こちらではは2014年に放送された「怪生伝」第3章「鈴鳴編」を紹介します。

第1話

この土地にやってきた1人の男。導師・狩野英孝
村の門の前には前回もお世話になったヤマモトが。今回も箱の中にある装備を身に付ける。数か月ぶりとはいえ導師姿も板についてきた。村の門を開け「ゲーム開始」となる。

  • 入り口付近
今回はなにやらお祭りの準備がなされている。出会う村人たちも普通の反応だ。これまでの感じとは一味違う。

  • 団子屋前
と、団子屋の前で団子をほおばっていたのは導師・田中卓志withスズキ。

実は30分前に田中はスズキと共に早くゲームフィールドに入り、お祭りということで気前のいい団子屋の女将から無料で団子を頂いていた。

というより、第一章「傘娘編」でのヤマモトの相棒は狩野だが、前回の第二章「岩ノ女」編でのヤマモトの相棒は田中。そして、今回はヤマモトは狩野担当、スズキは田中担当。使い魔は一人につきっきりという形ではなく担当も変わる。
スズキ「あんたたち、さっきから『お供』とか言ってるけど上下関係は逆だからね!」
ヤマモト「そうですよ!あと呼び捨てはやめてください!」
スズキ「私たちがわざわざサポートしてあげてるんだからね」
とはいえ、例えば芸能界で言えばマネージャーがコロコロ変わってしまえば一から色々教えなければならないし混乱も発生する…が、あくまで「使い魔の方の立場が上」と釘を刺すスズキ。
また、導師歴では狩野の方が上だが、狩野は唯一見習いから成りあがった叩き上げ型。
田中「導師としたらレベル俺もう50ぐらいだけどまだ(狩野は)1だからね」
だがそんな2人の言い争いを新たなる怪生はもう覗いていた…

改めて、今日は今のところなんともなさそう…かと思いきや頬に「欲」の字が浮かび上がった先ほどの団子屋の女将が。
挙動不審な姿に警戒する2人だが「あんたたちにあげるもんなんて一切ないよ。全部私のもんだよ。」と2人の装備を奪おうとしてきた。なんとか主人が取り押さえてくれたが、女将の急な豹変にビビる2人。先ほどはあんなに気前がよかったのに…

頬に書かれていた「欲」の文字。今回の怪生は「鈴鳴(すずなり)」。この怪生に冒された者は「自分さえよければいい」と自己中心的になり、欲に走るようになってしまう。そのような人だらけになってしまえば村はあっという間に壊滅してしまう…
となれば今回の使命はもうお分かり。「サイを集めて鈴鳴を封印すること」。
田中「意外と知ってんね」
狩野「初代導師なんで」
田中「初代は斉藤だよ」
今のところ使い魔2匹にも心配されるほどチグハグ感漂う2人だが大丈夫だろうか…

  • 東屋付近
早速動き始めた2人。村には赤と白の提灯が所せましと吊り下げられている。

  • 茶屋前
茶屋の前で立て看板前で村人2人が会話していた。今回は20年に一度行われるという「福女選び」という行事らしい。
20年に一度、その年に二十歳になる女性に村人が投票し、1人の福女を決める。
今回の候補者は「赤橋礼香」と「白鳥華」の2人。ポスターの印象では田中は「ロングヘア好き」ということで華。狩野は「無類のショート好き」ということで礼香がタイプ。礼香は美人かつ名家の生まれ。とはいえ華も負けていない…と議論を交わす中で村長の「金剛政臣」が現れた。福女に選ばれると家族・親戚・支持者に至るまで関わった人全てに福が舞い降りるといわれている。もうじき祭が始まる鐘の音が鳴る頃。村人ではない導師2人には投票権はないが20年に一度のお祭りを楽しんでもらうよう挨拶を受ける。金剛村長が祭りの運営を取り仕切っているが、噂によると今回は相当張り切っているらしい。

一方、謎の男の空間では男が紅茶を注ぐ。が、前回岩になった手でカップを持つだけで紅茶が沸騰した。
「お祭りの…始まりです…」
その傍らにはまたしても2つの仮面が…

お祭りも良いが、怪生の封印も忘れてはいけない。と、後ろで困っている人を発見した。話を聞くと祭りの始まりを知らせる鐘を鳴らす役割を仰せつかったのだが、この村にいる「椿崎」という変わり者によってちょっと目を離した隙に木槌を猛犬の檻の前に置かれてしまった。とその張本人「椿崎礼央」が登場。派手な服&自分の事を「ミー」と呼びながら歌舞伎のような見得を切るという間違いなく「変わり者」。受け答えも全く噛み合わない。
と、木槌には紐がついており、1から10が書かれた木札の中から正しい物を引っ張ることが出来れば手に入れることができる。しかし、それ以外は猛犬の檻につながっており、失敗すれば猛犬が飛び出してしまう… 断じて鎖引きオープニングゲームではない
ズルして上から取ろうとしても猛犬が暴れてしまう。一発でこのからくりを解けるか?
…と、椿崎から手がかりが。
1=1 4=5 5=4 6=4 7=2 8=□
四角の中に入る数字を当てれば良さそうだが、運で引くにしても1/10…
と椿崎からもう1枚の手がかりが。
0=13 100=6
悩む2人だが、その様子を華と一人の男が覗く…
と、田中は閃いたが狩野に花を持たせるため任せることに。
田中「祭りの時間大丈夫?」
男「みんな待ってるんですけど始められないんで」
椿崎「犬が出てきちゃうかもな~エサ与えてないからな~」
結局狩野はギブアップし田中が解説。
これは左の数字を漢数字にした際の画数と予想。「一」は1画、「四」は5画、「五」は4画、「六」は4画、「七」は2画、「零」は13画、「百」は6画。なら「八」は2画で「2」。
猛犬は紐を引っ張った人に襲い掛かる。緊張の一瞬だが田中は見事に木槌を手繰り寄せた。見事なひらめきだが、その様子を陰から誰かが写真に収めており…

と、男からはお礼として黄の円盤を貰った。第2章不参加の狩野は知らないが、第2章では赤と青の円盤を手に入れた。使い道は分からないが綺麗なので集めている人も結構いるらしい。
スタートからいきなり活躍の差がついてしまうも「全然こんなん、嵐の前の静けさでしょ」と余裕の態度の狩野だが、今後1人での行動もあるだけに田中もヤマモトも心配。狩野は試練の洞窟での「勇ましさ」をアピールするが、「もういいわよ。過去の栄光にすがるのは。」とスズキにバッサリ斬られたところで。いよいよ祭りの始まりを告げる鐘の音が。

