のんびり農家の異世界

【名前】 のんびり農家の異世界
【読み方】 のんびりのうかのいせかい

【詳細】

街尾火楽が転移することになった地球とは異なる異世界。
舞台となる惑星は球体。太陽があり、月は二つある。春夏秋冬の季節がある。
星の名前や世界の名前が不明なため本項目では便宜上、「のんびり農家の異世界」ということで情報を記載する。

元々この世界には地球と同じく人間種しか存在してなかった。
しかし大昔に魔神の部下であった男性神と女性神がミスをし魔力を世界に漏らしてしまい、既存の生物が魔力に適応して進化した亜人魔獣が誕生。
これによって世界のバランスが崩れ、そのときは魔神がどうにかして収めたが、再び男性神と女性神が魔力を漏らしてしまったことで魔神自らこの地に降り立ち、混乱を鎮めた。

しかし神が直接世界に干渉したため、ルールに抵触した魔神を創造神は地中奥底に封印してしまう。
本人としては(自分の)配下のミスであり、それを収めるためにそれを恨んだ魔神は報復のため様々な策略をめぐらせるのだが…その結末はここで書くことではないだろう。

神々の間では重要な世界のようで、他の世界の何倍もの神々が投入されているという。
上記の洛神の件も、創造神を始めとする神々によって世界中の魔力を一気に集め回収するために様々な手段が講じられていた。

なお文化的にあまり発展していない世界(なろう系ではよくあることと言ってはいけない)だが、これは竜族がその発展を管理しているためだという。
既存のレベルを大きく上回る発明は竜族の許可を得た上で使わなければならない模様。空を飛ぶ万能船などその最たるものだろう。
実のところ入浴等の習慣すら最初は存在しなかったが、長命の者によれば大昔には存在していたらしく、何らかの理由から文化レベルが大幅に落ち込んでいることが示唆されている。

以下、文化形態などをまとめたもの。

食文化

たいてい煮る、焼くという程度の調理しかない。
「食を楽しむ」者は一部(主に上流階級)しかおらず、大半の者にとっては生きるためのエネルギーの補充でしかない。
調味料の概念も薄い。

この異世界の国々では「それぞれの種族にとっての主食のみを栽培」という偏った農業推奨を行っている。
その影響で疫病の直撃を受けやすく飢饉も頻繁に起こっており、食材の種類も少なく一般市民の食生活は大体貧相。
何日か前に焼いたパンや、そこらへんの雑草を煮込んだ汁物等がザラ。
火楽が作る地球の料理などが驚かれたりするのはこれが原因であり、大樹の村で生産される食物が高値で取引されるのもそういった事情から。

流石に金持ちとか貴族になれば多少余裕が出るようだが、美食家を名乗るシャイフルの美食レベルを読む限りそれでも地球に比べると数段劣るもののようだ。
嗜好品になりうる酒ですら「日持ちする飲料水」の扱いのため、味が悪く、水と混ぜて量をかさ増しするのが平然と行われている。
作れる場所で大量生産が行われ、どこで飲んでも味が一緒のため、多少アルコールの入ってる飲水程度の認識なのだろう。
日常生活のサポートにおいては右に出る者のいない鬼人族メイド達の唯一の弱点が料理であったことを見ると、食文化の低迷は世界的なものであることが伺える。

金持ちであれば独自に果物を育て上質なワインなどを作っているようだが、それらは自分たちで飲んでしまうため市場に出回らない。
冒険者なども、大量の塩をまぶした肉を焦げるまで焼いて、焦げた部分を削いで可食可能な部分だけを食べるという方法しか広まっていなかった。
冒険者が美食家とかいう某グルメ漫画ではないが、そういった環境故か、ファンタジー小説等ではおなじみの「冒険者」や「ギルド」と言った組織の影が薄い。
冒険者ギルドの所属をめぐり、ガルフの周りで揉め事が起きたり、ビッグルーフ・シャシャートで莫大な利益をあげるカレー屋マルーラがギルドに収めるお金の揉め事で登場したくらいか。

食事回数は朝夕の二食、もしくは夕食一食といった者が多く、昼食の概念はなかった。
火楽によって大樹の村においては朝昼夕の三食(+3時のおやつ)が浸透、ビーゼルドライム達へも影響を与えている。

なろう版第586回目「料理人」では、料理人達のしがらみに加え、「焼く」以外の調理法、「蒸す」や「煮る」、「揚げる」といった調理法は地球でこそ基本ではあるが、あちらの世界ではそれぞれの店の秘伝レベルであったというから、全体的な調理レベルを察することが出来るだろう。
美味いものを食べてお腹が膨れれば争いは沈静化していくという言葉もある通り、様々な調理法が広く知られていくことを願いたいものである。争いの種はだいたいが魔神関連で摘み取られたとは言え、ゴールゼン王国のような前例も居ることだし。もういないけど。

ちなみにコミック版3巻の書下ろし小説でグッチが語ったところによると、千年前は面白みに欠けてはいたが世の中は美食があふれていたという(また当時は風呂の存在もあったらしい)。現在までの間に世界の文化を後退させるような何かがあった様子。
魔力が満ちたことで暴走したというドラゴンや魔獣等と関わりが…?

