ゾゾ(FF6)

登録日:2022/08/13 Sat 06:10:50 ※2秒サバ読んでるけどご容赦ください
更新日:2022/08/27 Sat 14:48:30
所要時間:約 3 分で読めます……うそです。ホントは約 26 分で読めます。




こんな晴れた日に何の用だ?
ワシは裏表のない人間じゃ。
親切心も強いからこの町のことを包み隠さず教えてやろう。





ゾゾは、ゲーム「FINAL FANTASY Ⅵ」に登場する町である。


【概要】

ゾゾは、どこにでもあるようなごくありふれた町じゃ。
いつも上天気で、雨が降ったのを見たこともないようなところじゃぞ。

町並みも普通だし、宿屋も道具屋もやっておる。
建物がごちゃごちゃしてないから、窓から窓へ飛び移る奴なんかおらんぞ。



【ストーリーでの登場】

ん?こんな感じの女の子を見なかったか? ……光に包まれてこっちのほうに飛んできたって?
いや、知らないな。この町にいるのは素性のはっきりした人間ばかりだ。
よそ者が入り込んで身を隠して暮らしているなんて、まずありえんだろう。
人探しだったら、別の場所をあたったほうがいいんじゃないのか?

それに、人が空を飛ぶなんて、そんなことあるわけないじゃろ。



【町の人たち】

町の人間は皆正直者だよ。話を聞いてみればわかるだろうさ。

モンスター?見たことないな。
いきなり殴りかかってきたり、刃物を投げつけたり、魔法で殺したりする連中なんているはずがないわい。
ましてや階段の踊り場でケンカをふっかけてくる奴など絶対におらんぞ。

あとそれから、近くの山に追い剥ぎとか手癖の悪い熊とか、ござる口調のオッサンが出るなんてこともないぞ。
ましてやずっと昔のものすごく強いモンスターなんか封印されてないぞ。本当だぞ。




















   *   *
 *   + ここはデンジャーだぜ!気をつけな ……っと、
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *




となりのビルに飛び移ろうなんてバカな考えはよしな。
〜町の人A


ここの人間は皆正直者さ
〜町の人B


ゾゾ街?知らねーよ!
〜町の人C







気を取り直して、ゾゾは、ゲーム「FINAL FANTASY Ⅵ」に登場する町(?)である。






【真の概要】

世界地図上で西にある大陸に存在する。
もう少し詳しくいうと、同大陸の中心的な町であるジドールからみて、北東の山あいにある。

ゾゾは、はっきり言ってしまうとスラムとかスラム街とか貧民街とか貧民窟とか呼ばれるようなところである。
ジドールは裕福な貴族や大商人が居を構えるところであり*1、そこからあぶれた貧困層の人々がゾゾに集まって暮らしているのだ。
ゆえに、ジドールの人々からは、ゾゾは浮浪者や犯罪者がはびこる治安の悪い場所だとみなされている。

実際に足を踏み入れてみると、薄汚れたビルがひしめき合うように乱立し、ごみごみしている。
いつ訪れても空は真っ暗で雨が降りしきっており、いかにも荒んで油断ならない雰囲気が全面にかもし出されている。
逆にいつ行っても明るく晴れやかな姿しかない他の町もどうかと思うけど

土地柄ゆえに住人も一筋縄ではいかない連中ぞろいのようで、ほとんどの者が息をするように嘘をつく。
酒場や宿屋や道具屋の看板を掲げている建物もあるが、入ってみてもサービスを提供してくれる人間はいない。
スラム街なんだから酒場に集まらなくても路上で飲んだくれるのが普通だし寝床も路上だし道具はどっかからかっぱらってくればいいんだよね?(偏見)
そして、路傍や建物の中で当たり前のように敵が襲ってくる

ようするに、町の体裁をしただけの立派なダンジョンである。



【ストーリーでのもっと濃厚な登場】

上記の通り、ゾゾはどうひいき目に見ても好んで訪れたいようなところではない。
だが、そんな場所でも足を踏み入れなければならない事情がある。

最初にゾゾが目的地となるのは、ナルシェの幻獣防衛戦が終わってからである。
氷漬けの幻獣を狙って攻め込んできた帝国軍を撃退した後、ティナはそれの前に立ち、対話を試みた。
だが、ティナは幻獣と共鳴を起こして自らも幻獣のような姿に変化し、光に包まれて西の方角へ飛び去ってしまった。
残された仲間たちはこれを追って西の大陸に向かい、ジドールやゾゾを探し回ることになる。

