封印解かれし怪生
荒ぶる怪生を鎮めたまえ
謎に挑む導師よ
その力、今こそふるう時
こちらでは2014年に放送された「怪生伝」第1章「傘娘編」を紹介します。
手掛けたのは逃走中創始者・高瀬敦也氏。タイトルコールでは「フィールドミステリーゲーム」。これぐらいならまだわかるのだが番組公式では「ファンタジックフィールドミステリーゲームショー」。そして初期段階では「ファンタジックフィールドミステリーリアルゲームバラエティショー」。
何が何だかさっぱり分からないが、とりあえず読んでいただけたらわかる…はず。
管理人「マジで放送するのが10年早すぎた」
ちなみに2013年末にはこの傘娘編のパイロット版が放送。これを踏まえ本章ではパイロット版のパート+追加パートが交差していくという構成になっており、パイロット版を見た人でも「再放送にならない」という仕組みになっている。
第1話
全てはここから始まった…
この土地に1人の男が車で連れてこられた。
「めっちゃ田舎じゃないですか」
その男の名は
狩野英孝。
彼はまだ何も知らない…
車を降りた途端「ゲーム開始」。
打ち合わせなし・台本なしで何をしたらいいのか分からない狩野に少女が近づく。
「おじさん、何ていうの?」
名前を名乗ると
「たしか合言葉は…『ラーメン、つけ麺、僕?』」
ときたら当然「イケメン」。
「やっぱりあなたみたいね…想像とは違うけどまあ…こんなもんか。」
少女の名前は四ツ田あかね。彼女の先導に戸惑う狩野だが、あかねは「ついてくればわかる」とだけしか語らない。
村に入るといきなり村人たちからガンをつけられたり怖がられるが、その村人たちの頬や手の甲には何か汚れのようなものが…
歩いてきた向こうからは女性から何かを盗んで逃げる男とも遭遇。「気にしなくていいわ」とスルーするあかねに対し心配する狩野だが「今はまだ関わらないほうがいい」と足を止めず。
狩野「全然意味がわからないわ。何が始まってるのこれ?」
やってきた場所には屈強な男4人を統べる女性が。
狩野「マジ俺フルボッコされるんじゃないの?」
男を統べる女性はあかねの祖母である四ツ田アキ。
アキ「では早速始めましょうかね?」
と男たちが取り囲むと「かかれ!」の号令と共に狩野の足と体を拘束し担いでどこかへと連れていく。
男たちによって洞窟の奥深くにまで放り込まれ、木の檻の奥に強引に閉じ込められてしまった。果たして狩野はどうなるのか…
しかし、この村に連れてこられたのは1人ではなかった…
同じように何も聞かされずにトンネルに入るよう指示された
斉藤慎二。
中にはやけに長い木箱が。
???「斉藤慎二。このゲームに挑戦するならば箱の中の装備をつけて階段を上がれ。」
正体不明の声に従い箱を開けると中には杖が。
???「斉藤~」
杖が喋った。
指示されるがままローブを身に付け村の中に入り、斉藤も「ゲーム開始」となる。
斉藤の杖についているのはテン(イタチの仲間)の使い魔「スズキ」。自らを「さん」付けで呼ばし、「これからお前のサポートをしてやる。ありがたく思え。」と高飛車な使い魔。これからどうすればいいのか困惑する斉藤だが、それすらも自分で調べて探さなければならない。
だが、村人たちに聞いても不審者扱いされて水をかけられ追い返されてしまう。
と、先ほど狩野が目撃していた追いかけていた女性が倒れたのを目撃する。
女性「あなたが噂の導師様ですね?お願いします。助けてください…村が…村がおかしくなってしまったんです…」
近くの人も女性、そして斉藤の存在に気づき、2人で肩を貸してとりあえず近くの家まで運ぶことに。
斉藤もまた、少しずつ何かに巻き込まれている…
一方、洞窟に閉じ込められた狩野。ここまで手荒な真似をしたのは「村を救うため」とアキが説明する。
そして斉藤も村の長老からこの村の事情を聞くことになる。
助けてくれたのは村の長老である三多村大地、息子・邦夫と共に暮らしている。
近頃この村では些細なことで喧嘩をし、ケガ人にも耐えない。これは怪生の仕業だと説明される2人。
怪生は妖怪やお化け、精霊などとも言われるが、その正体は不明。言い伝えによると怪生は人の心を喰い、喰われた人は心に闇を抱えてしまうようになってしまう。
だが、「怪生の封が解かれた時『杖に獣を宿した導師』が現れ村を救う」という言い伝えがあった。そのために皆導師を待ち望んでいたのだった。
当然いきなりそんなことを言われても理解できない2人。
だが、村を救うために頭を下げられ戸惑いながらも斉藤は受け入れるも「普通の人間ですよ…」と不安が。
一方、狩野は「生まれながらの導師」ではなく「導師候補」。連れてこられたのは狩野が導師かどうかを確かめるための「試練の洞窟」。この洞窟を抜けることが出来るかどうかで「導師」か「ただの人間」かがわかる。
アキ「もしも抜けられない時は…」
(-人-)
…どうやら生きて帰るには突破するしかなさそうだ。
困惑する狩野を置いていきアキ達はその場を去り、状況が呑み込めない狩野は一緒に閉じ込められたカメラマンにも振るがカメラマンは何も言わず。
狩野「アウェイじゃん…」
まだ閉じ込められた入口で困惑していた狩野に「おーい狩野さん!イケメン!」と声が。
そこには杖にぶら下がったコウモリの使い魔「ヤマモト」が。狩野にはヤマモトがサポートしてくれるようだ。
一方、村はずれにいた斉藤。大地から「怪生を封印した祠を確かめてきて欲しい」と依頼を受け確認しにきたが、「あんな風に頼まれたら断るわけにはいかない」と押されて導師と認めてしまったことを悩み続けていた。
巨大な岩が切り開かれた場所に到着した斉藤。果たして怪生の祠はどこにあるのか。
一方、状況が呑み込めずプチパニック状態の狩野にヤマモトが説明する。
この試練の洞窟には3つの試練。導師に必要な「知力を試す『慧の間』」「忍耐力を試す『忍の間』」「心を試す『懇の間』」があり、それをすべてクリアし脱出することが出来れば晴れて導師として認められる。
「別に認められなくても全然いい」という狩野だが、それでも生きるためには脱出しなくてはならない。