そして、この冒険も本格的な始まりを迎える…

第2話

  • 水車付近
サイを探す中で倒れている人を発見した。荷物の配達を頼まれていたが急ぐあまり足をくじいてしまったらしい。頼まれた荷物は赤橋陣営から頼まれた大切な品なのだが、白鳥陣営へ早く届けなければならないらしい。ここは手助けすべきだが、先ほど田中が頭脳で解決しただけに当然体力担当は狩野が担うことに。これもサイ獲得のため。
だが、その様子をまた仮面の女が見ており…

「赤橋陣営」「白鳥陣営」という言葉から、福女で争う2つの陣営と気づいた2人。男が運ぶ荷物の中身はまんじゅう。福女選びの際には候補となった陣営同士が互いにまんじゅうを贈る習慣があるという。
と、男に肩を貸して運んでいると鈴の音が…階段の上には怪生・鈴鳴が。だが導師ではない男には何も見えない。
「悲しいと思いませんか?人は欲によって栄え、欲によって滅びる。これまで人は何度も同じ過ちを繰り返してきました。そしてきっとこれからも…」
鈴鳴からの意味深な言葉に呆然とする2人。だが、男にとっては突然呆然とする2人の方が驚き。男の声で気を取り戻し、白鳥陣営へ向かう。

  • 白鳥陣営
何とか無事に到着し、福女候補である白鳥華の母・正代におまんじゅうを渡した。一緒におまんじゅうを食べるという正代からの誘いに2人は「せっかくなら」と乗るが、男は足をひきずりながらも遠慮がちにその場を去る。
狩野「大丈夫ですか本当に?狩野つけましょうか狩野?」
と、中から白鳥陣営の幹部・馬場も登場。白鳥陣営は皆が白い鉢巻きに白いハッピとかなり気合が入っている。
いかにも食いしん坊そうな見た目に食べすぎで着物が入らないという馬場だが、あくまで「毒見のため」とおまんじゅうをほうばる…が、食べている最中に倒れてしまった。
もしかしたら赤橋陣営からのまんじゅうの中に毒が…?正代は連れてきた2人を疑うが、中から出てきた華がとりなす。華は先ほど2人が木槌を取り戻すのを目撃していた。頭の切れる、心の優しい2人がそんなことをするはずがない。
やはりこの毒まんじゅうは赤橋陣営の仕業か?どうやら最近「赤橋陣営の人間が怪しい毒薬を作っている」という噂も出回っているようだ。もしかしたらその毒で白鳥陣営を混乱させようとしているのかもしれない。福女選びの為なら情け容赦ない手段を取る赤橋陣営にいら立ちを見せる華の兄・隼人を華は「そこまで言わなくても…」となだめる。
とにかく赤橋陣営の悪事を暴きたいが証拠がない限りはどうしようもない。隼人は導師2人に助けを借り悪事の証拠をつかむことに。
と、ようやく目の前に華がいたことに気づいた田中はまたしてもデレデレモードに。
恒例の「どっちがやるか」になり2人とも立候補するが…
田中「おまえ赤って言ってただろ…おまえマジで赤だって言ってただろ…」
狩野「白鳥華さん見たらやっぱりいいなって…」
田中「おまえは無類のショート好きだろ、それでなんで急にロングがいいって言うんだよ」
好みもそうだが先ほどの結果も踏まえると狩野が1人で謎解きできるかも心配する田中。
と、白鳥陣営が赤橋陣営の用心棒・田糠(たぬか)を捕まえた。
田中「こいつ俺に似てるやつじゃん。お前(デルピエロ)山口じゃん。」
その風貌も声も名前も田中とそっくり。
と、ここで隼人が案を出す。田中が田糠に成りすましていけば自然と赤橋陣営に潜入できるのでは。
白鳥陣営も田中と田糠の区別がつかない中、華からの手を握ってのお願いに当然了承。
田中「私にすべてお任せください!」

一方、謎の男は蝶のクッキーにミルクを浸し、飲み食いしていた。
「いただきます…」

  • 白鳥陣営
田糠の服を奪って着替えていよいよ潜入捜査へ。そのそっくり度合いはスズキも認めるほど。
潜入捜査の目的は赤橋陣営に潜入し、金庫に隠されたという毒薬を見つけ証拠をつかむこと。
とはいえ先ほどの華の手の温もりが忘れられない田中。第2章でも恋しまくりだった田中だが「黒髪・清楚・穏やかそう」な華は一番のタイプと語るが、またしても恋しまくりの田中にスズキも「毎回そんなこと言ってるなぁ」と呆れ気味。

  • 赤橋陣営
いよいよ赤橋陣営に着いた。潜入捜査だがあくまで「田糠」になりきって堂々とした振る舞いをすることが重要。もちろんバレてはいけない。
赤橋陣営に入るといきなり礼香の父・清十朗がやってきた。何かあったか心配になった一方、杖のスズキを「テンの死骸がなんかがあってさ」とスズキの声が出せないことを言い事にひどめではあるが言い訳。
「見回りをしていた」と言い訳したところで礼香からは「大事な話があるので父は席を外すように」と言われ礼香と2人きりに。礼香は福女選びが近づいてきたことで最近皆が殺気立っていることに不安と恐怖を感じていたが、礼香は田中を信頼しており、田中もまんざらではない顔。と、安心したらお腹がすいたということで、礼香は「白鳥陣営に贈ったおまんじゅうを一緒に食べましょう」と言われるが、それって…
「ダイエット中だから」という理由で断り、じゃあ礼香が…というのもなんとか止めるが、髪を直してもらうなど結構田中に献身的な礼香。
実は周囲の期待とは裏腹に「福女選び」に勝てる自信が無かった。田中は礼香を励まし、礼香からは
「もし福女になれたら私とつき…」

「つき…」

と、いいところで赤橋陣営の面々が割り込んできてしまった。間の悪い面々に怒る田中だが「先生のいつもやっている鍛錬法を参考にしたい」と聞いてきた。

  • 白鳥陣営
一方白鳥陣営に残る田中。前回怪生退治に挑んでなかった狩野だが、今回は初の怪生退治。謎解き面では田中にリードされたが、小さい謎は田中に任せて「僕は大物狙って行こうかなって感じですね」と一発逆転狙い。
と、華が声をかけてきた。華も福女になれるか心配だが、あくどい手を使う赤橋陣営が勝つのは狩野も許せない。
華は福女になって母に恩返しがしたかった。小さい時父を病気で亡くし、女手一つで2人の子どもを育ててきた。「福女になれたら幸せになれる」という言い伝えを華は信じている。話しているうちに華も元気になり、正代とともに華の張り紙を手伝う事に。しかし、今日の狩野の服は赤。白鳥陣営は白で統一しており、丁度いいのがあるらしく着替えることに。