ゾゾでならず者や殊更に胡乱なオッサンの襲撃を退けたパーティーは、ついにあるビルの最上階でティナを発見する。
ティナは幻獣のような姿のままでベッドに横たわっており、傍らには長いひげをたくわえた老人がいた。
ラムウと名乗ったその老人は、幻獣であるという。

ラムウによると、帝国の魔導研究所には多くの幻獣が捕らわれており、魔力を吸い出されて利用されているのだという。
少数が幸運にも研究所から逃げ出すことができ、ゾゾに隠れ住んでいたが、帝国による魔力の抽出は彼らの命を大きく縮めており、ラムウ以外はすでに死んでしまっていた。
そんなときティナが飛来し、これを落ち着かせて人目を避けていたところにパーティーの面々がティナを探しにきた、という次第である。

そして、ラムウの命ももはや尽きかけていた。
ラムウは魔石――幻獣が死ぬときに力のみを残したもの――となり、先に死んだ仲間の幻獣とともに力を貸すという。
そこまで話すと、ラムウは自ら放った雷によって命を絶った。

かくして一行は、帝国に捕らわれた幻獣の中にティナの正体を知っているかもしれないというラムウからの情報を頼りに、幻獣たちの救出を次の目的とする。
海を越え、魔導研究所がある帝国首都に乗り込むには、飛空艇を持つ男の助けが要るだろう。


その後はストーリーの本筋には絡んでこないが、世界崩壊後に再びゾゾを訪れる機会がやってくる。
地図が変わってしまうほどの大災厄に見舞われても町の面々は相変わらずなのだが、ある建物のサビついた扉を開けることができるようになっている。
町の人から購入できるサビトレールを使用して扉を開くと、そこは山道だった。

山中では相変わらず追い剝ぎのような連中にあと追い剝ぎのような野生動物にも襲われるが、奥の方に分け入っていくと誰かが暮らしている形跡がある。
机の上に広げられたござる口調の書きかけの手紙、色とりどりの造花、鍵のかかった箱。
さらに奥に進むとこの住居の主と対面することになる。それは、かつての仲間であるカイエンだった。

机の上にあった手紙は、マランダの町に住むローラという女性に宛てて、すでにこの世の人ではない彼女の恋人の名前で書かれていた。
カイエンは、大切な人を亡くした彼女を不憫に思い、恋人のふりをして手紙や造花を送り続けていたのだ*2
しかし、カイエンのその行動はローラにとっても自分自身にとっても、現実から目を背けて優しい嘘をついて生きることに他ならなかった。
仲間と再会したカイエンは前を向いて進むことを決意し、再びパーティに加入する。

なお、カイエン再加入後に彼が立っていた場所を調べると、箱の鍵が落ちている。
これを使って箱を解錠したところ、中身はなんと……何冊かの機械の本、そしてちょっとエッチな本であった。



【町の人たちのホントのところ】

モンスター……もとい、ちょっとガラの悪い人たち

  • ヒルギガース
FF1FF2から久方ぶりに登場した丘巨人。
ドット絵はこれまでのボス格の敵とくらべても文字通り頭ひとつふたつ分は大きく、迫力がすごい。
巨体ゆえにか建物内では出現せず、屋外のエリアでのみ遭遇する。
スラム街に出てくるデカブツの敵だからといってアンドレってわけじゃないぞ。FFはFFだけど。

攻撃パターンは通常攻撃の他はダメージの大きい「ずつき」を使用する。
また、死に際に地属性全体攻撃の「マグニチュード8」を使ってくることがある。順当なゾゾ初訪問時のレベルでは全滅級の被害が出る。
混乱させてMPを切れさせるという抜け道に至れば安全だが、できない場合は逃げるのも視野に。
レア枠できょじんのこてが盗める。