ヤマモト「目的は同じ。人生、文句を言うだけでは何も始まりませんから。」
ヤマモトの正論に狩野も納得しヤマモトがぶら下がる杖を持つが、意外な重さに文句。
一方、怪生の祠を探す斉藤の背後に何かが…
最奥でついに祠を発見した斉藤。祠の扉は開いており、怪生が出たのは間違いない。そして近くの岩には「仇」という文字が。
仇という文字からスズキはこの怪生が「傘娘」だと教える。
仇の力を持つ赤い傘を持つ怪生・傘娘に心を喰われた者は暴力的になってしまう。斉藤や狩野が一声かけただけで村人たちがさながら「仇敵」のごとくブチ切れ追い払っていたのもこれが理由だろう。
特に斉藤にとっては倒れていたあの女性を助けたい。
スズキ「不純な動機ね」
斉藤「はい…タイプで…」
ようやく最初の試練「慧の間」に挑む狩野だが、知力が要求されることに不安な狩野。恐る恐る扉を開けると中には滝も流れるなど結構本格的な洞窟。と、その足元に「イ」と書かれた太鼓が。他にも「ネ」や「シ」の太鼓を見つける。
第2話
祠が開いてしまったものの、食い止める方法などはさっぱり分からず困る斉藤。と、その先に赤い着物と傘を持った「傘娘」を発見する。だが怪生の姿は導師である斉藤にしか見えない。すぐに姿を消したが、今はまだ追う時ではない。
怪生を封印するには再び祠に2つの「サイ」を納めなければならない。どこかへ消えてしまったサイを手に入れることが斉藤の使命なのだ。
だが、その様子を謎の男が見ており…
改めて今回のゲームフィールドは山間のとある村。ここで怪生・傘娘を封印することが目的。怪生を封印するために必要なのが黄色い立方体「サイ」。サイには文字の断片が描かれており、複数のサイが集まると力を発揮する。しかし、このサイを手に入れるためにはその土地の人や物と心を通わせなければならない。これこそが導師としての力を試されることとなる。
と概要は聞いたもののそれでもどうすればいいか分からない斉藤。通りがかったあかねにサイのありかを聞くが「あんまり役に立たなそうね」とストレートに言われ去る。
斉藤「顔だけで判断してないか…」
一方、洞窟を発見するが、そこには「立ち入り禁止」の札が。気にはなるがどうすることもできず立ち去る。
その洞窟こそが今、狩野が閉じ込められている「試練の洞窟」だということを斉藤は知らない。
いきなり話しかけるヤマモトにびっくりする狩野だが、今度は「ナ」や「ネ」の太鼓を発見する。行き止まりに到着すると扉に「引」と書かれた箱がついているが引いても開かない。鍵穴があるということは鍵を見つけなければ次には進めなさそうだ。
行き止まりに書かれていたのは
「…(塗りつぶされている)」「エ」「ロ」「…(塗りつぶされている)」
という文字と大小2つの白丸。
ヤマモト曰く「この謎ぐらいは解けないと導師にはなれない」らしい。
だが隠されていた所は剥がすことができ、剥がしていくと
「エロエロエロロロ」
という8文字が。
「四角の中に何かが入るのか」と考える中、「白丸と同じサイズの太鼓を持ってくればいいのでは」と考え、ヤマモトを置いて太鼓を回収しに行く。
サイを求めて聞き込みを続ける斉藤。と、先ほど助けた女性・一宮風香を発見する。助けたことを感謝される一方、祠の様子を語ったり、サイについて聞き込みをすると「以前風香の父が不思議なものを拾った」というが、風香はいきなり泣き出してしまう。風香の父・雅樹は宮大工なのだが、熱病にかかり今は寝たきりの状態。町で薬を買ったものの、その薬を人に奪われてしまった。それは狩野が村に入る際に目撃した出来事。お金はなく薬を買うことはできない。このままでは父は…
突然もたれかかってくる風香に思わず抱き寄せる斉藤だが、すぐに離れ、風家の提案で拾った物がサイなのかどうか、一度一宮家に行くことに。道すがらでは先ほどは打って変わって会話も弾む。
全ての太鼓を回収した狩野。「白丸と同じサイズの太鼓を探せばいい」と考え白円に合わせていくが、全部の太鼓が合わない。推理はハズれ、早々に行き詰ってしまった。
集めた太鼓は大・小共に「イ」「ナ」「ネ」「シ」の2個ずつ。これが意味するものとは…
すれ違った人の首に「仇」の文字が見えたのにビビる斉藤。一方、家に入る様子を黒い服の男が陰から見ており…
宮大工の父・雅樹は寝ていた。そして風香が持ってきたものがフォルムは完全にサイ。だがまだ文字の断片が入っていない。
そして風香からも「これをお譲りすることはできないんです」と言われてしまう。父がすごい大事にしているものであり、父が元気であれば快く譲ることが出来るが、この状態では…。
つまり、父の熱病を回復する薬を持ってくればサイを譲ってもらそうだ。
だがこの村に病院や薬屋は存在しない。どうすればいいのか…
あてもない斉藤。やっぱりひとまず住民に聞き込みを行うも、傘娘の影響で布団叩きで叩かれ追い払われるなど冷たい対応しかしてくれない。
そんな中、ようやく好意的に接触してくれる人を発見。
「赤チンでいいかしら?」「お兄さんが、私とデートしてくれたら思い出すかも…」
明らかに「そっち系」の人からの誘いに慌てて逃げだす斉藤。導師の仕事は一筋縄ではいかない。
一方、詰まっていた狩野はある事に気づく。不自然にかんぬきっぽく置かれていたものは太鼓のバチだった。ということは太鼓を叩けば何かが起こるはず。そして置いてあった木の台は太鼓を置くための物。白丸は大きい太鼓・小さい太鼓を置く方の指示であると解明。そして文字と太鼓の記号を組み合わせることに気づいた。例えば「シ」に「エ」を合わせれば「江」になる。
ヤマモト「すみません。私狩野さんってもっとアホだと思ってました。」
狩野「何言ってんすか!はたきますよ!」
ヤマモト「ああ、暴力だけは…」
では全部組み合わせると「江口江口江口口口」になる。「ネ」は「ネエ」、「イ」は「イエ」と共に存在しない漢字になってしまう。では「ナ」なら…「ナ」の右下に「エ」を入れれば「左」、そして「ロ」を入れれば「右」になる。つまり「左右左右左右右右」ということになる。つまり太鼓をこの順番で叩けばいいのでは…!