数分後。出てきた狩野は白いウサギのコスプレ姿。これでもいいらしい。

第3話

  • 赤橋陣営
鍛錬法を頼まれた田中。早くも正体がバレそうな危うい状況。普段使っているという鎖を渡され「軽々引きちぎってくださる」とデモンストレーションを頼まれるが、ガチの鉄の鎖なので当然田中は引きちぎれず。「さっき転んで(腕を)打った」「腕がプランプラン」と言い訳し何とか切り抜けた。弟子までいる田糠の意外な慕われっぷりに困惑する一方、「腕プランプラン」の言い訳はスズキも見事と称賛。この調子で潜入捜査を続けていこう。

  • 白鳥陣営
一方、うさぎ姿に困惑する狩野に第1章でもお世話になったさちこがやってきた。今回の姿も一発芸と勘違いするさちこだが、この村では焼き肉店を営んでいるらしく、白鳥家に弁当を届けにやってきた。一方、狩野はさちこにあっさりと田中が潜入捜査をしていることをしゃべってしまった。心配するヤマモトだが「同じ村人として赤橋さんとこが毒盛ったっていうのは広めた方がいいと思う」という意見の狩野。
と、そこにシルクハット姿の紳士が。今、狩野はウサギのコスプレをしているが、そういえばウサギの数え方は「1匹、2匹」ではなく「1羽、2羽」。その理由は日本では昔、4本足の動物を食べることは好ましくないとされており、基本的に「魚」「鳥」以外の動物を食べることはなかった。しかし、資源的に厳しい山間部では貴重なたんぱく源としてウサギを食べる習慣もあり、それを理由づけるために「ウサギは『鵜(う)』『鷺(さぎ)』だから4本足の動物ではなく鳥扱い」や「ウサギの耳は羽みたいだから鳥扱い」といった少々強引な理屈をつけて食用にしていた。そんな当時の名残からウサギのことを「1羽、2羽」と数える…(※諸説あり)
と、今回も雑学だけ披露して帰っていった紳士に困惑する狩野。
とまあそんな間にポスターの準備ができ手伝うことに。
だが、仮面の女も動き始めていた…

  • 赤橋陣営
一方、潜入捜査中の田中は赤橋陣営の面々に連れられ食事処へ。「最近できたばかりだが焼肉定食がスゴく美味しい」と語る店の暖簾には「さちこ」の文字が…
入店して一瞬フリーズするさちこだが、先ほど狩野から事情を聞いていたこともあり、なんとか田中を「田糠」として対応するが、動揺のあまり落ちつきがない。こっそりと潜入捜査の件を聞き、田中はバラしてしまっている狩野に困惑するがさちこは「あの人たちにバレないように自然にやるから大丈夫。任せといて。」とサムズアップ。
が、いざ本番になると水を配膳するのもガッチガチ&手が震える&棒読みというプレッシャー激弱ぶりを露呈。
その動揺っぷりに赤橋陣営も「もしかして…」と感づかれた…かと思われたが「お二人は付き合ってらっしゃるとか」とそっち方面に気が逸れてくれたため一安心。
だが、その店の近くではもう1人の仮面の女も動き始めていた…

  • 水車付近
ポスターを貼る手伝いをする狩野。面倒ではあるが極限のプレッシャーがかかる田中の仕事に比べたらマシな方。早速茶屋に許可を取って貼る交渉をするが、その背後から狩野の姿を撮影する女性が…
ポスター貼りも快諾され、さらにお茶のサービスも。ヤマモトからは「ウサギの格好気に入ってるんじゃないですか?」とイジられるが、導師の衣装は白鳥家に置いてきた…というところでついに撮影していた女性が狩野を至近距離で撮影し近づく。
「あの、あなた導師ですよね?」
女性の名は記者の「印出知子(しるしで ともこ)」。先輩から「困ったことがあったら獣がついた杖を持つ導師に頼って知恵を借りろ」と言われていたらしい。印出の先輩は長年「福女選び」について調査していたが、出発する直前に失踪してしまい、代わりに来たとのこと。
先輩はノートを残しており、その中にもしかしたら隠されたメッセージがあるかもしれない。狩野はノートに残された先輩からの言葉を読む。

君にこそっと教えよう。
今度の事件はこちらから追いかけてはいけない。
暦の上ではもう秋…
こうなってしまっては仕方がない。
そこに行きつく前に呼吸を整えなさい。
印出知子を危険な目にあわせたくはない。
忘れないで。
取材のコツは「こけないように」
決して殺されはしないでしょうが…気をつけなさい。

とにかく、この後に注意しなさい。

一体何を伝えようとしたのだろうか?「この後に」と書かれているが以後のノートのページは真っ白だ。やはりこの文章に秘密があるのだろう。
何か文章の構成にも違和感を感じる。まともに書いていたらノートを盗まれたり落としたら危険なメッセージなのだろう。
と、狩野が閃いた。「この後」とは「『こ』の『後』」。つまり「こ」の次に来る文字ではないかと考えた。

集めていくと
「こっと」「こど」「こら」「こみ」「こなって」「そこ」「こゅう」「ともこ」「こは」「こない」「こされ」

「そんちょうにきをつけろ(村長に気をつけろ)」

村長ということはあの金剛村長のことか?なかなか気さくな感じだったが何か裏があるのだろうか?印出は危険を顧みず村長の身の回りを探ることに。「福女選び」の裏でなにやらきな臭い動きを感じる…ただ楽しい祭りだけにはならなそうだ…

  • 焼肉屋さちこ前
一方、潜入捜査中の田中は「さちこ特製焼肉定食(キムチ&ナムル付き)」を食すことに。今回はサンチュ&サルサソース付き。サルサソースの辛みがまた意外に合う一品に田中も大満足。赤橋陣営にも順調に溶け込み始めた。このまま証拠を掴めるだろうか。
食事を終えると店にいた占い師から「赤橋陣営が福女選びで勝つかどうか」を田中の顔相占いで占うことに。が、顔相どころかこめかみアタック&強制ハゲさせに嘆く田中だが「スゴい福の持ち主」「福のバケモノ」「何をやってもうまくいく大絶頂期」と絶賛。
「だが、気を付けなければならないものが1つある。それはウサギじゃ。ウサギにだけは関わってはならぬ。」
唐突な指摘に困惑する田中。そう。田中は狩野が今どんな姿をしているか知らない…