食文化(家畜)

この異世界にも普通に牛、馬、ヤギ、豚といった家畜が存在し、食肉用や乳をしぼって飲むなど酪農も行われている。
だが地球に生息している家畜と違ってそれほど乳を出したり、卵を生んだりはしないようだ。
品種改良などの概念もないと思われる。

ちなみに彼ら、人間レベルで頭が良い。豚に至っては生き残るために自分たちが出来ることを飼い主達にプレゼンするレベル。
そのため感情表現も豊かで、感情移入してしまうと食べれなくなることも。
ただ、そういった高い知能を持つ存在は大樹の村に親しい場所に限られるようだ。理由は不明。

食文化(魚介系、海産物)

海や川があるため、それらに住む魚等の魚介類も存在する。
ただそれについての知識が圧倒的に不足しているため、毒があったりどうやって食べるのかわからない。日本人って凄い。
そもそも未知すぎて恐怖心を抱いてしまうなど、一般市民はあまり食べないようだ。
一部の海に住む種族なら食べるようだが、漁師でさえ刺し身などに躊躇していることを考えると相当なものだろう。
しかも人魚等でさえサザエなどは「グロい」として手を付けない有様。
そうなってくると人魚等の海に住む種族は魚をメインに食べていることになる。

なお昆布は海に生える雑草扱いのため、漁師の中での評価は極めて低かった。
恐らく他の海藻に関しても同じく雑草の扱いで食べたりはされていないと思われる。
地球における伊勢海老、鮭、うなぎ、サンマに当たる魚はいるが、どれも基本的に大きい。が味は変わらないようで、調理方法も同様。
うなぎに関してはうまく調理しないとその血が毒になるため好まれていなかった。現在鰻の蒲焼を開発中。

食文化(調理器具・食器)

鍋やフライパン(鉄製)、皿やコップ等の器(陶磁器や木製等)は普通に存在し、ナイフ&フォーク、スプーン(銀製等)を使っている。他項目同様に中世ヨーロッパ同等。
箸は火楽が使うため大樹の村住人や訪問者に浸透。その訪問者および村外に出た者によって世界に広まりつつある。
個人専用の食器を入手したがる描写が幾度か見受けられる。

文学、言語

文字文化というかそれ以前に、基本的に文字が読めないという一般市民が極めて多い。

少し上の生活をしている人間でさえ帳簿をつけたりしないらしく、金の管理はかなりおざなりになっている。
絵本などは存在するようだが、もともと良いところのお嬢様である文官娘衆が絵本について言及しているだけなので、
あまり一般に出回ったりしていないと見える。
一般市民が文字が読めないため看板の意味もなく、そういった概念も薄く、絵を書く絵かきが職業として成り立たず、貴族のお抱えになって食っていけるレベルなので詩人や文学家等はことさら生活が難しいだろう。

なお言語に関しては種族ごとに使っている言葉が違う。
作中では我々読者が読みやすいように日本語で統一して描かれているが、実際は使っている種族ごとに喋っている言語が異なっているらしい。
そのため新しい種族が村に移住するたびに、住民たちはその言語を学んでいるとのこと。
唯一の例外は村長で、彼は創造神に与えられた初心者パックで文字や言葉に関しては苦労していないが、
周りからは普通に異なる言語を複数操っているように見えるらしく、獣人族の少年たちは尊敬しているという。
少なくともエルフドワーフリザードマン天使族、獣人族、吸血鬼…たまに来るメンツとしてラミア族巨人族悪魔族。バイリンガルとかトライリンガルってレベルではない。
ただし吸血鬼(ルー)天使(ティア)ハイエルフ(リア)エルダードワーフ(ドノバン)のように初登場から火楽を通さず会話が成立しているシーンもあり、一部種族間で共通する言語を使用している可能性もある。
(例に挙げた4名は何れも長命の種なので既に相手の言語を覚えていただけかもしれないのであくまで可能性の話である。)