その通りに太鼓を叩くと突然足元に突風が吹き荒れる。すると滝の中に鍵があるという絵が。早速鍵を取りに行く。
一方、斉藤は熱病に聞く薬の情報を探していた。道中、疲れてしまった女性をおぶって家まで運ぶことに。
女性「若いけどちょっと薄くなり始めてるんだね。収穫し終わった畑みたいにみたいなっちゃってね。」
どうも様子がおかしい。やはり手首に仇の文字が浮かび上がっていた。疲労で限界が来た斉藤が怪生について話すと女性からは「この村に二戸部って男がいるんだけどさ、そいつが『怪生を退治する』って息巻いていた」という情報を得る。
滝にやってきた狩野。ついに滝が流れる岩の切れ目に鍵を発見。鍵でロックを解除し引いて扉が開く…と思いきや、その中にはまた複雑な謎が…慧の試練はまだ続く…
第3話
斉藤が送り届けた家には見覚えがあった。送り届けた女性は長老・三多村大地の妻だった。届けてくれたお礼に「だんご無料券」を2枚頂いた。早速風香とのデートに利用しようとする斉藤だが、それよりも薬の事が先決。先ほど「デートしたら教えてくれる」と言ってくれた男が目の前に…。「本当にヤバい人かもしれない…」と不安になる斉藤。
斉藤「こうやって人間は成長していくのか…」
スズキ「これも導師の仕事の内よ」
斉藤「楽な仕事じゃないよ…」
先ほどの手前、自分からデートを切り出すという屈辱の状況。だんご2枚無料券を奪われだんごデートをすることに。
斉藤「僕のことは食べないで下さいね」
男「食べちゃっていいのかしら?」
美味しそうなみたらし団子2本。男からあーんされるというきつい状況だが、さらにそこを風香が目撃してしまい持っていたものを落とすほどの大ショック。「薬を頑張って探している」と思っていた風香にとっては最悪の裏切りとも見える斉藤に風香は逃げ出し、斉藤が訂正しようとするも男は離してくれず。
だが、これで「斉藤は風香、そして風香の父のために薬を探している」と知った男からは薬以外の別の方法を教えられる。持っていたきのこ図鑑によると、この村でしか生えないキノコ「バンガサポイダケ」が熱病に効くらしい。男からは「あなたがきっと災いから救ってくれる」と形見のふんどしの赤い布を手に入れる。
だがそのころ、何者かがバンガサポイダケに仕掛けをしており…
二重扉になっていた扉。その盤面は
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仇 |
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奪 |
水 |
息 |
髄 |
罪 |
奪 |
水 |
息 |
髄 |
罪 |
奪 |
水 |
息 |
髄 |
罪 |
奪 |
水 |
息 |
髄 |
罪 |
奪 |
水 |
息 |
髄 |
罪 |
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金 |
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そして中段5段は左右に動かすことが出来る。いわば自転車のチェーンロックのように5つの文字を何らかの法則に従って並び替えれば開くようだ。
狩野「(「髄」について)ヤマモトさん、これなんて読むんスか?」
ヤマモト「それは自分で考えてください」
だが、この段階でもまだ「正直導師どかどうでもいいんですよ」「早くここから脱出して帰りたいだけなんです」と導師については興味なし。
ここで狩野は閃く。「水」「金」、そして「7段」。ということは月~日までの七曜に対応していると対応し水を合わせるが
ヤマモト「『もく』は?も~く~は?」
狩野「『髄』←これ「もく」って読むんじゃないの?」
ヤマモト「読みませんね」
またしても迷宮に嵌ってしまった…
一方、バンガサポイダケを探す斉藤。と、早速怪しすぎる檻を発見。その中にはバンガサポイダケがぶら下がっているが、間違いなく入った瞬間に閉じ込められるはず。ここはささっと取って脱出したい…が、やっぱり檻の蓋が閉まり閉じ込められてしまった。
ヤマモト「ピンチだなぁ~」
とりあえずバンガサポイダケは手に入れたがそれ以降はどうしようもない。だがスズキは「ちょっと寝てる」「檻から出たら起こして」と昼寝タイム。さらに「布団をかけてくれ」と言われ、斉藤がためらったにもかかわらず先ほど手に入れたふんどしの赤い布をかけて本当に寝てしまった。今日一番のピンチに対しマイペースなスズキに振り回されっぷりの斉藤。
スズキ「ちょっと~ちゃんと布団かけて~顔が出てないじゃん~」
スズキ「あ…今ちょっと…今どこ触ったの!?」
斉藤「触ってないって!さっきの人じゃないんだから。」
スズキ「お尻触ったでしょ!」
斉藤「触ってないって!さっきの人じゃないんだから俺は!」
スズキ「あのね~私は杖である前に一人の女なの。そのこと忘れないで。」
斉藤「え、女!?」
スズキ「一人の女よ。じゃあ檻から出たら起こしてよね。よろしく…」
完全に寝たスズキをよそに脱出を試みる斉藤だが檻も檻の扉もびくともせず、ただ助けを求めるのみ…
そのころ、まだまだ苦戦中の狩野。だがここでついに閃いた。
狩野「ヤマモトさん、これしりとりじゃない?」
たまたま「息(いき)」→「金(きん)」という並びから法則に気づいた。だが「仇」を「かたき」と読んでいるため「き」で始まる字が見つからない。
ここで逆から行くことに「息」→「金」から1つ前は「い」で終わる漢字から「水(すい)」とするが今度は「す」で終わる漢字がない。
だがここでようやく「仇」の読みが「かたき」ではなく「あだ」という事に気づいた。
つまり「仇(あだ)」→「奪(だつ)」→「罪(つみ)」→「水(みず)」→「髄」、ずっとわかっていなかったがようやくここで「脊髄」「骨髄」などの「髄(ずい)」であることに気づいた。そして「息(いき)」→「金(きん)」。
この並び順完成と共に解除音が。ついに扉を開くことが出来た。これで「慧の間」は本当に突破。次の試練へと向かう。
一方、全くどうすることもできない斉藤。
と、丸太を持った男が現れた。男は斉藤のことを「怪生」だと思って檻を攻撃してくる。
反論する斉藤だが、男は「赤い布をかけて寝ているスズキさんの杖」を「赤い傘」と見間違えているが聞き入れてくれない。バンガサポイダケも熱病に効くキノコのはずだが「そんなものを狙うのは怪生ぐらい」というが…
斉藤「ちょっと待って…あんた、怪生追ってるのか?」
斉藤を閉じ込めたのは二戸部炎太郎。そう。大地の奥さんから聞いた名前の男。
そう知ると布を取って自分が導師であり味方であることをアピールするとようやく信じてくれた。
二戸部「何だよまぎらわしいことするんじゃないよお前。」
斉藤「あんただよ紛らわしいことしたのは!」
何はともあれ説得が通じ檻から出してもらえた。二戸部からは怪生のことについて何も知らない斉藤のために「怪生の情報を教えるから今夜そば屋に来い」と誘われ、厚意でバンガサポイダケも手に入れた。
次なる試練は何事にもくじけない忍耐力を試される「忍の間」。相変わらず弱気の狩野だが、中に入ると「鍵」と書かれた籠に大量のボールが。そして上部には「鍵穴」と書かれたカゴが。これは鍵の位置から鍵穴のカゴにボールを入れなければならない。しかし、距離は3m、さらに肝心の鍵穴は裏側にしか穴がないため、直接投げ入ることはできない。
とりあえず正面から投げても当然入らない。一方、ボールは結構弾む素材でできている。ということは壁→鍵穴や床→壁→鍵穴という形で上手くバウンドさせて鍵穴に鍵を入れる必要がある。色々方法を試してみるが、まさに長期戦必至の難題に「一生出れないかも」と焦りが。
一方、バンガサポイダケを手に入れた斉藤は一宮家に向かうが、何やら不穏な空気が…
やっぱり風香は斉藤が男とデートしていたことを相当根に持っており、スケッチブックに恨み言を書き殴っていた。
風香「あら、導師様。もうデートはよろしいんですか?(怒)」
斉藤「すっごい書いてる…『ハゲチャビン』って何…『ハゲチャビン』ってどういうこと…」
だがちゃんとバンガサポイダケを持ってきたことを告げると一転して勘違いを謝る。
だがその様子を男が見ており…
バンガサポイダケを煮だした汁で雅樹も無事に回復した。すると何も書かれていなかったサイに「心」の文字が浮かび上がった。
雅樹によれば神社の境内に落ちていた物で「なにか特別な力があると感じていた」「いつか必ずこれを求める人が現れると思い今日まで保管していた」「私の勘に間違いはなかった」とついにサイを譲り受けられる。
怪生封印に必要なサイはあと1つ。
一方、忍の試練に挑む狩野。試行錯誤を重ねるも未だ入る気配はなし。鍵を落としても取り出し口から出てくるようになっており回収は可能だが、回収するたびの階段の上り下りも大変。
と、真正面の壁ではなく斜めになっている横の壁を狙うと鍵穴の方向にボールが飛んでいくことに気づいた。これが正解のルートか?狩野は高校時代弓道部。「狙った的は得意」と語り、希望の光が差した…ように見えたが…
第4話
もう1つのサイを探す斉藤だが、どうすれば手に入るか分からない。こうなると「立ち入り禁止」とバリケードが貼ってある試練の洞窟に入るぐらいしか選択肢がない。
その中では狩野が忍の試練に挑んでいた。
難題に挑む2人の運命が交錯していく…
悩んでいると「おじさん」と呼ぶあかねと出会う。正直に「サイを集める手掛かりが欲しい」と伝えると「洞窟に入った方がいいよ」と促される。強い目力のあかねに気圧される斉藤。
あかね「皆私のこと嘘つきって言うんだけれどね、おばあちゃんがね、昔、話をしてくれたの。この村が危なくなった時はこの洞窟を開けることができれば解決するんだって。」
この洞窟はからくり仕掛けになっており、そのからくりを解ければ洞窟が開くらしい。
まばたきしないあかねに怖がりながらもあかねに急かされる斉藤。「立ち入り禁止」と書かれているところに入るスリルに対し興味関心を持つタイプの斉藤。ワイルドにバリケードを蹴り破って洞窟の中に入る。
この洞窟は木の檻で区切られた部分の奥が導師かどうかをためす試練の場となっている。
そして忍の試練にずっと挑んでいた狩野。狩野は「鍵穴向かいの壁→鍵穴」というルートで黙々と投げていた。
鍵穴に鍵が入るのが先か、それとも心が折れるのが先か。
それでも少しずつコツをつかみ鍵穴のふちに安定して当てられるようになってきた。
一方、洞窟に侵入した斉藤は5つのマーク(鐘・凶・水車・かまど・地蔵)が描かれた暗号の石碑を発見する。この石碑は何を意味しているのか?