一方、謎の男の計画も進行していた。
「本物を超えるのは偽物だけ…偽物にこそ価値があるんですよ…」

第4話

  • 茶屋
印出を心配しながら茶屋で休憩する中、茶屋から出てきた男にゲームでの勝負を持ちかけられた。「昔から伝わる面白い遊び」として勝ったら団子をごちそうしてくれるという。実はその使うカードは第2章でさちこが導師2人に渡していたものだった。
その正体は村に古くから伝わるカードゲーム「漢字札」。今回は一番簡単なルールで勝負をすることに。
札にはそれぞれ「漢字一文字」「数字」「印」が書かれている。「数字」は書かれている漢字の画数であり、それがそのまま強さとなる。対戦する相手がそれぞれ同時に1枚ずつカードを出し、出した画数の多い方が勝利となる。
さらにカードには「炎」「炭」など火にまつわるカードの赤・火、「沖」などのさんずいや「鯖」といった魚へんなどの水にまつわるカードの青・水、「椿」などの木へんや「花」などの草かんむり、「繰」のように木が入っているなど草木にまつわるカードの緑・木の三色がある。これも大きく勝負を分ける。
今回は5枚配り3勝先取で戦うことに。
一本目。狩野の手持ちは「(13)」「(15)」「(19)」「椿(13)」「(13)」。中々良さそうだ。男の初手は「草(木・9)」、狩野は「潤(水・15)」。画数の上では狩野の勝ちだが、3色のカードは属性を表す。火は木に強く、木は水に強く、水は火に強い。相手に対し有利な相性のカードを出した場合、出したカードの画数は2倍になる。よってこの勝負は15 VS 18で男の勝利。
二本目。両者の手元には赤・青・緑に塗られた小石が置かれており、これは手札の色を自己申告して開示している。これを元に相手の次の札が何で来るか?相手が多く持っている札をぶつけるか?その裏、さらにその裏を読んでいくか?駆け引きと読み次第では少ない画数の札でも勝つことが出来る。現状況は狩野も男とも火1・木1・水2。男は水の札を消化したいと思い、狩野も水の札で正面突破を狙う。男は「霞(水・17)」、狩野は「鯖(水・19)」。見事な読み勝ちで1本返した。
三本目。男は「繰(木・19)」、狩野は「滝(水・13)」、13 VS 19×2=38で惨敗。
後がない四本目。ここで男から「もし俺が勝ったら俺の願いを1つ叶えてもらう」と唐突な提案が。不服な狩野だが、タダで団子を賭けた勝負になるはずがない。渋々狩野も飲むことに。残りの男の札は火と水、狩野は木の「椿」と火の「煙」。勝つためには「椿で水に勝ち、火で画数勝負」するしか手がない。2択を読み外したら本当に負け。男は「熱(火・15)」、狩野は「椿(木・13)」。13 VS 15×2=30で狩野の負け。
ということで男の願いを叶えることに。男は歌が好きということで「だんご」「祭り」「口づけ」の3つを入れた歌を即興で作ることに。とはいえテレ朝「ロンドンハーツ」では「50TA」として歌だけでなく作詞・作曲も手掛ける「メロディー工場長」とも呼ばれる狩野。即興ながらなかなかのクオリティの曲に男もノリノリで盛り上がった。
が、そこに隼人がやってきた。手伝いするといったのに茶屋でお茶飲んで遊んで歌ってとサボっているようにしか見えない狩野に「その意識の低さが福女選びに影響するんです。華が福女になるために頑張ろうと思わないんですか?」と掴みかかって激昂するが、ちゃんと狩野が謝り2人で再び貼りに行くことに。
だが、その様子は仮面の女もチェックしていた…

  • 焼肉屋さちこ前
昼ごはんを終えた田中は最後のお願いに向かう礼香一行と合流。

  • 祭り会場
祭り会場では先に白鳥陣営も応援活動をしていたが、祭り会場を独占して使おうとする赤橋陣営と中立的に使おうとする白鳥陣営で喧嘩に。と、赤橋陣営から祭り会場を使う権利を賭けて「怪力相撲」で勝負が提案。もちろんその矢面に立つのは田中。一方、白鳥陣営のとっておきのやつ・亀井は食事中。ということで代打で狩野が呼ばれてしまった。お互い気まずい上に狩野の姿を理解できない中、怪力相撲のルール説明。「はじめ!」の合図でお互い両手を組合い、相手の手首を巻き込んで腕力を見せつける。降参した方が負けのパワーと根性が試される。
と、田中は先ほど「ウサギにだけには関わってはならぬ」と占い師にかけられた言葉がよぎるが、部下からは「もしかして占いババァのいう事を信じてるんですか?」と言われる。占いも気になるが潜入捜査中のため退くわけにはいかない。
2人で組合いながらもどう決着に持っていけばいいのか話し合うが、シンプル腕力ではやっぱり狩野が強く田中のギブで狩野の勝利。しかし「怪力で今潜入してんだから怪力じゃなかったらおかしいだろ」と矛盾が生じてしまう事を狩野にダメだしするが、そもそも狩野は「田糠が怪力用心棒」という設定を知らない。無事に勝った狩野は休むことに。一方、負けた田中はやはり「腕がプランプラン」で凌ぐが、「これでは周りに示しがつかない」ということで家の掃除を1日やってもらうことに。

  • 赤橋陣営
家の掃除をする田中。占い師の予言は当たっていたし、情けない醜態をさらした田中をいじるスズキだが「一度負けて最後勝ちを取る。それが導師だろ。」と本気で掃除…ってそういう場合ではない。赤橋陣営にいるのは自分1人。いまこそ金庫に近づくチャンス…金庫を探すがそれらしきものは見当たらない。部屋には奥もあるらしく、こっそり潜入とスズキから悲鳴が。普通に小さい日本人形に悲鳴を上げただけたっだが、奥には見張りの正田も寝ている。そしてその奥に金庫が。

  • 白鳥陣営
一方、容赦なく勝ちにいった狩野。礼香のことを「毒まんじゅう女」と最初の好みから一転してひどい名前を付けるが、ついに仮面の女2人が狩野に接触する。自分の身を心配する狩野だが、2人からはお話を持ち掛けられる。「狩野が今一番欲しいもの」を尋ねられるが、それはやっぱり「サイ」。2人はそのサイの場所を知っているという。2人に従われるがままについていく。

