られており、地下の浅い部分に造られた運河のドームで結ばれている。地球と同じ24時間周期で照明が調節され、地球から様々な生物が持ち込まれるなど地球環境に似せた雰囲気を作っており、運河には小型の鯨も生息している。
一般市民達は最下層にある都市で生活しており、資源の節約のためにコールドスリープにより人口増加を防いでいる。

連合軍基地としてプトレマイオス基地、アルザッヘル基地、ダイダロス基地、エンデュミオン基地が存在する。
いずれも大型の基地だが「SEED」本編前にエンデュミオン基地が自爆、「SEED」終盤でプトレマイオス基地が壊滅する
「DESTINY」ではダイダロス基地が攻撃を受けザフトに制圧され制圧したザフト(というよりデュランダル)によって発射されたレクイエムによってアルザッヘル基地が壊滅、その後またダイダロス基地が最終決戦で攻撃を受け∞ジャスティスガンダムアカツキの攻撃でレクイエムが大破。
「FREEDOM」ではファウンデーションによりダイダロス基地がレクイエムごと修復されるもゼウスシルエットを装備したデスティニーの砲撃で壊滅...とほぼすべての月面基地が最低1回は壊滅している。
一方エンデュミオン基地は「FREEDOM」で再建されておりC.E.75年の連合軍基地としては唯一の月面基地となっている。

基地以外ではコペルニクスという中立の月面都市もあり、幼少期のキラとアスランが住み、友達になったのもこの場所。
『SEED』ではキラらの回想で僅かな描写があったのみだが、『DESTINY』ではアークエンジェルが情報収集の為に現地を訪れ、地球と変わらない街並みが作られている様子が描かれている。
またこの時ラクスはミーア・キャンベルと初めて対面する。


◆火星

  • 宇宙世紀(U.C.)
宇宙世紀改暦以前から開拓地として注目されていたが、コロニーの開発成功に加え、木星やアステロイドベルトと比較しての経済的アドバンテージの低さから辺境として認識されている。
大気の改善が行われていない為、都市は「ラッピング構造体」と呼ばれる規格を採用しており、市外へはエアロックを介して移動する。

一年戦争後はジオン共和国による資本導入が行われているが、火星に流れ着いたジオン残党やティターンズ残党、オールズモビルが様々な形で暗躍している。

  • アフターコロニー(A.C.)
テラフォーミングが行われた事で人類の居住地としての地位を確立。
急激な老化現象を引き起こす風土病の存在など、過酷な環境である事には変わりないが、複数の国家が樹立し、それらを統括する火星連邦政府が成立した事でアフターコロニーとは別の歴号であるマーズセンチュリーを採用している。
また、火星圏ではモビルスーツとは異なるカテゴリーの人型兵器としてマーズスーツが運用されている。

  • コズミック・イラ(C.E.)
C.E.70年代初期にレアメタル採掘を目的に築かれた人類最大規模かつ最も地球から離れたコロニー群としてマーズコロニー群が存在。
地球・火星間では年に一度の定期便が行き来しており、プラント及びDSSDと交易を行っている。火星移民者はマーシャンと呼ばれ、地球圏の人間をテラナーと呼ぶ。

火星圏の開発事業者はナチュラルであるが、数少ない人員で過酷な環境下での開発事業を行う目的で必要な職種に合わせて遺伝子調整されたコーディネイターが現場を担っている。
これはギルバート・デュランダルの提唱するデスティニー・プランに似た社会構造であり、デュランダル本人も興味を示していた。

  • アドバンスド・ジェネレーション(A.G.)
A.G.以前の過去(A.G.115年よりも150年前)に火星移住計画「マーズバースデイ」が持ち上がりテラフォーミングが実行され、試験的に16基のコロニーが建造された。

しかし、マーズレイと呼ばれる磁気嵐とそれに起因する風土病を克服する事ができずに計画は頓挫。
当時の地球連邦高官らは調査不足の責任追及から逃れる為に移民者は全員死亡しと発表し、その際に火星圏に取り残された者たちがヴェイガンとなった。