地属性を吸収する。毒属性が弱点。

  • ヴァイス
袋をかついで鎌のようなものを手にした、盗賊のような風貌の敵。
攻撃パターンが多彩で、通常攻撃のほかダメージ大きめの「シックル」を使ったり、ハイポーションで回復したり、ミスリルナイフを投げてきたりする。
FF6には武器を投げつけてくる敵がけっこういるのだが、たいていのプレイヤーにとってはこいつが初めて出会う武器投げの使い手である。

また、プレイヤーキャラ側の「ぬすむ」に対するカウンターとして、パーティーの所持金を盗んでくる*3
なのでプレイヤーキャラ「ぬすむ」→ヴァイス所持金盗み→プレイヤーキャラ逃走、とすると結果的にアイテムをギルで買ったのと同じことになる。
ちなみにSFC版などでは所持金盗みはプレイヤーキャラの「ぬすむ」が成功したとき1回だけの行動なのだが、ピクセルリマスター版では「ぬすむ」に対して何度でも所持金盗みを繰り出してくる。
ゆえに、ネコ耳フード装備のリルムを連れてヴァイスにお金を何度も盗ませてから倒すことで簡単にギルを増やすことができる。
また、コイツはレア枠でりゅうきしのくつが盗める。
確率は低いが売れば4500ギルと崩壊前時点では高額な部類に入るので、余裕があれば盗んでおきたいところ。

毒属性が弱点。

  • ガブルデガック
スパナを手にした整備員のような風貌の敵。前作FF5ではゴブリン族の最上位種だった。
ダメージ大きめ物理攻撃の「ゴールデンスパナ」に加えて、バニシュの魔法で他の敵1体を透明にしてしまう。
なお、混乱させればプレイヤーキャラにバニシュをかけてくれる。この辺りは敵の攻撃が物理攻撃に偏っているため透明になれると有利。

毒属性が弱点。

  • ベールダンス
踊り子のような風貌の敵。建物内のエリアでのみ遭遇する。
他の敵がいないときに限り、ファイラ、ブリザラ、サンダラの三属性の魔法を使用する。ほか睡眠効果の「ふしぎなおどり」も使用する。
魔法の単体攻撃は、順当なゾゾ初訪問時のレベルではほぼ即死級の威力がある。低レベル攻略なら魔法の全体攻撃1発で全滅もありうる。
他の敵がいるならベールダンスを先に倒せばよいが、単体で出現して即魔法ブッパ、というパターンも割と頻繫にある強い雑魚

毒属性が弱点。

ちなみに、FF6発売当時、ヴェールダンス(Vert Dense)というアパレルブランドがあった*4

  • モータードライブ
仮面をつけたモンク僧のような敵。
ゾゾでは通常エンカウントすることはなく、後述のダダルマー戦で呼び出されることによってのみ出現する。
混乱の追加効果のある「石つぶて」等の特技を持つが、本来の出現地はジドールへの道程あたり(つまりゾゾからみると一段格落ちした強さ)なのでこれそのものには苦戦はしないだろう。
むしろ低レベルクリアでコイツの経験値を回避するのに工夫が必要になってくる

FF6では人型の敵はたいてい毒属性が弱点だが、この系統は例外でいずれも毒属性を吸収する。

  • ダダルマー
こんな晴れた日に何の用だ?
ワシはマジメな人間じゃ。
ケンカも弱いからすんなりここを通してやろう。

ゾゾ市街で唯一シンボルエンカウントする敵。つまりボスキャラ。
高層ビルの外壁にある階段で待ち構えて(たそがれて?)おり、話しかけると上記のセリフとともに戦闘に突入する。
ムキムキの上半身裸のオッサンが飛び蹴りを放っている見た目をしている。まさに筋肉ダルマ

行動パターンは非常に多彩である。
まず、通常状態では打撃のほか「あしばらい」(単体スリップ効果)、「しょうげきは」(単体魔法系ダメージ)を使うほか、口笛を吹いてモータードライブを呼び寄せる*5
HPが減ると自分にポーションやハイポーションを使ってからプロテスを唱え、回復と防御を図る。
さらに、カウンターに類する行動としては物理ダメージを数回受けると武器*6投げ2連発、魔法ダメージを数回受けるとプレイヤーキャラそれぞれに武器投げ、ジャンプの順に行動する*7