これまでの記憶をたどり、地蔵のところで大地の妻を助けたり、鐘のある場所で風香を助けたことを思い出す。記号は全てこの村にある物を示しており、今までしっかりとは見てこなかったがその1つ1つの場所に行ったら何か導きだしてくれるものがあるかもしれない。
こうなったらとにかく行動。意気揚々と洞窟を出る。
まずは「凶」の文字からおみくじと推測し神社へと向かう。
未だ忍の試練に挑む狩野。投げすぎてどこが絶好のポイントがわからなくなるも、鍵穴に入る奇跡の一投を信じ投げ続ける。投球数は120球を超えたがなかなか入ってくれない。そして159回目。地面と壁のギリギリを狙った1球は惜しくも枠に弾かれた。ついに正解ルートを掴んだ狩野。続く160球目でついに鍵穴に入った…かと思いきや勢いが強すぎて出てしまった。ちゃんと鍵が鍵穴に収まりきらなければならない。
今のショックで心が折れた狩野は一旦休憩を取ることに。
ヤマモトと世間話を始め、狩野が芸人ということからヤマモトにイケメンギャグを披露するも大不発。これも「忍耐」のうち…なのかな?
神社に到着した斉藤。早速おみくじに先ほどの洞窟の石碑にあった五角形のマークを発見し関連していると踏む。
おみくじを引くと大吉が。凶を狙って引くも大吉ばかりで凶が出ない。ようやく凶を出し札を引っ張ると五角形のマークが現れ「カチン」と何か音が。これは何かしら関係があるはず。
その行く手で水車小屋を発見。水車と水を流す樋にもマークを発見。水車を回転させて近づけさせると再び音が鳴った。
「2つのマークを合わせると音が鳴り、それを5か所でやれば謎が解ける」と導いた斉藤。
斉藤「俺芸人じゃないわ。クイズを解く天才だわ。すごい!」
すっかり解明した気分の斉藤。地蔵の台座と下の台座にもマークがあり、ここは地蔵を回転させて音を鳴らす。
炭焼き小屋に着くと先ほど話してくれたあかねが。炭焼き釜の火入れ口にマークがあった。と、あかねからは「この炭焼き釜にある呪文を唱えるといいことがあるらしいの」と話しかけられる。
あかねが持っていた札には五角形のマークと「金ちゃんの金茶釜自慢 銀ちゃんの銀茶釜我慢」という言葉が。
「導師様ならできる」とあかねに促されて行うも、いうなれば「早口言葉」。かつて俳優志望だった斉藤でも苦戦するが、5度目でようやく成功。
あかね「おめでとう」
斉藤「おめでとう?」
そして最後は鐘。そこにも同じ五角形が。鐘を鳴らし、これで石碑に描かれた5か所を周り終えた。「これで村を救った」と思い足取りも軽く洞窟へ戻る。
だが、石碑に特別な変化はなかった。
しかし、最初見た時は左側に5つあった石が左側に2個、右側に3個と変わっている。
この動いた石の数は何を意味しているのか?
まだ休憩中の狩野。ヤマモトから「なんで私と狩野さんが組むことになったんだと思います?」と話される。
狩野「バットメン?バットメン・イケメンってこと?」
ヤマモト「あ、狩野さん、その話題終わってます。」
実はこれは「組織」の上からの指示なのでヤマモトも深くは知らないらしい。
どっちにしろ早く出たいことから狩野も気合を入れなおす。
狩野「それこそコウモリならボール1個持って飛んでってそこに入れてくれればいいじゃん」
ヤマモト「狩野さん、僕そういうことはしないです。」
2バウンドで入れる戦い方に光明を見せ努力するもそれでもなかなか入らず。まだまだ先が見えない…
一方、斉藤は石碑の前で悩んでいた。どうやらこの石碑には「5か所をめぐる」以外にも謎がありそうだ。
そして斉藤は気づいた。ただ闇雲に5か所を巡ればいいのではなく、正しい順に5か所を巡る必要があることを。
しかし、その組み合わせは5×4×3×2×1=120通り。闇雲にやっていっても途方もない時間と労力がかかってしまう。
こうなるととにかく数をやっていくしかないと覚悟を決めた斉藤。試行錯誤のラリーの始まり。
回数 |
1か所目 |
2か所目 |
3か所目 |
4か所目 |
5か所目 |
動いた石 |
1回目 |
おみくじ |
水車 |
地蔵 |
かまど |
鐘 |
3 |
2回目 |
水車 |
地蔵 |
かまど |
鐘 |
おみくじ |
0 |
謎が解けていれば5つの石はすべて右にあるはずだが、2回目に至っては全て元に戻ってしまった。
日も暮れてきており、焦りが増す。
奇跡の瞬間を信じて投げ続ける狩野。あまりの疲労で鍵の球が入った籠が転がり落ちてしまうトラブルに見舞われながらも、上着を脱いで真剣に取り組む。常人であればとっくに心が折れているはずだが、折れそうなのに折れない狩野の心。まさにその忍耐力はどこから来ているのか。投球数はついに800回を超えた。
そしてその瞬間は突然訪れた。見事な軌道で鍵穴に鍵が入り811回の投球でついに扉が開いた。
最後の試練は心の試練「懇の間」。「懇」とは「懇意」「懇切丁寧」といった言葉に使われるように「真心がこもる」という意味を持つ。人の為に誠心誠意真心を尽くせるかが試される。
第5話
懇の間には「願いの石」とモニター、伝声管があった。ヤマモト曰く「新しい設備も導入され、音声だけでなく映像でも確認できるようになって便利」とのこと。
と、モニターに男が映り「彼女と結婚して幸せになれますように」と願い事をした。
外にあるのは大きな願いの石であり、「声に出して願い事をすると神様が叶えてくれる」という古い言い伝えが伝わっており、村の人々は今もこの言い伝えを信じている。
最後の懇の試練では訪れた人に伝声管を使って語り掛け、願いを1つ叶えることが出来れば試練達成となる。
とはいえ、狩野が連れてこられたのは昼だがモニターから見る外は真っ暗。狩野の想像以上に長期戦となっている。
と、早速最初の頼み人である女性が現れた。
「明日飲み会があるのでそれまでにほっそり痩せてモテモテになりますように」
こんな願い叶えられるはずがないが、とりあえず声をかけてみることに。が、いきなり声が聞こえたことに気持ち悪がって逃げ出してしまった。やはりもっと神様っぽく話しかけてみたほうがいいかもしれない。とはいえこれまでの試練に比べたら頭の回転よりも忍耐力よりも「アドバイスすればいい」というだけ楽と考える狩野だが…
続いて現れたのは青年。
「僕は一度も人を笑わせたことがありませんが、大人気お笑い芸人になれますように。」
ここは芸人の先輩として見せ所だが、青年はお笑い芸人を「テレビに出れてお金もがっぽり稼いで女にモテる」と楽観的に見ているが、リアルな苦労を知る狩野は「現実の厳しさは本当に、本当に何度も心が折れそうになる。それでもおぬしはやりたいのか?」と諭すが「見てたら簡単そう。僕にもできそう。」という青年にいらだつ狩野。その後も「その人が面白くないのに周りの実力のある芸人にイジられて面白く見せてる人」と暗に狩野をいじる。