  • ポスト・ディザスター(P.D.)
テラフォーミングが行われ、地球とほぼ同一の自然環境が構築されている(『ウルズハント』によればテラフォーミングには金星から輸入した二酸化炭素の温室効果が利用されている)。
地球〜火星間にかかる期間はギャラルホルンが管理する正規の航路を使えば片道最短3週間だが、ギャラルホルンに目をつけられたくない民間業者が独自に開拓した裏航路も多数存在する。
厄祭戦後に開催されたマルタ会議によって地球経済圏による分割統治が行われているが、経済回復を目的に結ばれた「EM経済協定」によって実質的な地球圏の植民地として扱われている。
P.D.205年にクリュセが制限付きでアーヴラウから自治権を獲得したが、地球重視の政策の反動から独立運動が活発化しており、クーデリアは火星ハーフメタルの規制開放による経済的自立を促すべく奔走していた。

また圏外圏という事もあり、治安は低く本来非合法である阿頼耶識システムが横行し、ヒューマン・デブリの取り引きも行われている。
一方で、地球圏では忌避されている義手・義足等のサイバネティック技術に対する嫌悪感は希薄になっている。

◆水星

水星の魔女』というタイトルだが、本編で水星が出ることはない
しかし無関係ではなく、『ゆりかごの星』というwebにて公開された短編小説の舞台は他ならず水星である。
太陽系で最も太陽に近く、その距離僅か5791万km*29
地表に大気がほとんど存在していない*30影響で、直射日光を浴びれば血液が沸騰し、逆に日陰ではマイナス100度を超える極寒という、非常に厳しい気候だが、パーメットという情報を伝達できる特殊な金属が唯一採掘できる場所であり、パーメットを技術基盤としているA.S.において水星はパーメット採掘事業で賑わっていた。
しかしながらパーメットが月でも採掘できると分かると採掘業者は居なくなり、水星には老人とかつて使われた設備のみが残された。
幼いスレッタが生まれ育った土地であり、スレッタの夢は水星に学校を作ること。
スレッタは水星の周回軌道に浮かぶ軌道基地「ペビ・コロンボ*3123」で生活していたが、太陽の重力の影響で周回軌道に基地を留めるのも一苦労な上に、荷電粒子で電子機器の誤作動が絶えない過酷極まり無い環境にあった。










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最終更新:2025年04月13日 19:55

*1 コロニー外壁の外側に設けられた軌道に沿って走る懸垂式モノレールのような形態

*2 放映当時に実在していた国家の影響で設立された、という設定が登場したことは『ΖΖ』アフリカ系の反連邦組織や『SEEDシリーズ』南アメリカ独立戦争の設定にフジヤマ社、オーブ出身の人の名前が日本名の場合がある(わかりやすいのはシンたちアスカ一家。国家としてのオーブが日本列島に所在するわけではないが)があるが、コロニー自体が事実上「実在する国家」と同一なのはさすがに唯一

*3 C.E.ではプラントに出資した理事国がプラントの生命線を握り、プラントの反抗を防ぐべく食糧生産を禁じていた。様々な事件とその交渉決裂の末に無断で食料生産を開始したプラントに対して、「いきなりコロニーを中の人諸共破壊する」を選択した連合が適切だったかはまた別ではあるが

*4 小説版Ζガンダム等ではこのような設定だが、マリン・ハイザックにはシロナガスクジラの生態調査に使われたという設定が存在するので本当に絶滅しているかどうかは不明。

*5 この時代の残党は『F90無印』オールズモビルのような「明確な反連邦の武装組織」でなければ事実上完全な市民権を認められるため、むしろ捕捉できていない方が地球連邦側の規定上問題となる。こういう残党コミュニティの存在を悪用していたっぽいのがガレムソンの娯楽としての残党狩り

*6 工場自体は普通に存在することが多い

*7 実際劇中でも引き抜きの際にコロニーのシャフトがコアに引っかかってしまい、現地基地司令の捨て身の特攻がなければ失敗していた。

*8 コロニー落としですら完全に原型を留めたり、途中で爆発して破片が散るといった描写がなかったため、相当に頑丈な素材&構造物と推定される。

*9 先述した『シルエットフォーミュラ』レイラやジオン系の生まれの仲間たち、『SEED ASTRAY』蘊・奥など

*10 ※当時シドニーのコロニー湾の設定はまだ無かった。現在は「そもそも四季以前にどこがシドニーかすらバーニィは知らなかった」と解釈されることも多い

*11 小惑星を基部に居住区を建造している「水星の魔女」のフロントの前進とも言える。

*12機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の映像特典「宇宙世紀余話」では開放型コロニーは全長42キロメートル、直径6.4キロメートル、最大収容人口3千万人としている他、『機動戦士ガンダムΖΖ』第1話冒頭のナレーションでは、最初に建造された大型コロニーでは4千万人近い人々が暮らし始めたとしている。