毒属性が弱点。

強さの評価としては、ちょっとイマイチなところがある。
確かに「しょうげきは」や武器投げは威力が高いのだが、HPが3270とそこまで高くなく、即死やストップが通るので、縛りプレイ等でなければ多彩な技をすべて披露する前にやられてしまいがちである。
これゆえに、ネットの一部では彼のことを「ゾゾには珍しい正直者のひとり(すなわち、ケンカが本当に弱い)」とする風潮がある。



その他の人たち

ゾゾには多くの人が住んでいる。
マップに登場するダダルマー以外の住人は話しかけても襲ってくるようなことはないのだが、嘘つきばかりなので情報があやふやである。
町の人に話しかけたときの反応は、一部の例外を除いて世界崩壊前と崩壊後で変わらない。
他の町の人々は崩壊後になるとしゃべる内容ががらりと変わるので、ここの面々からはものすごくマイペースな印象を受ける。

  • サビトレールを売ってくれる人
路上を徘徊している商人のような姿の男。
じつはゾゾでは珍しい正直者であるらしい。
話しかけると「ここはデンジャーだぜ!気をつけな」「となりのビルに飛び移ろうなんてバカな考えはよしな。」と答える。

世界崩壊後にはサビトレールを1000ギルで売ってくれる。
このとき「ゾゾ山のモンスターはすばしっこいから、確実にダメージを与えられる方法を考えておくといい」といったことも話す。
だが、回避率バグがある機種ではゾゾ山の敵は物理攻撃をかわさないので、彼は意図せずして噓つきになってしまっている。

  • 道に倒れている人々
路上に数人のNPCが倒れている。
話しかけると「ここの人間は皆正直者さ」と答える人もいるが、たいていは反応しない。
無反応の人が生きているのか死んでいるのかは不明。
そういう推測の余地も含めて、スラム街らしさを演出する名バイプレイヤーである……かもしれない。

  • 時刻を教えてくれる人々
ある建物の中で列を作っている人々。
話しかけると現在の時刻を教えてくれるのだが、どいつもこいつも言うことがてんでバラバラである。

  • 幽霊
ラムウから魔石を入手した後、町の入口に出現する。外見は魔列車などにいる幽霊と同じ。
話しかけると魔石の使い方を教えてくれる。
嘘を教えられたりはしないので安心してご利用ください。

  • 町の入口にいる人
町の入口にいる盗賊風の男。
話しかけると「ゾゾ街?知らねーよ!」と答える。

それだけ聞くとRPGでよくある「町の名前を入口で教えてくれるNPC」なのだが、じつはコイツ最初に訪れたときにはおらず、魔石を入手して町の入口に戻ってきた時点で初めて登場する。
いちど出現すれば以降いなくなることはない。
普通の町なら最初に出会うであろう人物が、用事*8をあらかた終えた時分になってひょっこり出てくるあたりにこの町の妙がある。

  • ゾゾのガキ
ジドールにいる男のセリフに出てくる。
曰く、たまにゾゾのガキがジドールの町をうろついており、カモを狙っているとのこと。
具体的に何をしているのかは語られないが、スリや置き引きのような犯罪、あるいは押し売り的な行為(靴磨きや道案内を買って出てしつこく対価を要求するみたいな)をしているのだろう。
なお実際にはジドールでもゾゾでもそのような人物に遭遇することはない。

  • ゾゾから来た画家
世界崩壊後に、ジドールのアウザーの屋敷で読める日記で言及されている。
それによると、ゾゾから画家がやってきて作品を見せてもらったが、アウザーの眼鏡にかなう出来ではなかったということである。
一見カオスな世紀末空間にしか見えないゾゾにも、画家という職業が成立する余地があるのだろうか……?