狩野「こっちだっていじられるようにいじられるように努力してる」
と、つい本音が出てしまったことで青年に怪しまれるが取りつくろい、青年から面白い一発ギャグの伝授を教えることに。
狩野「アテンションプリーズ?アテンションプリーズ?ハイテンションプリーズ!」
青年「…やっぱこういう空気になっちゃうんですね…」
結局「スベった時の空気に耐えられない」と青年は芸人を諦め去って行ってしまった。
その後も願い事をしていく人はいるが「早く本物のお姫様になりたい」とヤバい人が来たり「超楽して超稼げる仕事につきたい」という人に地道な努力を説くが「説教」と捉えられ帰られるなど失敗続き。
もっと楽な願い事をしてくれる人がいいが、次に来たのは斉藤とデートとしたあの男。
「どうかサイトウさんとお付き合いできますように」
この時狩野は「サイトウ=斉藤慎二」である事を知らない。「サイトウ」の特徴について聞くと「ガチムチでおだんご食べてる姿がとってもセクシー」「旅人」と聞き出すが、「男同士の付き合い」「サイトウの特徴や気持ち、今いるかどうかがはっきりしない」だけに「自分を磨けばいつかは振り向いてくれるのでは」というありきたりな解答となってしまい、結局「神様に甘えないで自分の力でやっていく」と不満気に去ってしまう。
狩野「ヤマモトさん!なんなんすかここの村人!おかしい奴ばっかりじゃないですか!」
ヤマモト「結構濃いですね」
狩野「濃いですよ」
と、そんな「噂の男」斉藤は石碑の謎解明に5か所巡りを続けていた。
今度は鐘を鳴らす所から始めるが、鳴らしたところで近所の人に「うるさい」と怒られてしまう。何度鳴らしても、小さく鳴らしても怒られてしまう。もう日が暮れてしまい、これ以上は村人の迷惑になってしまうだろう。今日のところは打ち切りにするしかない。
そういえば二戸部から夜にそば屋で会う約束をしていた。そっちに向かうとしよう。
結局ここでも難儀する狩野。ヤマモトから「願い事の呼び込みでもしたら」と提案されツッコミながらも呼び込みをする中、男が現れた。
「どうせダメだと思うけどどうか告白する勇気を下さい」
今までと違ってキャラクターも薄く、これなら叶えられそう。大チャンスだ。
早速「神」として語り掛ける狩野。男は「細野」といい、幼馴染で小さい頃から大好きだという「一宮風香」という思い人が。結果はともかく、とにかく「好き」という気持ちを伝えたいのが目標。
細野は小学校の時に授業中に風香が消しゴムを落としてしまった際、拾って渡そうとすると「それあげる」と言われたとのこと。それ以来その消しゴムをネックレスにして身に付けていた。
思った以上の激ヤバぶりに一旦音声をオフにする。
狩野「ちょっとヤマモトさん。ヤマモトさん!これもうヤバイやつしかいないじゃないですか!」
「消しゴムのネックレス」という特級呪物を初めて見た狩野は動揺。見方によっては「風香から嫌われている」とも捉えられるが、あくまで目標は「付き合いたい」ではなく「告白する勇気が欲しい」ということ。なら告白する後押しができればいいのだ。
狩野は「告白すべき」と言うが、告白したことのない細野は告白の仕方すら分からない。「思ったことをそのまま風香ちゃんに伝えればいい」というが「神様告白とかしたことないからそんなこと言えるんでしょ」という言葉だが、当時は1度目の結婚生活、そして放送年である2014年10月に離婚、その後も度々世間を騒がしながらも最終的に再婚し子どもも生まれた色恋沙汰が欠かせない男・狩野。自身の高校時代に好きな子のためにオリジナルソングを作ってカセットテープに吹き込んでその子の住所に送って告白したことを明かす。
狩野「その1週間後、カセットテープが送り返された時は泣きそうになったけどな。」
とはいえ、そんな玉砕も経て強くなると諭しその時のオリジナルソング「夕暮れ」も披露。
細野「そんな歌ったっても気持ち伝わらない」
ここまでしても全然響かず何を言ってもウジウジする細野に腹が立ってきた狩野。ここはもういっそ方針を変えてガツンと言う事に。「自分にもっと自信を持て!」「名前も『細』いとついてるけどハートはやっぱ太く芯を持っていかないと!このままじゃ恋愛どころか社会でても1個も成功しないまま終わんだぞ!」と喝を入れたが、その言葉に興奮し始めた細野。
狩野「あぶねえってやっぱり…」
だがここでしっかり畳みかけ、ついに細野も「目が覚めました」「真剣に叱ってもらったの僕初めてかもしれない」「告白する勇気が湧いてきました」と気持ちを切り替えることができた。
細野「神様、僕が告白するとしたら、そばで見守ってくれますか?」
狩野「もちろん、それは見守るよ。」
最後に細野の口から「私、細野は一宮風香に告白します!」と宣言をもらった事で懇の間がクリア。
モニターと伝声管の台が動きついに出口が現れた。そしてそれは狩野が「本物の導師」と認められた事にもなる。
細野とは「洞窟の出口で待っている」と約束し出口へ向かうと木箱が。中には導師の正式な衣装であるローブが。これで狩野は本当に一人前の導師に。
導師 狩野英孝 洞窟脱出。
洞窟の出口で先ほどお願い事をした「細野京介」と出会った。これから下のそば屋で風香に告白するらしく、もちろん狩野もその様子を見ること約束。さらにお願いとして「自分はそば屋で待っているので風香を連れてきてほい」と頼まれる。パシる人使いの荒さに戸惑いながらも狩野は風香の元に行くところに。
あたりはすっかり夜。風香の家までの道のりは山道であり危険。すれ違った人からも足元に注意するよう促されるだが、狩野は戸惑った。昼間は村人たちの狂暴な面ばかりを見てきたが、まだ怪生に侵されていない優しい人もいる。
第6話
ようやく一宮風香の家にたどり着いた。一方、ヤマモトからは「面倒なことを避けるため」として「人前で『導師』と呼ぶのは避ける」とし、風香を驚かせないようにヤマモトがぶらさがっている杖も柱に立てかけて置いておき、風香に接触。細野との関係について「細野くん友だちいなかったと思うけど」と怪しむ風香だが「細野くんが風香さんにどうしても伝えたいことがある」と押し切り約束を取り付けた。風香は「病み上がりの父がいるから支度してからそば屋に向かう」と伝える。
いきなり夜中での来訪客ということもあり警戒しているようだが何とかなった。狩野は先にそば屋へと向かう。
一方、細野が待つそば屋に斉藤がやってきた。斉藤は「怪生のことに詳しい」と語る火消しの二戸部の話を聞きに来たが、近くの席には細野も座っている。