一方、謎の男。
「いよいよ…本番ですね…」

  • 赤橋陣営
金庫を発見した田中。あの中に証拠があるはず。しかし寝ている正田を起こしたらタダでは済まなそうだ。金庫にはカギがかかっている。しかもその鍵は正田の胸の肌にテープで直止めしている。
田中「普通首にかけるとかじゃないの?」
起こさないように慎重にテープを剥がしながらも、気づいて起きた時には掃除をしているフリ。しかし寝ぼけているのかまた寝てしまった。これまでとはまた違う神経を使う戦いに集中しながらもなんとか鍵を獲得。その瞬間、正田は胸をかいた…が気づかれなかった。小声で「とっだどー!」で喜びつつ、金庫を開錠。その中には…

第5話

  • 赤橋陣営
金庫の中を一通り調べたが毒はなさそうだ。中には謎の布とひらがなが書かれた札。閉まっている引き出しは開けることができない。どうやらこの中に何かがある「二重金庫」のようだ。よっぽど見られたくないものだろう。
扉の裏には言葉が書かれていた。

男なら旗を掲げたらいいんじゃないか
でも、掲げる順番を間違えちゃ
ダメなんだな。
間違えなければ
少女の目には真実が映るはずさ

この文章が手掛かりとなりそうだ。金庫の上部には5か所穴が開いており、そこに木札を入れられるようになっている。札は20枚ほどあり、手あたり次第では厳しい。一方、ひらがなが書かれた布は一本の紐でつながれている。これがどうやら「掲げる旗」のようだ。正田を起こさないように金庫の謎を解けるのだろうか。
田中は「少女の目」とは日本人形のこととすぐに気づいた。日本人形の視点から見てみるがちいさなつぼしか見えない。部屋を見渡すと壁の上部にフックを発見した。万国旗のように横に掲げると「にはれらぬ」と何の言葉にもなっていない。旗は結構長く、文字もバラバラ。音を出さないようにしながら解かなければならない難問に田中も焦りの色が…

  • 村はずれの森
一方、仮面の女に導かれて「サイ」があるという場所に連れていかれる狩野。

  • 洞窟付近
着いたのは洞窟。第1章では洞窟で苦しんだ記憶のある狩野。少々嫌々ながらも中へ。

  • 洞窟
部屋につくと眼下にサイを発見した。初めてのサイ発見に浮かれる狩野。

  • 赤橋陣営
対照的に謎に悩みずっとしかめっ面の田中。ようやく向かいの壁にもフックがあるのを発見した。かなり長い旗を全て掲げるとするならばジグザグに旗を掲げて文字が見えるようにすることに気づいた。早くしないと正田が起きてしまうが、順調に旗を掲げていき、最後のフックにぴったりはまった。そして日本人形の視点から覗いてみると「みそにこみ」の5文字が。
田中「何でこの言葉なの…」
「味噌煮込みうどんを食べる」とかの伏線ゼロの言葉に困惑するが、5枚の木札を揃えていくが、そこで物音が。慌てる田中だが、寝ていた正田が太ももを叩いたり掻いてる音だった。緊張感の中、5文字の木札を入れると解除音が。引き出しを開けるとそこには「絶対にさわるな」という文言とキノコが書かれた瓶が。これこそが動かぬ証拠だが、そのキノコは傘みたいな形であり、どっかで見たことがあるような…。
と、ついに正田が起きてしまい羽交い絞めにされてしまった。

  • 洞窟
一方、洞窟でサイを見つけた狩野。サイとの間には格子状の扉があり、そこには「葉の下」「其の上」「桜の中」と書かれた張り紙と鍵らしきものが。この謎を解かなければ扉は開かないようだ。また、下にはひらがなが書かれた板が落ちていた。暗号を解いていけば扉が開くだろう。
「葉」を「よう」と読んで「う」と思うが、「う」の札はない。ヒントがないと解けないと格子を見る…と、格子の外にも裏側になっている札があった。3枚を回収するとそれぞれ「ト音記号」「伍拾」「『白赤白』の丸3つ」だった。いったい何のヒントなのだろうか?
1つずつヒントを復唱する中で、「其の上」という言葉で閃いた。ト音記号=音階でソの上は「ラ」。ちゃんと「ら」のプレートもある。他の2つも別のプレートに関係していそうだ。
「桜の中」「白赤白」は「さくらの2文字目」を表していると踏んで「く」、「は」と「伍拾」は「伍拾→五十音」と踏み、「は」の下である「ひ」と踏んだ。3枚を並べると「ひらく」!見事に扉を開錠し意気揚々とサイへ向かう狩野だが、その間に仮面の女たちは洞窟を後にする。そして狩野はようやく初のサイ「」を手に入れた。とはいえ思ったより簡単に取れてしまい拍子抜け感もあるが、仮面の女たちがいなくなったことにも気づく。とはいえようやくのサイ獲得に満足の狩野。

一方、謎の男はその様子に満足気…だが、かつて吸収した仇の力の影響が角が痛み始める。
「我慢…できないようですね…でも…もう少しの辛抱ですよ…」

  • 赤橋陣営
潜入捜査がバレてしまった田中。信じている清十朗だが、部下からはこれまでの失態をすでに怪しまれていた。だが清十朗は「もしこいつが偽物だとしたら本物の田糠さんはどこにいるんだ?」とまだ信じてくれている。

  • 白鳥陣営
一方、白鳥陣営に戻ってきた狩野は隼人から田糠が逃げ出したことを知る。中に戻ると引きちぎられた鎖があった。やはり本物は相当な怪力だった。そうなると田中の身がもっと危ない…
と、熱病で倒れていた馬場が無理を押して動こうとしていた。華によると「どうしても赤橋陣営に行きたい」とのことだが、何か事情があるみたいだ。狩野もウサギのコスプレから着替えて手伝うことに。

  • 赤橋陣営
ついに赤橋陣営に本物の田糠が来てしまい、潜入捜査をばらされてしまった。逃げようとする田中だが、礼香にもバレてしまい窮地に。だが、礼香から「もし理由があるなら話してください」と言われ「毒まんじゅう事件からの潜入捜査」をし、ついに金庫に入った毒薬を突き止めたと語るが、赤橋陣営は認めない。と、遅れて狩野と白鳥陣営の者たちも到着。田糠に脱走を許した狩野を責めるが、今はそれよりも誰が毒薬を作ったかということ。どうやら馬場は潜入捜査の話を聞いたら「どうしてもここに来たい」と言ったらしい。と、ついに馬場が力尽きて倒れてしまった。すると赤橋陣営の幹部・塩崎が田中から毒薬を取って馬場に飲ませる…まさに目の前での現行犯。苦しむ馬場に皆が駆け寄る…