幻獣

  • ラムウ
シリーズでおなじみの、老人の姿をした雷を司る幻獣。
帝国の魔導研究所から逃げ出した後、どうやってかは知らないがゾゾに流れ着いて隠れ住んでいた。
ティナを探して現れたパーティーに、自分の分も含めた魔石を託す。

じつはモグと交流があり、夢の中でモグに人間の言葉を教えたりティナの力になるよう話していたらしい。

  • キリン、ケットシー、セイレーン
ラムウと一緒に魔導研究所から逃げ出した幻獣たち。
いずれも既に死んでしまっており、魔石の姿で登場する。


ゾゾ山のモンスター……じゃなかった、山で会える人や動物たち

  • グラシャラボラス
ヒルギガースの色違いである巨人。
建物の中には出現しなかったヒルギガースとは異なり、コイツは山中の洞窟のエリアでも遭遇する。

攻撃は通常打撃の5倍の威力がある「みぎアッパー」が強烈。
巨大な見た目だが回避率が高く、回避率バグが修正されている機種ではデカブツのくせに攻撃をヒョイヒョイかわしてくる。
レア枠でマッスルベルトが盗めるが、通常枠のハイポーションの存在がこちらを苦しめる。

毒属性が弱点。

  • パニッシャー
ヴァイスの色違いである盗賊のような敵。
回避率が高く、常時ヘイスト状態であるため高速で攻撃してくる。
単体に連続でダメージを与える「ふくろだたき」を使ってくる。ポケモンのふくろだたきのように一緒にいる敵同士で協力して攻撃するのではなく、単体による連続攻撃。
プレイヤーキャラの「ぬすむ」に反応して所持金を盗んでくるカウンターも健在。

毒属性が弱点。

ガウの「あばれる」で選ぶとサンダガを使える上に常時ヘイスト状態も引き継ぐため、雷属性の攻撃手段としては頭一つ抜けて優秀である。

  • オリエントデビル
モータードライブの色違いであるモンク僧のような敵。
回避率が高く、パニッシャーと同じく常時ヘイスト状態である。
ダメージの大きい「とびだしナイフ」を使ってくることがある。
男なら拳ひとつで勝負せんかい!

人型の敵だが毒属性を吸収する。

  • ルリダン
ピラミッドのような甲殻を背負った昆虫のような敵。
防御力が非常に高い。
ダメージ大きめの「つの」攻撃のほか、複数の敵の状態異常を回復する「しんりんよく」*9やヘイスガと同じ効果の「ミーアキャット」*10を繰り出してくる、妙に多芸な昆虫である。
屋外のエリアで6体が円形のフォーメーションを組んで登場する姿が印象的。

炎と風の属性が弱点なので、これらの魔法による攻撃がよく効く。

  • ストールンベア
自然豊かな山中では珍しくないだろう、何の変哲もない熊。
だがその実態は、初手でパーティーの所持金を盗んでそのまま逃走するという、恐るべき手癖の悪さと逃げ足の速さを兼ね備えた曲者オブ曲者。
見た目は本当にただの熊なのに、ひたすらにお金だけを狙ってくるそのありさまはやたらと強いインパクトがあり、プレイヤーからはゾゾ山を象徴するモンスターとして扱われている節がある。

逃げられる前に倒せば盗まれたお金は返ってくる。
ついでに言うと所持金盗みと逃走を両立しているのはコイツだけ
ネコ耳フードリルムがいれば被害額が倍になって戻ってくるので金策としても活用できるが、所持金を盗まれてから逃げられる前に倒さねばならず、相応の攻撃力が求められる。

炎属性が弱点。物理攻撃の回避率も高いので魔法を使ったほうがよさそうである。

  • ストームドラゴン
宝箱の中から出現するドラゴン。
正確には、近くにあるスイッチを踏むと宝箱が開き、そこから出てきたドラゴンのシンボルに接触することで戦闘に突入する。
見た目は魔大陸にいたプラチナドラゴンに酷似しているが、細部の色合いが違うらしい。

その正体は風の属性を持つ伝説の八竜の一体どうしてスイッチで開く箱の中に入っていたのかは謎
しかも、ストーリーの展開上八竜の中でも一番目か二番目くらいに遭遇する可能性がありながら、一、二を争う強敵である。