ひとまず「サイが2つ集まれば怪生を封印でき、既に1個持っている」という事に二戸部も上機嫌。一方、怪生・傘娘については「赤い傘を持った赤い女か何かを見た」と斉藤は語ると二戸部はある話を思い出す。
昔、この村のはずれに野武士が住んでいた。しかし、流れ者だった野武士は村人からひどく嫌われていた。野武士は傘を作って細々と暮らしていたが、ある日貧しさに耐えかねて盗賊を使い村を襲わせ、金目の物は根こそぎ盗賊に奪い去られてしまった。その村を売った野武士の邪悪な心が野武士の作った傘に乗り移り、そうして生まれたのが怪生・傘娘…
早く封印しなければこの村、いや、このあたり一帯の村中が危ない。「その怪生を退治してこの村の英雄となる」と意気込む二戸部を窘めるように、五島そばの店主・五島タキが割り込んでくる。五島そばは水車で挽きたてのそば粉から作る村一番の絶品そば。斉藤もいただくことに。
一方、二戸部からは「風香ちゃんと割といい仲」と既に村の中でも噂になっていた。「あんたには関係ないでしょ」とそばを優先する斉藤だが、後ろに座っている細野はイライラした表情。なれそめを聞き出そうとする二戸部に、あくまで「風香の父を助けてサイを手に入れただけ」と語り、グイグイ来る二戸部に対し「将来は結婚したいですけど…」と口走った斉藤に細野も驚愕の表情。だが囃し立てる面々に「真剣なんで笑わないでください」と斉藤が怒るが、細野の方も怒りで湯呑からお茶が溢れるほどブルブル。
一方、謎解きのために半鐘を鳴らしていた斉藤だが、二戸部からは「代々管理している鐘」と説明される。
斉藤が店を出た後、遅れて細野が待つそば屋にやってきた狩野。だがいきなり細野が狩野に泣きついてきた。
やはり「『サイトウ』が風香と結婚する」と言ってきたことに「告白できない」とまたしても心が折れてしまった。そんな細野に「しっかりしろって言っただろ!」とすぐに何かあったらすぐくじけてしまう細野にポジティブシンキングを説く。狩野はバレないよう店の外から細野の奮闘を見守ることに。
既に風香との噂が出回っていることを恥ずかしがる斉藤だが、その目の前に突如傘娘が現れた。
傘娘「あなたが噂の導師様ですね…」
呆然とする斉藤。現れたその目的とは…
一方、告白の舞台となる五島そばに風香がやってきた。モジモジして中々切り出せない細野を影から応援するが、初手であの「消しゴムネックレス」を見せる細野に「それ見せちゃダメだよ…」と頭を抱える狩野。風香からも「覚えてない」と言われ弱る細野に「自分を信じて告白しちゃえ!気にすんなって!」と励ます狩野。そしてついに
細野「実は…ずっと…ずっと昔から風香のことが好きでした」
ようやく気持ちを伝えたことでとりあえず告白はOK。あとは風香の返事だが…
風香「実は私…私も細野くんのことが好きだったんだ」
思わぬ展開に思わず大声を上げる狩野にヤマモトも注意。
風香も好きだったのにあまり話してくれない細野のことを「嫌われている」と思っていたようだった。細野は「『サイトウ』との結婚話」について聞くが、風香にとってはあくまで斉藤は「父の病気を治してくれた恩人」であるだけ。ずっと風香の家の門ばかりを見ていて全然声をかけてくれなかった細野の事が寂しく、父の病気も加わりどうしたらいいか分からなかったところで斉藤が手を差し伸べてくれた事に感謝はするも「精神的に弱っていた」と結論づけた。
まさかの両想いという展開に狩野も驚くが、喜びを見せる細野はさりげなく狩野が覗く窓を閉め2人だけの世界へ。
狩野「こいつ恩知らずなヤツだな」
一方、山道で怪生・傘娘と遭遇した斉藤。
傘娘「斉藤さん…あなたも怪生の事、悪く思っているんでしょうね…でも本当の事というのは人間都合によって書き換えられてしまうもの…あれはもう…かなり昔のことになります…」
村のはずれに流れ者の侍が住んでいた。
ある日、村を襲った盗賊を侍が1人で追い払った。
侍は村の英雄となり、村長の娘との結婚も決まった。
そんな時、「盗賊の一件は侍の自作自演だ」と言い張る者が現れた。
侍は村人から罵られ結婚も破談。娘も別の村へ嫁いでしまった。
だがその証言は侍の人気を妬んだ者による捏造だったのだ。
それ以来、侍はやり場のない怒りを押し殺しながら毎日娘が好きだった赤い傘を作り続けた。
そんな侍の気持ちが傘に乗り移って生まれたのが怪生・傘娘なのだ…
傘娘も本当は村の人々の心の闇を大きくしたくはない。だが、この力はもう自分ではどうすることもできない。
だからこそ、導師である斉藤に早く封印してほしいと願いに来たのだった。
二戸部と言っていることが食い違っていることに戸惑いを見せる斉藤。真実を知り、自分がまだ導師であることも理解できていない状況だが、傘娘を救う事が「封印」ならば、全力を尽くすことを誓う。
斉藤「…そんな顔をしてたんですね…お綺麗です…それじゃあ…また…」
祠を見守り続ける傘娘。だが、その傘娘にも異変が生じ、持っていた傘が破れてしまった…
風香と細野は両想いで心配する必要はなかった。でも喜んでくれたのは間違いない。もうこの2人のことは心配しなくても大丈夫だろう。仕事も終え、帰ろうとすると先ほど道ですれ違った村人と出会った。だが、狩野の身ぐるみをはごうと襲ってきた。この2人も仇の力を受けてしまったのだ。
とタキとあかねがやってきた。2人にも歯向かう青年だがタキの「喝」一発で追い払った。狩野を助け出したが、まずは何より洞窟を脱出し導師となったことに喜びを見せ、手荒なことをした無礼を謝罪する。
あかね「あなたも導師様だったのね」
狩野「あなた『も』?」
第7話
狩野はアキから「凄い勢いで怪生の力が強まっている」と告げられる。怪生が封印されていた村はずれの祠に手がかりがあるかもしれないとアキから頼まれる。
とはいえまだまだ導師という存在もまだわかりかね困惑する狩野に「行けばわかる」とタキは促す。
タキ「朝までに解決しないと手遅れになるかもしれん…」
確かにこの被害拡大速度は異常。今助けてもらったのもある以上断るわけにはいかない。「一難去ってまた一難」だが狩野が祠へ向かうことに。
村はずれの祠にやってきた狩野。初めて怪生の祠にやってきた神秘的な光景に驚く中、狩野は倒れている傘娘を発見する。
傘娘「私が見えるのですか?」
初めて「怪生の姿は導師にしか見えない」ということをヤマモトから教えられた狩野。これで狩野も「本当に導師」だと自覚する。
傘娘は狩野の力を見込んで依頼する。村の人たちの心の闇が大きくなりすぎ、仇が仇を生み、それがまた仇を生む…とどまることを知らない仇の力は傘娘の傘をも壊してしまった。このまま傘が壊れたままだと村は今晩中に滅びてしまう…