第6話

  • 赤橋陣営
一同が心配する中、馬場は正気に戻り塩崎に感謝を述べた。塩崎が飲ませたのは毒薬ではなくちゃんとした薬。馬場が倒れたのは毒ではなく熱病のせい。元々熱病にかかっていた馬場だったが、たまたままんじゅうを食べた時に倒れてしまい、それを皆が「毒を盛られた」と勘違いしていたのだった。塩崎は馬場が村の掲示板で「最近熱っぽくてブルブルですぞ('-ω-')」と書き込んでいたのを見て薬を作っていたのだった。そういえば薬瓶に描かれていたキノコは第1章にも登場した「バンガサポイダケ」でもある。
これでようやく正々堂々と戦えることに握手で健闘を誓うが、隼人は「これで勝てると思ったのに」と不満気な表情を見せるが、取り繕いその場を後にする。
と、「禾」のサイを発見した。潜入捜査で奮闘した田中は「狩野、今日何もしてない」と言ったが、狩野だってサイを獲得している。これでサイが2つ揃いったが「禾」=「私」という終わり方に疑問を持つ田中。中の文字の色も田中のは黒、狩野のは赤。第2章で本物のサイを見ている田中だが、狩野は今までサイがどういうものをちゃんと見ていない。田中は偽物ではないかと疑う。
田中「怪生伝ファンが作った偽物でしょ」
一方、がっつりサイが置かれていたにもかかわらず、サイを欲しがるのは導師だけ。赤橋陣営と馬場は既にお茶会を始めており関心を持っていない。ひとまず祠にはめにいくことに。

  • 怪生の祠付近
「これが導師としての最後の仕事」と意気込む狩野。祠に到着するが、2人は「毎回封印すると変な男が出てきてお札吸ってパワーアップしている」ということにも気づいていた。これ以上パワーアップされるのもヤバいが、祠の周りにお札もない。サイ2つはめると鈴の音がするが…


と、怪生の祠から大量の白煙が飛び出し、「」のサイが消えてしまった。

鈴鳴はさらに苦しむ中で、久しぶりに仮面の女が登場。だが、第2章で田中を誘惑した女と先ほど狩野を誘惑した2人の3人が集結。
3人は導師2人にお礼を言う。
女「これで怪生の力はさらに強力なものとなりました」
そう。「私」という漢字は「自分自身」という意味を持つ。これで「欲」の怪生・鈴鳴の力がさらに「私利私欲」にまみれた巨大なものとなってしまった。正しいサイならちゃんと怪生は封印できるが、狩野が見つけたサイは女たちが作った偽物のサイ。
女「これであのお方の計画もまた一歩前進しました」
この言葉で間違いなく仮面の女たちとあの男がつながっていることを確信した2人。そんなことより怪生の力が強まっていることを指摘し早く村を見に行った方がいいと促される。
まんまと一杯食わされ騙された事に怒る狩野。
田中「そんなにキレるんだったらしっかり確かめろよ」
狩野「初めてだもん。導師としてサイに触れるのが」
「認めた方が悪い」という狩野と「確かめなかった方が悪い」という田中で掴みあいの喧嘩となり、使い魔2匹も止めるが、ひとまずやるべきことはもう一度サイを見つけて封印すること
田中「これだから見習いはさー」
狩野「誰が見習いだよ。俺はれっきとした導師だ。」

そして渦中の男は計画成功に満足げ。
「導師様…おめでとうございます…そして…ありがとうございます…」

  • 赤橋陣営
村に戻ると先ほど薬を飲んで助けたはずの馬場と塩崎が喧嘩している。怪生の力は強まったせいでどんどんと犠牲者が増えている。と、印出と再会。田中にも紹介する中、印出からは「この状況下にも関わらず村長はまだ強引に福女選びを進めようとしている」と伝えられる。やはり何か企んでいるのだろうか。ひとまず村長の所へ向かおう。

  • 祭り会場
祭り会場は騒然となっていた。「予定通り福女選びは進める」という金剛に対し、村人からは「今は福女選びは延期してこの異常な状況の解決を優先すべき」と反発するが、金剛は「私がやるといったらやるんだ!」と強行開催を決定。「この福女選びを成功させることこそがこの村の災いを治める唯一の手段」と告げる。と、掲げた腕には「欲」の字が…村長がおかしいことは華・礼香も気づいていた。印出は先ほど金剛を尾行した所、村はずれの神社の祠に何かを隠しているのを目撃したらしい。しかし、特殊なカギがかかっており印出には開けられなかった。こうなったら導師の出番。印出は再び調査を続け、福女2人は準備することに。
田中「おまえ解けないだろ、また偽物掴まされて終わりだよ」「おまえ本当手柄という『欲』にまみれてんだろ」
と、結局2人で行くが、狩野は抜け駆け。
田中「お前ふざけんなよ。『欲』って漢字がどっかあるから見せてみろよ」

  • 神社
村長がいたという神社に到着した。祠の扉には「合言葉を唱えよ」という言葉と

ああただま
三五四四五

と書かれている。「各文字を数字の回数だけ言ってみる」と考えるが開かない。周囲を調べても他のヒントはない。手がかりなしでこれを解かなければならない。
狩野・田中「「え~難しいよ~」」
スズキ「初めて息が合いましたね」
と、田中は上の文字が全て行の最初の文字である事に気づき、数字は段数と気づいた。導かれる言葉は「うおてでも」。合言葉らしい言葉ではないが唱えると祠の上にあるキツネの面の片目が光った。しかし、扉は開かない。ということはもう1つ合言葉があるようだ。
逆から読んで「もでておう」と読んでも反応しない。別の考え方が必要そうだ。と、後ろで音がすると昼間田中を占った占い師がお参りしていた。「祠の暗号の解き方を占ってほしい」と頼むも「占いではわからん」と言われてしまった。それでも力を貸して欲しいと頼むと、「村に変な家に住んでいる男がいる」といい、変わってはいるが「ものすごい物知り発明家」らしい。その男なら解決の糸口を知っているかもしれない。その男が住んでいるのは村の坂の上がった奥の奥。一目見ただけで変な家らしい。とにかくそこに向かうことにしよう。

  • 祭り会場
いよいよ福女選びが始まった。怪生に冒された村長の企みは分からないままついに福女を決める投票が始まった。

  • 坂の上
言われた場所に行くと斜めになっている家を発見。その家の中には村に来た時に会った椿崎が。家の物は全て斜めになっている。

第7話(1時間SP)