攻撃パターンは、最初は通常攻撃のほかに全体攻撃の「かまいたち」「このはらんぶ」を使用する。
HPがある程度減ると特殊攻撃のラインナップが変化し、風属性全体魔法攻撃「エアロガ」、単体に通常攻撃の3倍ダメージ「ウイングセーバー」、全体に現HPの15/16のダメージを与える「だいせんぷう」を使うようになる。

やってくることは基本的にはダメージ攻撃によるゴリ押しに過ぎないのだが、素早い動きから全体攻撃を連発されて回復が追い付かずに全滅、といった流れになりやすい。
ストームドラゴン自体が悪性の状態異常にほぼ完璧な耐性があり攻撃を制限できないこと、風属性への耐性は得難いこと*11も対応の難しさに拍車をかけている。
また「このはらんぶ」はじつは風属性ではなく無属性*12。低レベル攻略では使われれば全滅確定とまで言われて恐れられている。

風属性を吸収する。雷属性が弱点。
倒すと必ずフォースアーマーをドロップする。

なお、スイッチを踏んで宝箱を開くとドラゴンが高速で部屋の中を飛び回るのだが、ドラゴンのシンボルの巡回ルート上にセーブポイントがある
ストームドラゴンを開放してから同じ部屋でセーブしてしまうと、メニューを閉じたりゲームを再開した直後に戦闘に突入する可能性があるので注意。
それにしても、宝箱から出てくる強豪のドラゴンというあたり、前作のアイツを意識しているのだろうか。



【特産品】

  • かいてんのこぎり
エドガーが「きかい」コマンドで使用できる機械のひとつ。
戦闘中に使用すると敵単体に防御力無視のダメージを与えるほか、ときどき即死攻撃を行う。
単純な攻撃力は「きかい」の中でぶっちぎりのトップなのだが、耐性のある敵に対して即死攻撃が出ると即死もさせられないしまったくダメージを与えられないので、攻撃の確実性としてはやや難がある。
なお即死攻撃ではエドガーがホッケーマスクを被って敵に突っ込む。それにしてもこの王様、ノリノリである。

そんな癖のある使い勝手とちょっとした遊び心を兼ね備えたかいてんのこぎりは、入手方法もまた独特である。
その方法はというと、ゾゾのどこかにある止まった時計を正しい時刻に合わせるというもの。
正しい時刻に合わせられればなぜか壁がスライドしてかいてんのこぎりへの道が開かれる。
時刻が正しくないと「時計は無情に時を刻み続ける……」と意味深なナレーションが流れる。

そういうことなら、では正しい時刻はどこで知ることができるのか、という話になってくる。
確かに、町の中には時刻について話している人たちはたくさんいる。
いるのだが、どいつもこいつも言うことがてんでバラバラで、正しい時刻を特定するヒントにはなりそうもない。

だがしかし、「ゾゾの住人はだいたいみんな嘘つき」という前提で彼らの発言を考えてみると、また違ったものが見えてくる。
町の人々は嘘をついている。なので、彼らの言っている時刻は正しくない。
……つまり、町の人たちそれぞれが話しているどの条件にも合致しない時刻が正しい時刻、ということなのだ。
すべての条件を考慮していくと、最終的に時刻の候補は2つか3つくらいに絞り込める。
そこまでくれば、かいてんのこぎりはもはや手中にあるも同然だ。

住人が総出で子供向けのパズルみたいなことをしているのはなぜなのか、という点は謎。本当に謎。

  • バーニンナックル
マッシュが装備できる爪系の武器のひとつ。
炎属性を持ち、直接攻撃の追加効果でファイアを発動することがある。
ビルの一室に無造作に置かれた宝箱から手に入る割には攻撃力が高く、帝国首都ベクタなどで買えるダーククロ―よりも強い。
これが店で買えるようになるのは世界崩壊後で、次に強い爪系の武器はダリルの墓で入手できるドラゴンクローである。
そんなステータスを見るに、はっきり言ってゾゾで入手する時点では場違いな強さがある。
ダダルマーの所持品だったのだろうか?