つまり傘を直すことが出来れば仇の力を抑えることができるだろう。
だが、普通の傘とは違う傘。この傘を直せる人は1人しかいない。それは大昔に傘を作った侍の末裔「泉川」が村のはずれに住んでいるという。
とにかく時間がない。傘娘から傘を受け取って泉川の元へ向かう。
狩野「あれなんか、ほんとお願いされてばっかりだなこの村で。」
ヤマモト「それこそが導師の仕事なんですよ」
とはいえ、「怪生」というイメージから感じる狂暴さはなく、意外と優しそうだったことに驚く狩野。なんなら怪生の影響を受けて暴れる人間の方が狂暴のような気も。
村も大概だったが、村はずれの泉川の家はさらに何もない田舎に住んでいる。お人好しな自分にツッコみつつもなんとか到着した。
呼びかけると現れたのは傘職人の「泉川一郎」。挨拶するも「そんな奴しらん」と即閉められる。そっけない態度を取る泉川だが、「傘を直してほしい」と実物を見せるといきなり態度が変わりすぐに中に入れられる。
改めてしっかり傘を見ると傘は泉川の先祖が作ったものに間違いないらしい。傘の入手経緯を「怪生・傘娘から」としっかり話し、「今晩中」というタイムリミットも伝えるが、この傘を直すには泉川家に伝わる職人道具が必要とのこと。しかし、その道具は村の中のお堂に保管されているらしい。しかもそのお堂の扉は不思議な鍵で閉じられていて誰も開けることが出来ないらしい。
泉川は「事情」があってお堂に行くことが出来ないらしく、狩野が代わりに取りに行くことに。
狩野「ここまで来たら最後までやりましょう」
泉川から伝えられたルート通りに行くとお堂が。その扉には鍵が。
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危 |
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怪 |
探 |
秘 |
災 |
封 |
怪 |
探 |
秘 |
災 |
封 |
怪 |
探 |
秘 |
災 |
封 |
怪 |
探 |
秘 |
災 |
封 |
怪 |
探 |
秘 |
災 |
封 |
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傘 |
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これは慧の試練で挑戦した鍵と同じタイプの物。その時は「しりとり」が解読の鍵であり、今回もそうだと思った狩野。
だが今回の最初の文字は「危」。「き」や「あぶ(ない)」で続く漢字がない。どうやら別の法則があるようだ。時間がない中で閃くことが出来るか。
と、お堂の周囲に落書きを発見する。
「牛<虫」
「千<百」
「分<秒」
真ん中が不等号であることに気づいたが単純な大きさの関係ではなさそうだ。
ここで狩野が閃いた。
これは画数の関係。「牛」は4画だが「虫」は6画。「千」は3画で「百」は6画、同様に「分」は4画で「秒」は9画。
ならば「危」は6画、「傘」は12画。残る7~11画の漢字を順に当てはめて行けばいいと気づいた。
1つずつ確かめていき、7画は「災」、8画は「怪」、9画は「封」、10画は「秘」、そして11画は残る「探」。
取っ手を引くとお堂の扉が開き見事開錠成功。「泉川」と書かれた職人道具セットを手に入れた。
土壇場で脅威のスピード解決を見せた狩野にヤマモトも「さすが一人前の導師様ですね」と上機嫌。
狩野「いやもう導師ともなればこんなこと…」
とカッコつけた瞬間足を踏み外してバランスを崩してしまった。やっぱり調子に乗るとミスする男・狩野英孝。
と、道具箱の中身が気になって開けてみると中には「泉川」と書かれた刷毛だけ。
狩野「こんなのどこにでも売ってるじゃないですか!」
でもこれが伝説の職人道具…と刷毛に夢中になっている間に杖がバランスを失い道具箱にヤマモトが直撃。「どこにでも売ってる」と調子に乗った罰が来てしまったようだ。
だがここでまた仇の力を受けて狂暴化したやつらに出くわしたくないところ。
と、今度は怪しげな女性と出くわす。「今ちょっと泉川さんとこに」と語るが女性からは何も知らないような反応が。「村のはずれに住んでいる」と語っても要領を得ない。不思議な反応にどういうことか気になるが、今は先を急ぐのみ。ひとまず狂暴な人でなくてよかった。
ようやく泉川の家に到着。傘の仕上がりも順調そうであり、先祖の職人道具という刷毛も無事。泉川に感謝されるが、「ここに来る途中、誰かに見られてはないですよね?」と不思議な返答が。正直に「1人おばあさんとすれ違った」と答え、泉川から「私の名前出してないですよね…」と聞かれると答えずらそうに「出しました」と答える狩野。その言葉に暗い顔を見せる泉川。「そんな悪いことは言っていない」とフォローする狩野を遮り、泉川は「1時間後に来て欲しい」と伝えられ狩野は家を後にする。
今日1日大変なことだらけだった狩野に久しぶりの休息。傘ができあがるまで先ほどヤマモトが見かけたというご飯屋さんで時間を潰すことに。
良さげなお食事処にたどり着いた狩野。ペコペコのお腹を刺激するいい匂いにつられ入店。
お店の女将は「さちこ」。ここまでの疲れを癒すべく、さちこ一押しのかつ丼を注文。
出来上がるまでの間はヤマモトと久しぶりの世間話。綺麗なさちこに「奥さんとどっちが綺麗ですか?」と聞かれ「誰と比べるんですか。やっぱ奥さんが100点ですよ。」とそこはちゃんとする狩野に対しヤマモトが「面白くないですね」とイジる間にかつ丼が完成。本格的な出来のかつ丼に感動する狩野。
だが、その一方で謎の男も動き始めていた…
第8話(第1部 最終話)
かつ丼に味噌汁というかつ丼定食。もちろんそのままでも美味しいがさらに特製タルタルソースをつけて食べると美味しさ倍増。「丁度今日かつ丼食べたいと思っていた」と喜ぶ狩野におまけで「筍の土佐煮」も追加。
過酷な1日の中でようやくの食事が体に染み、調子に乗った狩野の一発ギャグもにも大ウケするなどさち子との会話も弾む。しかも「この村のためにがんばってらっしゃる」とお代も頂かないという至れり尽くせりの大サービス。丁度1時間経ち、お腹も満たして泉川の家へ向かう。
泉川の家に到着しノックするが返事がない。確かに「1時間後に来て欲しい」と言ったはずなのに…
家の扉が開いていることから強引に入るが、家の中には誰もいない。中には修復された赤い傘と手紙があった。
傘は心を込めて直しておきました。
しかし、私はこの村に住み続けるわけにはいかなくなってしまいました。
狩野さん、この村を宜しくお願いします。
泉川