  • 椿崎の家
斜めに傾いた椿崎の家。歩くことすらままならず苦戦する狩野・田中に対し椿崎は余裕で立っていられる。
椿崎に暗号解読の協力を依頼するが、「心当たりがないわけではない」らしい。しかしやはりタダでは教えてくれない。やはり今回も厄介な謎に挑まされるのか…だが今はこの男に頼るしかない。
軽快な動きを見せる椿崎によって机に布が敷かれた。部屋の中には10枚の動物たちの絵が乗った札がある。全て見つけて布の上に書かれた「好き」「嫌い」で分けてもらう。大事なのは椿崎の好みを見極めて10枚全て仕分けなければならない。
まずは手分けして10枚の札を収集。傾く部屋ではカードを集めるにも一苦労だがなんとか10枚集めた。
札は「蛇」「海豚」「犀」「蛸」「鷲」「鰐」「鯨」「河馬」「烏賊」「烏」の10枚。一体どの動物が好きでどの動物が嫌いなのだろうか?
ノーヒントで挑む1回目は一般的なイメージや「ニュルニュル系が嫌い」と読み
好き 嫌い
河馬
海豚 烏賊
と解答。が。「ちがーう!」と布ごとカードを吹っ飛ばされてしまった。再びカードを集めてやり直し。
やはり一般的な感じではなさそうだ。と、いきなり椿崎がおかしな動きを始めた。椿崎が行う後ろ歩きは昼間出会った時もやっていた。これに狩野が気づいた。もしかしたら「逆さまから読む」ことでは?
「くじら」→「らじく」、「からす」→「すらか」、「かば」→「ばか」、「わに」→「にわ」、「へび」→「びへ」、「いるか」→「かるい」、「さい」→「いさ」、「たこ」→「こた」、「いか」→「かい」、「わし」→「しわ」。
「逆から読んでも通じる言葉になる動物が好き」と考えて並べていく2人。
好き 嫌い
海豚
河馬
海豚

その答えは…正解!狩野の閃きで見事ほぼ理論値、2回目で正解を叩き出した。椿崎は逆さから読んでも意味ができる言葉が好きなのだった。
約束通り祠の暗号について。「うおてでも」とは「特殊な逆さ言葉」「普通に反対に読んでもダメ。音を逆さにしないとダメ。」とのこと。
それができるのが椿崎は発明した機械「あかなとのは」。この箱に言葉を吹き込むとその音を逆さになって聞こえてくるという道具。箱の中にゆっくりと音を伸ばすように入れていく。試しに「入」の方面から狩野が「あかなとのは」で入れてみると、逆の「出」からは「あほのたなか」と聞こえてきた。大ウケする椿崎にツッコむ田中。「AKANATONOHA」の逆は「AHONOTANAKA」となる。ネーミングは椿崎のいたずらだったが試してみる価値はありそうだ。
改めて今度は本番、「うおてでも」を入れてみると「おめでとう」と聞こえた。「UOTEDEMO」を逆から読むと「OMEDETOU」になる。
椿崎「これが本当のあけましておめでとう」
とにもかくにも答えは出た。早く祠へ向かおう。

  • 神社
ようやく神社に戻ってきた。2人で「おめでとう」と発するとキツネの面の両目が光り、扉も開けることが出来た。この中に村長は何を隠していたのか?

祠の中には「遺言書」が。村長は何を企んでいたのか?
遺言書に書かれていたのは

「竜紋菊千代の命により、鉱山の所有権は二百年後の福女に託すものとする」
「また、代々遺言書を管理し続けた村長の家系には鉱山から得た利益の半分を与える物とする」
竜紋菊千代

これは竜紋菊千代の遺言書に違いない。そして今回の福女選びがその200年後なのかもしれない。そして村長の家系に利益の半分が渡るという文言。だからこそ村長はずっと管理し続けた…
と、印出が合流。見事に謎を解いた2人に感心する一方、早くしないと福女選びが終わってしまう。
と、鈴の音が。霧が出始めると奥から鈴鳴が現れた。相変わらず鈴鳴の顔に「かわいい…」と惚れてしまう田中はともかく、鈴鳴は遺言書を見つけ出したことを感謝するが、導師ではない印出には鈴鳴の姿は見えておらず、2人が勝手にしゃべっているように見える。
鈴鳴「どうか私が生まれた話を聞いてください…」

大昔、この村には女の大地主・竜紋菊千代がいた。菊千代は夫に先立たれ息子2人と貧しい暮らしをしていたが、夫が所有していた鉱山から貴重な宝石が取れたおかげで大きな富を手に入れ、しばらくの間幸せに暮らしていた。
そして時は経ち、高齢となった菊千代は鉱山の所有権を2人の息子のどちらかに相続することを決めた。
そのことが知られるようになるとこれまで幸せだった家族の関係は一変。
私利私欲にかられた2人の息子とその親族によって醜い争いが繰り返されるようになってしまった。
そのことにひどく心を痛めた菊千代は鉱山を閉鎖し大きな悲しみに暮れて晩年を過ごした。
その悲しみが菊千代が大事にしていた鈴の髪飾りに乗り移って生まれたのが怪生・鈴鳴…
そして菊千代の死後、この遺言が発見された。
菊千代は欲にまみれた息子たちに所有権が渡るくらいなら未来の福女に権利を託したかったのだろう。
もう2度とあのような醜い争いは起きて欲しくない。
それだけが、菊千代の、そして鈴鳴の願い…

そう告げると再び鈴鳴は姿を消した。

改めて印出に今回の一件の真実を説明。今回の福女選びが決まれば村長にも鉱山の利益の半分が得られる。だからこそ村長も今回の福女選びは絶対やりたがっていた。
しかも遺言書の件の部分は菊千代による「福女に託す」という部分の文言とは筆跡がまるで異なる。もしかしたら村長は遺言書に書き足し、細工をした遺言状を使って鉱山の利益を不当に得ようとしているのかもしれない。
早くこの事実を村人たちに伝えなければ!急いで祭り会場へ向かう。

  • 祭り会場
その頃、祭り会場では福女選びの投票結果が発表されようとしていた。導師2人もなんとか結果発表に間に合った。ひとまず様子を伺うことに。
福女選びの結果は…