*13 ZZ小説版でアーガマが入港自体を拒まれたり支援をろくにされなかったのは正規料金では無く賄賂を十分に払わなかったためであり、政治的理由でエゥーゴやアーガマを嫌っていたわけではないとのこと。実際、エンドラ隊は賄賂含めて大金を支払ったのでかなり融通を効かせてもらっていた。

*14 アイナ・サハリンと1度目に遭難状況下で出会うまではかなりガチ目の反ジオン主義者であり、媒体によっては実際にジオン兵たるアイナに対してもこの時の恨み節をぶつけている

*15 小説版ではグリュプとも。

*16 というか作中でも言及されるように、そもそもMFが取っ組み合いをする時点で「破壊行為」と解釈されかねないという面も強い

*17 あちら側に携わる人からも明確に「分派が独立した競技・格闘術となった」と扱われているブラジリアン柔術のようなものか?

*18 大亀に乗った4頭の象が支える雪山がそびえ立つ大地。

*19 ……というより同じ地球上でも隣国ぐらいしか細かな情勢は分からない有様だった。そのため作中急激に復権した連邦(通称新連邦)によってようやく世界情勢が分かるようになってきた。そんな経緯なので戦時中に作戦で地球に降下した宇宙革命軍人も本国との連絡は途絶していた。

*20 今のところ「実際に軌道エレベーターとしての運用を開始している」描写がある作品は出ていないが、紛争続きで頓挫or延期したのか、それとも元から『FREEDOM』の時期には宇宙ステーション運用のつもりのロードマップになっているのかは不明。

*21 ロウは「この人はギナである(そもそもミナの存在自体を知らない)、改心しただけ」と解釈しているようだが、後の方の作品だとそのあたりを分かっているような受け答えをしている時もあり不詳

*22 作中では「ライセンス生産権の買い取りを提案し、ロウも納入より得だからで受諾する」までであり、実際に「武器」なのが明らかになってしまっているシーンまでは描かれていない。あるいは自動車の他社OEMのように名称を変えて「別物」と言い訳しているとかであろうか?

*23 それでもひとりひとりに艦内でもそれなりのプライベートな時間がある、艦をいったん降りての休暇が貰えているらしき描写が入るなど、「艦内にいるので働きづめ」ではないことは明示されている。あの堅物・クソ真面目・悪い意味でヴェーダの端末でしかないな初期ティエリアですら私服らしき装いで出てきたことがあり、少なくともある程度のファッション関係の余暇は艦内でもできる可能性もある。…決して「自室だとしても全裸は閉鎖空間・職場でのモラルとしてアウト」という理由だけではないはず

*24 実際に一定の解決・妥協案締結を見てからは、彼らはディーヴァ隊の客将・傭兵も務めている

*25 小説版では新造のコロニーで人口も少ないことから受け入れ先に選ばれたとされる。数少ないコロニーの難民問題を解決した一例ではあるが、前述のように都合良くあるわけではない。

*26 一応「レコンギスタ」政策自体はドレット家の独断ではなく民意を強く反映したものである。

*27 時系列は3→バトローグ・モバイル→4→3DLC

*28 基地がクサナギのローエングリンで攻撃を受けるシーンでテロップに「地球連合軍 ダイダロス基地」と書かれている

*29 地球と太陽間が平均1億4960万km

*30 かつては大気が存在していない物だと考えられていたのだが、2022年現在では研究の結果、極僅かだが水素やヘリウムなどの大気が存在している事が明らかになっている。

*31 BとPが反転しているが、2018年に打ち上げられた日欧合同の水星探査機が由来か。そのベピ・コロンボはイタリアの天文学者ジュゼッペ・”ベピ”・コロンボに因む。