作物の名称については基本的に地球と全く同じ作物がほとんど存在しない。
ブドウやリンゴもドノバンドライムをして初耳の様子であり、それぞれの近縁種としてアッポ、グレプといった具合に英名をちょっと捻ったような名前が出ている。
一方でシャイフルの反応からするに胡椒は地球のそれと同じ作物の様子で、こちらでも胡椒呼びの様子。

天体力学

自転と公転については知られてすらいない。
また、竜族であるハクレンは自身の経験上から大地が球状であることを知っているが、一般市民はゆるやかな半球形であると認識している。
転移門の起動条件などに自転や公転の概念が使われているらしいので、この異世界においても惑星は自転し、恒星の周りを公転していると思われる。
転移門が普通に作られていた大昔であれば、そういった知識も周知のものだった可能性がある。
火楽以外の転移者、転生者の類に関しての情報が一切ないため、恐らく彼以外の地球出身者は存在しない可能性が高い。
地球からの知識の輸入という線は薄い、かも。

政治制度

(少なくとも現在登場している)ほとんどの国家は国王を元首とした君主制と貴族制を採用している。
少なからず12以上の国が存在。人間の国で亜人種の扱いがよろしくない国もある。
ガルガルド魔王国においては、木材管理組合、木工職人組合、魔法使い協会、などがある。
金貨や銀貨、銅貨等は存在するが行き届いてはおらず、物々交換を主としている村が見受けられる。また通貨名称並びに世界共通なのか自国独自のものがあるのかは不明。
(キアービットの発言で「この辺りならガルガルド金貨で~」というものがある)

政治とは少し離れるが、勝敗を決める一つの手段として「三竦み」の文化がある(ようするにジャンケン)。
ただし種族毎に手の形や出し方、掛け声に違いがあるため、大樹の村においては火楽の知るジャンケンで統一されている。

長さ、体積、重さ等の統一規格は無く、「大きい」「小さい」といった具合に大雑把である。
※75話にて火楽が村内用に独自統一規格を設けたのだが、53話時点でリアが魔獣のサイズをメートルで発言している(初心者パックの変換か?)。

宗教

コーリン教が最大組織。
ただし、コーリン教は宗教の在り方を管理する組織であり、自分と他者の信仰を大事にするという理念にさえ賛同していれば名乗れる。
そのため、実質的に信仰の自由が認められている状態だと思われる。

「神様の声を聞く」聖女と呼ばれる女性が宗教的に大きな意味を持つようで、様々な宗教勢力が聖女を取り合っていた話がある。
セレス以外の聖女もいるようだが、当の神様本人曰く私利私欲に走る偽物が多いらしい。農業神「絶許」。

衣・住


大抵の者が中世ヨーロッパ風の服装。大樹の村においては大半の村民がザブトンが作製した衣服を着用。
ヨウコ等極稀に和装っぽい者もいる。
デーモンスパイダーの糸で織られた布が超高値で取引されている以外、布素材や原料に関しての言及はないのだが、
ひと目で見てデーモンスパイダーの糸製の布だと見抜けるレベルで知名度があるのなら、もしかすると一部のデーモンスパイダーは糸を布で提供しているのだろうか…?
ちなみに、コミック版ではランニング時に上下ジャージ姿の描写がある。


城などは石造り。衣と同じく中世ヨーロッパ風。
一般的な住居は木造りが多いもよう。大樹の村においては死の森の木を使っているため、価値があるらしい。
洞窟内を居とする者もいるが、それは死の森の中で生活する以上、そこに生えた木材を加工するだけでも骨が折れるためだろう。
実際、ラミア族、巨人族は死の森で暮らす人語を解する種族だが、両名とも住処は洞窟である。しかも両方大樹の村の関係者の手で侵…ゲフンゲフン

種族

上の方でも書いたようにあちらの世界は基本的に人間種しか存在しない世界だったものの、神々によって魔力漏出が起こってしまったことで既存生物が魔力に適応した新種が発生。
これが亜人、魔族と呼ばれる者たちである。

魔力に適応した存在と、そうでない人間においては能力的にかなり厳しい格差があり、農業神がそれを哀れに思い勇者が生まれるよう手を出したほど。
魔力は世界を作った要素の余剰とも言われており、内包する魔力が多いほど肉体は若い状態で固定され寿命も飛躍的に伸びる。
この作品では主に登場するキャラクターは魔族なので既に長生きなキャラも少なくない。というか実年齢がほぼすべてのキャラクターで不明である。

人間種以外では吸血鬼、天使、悪魔、ドワーフ、エルフ、精霊的な種、リザードマン、ラミア、巨人等、ファンタジーには欠かせない種族が揃っているが、ゴーレムを操る天使、研究者気質な吸血鬼、大工するエルフ等ひと味違う味付けをされている種族が多い。