泉川のことも気になるが、まずは傘娘に傘を届けなければ。急いで祠へ向かう。
怪生の祠で傘娘に出会い、傘を渡すことが出来た。これで仇の力は少し抑えることはできるだろう。
と、ヤマモトに促され泉川のことを傘娘に聞いてみることに。
事情を説明すると傘娘は真実を話す。
実は村人にとっては泉川家は恨みの根源。これまで泉川は傘娘を生み出した侍の末裔の事実を隠して暮らしてきた。しかし、今日の出来事でその事が知られてしまい村にいられなくなってしまい、村を出ていったのかもしれないと傘娘は語る。
「完全に僕のせい」と悔やむ狩野だが、「泉川さんもいずれこうなることを覚悟していたのでしょう」と受け入れるしかない。
と、いきなり背後から二戸部が話しかけてきた。怪生が見えない二戸部にとって先ほどの狩野は独り言を言っているようにしか見えない。説明しようと狩野が振り返ると傘娘の姿は消えていた。
とりあえず村がすぐに滅亡することだけは避けられただけでも御の字。
ヤマモト「狩野さん、今回あなたにできるのはここまでです。あとはもう1人の導師に任せましょう。」
狩野「もう1人の導師?え、なんすかそれ?」
ヤマモト「まあまあ、今は気にしなくていいことです。」
狩野「いいけどさ…いろんなことありそうですね。」
ヤマモト「まあ色々あるんですよ。あなたなんかが知らないたくさんの事が。」
狩野「あなた『なんか』ってなんだよ。頑張っただろ俺。」
ヤマモト「そうですね。狩野さんがいなかったら今頃大変なことになってました。」
とにもかくにも、今回の導師・狩野の冒険はここまで。
狩野「いやぁ、よかった。なんかいい事した後は気持ちがいいな。」
ヤマモト「そうですね。こんないいこと今までしたことないですもんね。」
狩野「いや、失礼だな。」
ヤマモト「ロクな生き方してないんでしょ?」
狩野「やかましいわ!」
こうして、狩野は人知れずゲームを終えたのだった。
そして朝がやってきた。
前日に引き続き5か所巡りを再開する斉藤。
今度は鐘→水車→地蔵→かまど→おみくじの順で回った。
回数 |
1か所目 |
2か所目 |
3か所目 |
4か所目 |
5か所目 |
動いた石 |
1回目 |
おみくじ |
水車 |
地蔵 |
かまど |
鐘 |
3 |
2回目 |
水車 |
地蔵 |
かまど |
鐘 |
おみくじ |
0 |
3回目 |
鐘 |
水車 |
地蔵 |
かまど |
おみくじ |
2 |
中々進まないが、動いた石の数もヒントになる。そのことに気づけるか…
その後、6回目まで行うも…
回数 |
1か所目 |
2か所目 |
3か所目 |
4か所目 |
5か所目 |
動いた石 |
1回目 |
おみくじ |
水車 |
地蔵 |
かまど |
鐘 |
3 |
2回目 |
水車 |
地蔵 |
かまど |
鐘 |
おみくじ |
0 |
3回目 |
鐘 |
水車 |
地蔵 |
かまど |
おみくじ |
2 |
4回目 |
地蔵 |
水車 |
かまど |
鐘 |
おみくじ |
0 |
5回目 |
かまど |
おみくじ |
鐘 |
水車 |
地蔵 |
0 |
6回目 |
おみくじ |
かまど |
水車 |
地蔵 |
鐘 |
1 |
と全然当たらない。疲労も溜まるがまだ114通りもある。逃げ出したい気持ちもあるが、「もう少しあがきましょうか」と諦めず7回目へ挑む。
+
|
実はここで論理的に考えると… |
1回目の3ヒットは非常に惜しく、いわば「ここからどこか2つの順番を入れ替えれば成功」となり、この時点で残りは10通り。
2回目の0ヒットも「全て該当箇所の順番ではない」ということはそれに該当する順番を消していくと5通りまで減らすことが出来る。
そして実は4回目を回った時点で正解のルートは1通りで確定している。それが何なのかはここでは伏す。
しかし、本当は「1/120を引き当てなくても1回目でも正解のルートを引き当てる」ことはできて…
|
7回目の周遊に挑む中で風香と遭遇。難儀していることを離す中、おみくじで凶ではなく大吉ばかり引くことを話すと、あの神社は宮大工である一宮家が管理しており、おみくじも村人の幸せを願って大吉を増やしているという配慮を知り、さりげなく風香の手を触る斉藤。
だが、去ってから斉藤はあることに気づいた。
宮大工でおみくじを管理しているのは「一宮家」、水車は「五島そば」のもの。
もしかしたら数字が関係しているのでは?
ノートに情報を整理し始める斉藤。あとは足りない情報を補強していく。
炭焼き小屋であかねと会う。あかねの名字は「四ツ田」。
地蔵の付近では倒れている奥さんをおんぶした。地蔵の世話をしている村長家の名前は「三多村」。
半鐘の管理をしているのは「二戸部」。
ついに全ての点と線がつながった。
一宮家が管理するおみくじ→二戸部が管理する半鐘→三多村家が世話する地蔵→四ツ田家が作る炭焼き窯→五島そばの水車。
確信のある順番で村の5か所をめぐる。
もうこれでダメなら体力的にも本当に手詰まり。運命の瞬間は…
石は全て右にある。ついに正しい順番を導き出した。
と、石碑が動き出し隠し階段が現れた。
階段を降りるとついに「因」のサイを獲得。これで2つを揃えることが出来た。
2日間にわたる戦いが幕を閉じようとする。
サイを納めようとする斉藤に後ろから傘娘が声をかけてきた。
傘娘は「仇」から生まれた怪生。傘娘が消えれば村も元に戻るだろう。
その思いを受け取り、サイを祠に収める。
因
心
「恩を仇で返す」のではなく、「報いてくれた恩をしっかりと大切にする」こと。
サイを納めた途端に祠から光が発せられた。
傘娘「私の心の中に降っていた雨がやっと止みました。斉藤慎二さん。あなたのおかげです。あなたに会えてよかったわ…」
そういいながら傘娘は姿を消した。
だが、その様子を謎の男が見ており…
とにかく、これでゲーム終了。仇の影響で狂暴化していた村人たちも元に戻り、村も無事救われた。
斉藤「こんな疲れたの初めてかもしんない。マラソン大会以来だわ。」
スズキ「とにかく、これでゲームの第1段階クリアだね」
え?
スズキ「何言ってんのよ!まだまだ終わらないわよ!」
斉藤「これから舞台だよ、お笑いライブの。どうすんの相方?」
スズキ「相方?待たせとけ。」
斉藤「いやいや、俺がいて成立すんのよジャングルポケットは。」
「やるじゃないですか…ご苦労様。」
ついにずっと様子を見続けてきた男が姿を現す。その顔面は左半分が異形化していた。
「ではいただきましょうか、怪生・傘娘」
祠に貼られていた「仇」の札を顔にかざすと力を吸収。男の顔に角が生えた。
物語はまだ始まったばかり…
最終更新:2025年09月04日 23:35