白鳥華となった。以後20年間村の発展に尽くしてもらうことになる。
そして村長の口から「今回の福女には特別に鉱山の所有権が与えられる」と権利書が渡された。
もちろんそんなことなど聞いていない赤橋陣営から文句が出るが、村長からは「およそ200年ほど前、この村の大地主が書き残した遺言書に書かれていたこと」「遺言書はしかるべき所に保管してある」と語られる。
と、華の兄・隼人が高笑いするが、華は浮かない顔をする。
隼人は今回「福女になった方には鉱山がもらえる」という事を最初から知っていた。だから華にはどうしても福女になってもらう必要があった。
馬場がまんじゅうで倒れたのをきっかけに「赤橋陣営が毒薬をつくっている噂を聞いた」と「赤橋陣営の陰謀」に持って行ったのも、サボっている狩野に激昂したのも、毒薬騒ぎが収束したのを悔しんだのも全ては鉱山が目的。
隼人は昔、旅に出たことがあり、その時に出会った男から200年前の鉱山の所有権を巡る話を聞いていた。
そして村長は「『鉱山の利益の半分を村長に納めるべし』とも書かれていた」と話し始めた。
紛糾する祭り会場についに導師2人が乗り込み皆に遺言書を見せつけた。「鉱山の所有権は200年後の福女の物とする」は事実だが「利益の半分は村長のもの」は改ざんされていると指摘。村人たちと村長によって喧嘩が勃発するが、華が割り込んで止める。
華は小さい頃から福女選びは「誰もが笑顔になる素晴らしい祭り」と聞かされて育った。そして自分が福女候補に選ばれた事にも誇りをもって生きてきた。それなのに、今日の福女選びで多くの悲しみを知った。村の皆がお互いを傷つけ合い、心がすさんでいくのを何度も目の当たりにした。華が待ち望んでいたのはこんな祭りではない。
「私はこんな鉱山の権利なんていりません。争いの種になるくらいなら私の権限で鉱山は村のみんなの財産とします。」
「私はみんなが幸せに生きられればそれでいいんです」
と鉱山の権利書を破り捨てた。
その言葉にようやく隼人も自らの過ちに気づいた。赤橋陣営の清十朗も熱くなって周りが見えなくなっていたと実感した。大昔の取り決めに囚われることなく、昔のように平和の村に戻すことを誓い、村人達は和解。華と礼香も健闘と決断を称えあった。

と、両陣営を和解に導いたことで2つ目のサイ「口」を手に入れた。
禾和
まさに「平和」「融和」の「和」。欲に溺れず、私利私欲に走らず、皆と共に仲良く進んでいく、「欲」の反対となる象徴の字だ。

しかし、ただ1人、華の決意の言葉の最中にも破れた権利書を繋ぎ合わせようとする村長を除いては…
「鉱山は私の物だ!わしの言う事を聞け!」と暴れ始めた。村人たちの和解は済んだが村長は心を喰われたままだ。早くサイを納めなければ…と言いつつも、礼香・華に感謝の握手とアピール合戦…と、狩野が田中にツッコミを入れたところでいよいよ封印へ。

  • 怪生の祠付近
怪生の祠を前にして鈴の音が聞こえ、再び鈴鳴が現れた。鈴鳴が封印されれば村人たちは欲に囚われることはなくなる。
「あの時もあなたたちみたいな欲に囚われない人がいてくれれば、私は生まれなかったかもしれません。」

改めて「禾」「口」のサイを手に入れ「和」の字を完成。鈴鳴は姿を消した。
これで本当に怪生封印・ゲーム終了。
狩野「これが俺の力だ!」
田中「俺『たち』のだろ!」
狩野・田中「俺たちの力だ!」
これで怪生に心が喰われた村人たちも元に戻り、村長も正気を取り戻し謝罪。村に平和が戻ってきた。

狩野「一つ言うとステージの上であたかも自分が解いたように名探偵気取りでしゃべってたのイラっとしましたけどね」
田中「ふざけんなよ!(狩野へビンタ)あと最後なんで華ちゃんとか礼香とかとしゃべってるときにほっぺたはたくのやめろよお前」
狩野「あそこは俺で成立してたから!」


狩野・田中「あれ?」

と、最後まで仲が良いのか悪いのか分からないデコボココンビの冒険は幕を閉じた…





あれ?何か忘れてない…?

  • 焼肉屋さちこ前
恒例の使い魔高い高いをしながら喜んで帰る2人の前に第1章で登場した四ツ田あかねが現れる。

「遅かったみたいね…」

  • 怪生の祠付近
怪生が封印された祠に忍び寄る3人の女。あの「怪生札」の事は知っていた2人だが、実は今回は祠の屋根板の裏に隠されていたのだった。
「これで最後の札が手に入ったわ」「早くあの方のところへ届けましょう」

あかね「あなたたち、もう少しできると思ってたけど、私の見当違いだったみたいね。」

あかね「あのね、とうとうあいつが完全体になってしまうの。」

そう。途中までは意識していたが、福女と遺言書騒動で頭からすっぽり抜けていたあの男・ゴッドのこと。
あかねの調査では導師たちが怪生を封印する陰でゴッドが「怪生札」と呼ばれる札に怪生のエネルギーを吸収してそれを体内に摂りこんでいた。
そして今回、鈴鳴を封印した事でゴッドが完全体へと進化する準備が整ってしまった。

「このままだと大変な事になるよ。あなたたちも覚悟しておいた方がいいわ。」

と、いきなりスズキの声がおかしくなり男の声に変わる。

「聞こえますか?田中さん、狩野さん、私です。ゴッドです。」

「どうしても一言お礼が言いたかった。そこでスズキさんというかこの『通信機』をジャックさせて頂きました。」

「傘娘、岩ノ女、鈴鳴。どれも見事な封印でした。さすが本物の導師様だ。素晴らしい。」

「あなた方本物の導師様のお陰で私は晴れて完全体となれそうです。本当にありがとうございました。いつの日かお会いして直接お礼を言わせてください。では、その日までお元気で。」

と、スズキの意識が戻った。

あかね「もう始まってしまったみたいね…」

「ようやく私が本当のゴッドになれるのですね…」
「欲」の怪生札を手に入れ力を吸収したゴッドの顔には蛇の鱗のような文様が浮かび、そして蛹化する…






一方、福女選びが終わった村。ポスターをはがす礼香の元に1人の男が。
???「あの…もし…」
礼香「どちら様ですか?」
「拙者、流浪の侍、泉川と申す。しばしこの村に置いてもらえないだろうか…」






全てはここから始まった。
ある日、どこからともなく現れて怪生を次々と封印した3人の導師様。
しかし、その全てはゴッドの恐ろしい計画の一部だった。
ゴッドが完全体となるのは、明日か、それとも1万年後か…
それは誰にも分からない。
が、例えその日がやってきても、また新たな導師様が慧・忍・懇の力で立ち向かってくれるだろう。
私がこの村を取材して知りえた怪生と導師のお話はこれが全て。
それでは枯れた草木が土になるように、私も帰るべきところに帰りましょうかね…
最終更新:2025年09月18日 23:59