炎属性もダリルの墓などでは弱点の敵が多いので役に立つが、封魔壁への洞窟では炎吸収の敵ばかり出てくるという裏目もある。
ひっさつわざのコマンド入力が苦手or面倒なプレイヤーは要注意だ。

  • サビトレール
名前通りのサビ取りができるアイテム。初出は聖剣伝説
KURE5-56のような溶剤のスプレーのイメージであろうか。*13

多少うさんくさい名前だが効果は絶大で、押しても引いてもびくともしないサビついた扉にこれを使うだけでいともスムーズに開閉できるようになる。
町中にいる正直者の男から購入できる。お値段も1000ギルとお買得。
ゾゾ山に続く扉を開く以外にもいろいろな使い道がありそうだが、残念なことに他の用途に使うことはできない。

後にFF11において、神獣の元を巡って歴代シリーズの重要アイテムを集めてくるというクエストが登場したのだが、
その際のFF6を代表するアイテムとしてコレが抜擢されている。他の召喚獣が相応に神秘的ですごそうなアイテムを任される中、こんなものを押し付けられたシヴァは泣いていい。
もっとも、FF6は「アイテムを探し出して道を切り開く」というシチュエーションが極端に少なく、他のだいじなものもまずい魚だの古時計のカギだのサンゴの欠片だのと雑貨みたいなものしかない。サビトレールの起用は苦肉の策だったのかもしれない。


【ゾゾの謎】

  • ダダルマーと帝国の関係は?
ダダルマーはプロテスの魔法を使うこと、がれきの塔のガーディアンが「ダダルマー戦闘プログラム」を使用することから帝国の関係者ではないかとする説がある。
ただしそれ以外には両者のつながりを示唆する描写は作中にはなく、実際どうなのかは不明である。

  • 当たり前のように魔法を使ってくるならず者ども
FF6は魔大戦によって魔法の力が消え去った世界が舞台のはずだが、ゾゾではダダルマーのプロテスの他にも、ザコの人型敵がバニシュやラ系魔法を使用してくる。
これに関しては「ダダルマーが帝国関係者だったのでそのつながりでゾゾの住人をさらって魔導の実験に使用していた」という説や、「ゾゾで死んだ幻獣の魔石を所持して*14いたならず者がいつの間にか魔法を習得した」といった説がある。

  • 住人たちは敵か味方か?
確かに、ゾゾの町の中ではザコ敵の皆さんやダダルマーのように襲ってくる連中はいる。
しかしながら、サビトレールを売ってくれる正直者のように協力的な人物も存在する。あと回りくどい方法でかいてんのこぎり入手のヒントをくれる人たちとか

また、ラムウやティナに対して町の人々が危害を加えたり帝国関係者に引き渡そうとしたりした描写はない。そうしなかった描写もないけど
はみ出し者が集まるスラム街らしく、訳アリに見える人間にはあえて詮索をしないような共通認識が住人の間にあったのかもしれない。

  • 特異な建築様式
ゾゾの町には九龍城を彷彿とさせるような薄汚れたビルが立ち並んでいるが、このような建物は(マップチップが同じ狂信者の塔を除いて)他の場所で見ることはできない。
典型的なヨーロッパ風ファンタジーの町並みである他の町や村と比べるとゾゾのほうが近代的に見えてしまう。
作中で描写されていないだけで、こんな感じのスラムは他の場所(帝国首都ベクタとか)にもあったのだろうか?

  • カイエンがローラのことを知らない可能性
ローラの恋人は世界崩壊前には生存しており、モブリズの村にいる負傷兵が当該の人物である。
崩壊前であれば、身体を動かせない彼に代わってローラのもとに手紙を出すことができる*15

崩壊後のカイエンの言動からして、このイベントはカイエンがパーティーにいる状態(おそらくはレテ川のオルトロス戦後、パーティーが三手に分かれるときのマッシュ編)で行うことが想定されているようである。
しかし、これは任意イベントなので、モブリズ初訪問のときにしなくても後で(カイエンがいないパーティーで)やってもいいし、スルーしても進行には一切問題ない。手紙の往復が起こるフラグがけっこう複雑だし
そのため、崩壊前のパーティーの行動によっては、カイエンがまったく知らない人物に対してかいがいしく偽手紙や造花を送り続けることになってしまう。
崩壊後はマランダとゾゾが陸続きになるので、崩壊後に何かのきっかけでカイエンがローラのことを知った、というような脳内補完はできるんだけどね



【余談】

  • ゾゾのBGM
ゾゾの町中で流れるBGM「スラム・シャッフル」は、他の場所では使われない専用BGMである。
世界崩壊後でもゾゾを訪れれば変わらず流れているので、陰鬱さを増した崩壊後の世界でも変わらぬ人々の営みに励まされる……かもしれない。
ずっと雨が降っている場所に似つかわしく、BGMでは降りしきる雨や落下する水滴をイメージさせる音が使われている。
譜面を読み違えて演奏すると盆踊りになってしまうというもっぱらのウワサ

  • ダダルマーの過去
設定資料によると、ダダルマーはただひたすら強さを追い求めた人間がモンスターとなった存在であるらしい。
「ダダルマー」の名前も、「堕ちた達磨」からきている可能性がある。
でもこの場合のダルマは達磨大師じゃなくて筋肉ダルマのほうじゃないのかなあ

  • ゾゾはホラースポットではありません、たぶん
ずっと夜で雨が降り続き、薄汚れた建物の中で時計が無情に時を刻み続けたりするゾゾのロケーションは、一見してホラーな感じがするかもしれない。
しかし、実際にはそれ以外のホラーな要素はほぼ存在しない。
ホラー系ダンジョンは他にも魔列車とかダリルの墓とかアウザーの屋敷とかあるし
むしろ、「あいのセレナーデ」で鬼火や亡霊を呼んでくるモグや、ホッケーマスクを被ってチェーンソーを振り回すエドガーのほうがホラーっぽい。

  • カイエンが持っていた本のラインナップ
ゾゾ山でカイエンが箱の中にしまっていた本は、「ちょっとエッチな本」の他は、「誰にでもわかる機械」「マンガでわかる機械」「これで機械おんちがなおる!!」「機械のすべてがわかる本」といったラインナップである。
これより、FF6の世界にマンガがあることがわかる。

  • ゾゾ山の顔
ゾゾ山にてカイエンが再加入するときのモノローグのシーンで、遠くに見える山々の景色が顔のように見えるという意見がある。
おそらく山であればどこでも同じ遠景だと思われるが、このシーンで使われるマップでは近景の部分が非常に少ないためとりわけ印象的である。





追記・修正?知らねーよ!

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最終更新:2022年08月27日 14:48

*1 設定資料によると、ジドールは昔から身分制度がきびしかったらしい

*2 マランダのローラの家を訪ねるとたくさんの手紙や造花がきていることがわかる。また、ローラに会っていないとサビトレールを購入できるフラグが立たない。

*3 同時にダメージが発生することがある。プレイヤーキャラ側の「ぶんどる」相当。

*4 2014年ごろにブランド展開終了。FF6には他にもファッションブランドから名前をとったと思しきモンスターが複数存在する。

*5 口笛は沈黙状態であれば不発

*6 ダガーやミスリルナイフなど

*7 各キャラ向け武器投げとジャンプはスロウ状態であれば不発

*8 しかも幻獣との邂逅、ティナの出生の秘密の示唆を経て幻獣の命そのものである魔石を託されるシリアスなシーン

*9 モグのおどり「もりのノクターン」で使えるのと同じ

*10 モグのおどり「さばくのララバイ」で使えるのと同じ

*11 雷神の盾を装備すれば風属性ダメージを無効化できる。ゾゾ山でひとつ拾えるので、先に入手しておくと有利になる。ちなみに風弱点のアイスシールドもいっこ拾える

*12 前作FF5では風属性だった

*13 FF11ではシヴァが持っていることの兼ね合いからか、「錆びを氷結させて取り除く特殊な薬品。」とされている。

*14 のちに登場するセラフィムの魔石を売りつけてくる男の口ぶりからもわかるように、魔導の知識がない者は魔石を単なるきれいな石、宝石とみなしている節がある

*15 手紙の往復をすべて済ませると、歩くたびにHPが回復するアクセサリ「タマのすず」をもらえる。なお彼の反応からして、手紙はパーティーの皆様や伝書鳥屋が勝手に代筆していたもよう。